蓬莱の島通信ブログ別館

「すでに起こったことは、明らかに可能なことがらである」
在台日本語教師の東アジア時事論評あるいはカサンドラの眼差し

STAP細胞理論が実証されたら・・・(1):文明への「日本国」の罪は永久に消えない

2016年05月26日 | 20110311東北関東大震災と政治
(写真:火焙りにされるジョルダーノ・ブルーノ(写真は、In Deep (旧)さんから)/2014年15年、日本市民が犯した罪はこれと同じである)
1.動き始めたSTAP細胞理論の実証実験
 2014年から2015年は、日本の思想史上、最悪の言論弾圧事件「STAP細胞」言論弾圧事件が起こった悪夢の年として、日本社会が続く限り永遠の文明国の恥辱として歴史に刻まれ続けるにちがいない。
 今年、支援者、支持者の協力で自らの社会的生命の名誉回復を目指している小保方晴子氏が手記を発表し、また、自らの実験成果をネットで公開したことで、小保方氏の思想を支持する欧米の科学者が、類似の実験で成果を発表し始めている。
 幸い、日本もまともなメディア人が少数ながら存在し、小保方氏の名誉回復に向けて、記事を発表してくれている。社会の大勢に関係なく自身の見出した事実に従って報道する責任を負うメディア人が、腐敗し、停滞しきった「日本国」にもまだ生き残っていたことは微かな希望である。
 まずは、記事を全文、転載させていただき、今回の問題に対して、日本市民が「正気(せいき)」を取り戻し、祖国の危機に目をひらいていただきたいと願う。これは日本の文化力の底力を示す、暗闇の中の一筋の光明である。

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2016.03.19
ジャーナリズム ジャーナリズム
STAP現象、米国研究者Gが発表…小保方晴子氏の研究が正しかったことが証明
文=上田眞実/ジャーナリスト
 小保方晴子氏が発見した「STAP現象」が、アメリカの研究者グループによって報告されていた。2015年11月27日に英国科学雑誌「ネイチャー」姉妹版のオープンアクセスジャーナル「ネイチャー・サイエンティフック・リポーツ」に掲載された。
 それは、米テキサス大学医学部ヒューストン校のキンガ・ヴォイニッツ博士らが、負傷したマウスの骨格筋から幹細胞になる新規の細胞集団を発見したと論文で発表したものだ。題名は『損傷誘導性の筋肉由来幹様細胞』で英文の頭文字「injury induced muscle-derived stem cell-like cells」からiMuSCsと名付けられ、それを証明したものはヴォイニッツ論文と呼ばれている。キンガ博士は同論文の要旨をこうまとめている。
「我々は最近、損傷を受けたマウスの骨格筋のなかに、新しい幹細胞の集団を発見しました。このiMuSCsは、分化した筋原性細胞が部分的に初期化されたものであり、多能性によく似た状態を示しました。」
 同論文では、マウスの骨格筋肉の細胞が怪我の外的刺激によって初期化の変化が見られ、それを単離して培養したところ、細胞が多能性を示し、幹細胞状態(ES細胞様)になった成果を報告している。iMuSCsでのキメラマウス実験では、皮膚、筋肉、心臓、肺、腎臓、脾臓、および脳などの組織をつくったことが証明された。しかし、生殖機能の臓器をつくる能力はまだ証明できておらず、今後の研究の発展が期待される。
 同論文には、小保方氏がストレス刺激で細胞の初期化を報告した「STAP細胞論文」の実験結果とよく似た部分があり、いくつかの共通点が確認できる。それは、「外的刺激で体細胞が初期化し、分化が可能な多能性を示した」という部分だ。つまり、STAP現象が確認されたということになる。
STAP現象とは
 では、そもそも STAP現象とはなんだろうか。
 それは14年1月30日に「マイナビニュース」に掲載された記事『理研など、動物の体細胞を万能細胞(多能性細胞)へと初期化する新手法を開発』に詳しく書かれている。概略すると、同記事では細胞外刺激による体細胞からの多能性細胞への初期化現象をSTAP現象、それから作製された新たな細胞をSTAP細胞と呼ぶ、としている。
 つまり、キンガ博士は損傷したマウスの骨格筋からSTAP現象を確認し、それを取り出して培養し、多能性を持たせた細胞をiMuSCsと名付けたのだ。発見と作製方法は違っていても、理研が定義したSTAP現象と同じ原理だといえよう。
それまで生物学では、体細胞は一旦分化したらその記憶を消して元に戻る事(初期化)はないとされていたため、小保方氏の発見と方法は驚きを以て迎え入れられた。これは、多くの人が記憶していることだろう。そして、もしもSTAP細胞論文が取り下げられていなければ、体細胞のなかに多能性が存在することを外部刺激によって最初に証明していたのは、小保方氏になるはずだった。
 キンガ博士は同論文のなかで、次のように宣言している。
「成体組織における多能性細胞様細胞の存在は、長年、論争の種となっていました。多能性幹細胞が、分化した体細胞組織から生じ得ることはまだ、これまで証明できていませんでした【編注:その一例として小保方氏の米国留学時代の論文が紹介されている】。しかし、本研究では、骨格筋が負傷したような強い刺激によって細胞の再プログラミングが開始され、多能性細胞様細胞を得ることを明らかにしました」
笹井氏の驚き
 理研が14年1月29日に発表したSTAP細胞論文に関する報道資料「体細胞の分化状態の記憶を消去し初期化する原理を発見」で、ヴォイニッツ論文との類似点が確認できる。
 STAP細胞論文では代表的なストレスを与える方法として、
(1)「細胞に強いせん断力を加える物理的な刺激(細いガラス管の中に細胞を多数回通すなど)」
(2)「細胞膜に穴をあけるストレプトリシンOという細胞毒素で処理する化学的な刺激」
 などが報告されており、キンガ博士はiMuSCsで(1)の方法を証明したことになる。
 また、小保方氏はSTAP細胞がリンパ球以外の細胞からもつくれるか実験しており、マウスの脳、皮膚、骨格筋、脂肪組織、骨髄、肺、肝臓、心筋などでの細胞でもSTAP細胞が産生されることを論文で報告している。これも骨格筋の損傷から確認されたiMuSCsと同じである。
 小保方氏の論文共著者で理化学研究所の発生・再生科学総合研究センター(旧理研CDB)の副センター長だった故・笹井芳樹博士は、イギリスの科学雑誌「ネイチャー」の特集『外部刺激でも簡単に幹細胞化できる!』で「素晴らしい成果です。私自身、外部からのストレスが細胞にこのような効果をもたらすとは思ってもみませんでした」と語っている。この驚きは正しかった。ノーベル賞級の、研究者にも思いもよらない未知の細胞生態を小保方氏は発見していたのだ。ちなみに、理研CDBはSTAP細胞問題で解体され、14年11月21日に細胞システム研究センター(CDB)として再編された。
STAP現象とされる細胞の初期化は実在した
 15年1月25日、ベストセラー『バカの壁』(新潮社)で有名な東京大学の名誉教授で解剖学者の養老孟司氏は、毎日新聞にSTAP細胞問題を扱った『捏造の科学者』(文藝春秋/須田桃子)の書評を寄稿している。そしてSTAP現象をこのように否定した。
「いわば哲学的にいうなら、生物は元来歴史的存在であり、『記憶の消去』はできない。記憶を完全に消去したら細胞自体が消える。いいたいことはわかるが、これは実験家の夢である。初期化とはまさに工学の発想であり、生物学ではない」
 しかし、キンガ博士の論文により、物理的圧迫で細胞が初期化し、多能性を持つとする現象が証明された。細胞が初期化し分化した記憶が消え、身体のさまざまな器官に変化する事が証明されたのだ。「細胞はいったん分化したら未分化の状態に戻ることはなく、細胞は分化が進んでいくだけ」「体細胞が未分化細胞になり、幹細胞状態として身体組織をつくれるようになるということはない」とするSTAP現象否定派は、この実験結果をどのようにとらえるのだろうか。
 キンガ博士らはiMuSC研究の先行例として、小保方氏の米ハーバード大学留学時代にバカンティ教授の元での「胞子様細胞 (spore-like cells) 」研究をまとめた「スフィア細胞論文」を紹介している。この論文はアメリカの再生医療専門誌「Tissue Engineering Part A」に掲載された。「スフィア細胞」は生物には休眠状態の小さなサイズの細胞が眠っており、病気や怪我の時に多能性細胞となり修復機能をもたらす、とする研究だ。
 小保方氏はこの論文を元に博士論文を書き早稲田大学に提出し、11年3月に学位を授与されたが、誤って草稿論文を提出してしまい、「不正に学位の授与を受けた」として学位を剥奪される事態となった。早大は15年11月2日に学位取り扱いについての記者会見を開き、小保方氏の学位取り消しを正式に公表した。これにより、小保方氏は最終学歴が早大卒、早大大学院後期退学扱いとなった。
 学位授与当時の小保方氏の研究は「身体のなかにもともと存在する万能細胞を発見すること」だったが、STAP細胞実験は「刺激を与えて万能細胞をつくり出すこと」にチャレンジしたものだ。
フロンティア精神を萎縮させる「研究不正認定」
 小保方氏は理研から研究不正の認定を受けた。それは実験部分ではなく、論文構成上のミスである。データの切り貼りなどは論文に付記されるデータ画像を見やすくするためのもので、実験結果のねつ造ではなかった。画像の不正引用とされるものは本人の学位論文からの引用で、他人のデータを論文に持ち込んだのではない。早大の学位論文は「コピペ、盗用を多用」と報道されたが、それは誤って提出した論文の下書き、草稿のことであり、本稿への評価ではなかった。早大は草稿の評価を「調査報告書」で公開したのだ。
 STAP細胞問題は、どこかで、小保方さんの論文構成上のミスを「実験ねつ造」や「研究不正の常習犯」として論点のすり替えが行われたような気がしてならない。大切なのは発見であり、その可能性へのチャレンジだ。メディアを含めた世間は、細かな書類上のミスにこだわり、発見や可能性への出発点を握り潰していたのではないだろうか。
 iMuSCs発見により、「体細胞の刺激による初期化」への小保方氏のチャレンジは正しかったことが証明された。この研究の進歩より、万能細胞で再生医療の新たな領域が開かれるかもしれない。いつでも再生医療が受けられるように、自分の細胞を特殊なカプセルに入れて持ち歩く時代が来るかもしれないのだ。
 現代では当たり前になっている「血液型」は、1900年にオーストリアのウィーン大学の病理学者カール・ラントシュタイナー博士によって発見された。博士が発見したのは今日で言うABO型までだったが、その発見より前に「血液には4種類のタイプがあり、輸血で混ぜると最悪の場合は死んでしまう」と言っても誰も信じてくれなかっただろう。今回のキンガ博士の報告を受けて、我々はもう一度、このSTAP細胞問題を立ち止まって考えることが必要なのではないだろうか。
(文=上田眞実/ジャーナリスト)
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2016.05.14
STAP現象の確認に成功、独有力大学が…責任逃れした理研と早稲田大学の責任、問われる
文=大宅健一郎/ジャーナリスト
 今年3月10日、ドイツの名門大学、ハイデルベルク大学の研究グループがSTAP関連の論文を発表した。論文タイトルは『Modified STAP conditions facilitate bivalent fate decision between pluripotency and apoptosis in Jurkat T-lymphocytes(邦訳:修正STAP条件によって、JurkatT細胞の運命が多能性と細胞死の間で二極分化する)』である。
 海外の一流大学が、いわゆる「STAP現象」の再現実験を行ったということで話題となっている。以下に同論文の概要を紹介する。
<(1)序論:STAP論文は撤回されたが、低pHの刺激による万能性獲得の可能性は、がん、または、がん幹細胞の分野においては魅力的な課題である。
(2)実験:そこで、理化学研究所と米ハーバード大学から発表されたプロトコルを改変して、セルライン化されたT細胞に刺激を与える実験を行った。
(3)結果:当グループが見つけたpH3.3の条件では、酸処理後、多能性マーカーの一種であるAP染色陽性細胞の割合が増加した。AP陽性の多能性細胞は酸処理ストレス下を生き延びて優位に増加。
(4)考察:小保方晴子氏【編注:一連のSTAP細胞論文問題をめぐり2014年12月に理研を退職】が英科学誌「ネイチャー」で発表したプロトコルでは成功しなかった。それは、使用している緩衝液の緩衝能が適していないことが理由として考えられたので、それも変更した。
 一番の発見は、このような瀕死のストレス条件では、Acute T-cell leukemia(ヒト急性T細胞白血病)の細胞株である JurkatT細胞が、万能性を獲得するか、もしくは死ぬかの間で揺らいでいることである。何がそれを左右するのかを探るのが今後の課題だ>
 わかりやすく解説すると、以下のようになる。
<小保方氏が発見したSTAP現象を、がん細胞の一種であるJurkatT細胞を用いて再現実験を試みた。同細胞に対しては、小保方氏がネイチャーで発表した細胞に酸性ストレスをかける方法ではうまくいかなかったため、独自に修正した酸性ストレスをかける方法を試してみたところ、細胞が多能性(体のどんな細胞になれる能力)を示す反応を確認した。それと同時に細胞が死んでしまう現象も確認されたので、何が細胞の運命を分けているのかを探っていきたい>
がん細胞の分野で研究の価値大
 今回の論文で多能性を確認したAP染色陽性細胞は、小保方氏らのSTAP論文でも発現が確認されている多能性マーカーのひとつである。細胞が酸性ストレスによって多能性を示すという反応は、まさに小保方氏が発見したSTAP現象そのものだ。
世界的に活躍する国際ジャーナリストで、自身もニューヨーク医科大学で基礎医学を学び医療問題に関するリポートも多い大野和基氏は、同論文を次のように評価している。
「STAP現象の論文は撤回されたが、少なくともがん細胞の分野ではまだまだ研究の価値がある、ということだ。細胞の多能性に対する酸性 pH の効果は、がん生物学(がん幹細胞も含む)の分野では、注目されるトピックであり、STAP細胞が、がん細胞ではできた可能性があることを、このハイデルベルク大学の論文は示している。
 また、この研究者らの実験では、小保方氏が確認した多能性を示すOCT4の発現を変えることができなかったようだが、異なる結果として、De Los Angelesほかが、STAPプロトコルのような、強いストレスでOCT4の発現が増加した例を紹介している。
 ともあれ、『ネイチャー』のSTAP論文撤回後、海外の大学、しかもハイデルベルク大学においてSTAP現象を確認する実験が行われたことは注目すべきことである」
 がん細胞の一種であるJurkatT細胞に対して、小保方氏が行った方法ではうまくいかなかった理由について、ある生物学の専門家は次のように分かりやすく説明してくれた。
「細胞の種類によってストレス反応に違いがあることも一因と考えられます。小保方氏はがん細胞以外の細胞を使っていたため、ストレスをかけるpHの違いが出ても不思議ではありません。
 また、培養系の実験では、緩衝材の違いはもちろん、試薬のロット(製造日)差によっても結果が違ってくるというのは周知の事実ですし、シャーレのメーカーによっても結果に違いが出ることがあるほどです。それほど微妙な調整が必要な世界であり、プロトコル(手順)通りにやっても同じ結果が得られないことは普通です。
 ハイデルベルク大学の研究グループは試行錯誤の結果、独自にSTAP現象を確認する方法を見いだされたのではないでしょうか」
 日本国内では、マスコミによる異常な偏向報道によって、完全に葬り去られたように印象づけられたSTAP現象だが、そのような先入観もない海外の大学によって再現実験が試みられた事実は大きい。
日本の専門家たちの間違い
 一部の専門家は、小保方氏がSTAP細胞のレシピ(詳細な作製手順)を公表するサイト「STAP HOPE PAGE」を開設した際にも、「STAPを今さら研究する研究者は世界にどこにもいない」と批判していたが、それが完全な間違いであったことが証明された。
ネイチャーのSTAP論文が撤回された理由は、小保方氏が発見した「STAP現象」の否定ではなかったことは前回記事で述べた通りである。
 小保方氏の人権を蹂躙するかのようなマスコミがつくり上げた世論に同調し、常識を逸脱した禁じ手まで使って論文をなきものとして責任逃れをした理研や早稲田大学と比べ、真摯に生物学的現象を追究するハイデルベルク大学のニュートラルな姿勢は、科学に向き合う本来のあり方を教えてくれる。
 ハイデルベルク大学が発表した今回の論文によって、STAP現象に対する世界的な関心が再び高まっていくかもしれない。
(文=大宅健一郎/ジャーナリスト)
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2016.05.20
STAP問題、小保方氏犯人説を否定する検察判断…嘘広めたNHKと告発者の責任問われる
文=大宅健一郎/ジャーナリスト
STAP細胞をめぐる問題で、理化学研究所の研究室から何者かがES細胞を盗んだ疑いがあるとして2015年5月14日、元理研研究者である石川智久氏が刑事告発していた。しかし、1年あまりの捜査の結果、今月18日、神戸地方検察庁は「窃盗事件の発生自体が疑わしく、犯罪の嫌疑が不十分だ」として不起訴にした。

 地方検察庁が「窃盗事件の発生自体が疑わしい」という声明を出すのは異例だが、この騒動は一体なんだったのだろうか。
 告発者の石川氏は、当時メディアに対して次のように発言していた。
「私の調査から、小保方晴子氏が若山照彦教授の研究室(以下、若山研)からES細胞を盗み出したと確信した。(告発しなければ)さもないと日本の科学の信頼は地に落ちたままである」
 さらに石川氏は、独自に入手したという小保方氏の研究室(以下、小保方研)のフリーザーに残されていたサンプルボックス(細胞サンプルが入った容器)の写真をマスコミに提供し、そこにあるES細胞が動かぬ証拠だと主張していた。しかし、その後ジャーナリスト上田眞実氏の調査により、このサンプルボックスは若山研が理研から引っ越す際にそのまま残していった、いわゆるジャンク細胞(使い道のない細胞)であったことがわかった。
 理研では細胞などの試料を外部へ移動させる際には、MTA(試料提供契約)を必ず提出しなければならないことになっている。だが、上田氏の取材で、証拠として示したサンプルボックスに関しては、若山研からMTAが出されていなかったことが明らかになった。さらに、理研に対し若山研から盗難届も出されていなかったことも判明した。
 理研関係者に取材したところ、若山研に限らず、研究室が引っ越しする際に使わない試料をそのまま置いていくことが多かったという。残されたジャンク細胞の処分問題に理研も苦慮していた。小保方研にあったサンプルボックスも、そのひとつだったのだ。
 このサンプルボックスは若山研が13年に理研から山梨大学へ引っ越す際に残したものだが、その時点ではSTAP細胞の主要な実験は終わっており、英科学誌「ネイチャー」向けの論文作成が佳境に入っている時期だった。
 石川氏の主張が正しいなら、小保方氏は実験終了後にES細胞を盗み、過去にタイムトラベルをしてES細胞を混入させたSTAP細胞を若山氏に渡したことになる。このような非現実的な主張を、当時のマスコミは裏も取らずに大々的に取り上げ、小保方氏をES細胞窃盗犯のように報道していた。
つくられた小保方氏犯人説
 さらにこの告発には伏線があった。14年7月27日に放送されたテレビ番組、『NHKスペシャル 調査報告 STAP細胞 不正の深層』である。同番組内では、若山研にいた留学生と名乗る人物(後に、Chong Li博士と判明)が登場し、小保方氏の研究室にあったサンプルボックスについて次のように証言していた。
「びっくりしました。保存しているのは全部ES細胞ですので、なぜかSTAP細胞に関係があるところに見つかったのは本当にびっくりしましたね。(小保方氏に)それを直接私が渡したことはないです」(Li博士)
 この発言を受けて、番組では次のようなナレーションを流していた。
「なぜこのES細胞が小保方氏の研究室が使う冷凍庫から見つかったのか、私たちは小保方氏にこうした疑問に答えてほしいと考えている」
 Li博士に対しては石川氏も取材したといい、Li博士は「(若山研では、続きの実験が計画されていたので、実験を)山梨大で続けるつもりだったが、ES細胞を紛失したことで、それを断念した」と語ったと証言している(「フライデー」<講談社/15年2月6日号>より)。
 そもそもLi博士のES細胞は、STAP研究とはまったく関係のない種類のES細胞であることは、石川氏の告発状が出される時点で判明していた。それにもかかわらず、『NHKスペシャル』と同様に石川氏は、あたかもLi博士のES細胞がSTAP研究に混入されたとされるES細胞と同一であるかのような告発状を作成し、マスコミに配布していた。石川氏の告発内容がのちに虚偽であったことが判明したが、マスコミはその告発状の論旨をベースに国民をミスリードさせていった。
 また、若山研ではES細胞を紛失したため実験が続けられなくなったと報道されたにもかかわらず、若山研から理研に対し紛失届が出されていない。本当に必要なサンプルだったのならば、実験を断念せず、理研に紛失届を出すのが自然だろう。それを出さずにマスコミに「盗まれたかもしれない」とリークする目的はなんだったのだろうか。NHKや毎日新聞がそうであったように、石川氏も若山研を情報源とするものが多いが、何か理由があるのだろうか。
 同番組放送後、世間は一気に「小保方氏犯人説」に傾いていく。その影響は今なお色濃く残っている。NHKは十分な取材をしたと主張しているが、なぜMTAを確認するという基本的な裏取りをせずに、このようないい加減な放送をしたのか疑問である。
 同番組は、昨年8月からBPO(放送倫理・番組向上機構)の審理に入っている。今年4月26日、BPO臨時委員会が行われ小保方氏からヒアリングを行っている。同日出席するはずだったNHK番組関係者は、熊本地震の取材を理由に全員欠席した。
NHKスペシャル、そして石川氏による刑事告発によって、小保方氏の名誉は著しく毀損した。一人の研究者であり、ひとりの人間である小保方氏の人生を破壊しかねないこの事案に対して、今後どのような責任を取るのだろうか。そして野次馬のように小保方犯人説に便乗し、個人攻撃を徹底的に続けてきた無数の人物に問いたい。「あなたは、あなたの無神経な批判の刃の先に倒れたひとりの人間の人生を想像することができるのか」と。
(文=大宅健一郎/ジャーナリスト)
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ジャーナリズム ジャーナリズム
小保方晴子氏がHP開設、STAP細胞の作成方法を公開…「人類に大きく貢献」
文=上田眞実/ジャーナリスト
 一連のSTAP細胞論文問題をめぐり2014年12月に理化学研究所を退職した小保方晴子氏の代理人である三木秀夫弁護士によると、4月1日に小保方氏がホームページ(HP)を開設することが明らかになった。
 内容は小保方氏のレシピ(日本語でコツを意味)を含むSTAP細胞の詳細なプロトコル(作成手順)と、1月に出版された小保方氏の手記『あの日』(講談社)に書かれた検証実験結果が公開されている。今後、さらにSTAP細胞に関連する情報を公開していく予定だという。
「STAP HOPE PAGE」と名付けられた小保方氏のHPは、謝罪の言葉から始まっている。「STAP細胞問題で世間を騒がせた責任を痛感しており、研究者として深く反省している」とした上で、HPを始める目的は将来的にSTAP現象に興味を持った科学者が研究に取り組めるように可能性を残すことだとして、未来の科学者が「STAP現象」の研究を始める手助けにしたいとしている。
 ただ、小保方氏は現在、体調不良で治療下にあるため、体調を見ながら少しずつ更新を続けていくそうだ。
 HPはすべて英語で書かれ専門的ではあるが、プロトコルの最後の「Typical Result」に掲載された写真は、STAP細胞塊が現れたことを示す「Oct4-GFP」の発現を確かめられるものだ。明らかに細胞が死ぬときに光を放つ「自家蛍光」とは違う「STAP現象」が確認できる。また、『あの日』(236ページ)の15行目に書かれたEカドヘリンの免疫染色も公開することにしたという。
理研の検証実験でも再現
 さらにATP浴という方法で細胞を刺激した実験の遺伝子解析の結果では、『あの日』の220ページの5行目に書かれた通り、ES細胞や受精卵と同等の多能性マーカーが発現している細胞塊が存在した証拠を示しており、「STAP現象」は理研の検証実験で再現されていたことを証明している。
 この結果は14年の12月19日に理研の公式HP上で「STAP現象の検証結果」として公開されており、誰でも見ることができる。しかし検証結果の最後は、「自家蛍光と区別することも困難」と発表されている。
 そのため、小保方氏はHP上で検証結果を報告することによりSTAP現象の存在を明らかにし、誰かもう一人の科学者に再現してほしいと希望(HOPE)を託す事にしたようだ。そして、次のように綴っている。
「STAP細胞研究が進歩し、然るべくして科学出版の最前線に戻る事が心からの願いです。それは皆の利益になるでしょう」
「切なる希望は、誰かが生命の秘密の次の扉を開けてくれることです。STAP現象はその扉の鍵となるかもしれない。STAP現象が将来の人類に大きく貢献するものであると信じています」
 STAP細胞問題はやっと科学的議論、検証の世界に戻った。できれば、科学は科学の世界で検証し、その行く末をそっと見守るのが、我々ができる最良の配慮ではないだろうか。
 小保方氏が「STAP現象」により産出させた細胞の命の光は、どんな研究者が受け継ぎ、研究室で灯し続けていくのだろうか。小保方氏が示す「STAP研究の発展は皆の利益になる」の具体的な利益とは何か。その答えは100年先、200年先に出るのかもしれない。
(文=上田眞実/ジャーナリスト)
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 報道の良心を守ったお二人のジャーナリストに心からの敬意と感謝の意を表したい。

2.問題は犯人搜しでは終わらない
 もっともこれで安心はできない。2014年から小保方氏を庇ってきた武田邦彦中部大学教授も、最近の発言は歯切れが悪く、かなりの圧力が外部から来ていることが窺われる。
 STAP1・・・理研と小保方さん
 また、先に紹介した「Bizージャーナル」も、犯人は若山教授かもしれないという方向に話しを誘導しており、やはり裏があるだろうという疑いを禁じ得ない。
 上昌広「絶望の医療 希望の医療」
 小保方本で批判の若山教授、反論できない理由…責任取らず科研費の受領継続、管理能力に問題

 
当然のことで、巨額の利権が絡んだ発見だけに、そんなに簡単にはものごとは終わらない。

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2016.05.21
ジャーナリズム ジャーナリズム
STAP細胞の特許出願、米ハーバード大学が世界各国で…今後20年間、権利独占も
文=上田眞実/ジャーナリスト
「Thinkstock」より
 米ハーバード大学附属ブリガムアンドウィメンズホスピタルが、STAP細胞の作成方法に関する特許出願を、日本、米国、EPO(欧州特許庁)、カナダ、オーストラリアなど世界各地で行っており、更新料、維持料が支払われている。これについて5月9日、弁理士でITコンサルタントの栗原潔氏は、同大学が日本国内でも特許出願に関して実体審査請求をしていることを明らかにした。出願審査請求は4月22日に提出されている。
 これまで理化学研究所の公式発表では、「STAP細胞論文はほぼ事実ではなかった」「STAP細胞の実験結果はES細胞の混入したものによる」として、その存在は完全に否定された。
 しかしハーバード大は日本の「STAP細胞は存在しない」という大合唱を他所に、粛々と特許の申請を進めていた。小保方晴子氏の代理人である三木秀夫弁護士は語る。
「ハーバード大は世界各国での特許申請にかかる費用や維持に、推測で1000万円程度の費用がかかっているようです」
 ハーバード大が特許を申請する研究内容の範囲は広く、細胞にストレスを与えて多能性が生じる方法のメカニズムに対する特許請求である。
 STAP細胞論文での小保方氏の実験担当部分「アーティクル」のプロトコルは「オレンジジュース程の酸性の液に細胞を浸すと細胞が初期化する」が有名だが、それ以外に細胞にストレスを与えるさまざまな方法が試されており、「アーティクル」でその成果を報告している。これは理研がSTAP細胞論文を発表した当初の「報道発表資料」にも明示してある。
再生医療での実用化
 ハーバード大がSTAP現象の特許を出願し、その審査要求をするのは当然、再生医療での実用化を睨んでのことだとみられる。 そして「人工的な外的刺激で体細胞が初期化するのではないか」というアイデアを思いついた小保方氏は再生医療の新たな扉を開いたことになる。特許は認定されると、出願後20年間の工業的独占権を認められる。
 実体審査では申請された特許の内容が特許の要件を満たしているか、その内容の記述的専門家である審査官が行う。この実験が特許の取得が前提であれば、共同で行った発明や実験の知的財産権を侵害する恐れがあるため、小保方氏によるハーバード大での共同実験部分のノートやデータを、理研や早稲田大学の博士論文不正調査に提出できなかったのは当然だろう。
 ハーバード大は特許に「STAP」という言葉を使うかは不明だが、一度は英科学誌「ネイチャー」で報告された「STAP」(刺激惹起性多能性獲得細胞)という概念を再生医療に転嫁できれば、小保方氏のアイデアは生物学の歴史のなかで燦然と輝くことになるだろう。体細胞の初期化から始まる再生医療の未来の扉は開いたばかりなのだ。
(文=上田眞実/ジャーナリスト)
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 常識で考えれば、ネットで出ている記事はあまりにも奇妙だ。

(1)事件の震源は奧深い
 今回のSTAP細胞言論弾圧事件の第一の責任者は、言うまでもなく2014年~15年に、狂気のように異常な個人攻撃だけを行っていた『毎日新聞』『朝日新聞』『NHK』と、それに関連したテレビ局である。大宅健一郎氏の記事が間接的には触れているが、こうしたメディアが自分だけの判断で、こうした自らはまったく専門的知識を持たない専門分野(生理学などノーベル賞受賞時を除けば、今までほとんど報道すらしていない)に大量の記者と多額の資金を投入して、専従的に「STAP細胞言論弾圧」をおこなったとは信じがたい。かならず、そうした人的資金的配置を可能にした、資金源が存在するはずである。その資金は、いったいどこからきているのか?
 もし2014年から2015年の記録をたどれば、その時期の新聞社、テレビ局に、それまでスポンサーではなかった企業や組織が繰り返し出ていれば、それが影の震源地の代理のひとつだろうとは推測はできる。独立ジャーナリストを目指す方がいれば、その線から浮かぶものが手掛かりを与えてくれるにちがいない。また、STAP細胞原理自体は、日本では熊本大学のチームがまったく違う方法で、また欧米では已に複数の研究者が、細部の刺激等は異なるとしても可能性を証明しているので、真実であると考えるのが、先端を目指す研究者としては一番正しい行き方である。今後も、この話題は継続して、21世紀の社会を揺り動かしていくであろう。今の現状を打破したいメディアの方も研究者も、取りかかるならチャンスは今しかない。

 日本最大の言論暴力事件として、この事件はSTAP細胞理論とともに、ずっと話題になり続けるので、話題性は今後も常に続き、若手の方がメディア界や研究界で自分の社会的地位を確保し、地盤を固めるには一番好い。マスコミ暴力で無念の死を遂げた笹井芳樹博士のためにも、言論弾圧事件の最大の責任者『毎日新聞』『朝日新聞』『NHK』と、それに関連したテレビ局の責任は、歴史に永遠に刻まれ、追求される必要がある。これは法律問題などの表面的な問題ではなく、その基礎と成っている人間としての常識、社会的モラルの問題である。
 人類文明に対する重大事件の責任者が罸せられ(社会的制裁を受け)なければどうなるのか、その社会の悲惨な末路は歴史に明かだろう。

(2)真理の探究こそ、今回の屈辱を乗り越える道
 本ブログは、自分で見た資料の範囲で、その分析結果を元にして、今まで常識を疑うことをモットーに書いてきた。だから多数派の意見ではない意見を述べている。

1)中国人民解放軍空母問題
 2005年当時、中国軍は空母など持っていない、作る気もないというのが日本のメディアの主張だった。しかし、ネットの資料は明らかに建造計画の進展を示していた。また、中国人民解放軍の海外侵略戦略も提示していた。
 2005年の記事である。中華人民共和国による日本の常任理事国昇格への妨害工作
 誰も中国が軍国主義化することなど信じられなかった時代だったが、資料は中国が大規模な軍事力投入による国境線の変更を意図していることを示していた。

2)民主党スーパー無能政権
 2007年の記事である。【臨時開館】歴史は繰り返すのか?─2007年参議院選挙で日本人が失ったもの─
 その後の日本の悲惨な衰退は、この時から始まった。311後の、日本全土の深刻な放射性物質汚染も、すべて民主党菅直人、枝野等の責任である。

3)STAP細胞言論弾圧事件
 2014年の『毎日』『朝日』『NHK』による「STAP細胞言論弾圧事件」が始まったときから非常に異常な事件だとして取り上げてきた。
 2014年3月14日:STAP細胞問題について、あるいは中華人民共和国支配下の『朝日』『毎日』の間接戦略
 今年も触れた。恐怖の言論統制社会としての日本1:衰退を加速させる日本市民の知的退廃 

 気狂いの戲言にすぎないと思った方が大多数であろうが、権威にへつらい多数意見にまかれて道理に反することを言うぐらいなら、徹底的に戦って死んだ方がましだろう。小規模ながら台湾での職場もずっとそうした状態だったので、大きな原則は絶対に曲げないを自分の信念にしたいと思って、なんとかやってきた。日常生活ではそんなことはしないし、適当に受け流したほうがいいことのほうが多いが、自分の仕事の性質や社会的に死命を制する問題で譲ることはできない。
 
 言論弾圧事件の最大の責任者『毎日新聞』『朝日新聞』『NHK』と、それに関連したテレビ局の主張をそのまま信じて、「博士論文にコピペがあったから、STAP細胞は存在しない」「雑誌論文の証明写真が加工されていたから、STAP細胞は存在しない」という、まったく証明にならない主張、まったくの非道な暴論を「真理」だと思って、自分の主観を語り、書き散らしていた大多数の日本市民は、今後、いずれその報いを必ず受けることを覚悟していただきたい。報いと言っても、それは目に見える罰などではなく、もっと恐ろしい現象、言わば眞綿のように徐々に社会全体を蝕んでいく回復不能な社会的衰退という病理である。「正気」を失った社会に、未来はない。STAP細胞言論弾圧事件で「日本国」市民が犯した文明への大罪は歴史上二度と消すことはできない。それを償うには、自らの体制の終焉を以って、人類文明に謝罪することしかないだろう。文明国民として、今回の事件は取り返しのつかない言論弾圧の傷跡である。

 2014年から2015年に「日本国」市民が犯した文明への犯罪は、市民が自ら「日本国」に終焉を告げることで償うしかない。しかし、それは、ひとつの時代が終わって、次の時代が始まることを意味しており、衰退しつつある日本社会の復活を告げる可能性を持っている。

 真理は、マスコミが言うような耳にやさしいものではない。新しい発見であればあるだけ、今までの常識、知識、実績を完全に無意味化する力をもっている。当然、旧知識で生活し、利益を上げていた集団は社会的役割(=既得権益)を完全に奪われる。人間は習慣的スキーマで世界と関係して、その情報を処理して生きている生物であるため、自分の習慣的スキーマを脅かす存在や知識を「敵」と判断し、徹底的に戦う生物である。そして、そうした自己を「正義」として、さまざまな理屈を並べあげる。仏教で言う「邪見驕慢」、聖書の「原罪」の一面には、こうした問題が潜んでいる。
 STAP細胞理論は、その点で、近代と中世を分けた天動説と地動説の闘争に匹敵する21世紀の問題である。環境刺激が細胞の性質を変えてしまうというSTAP細胞理論は、細胞の性質はDNAで先天的に決定されているというDNA絶対論を完全に崩壞させてしまう。となれば、DNA絶対論で巨額の利益を得ていた個人、組織は致命的なダメージを受けることになる。今回の問題の影の首謀者の正体は、そこにある。

 しかし、そんな吹けば跳ぶような個人や組織の利益問題を越えて、STAP細胞理論は、21世紀に展開されるであろう生物進化の全く新しい見方に関わっているのである。
 イスラエル・ハイテクベンチャーCEO兼CSの脱&非日本仲間日記さん
 なぜかと言えば、簡単に考えれば分かるように、「環境に最もよく適応した生物が生存競争で生き残った」というダーウイン流の進化論は、「環境」を進化の原因として組み込んでいる。スティーブン・J・グールド博士の「断続平衡説」でも、過酷な環境変化の中で偶然、生き残った生物が次の時代に多様な進化を遂げる理由は何かという説明が必要である。
 しかし、DNAによって先天的に細胞の性質が決まる=生物の形質が決まるというDNA絶対理論では、DNAに対して環境が影響して、それを組み替える原理を説明できない。従って、今の生理学の理論では、生物の進化は、DNAの偶然の変化によるという以外に進化を説明できない。しかし、それでは「環境に最もよく適応した生物」という進化論の基本前提が崩れてしまう。DNA理論では、「DNAの偶然の変化で生まれた生き物が、たまたま環境に適合していて生き残った」という説明しかできない。これでは地球上に無数に存在する、環境に適合している多様な生物種の存在を説明できない。また、この仮説では環境に適応しない無数の生物の事例が見出されることになるが、そんなものは私たちの時間スケールではあり得ない。
 しかし、STAP細胞理論はまさに「環境の刺激によって細胞が形質を変化させる可能性を秘めている」ことを証明したので、「環境に最もよく適応した生物」という、現在の進化論の中で最も基本となる、今までのDNA理論では欠けていた環境が生物に影響を与える点を説明できることになる。次は、どのような環境の要素が細胞の性質を変えるのか、さらに、それがどのように固定されて、子孫に受け継がれるのかというメカニズムの解明が鍵だろう。
 「進化論」覆す?獲得形質はRNAにより遺伝する @ [生物学板]
 獲得形質はRNAにより遺伝する~ジェネティクスでもエピジェネティクスでもなかったメカニズム

 20世紀後半を支配したDNA絶対論はもう成り立たないが、より高次の遺伝理論で、STAP細胞、獲得形質の遺伝、DNAの作用と様々な外的環境的要因との関係が明らかになることで、なぜ生物が誕生したのかというメカニズムも明らかになるであろう。

 人類文明を根本から変えるSTAP細胞論に対する、おぞましく品性のかけらもない言論暴力弾圧事件の罪を日本社会が知ることで、実は、こんなに新しい生物学、進化学の発生を予感できる。大事なことは、過去ではなく未来である。2014年から15年に「日本国」市民が犯した二度と消えない文明への罪を償うには、今後、日本市民一人ひとりが未来に対して責任を負うこと以外にはない。
 未来に対する責任とはなにか?
1)横並びから外れることを恐れない:メディアの言説を鵜呑みにした「日本国」市民は、おそらく一般的には「よい子」で「まじめ」、どんなにいじめられてもひたすら体制に従順な人々が多かったと思われる。言わば21世紀の資本主義社会の「新しい奴隷」である。しかし、どんなに恵まれた地位にいようと、所詮、奴隷はいつまでも奴隷で、反抗してそれを捨てない限り、永遠の屈辱を受け続ける。しかも、この人々は取り返しの付かない文明への罪に連座した。これは地動説を弾圧した罪が永久に消えないように、永久に残る罪である。どんなに苦しくとも自由民であれ、歴史が教えるのはその一点のみであろう。
2)権威に盲従しない:とても難しいことであるが、メディアの言説を鵜呑みにした「日本国」市民は、基本的には権威主義的性格で、大きなもの、強いものに依存していないと不安で生活できない人々だと言えよう。
 
 エーリッヒ・フロムやアドルノが述べているように、これは「ナチス・ドイツ」を求めたドイツ市民の心理であり、その性格は、取り返しの付かない文明への傷を残す結果になった。今回のSTAP細胞言論弾圧事件の同調者がしたことも同じである。

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権威主義的パーソナリティ
権威ある者への絶対的服従と、自己より弱い者に対する攻撃的性格の共生とした。思考の柔軟性に欠けており、強い者や権威に従う、単純な思考が目立ち、自分の意見や関心が社会でも常識だと誤解して捉える傾向が強い。外国人や少数民族を攻撃する傾向もよくある。このような社会的性格を持つ人々がファシズムを受け入れたとした。
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 アドルノは、それに対して民主主義的性格の必要性を訴えた。

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 民主主義の社会と倫理との関係について
人々は、自分から積極的に動くことや責任を持つことなどを意識して、社会とつながりつつ生きることが大切
  →現在では、他人指向型や、権威主義的パーソナリティの性格を自分が持っていることを意識して、
   このような性格から抜け出すことが大切だと言われている
   =抜け出した先にある生き方は、民主主義的パーソナリティだと言われている

   ※民主主義的パーソナリティとは・・
    →以下のようなことを指す
     ・偏見や差別という固定された考え方にとらわれない
     ・他人に対して広い心を持ち、物事に対して柔軟な視点で見るような能力を身につける
     ・他人の親切心を信用して、理想を目指すような努力に対して希望を持ち続ける etc
    →民主主義的パーソナリティには、コミュニケーションが関係してくると言われている
・民主主義的パーソナリティとコミュニケーションとの関係について
 ・民主社会は、民主主義的パーソナリティを持っている人達がコミュニケーションを行うことで成り立つ
  =現在は様々なコミュニケーションが大切だと考えられている
 →コミュニケーションについて考えた人にハーバーマスという人がいる
 ・ハーバマスについて
  ・ハーバマスは、「対話的理性」が大切だと考えた
   →対話的理性・・自分の目的を達成するための手段として相手を考えるのではなく、
           お互いの理解を通して、問題を解決するべきだとする考え方のこと
            →このようなことを考えた上でのコミュニケーションを、コミュニケーション的行為と呼ぶ
   ※対話では、コミュニケーション能力が問題となるが、ちゃんと発言することが出来て、お互いが自分を
    理解しようとする努力をすれば何かしらの合意に到達すると考えたため、ハーバマスは対話的理性を提唱した
  ・ハーバマスは、対話的理性がスムーズに使われるようにするためには、
   アドルノの権威主義的性格から抜け出すことが大切だと考えた
   ※なぜ権威主義的性格から抜け出す必要があるのか・・
    →権威主義的性格は、柔軟性が無く、マイノリティ(少数派)を排除する傾向があり、
     対話的理性の邪魔をする可能性があるから
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 勘違いしないでいただきたいが、私は今回の事件でSTAP細胞言論弾圧に加わっていた人々を糾弾したり、その法律的責任を追及するつもりはまったくない。しかし、文明国民の屈辱としての、まったくの非道に加担した知的不明、そして人類を変えるかもしれない発見を利権以外にまったく関心がないメディアの言説に盲従して非難・攻撃した卑しい奴隷根性は、人間としての永久に消えない罪である。その罪の重さを知っていただきたい。
 その罪を知るとは、アドルノやハーバーマスが、ナチス・ドイツの罪を償う道として示してくれている点にある。つまり、 

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・偏見や差別という固定された考え方にとらわれない
・他人に対して広い心を持ち、物事に対して柔軟な視点で見るような能力を身につける
・他人の親切心を信用して、理想を目指すような努力に対して希望を持ち続ける etc
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 人間として、当たり前のことである。当たり前のことが既得権益を握っている階級・集団・組織が流す言説に支配され、「日本国」ではすでに人間のモラルとしては社会的に死んでいる、それを自分の祖国の現実、そして日々をまじめに生きている自分の現実として知ることである。「まじめであること」「規則を守ること」・・・は、何の免罪符にもならない。「日本国」の文明への罪は死んでも消えない。しかし、一人でも多くの人が二度とそれを犯すまいと行動することはできる。
 衰えつつある日本社会にとって、再生の鍵は、実は簡単なことである。


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