蓬莱の島通信ブログ別館

「すでに起こったことは、明らかに可能なことがらである」
在台日本語教師の東アジア時事論評あるいはカサンドラの眼差し

北朝鮮情勢に厳重注意!(続)

2017年09月14日 | 20110311東北関東大震災と政治
(写真:「地図で見る21世紀の難民大移動 —— 数百万人が逃れる先はヨーロッパとアフリカ」世界の難民の動き、難民は新しい世界変動の要因になりつつある
1.中国・ロシア対アメリカの混沌とした第三次世界大戦の前哨戦のはじまり
 2017年は今まで局地的だった大国間の対立が主攻撃正面に展開される状態になり、世界大戦の危険レベルをひとつ上に挙げなくてはならない状態がユーラシア大陸全周域に広がっている。今はまだ北極海方面での陸軍による軍事的緊張はないようなので(核ミサイル搭載戦略原潜等の問題はあるとしても)、最高レベルには行っていないが、西太平洋とインド洋での緊張は非常にレベルが上がってきている。

 前回もお知らせしたように、北朝鮮はただのダミー(傀儡子、傀儡、囮、目眩まし、ブラフ)に過ぎない。
 朝鮮半島情勢に厳重注意!

 中国とロシア周辺での軍事的緊張は世界の各地にすでに広がっている。

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「インドと戦う用意ある」中国が中印国境で実弾演習
<中印の覇権争いが激しくなるのと同時に国境をめぐる緊張は増す一方。両国軍が実際に戦火を交えた1962年の紛争以降では最も深刻な状態に>

中国共産党はこのほど、国境を接する大国インドに厳しい警告を発した。両国は、かねてから国境紛争をかかえており、最近も中国は国境付近で実弾演習を実施した。一部ではこの演習によりインド軍にかなりの数の死傷者が出たとの報道が流れたが、両国政府が共に否定した。
この6月にはインド軍が、両国が帰属を争うシッキム州の国境を越える事態が発生した。これを受けて中国共産党の機関紙、環球時報は7月18日付けで、両国に自制を求める内容の論説記事を掲載した。同紙は同時に、領土問題の焦点となっている地域をめぐり、中国はインドと戦う準備はできているという警告も発している。
シッキムは、中国のチベット自治区の南に位置するインドの一州。かつては清の属国で、イギリス統治を経てインドの支配下に入った経緯から、今も小競り合いが絶えない。
【参考記事】ダライ・ラマの中印国境訪問で両国間に火花
環球時報は今回の国境紛争を、アジアを代表する2つの大国が、経済および政治の覇権を巡って繰り広げている、より大きな競争の中にあると位置づける。さらに、この紛争が全面戦争になる事態に備えて、中国政府は部隊や軍備を中印国境に重点配置する用意があるとも述べている。
「中国は、インドの実効支配下にある地域をインド領とは認めていない。両国の間では国境に関する協議が今でも行われているが、この交渉を取り巻く空気はインドによって険悪なものになった」と、環球時報は主張した。
「中国はインドとの武力衝突を望んではおらず、むしろこれを避けるべく全力で努力している。しかし中国は同時に、主権を守るための戦いを恐れてはおらず、長期にわたる対立を念頭に置いた備えを実施するだろう」
2000人の犠牲者が出る衝突も
最近の中国とインドの国境をめぐる緊張は、両軍が実際に戦火を交えた1962年の紛争以降では最も深刻な状態にあると見られている。ヒマラヤ山脈東部の中印国境地帯で起きた同年の紛争では、主にインド軍の兵士を中心に約2000人の犠牲者を出し、中国がわずかながら領土を増やした。
【参考記事】中印対立地帯に日本企業が進出
それから半世紀以上の年月を経た2017年6月16日、緊張が再び高まっている。今回は、中国の西端部にあたるチベットと、インドの東に位置するシッキム州を隔てる、両国が合意した境界線をインド軍が越えたとして、中国が非難したことがきっかけだった。
中国は長い間インドによるシッキム州併合を認めておらず、インドの主権を承認したのは2003年になってからのこと。インド政府は、中国が国境付近でインフラの拡充を進め、インドと隣国ブータンの安全を脅かしているとして、中国政府を非難している。
どちらも矛を収める意志はなく、最近になって中国が軍事的な動きを活発化させたことから、状況は今すぐにでもエスカレートする危険性をはらんでいる。
中国軍がチベットで実施している一連の軍事演習では、戦車を用いた訓練や迫撃砲による砲撃、ミサイルの発射といった演習が、インド軍の部隊が駐留する地域からそれほど遠くない場所で行われている。
7月16日に行われた中国の演習については、中国が発射したロケットがインド軍に最多で158人の死者を出し、さらに多くの負傷者を出したとの報道が、中国や、やはりインドと敵対関係にあるパキスタンのメディアから相次いで行われた。
これらの報道については、中国とインドの両政府が速やかに、事実と異なると反論したが、7月18日午前の段階では、パキスタンのテレビ局、ドゥンヤTVのウェブサイトには、訂正されていない記事がまだ掲載されていた。中国共産党の機関紙である人民日報および環球時報は、これらの報道について「事実無根」と反論し、インド外務省も18日に同様の見解を示した。
インド外務省のゴパル・バグレイ報道官は、「これらの報道は全くの事実無根であり、悪意に満ち、有害だ。責任あるメディアであれば、これらの報道に注意を払うべきではない」と語ったと、インドの経済紙エコノミック・タイムズは伝えている。
一方で中国外交部は、インドの好戦的な姿勢を以前から批判している。外交部の陸慷報道官は、北京駐在の各国外交官がインドの行動に「衝撃を受けて困惑」しており、中国政府に対し懸念を表明していると主張した。陸報道官はインド政府に対し、「不法な越境行為を行った人員をインド側に戻し、事態のさらなる悪化を防ぐための適切な措置を取る」よう求めた。
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a href="https://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/sankei-wor1708140057">印パ独立70年、続く軍事的緊張 パキスタンに強まる中国の影響力 「世界の火薬庫」戦略地図に変化
08月14日 21:24産経新聞
 【ニューデリー=岩田智雄】パキスタンは14日、独立記念日を迎えた。インドでは15日が独立記念日に当たり、両国は1947年の英国からの分離独立から70年となった。カシミール地方の領有権問題などで核武装して対立し、軍事的な緊張が続く両国の関係に改善の兆しはない。一帯が世界の危険な「火薬庫」となり続ける中、パキスタンでは中国の影響力が強まり、インドは日米とのいっそうの連携を探っている。
 「中国はパキスタンの独立と主権、結束の維持と強化への努力を支え続ける」
 イスラマバードでのパキスタン独立記念日の式典に招かれた中国の汪洋副首相は、「ヒマラヤより高く、海よりも深い」と形容される両国の蜜月を訴えた。
 中国西部からカシミール地方のパキスタン支配地域を通り、パキスタン南西部グワダル港へ至る「中パ経済回廊」は、中国の支援で整備が続く。この事業を含む中国の現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」に、インドは異を唱える。しばしば、パキスタンからのイスラム過激派による越境テロを非難し、過激派指導者の1人を国連制裁リストに載せるよう主張しているが、これを阻止する中国に反発している。
 この70年で、印パを取り巻く外交の戦略地図は変化してきた。パキスタンはかつて、旧ソ連のアフガニスタン侵攻で米国から援助を受け、今も対テロ戦同盟国として軍事支援を受ける。しかし最近、中国の存在感は高まるばかりだ。昨年には、ロシアとの初の合同軍事演習を実施、ロシアは旧ソ連時代からのインドの友好国で、かつてパキスタンとは対立していた。
 インドは、ロシアを主要な武器供給国としてきたが、近年は、調達先を欧米やイスラエルへと多様化させている。6月16日に始まった中印ブータン3カ国境界付近での中印両国軍の対峙(たいじ)は収まる気配がない。中国の軍事的圧力を前に、海上共同演習「マラバール」などを通じ、日米との安全保障上の協力も深め、従来の非同盟主義から一歩踏み出しつつある。
 独立後、3度の戦争となったインドとパキスタンの間では、カシミール地方の実効支配線をはさみ、交戦が散発的に発生している。元インド軍高官は「インド軍の戦力の6割は対パキスタンで、4割は対中国だ」と打ち明けた。
 モディ印首相は2014年の首相就任式に、パキスタンのシャリフ首相を招き、緊張緩和の糸口を探った。インドとの経済関係の正常化に動こうとした実業家出身のシャリフ氏にパキスタン軍は不満を募らせ、先月、首相を失職させられたシャリフ氏に対する最高裁の判断には、隠然とした政治力を持つ軍の関与を疑う声が上がる。米中のパワーゲームが続く中、今後も両国の緊張状態が続くことは間違いない。
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 インド洋方面の動きと連動して、人民解放軍は東アジアでの軍事行動レベルもエスカレートさせている。

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 中国が北朝鮮沖で軍事演習、米朝を威嚇
<北朝鮮の核・ミサイル問題で北朝鮮にも米トランプ政権にも苛立つ中国が、軍事演習を実施。8月中には東アジアで武力衝突の危険も>
中国は8月7日、緊張が高まる朝鮮半島沖でミサイルを使った軍事演習を実施し、軍事力を見せつけた。核問題で対立する米朝に対し、これ以上争いをエスカレートさせるなと警告を発した格好だ。
中国海軍は東シナ海の3万9000平方キロの海域を封鎖した後、中国大陸と北朝鮮の間の黄海などで実弾演習を実施。数十隻の艦艇や潜水艦と10機以上の航空機、沿岸警備隊多数が参加したと中国国営通信社の新華社が報じた。今回の演習は、地上と海上に加え、上空の標的に対する攻撃と防衛を想定したもの。8月はアメリカと東アジアの同盟国が合同軍事演習を実施する時期に当たるうえ、北朝鮮による2回目の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験からまだ2週間経っていない。アメリカと北朝鮮の新たな動きに、アジア太平洋地域の平和を呼び掛けてきた中国政府は苛立っている。
【参考記事】北朝鮮2度目のICBM発射実験は、アメリカと日韓を分断するワナ
【参考記事】対北制裁決議&ASEAN外相会議に見る中国の戦略
「(中国は)北朝鮮に対し、もし戦争になれば中国が軍事介入するというメッセージを送った可能性がある」と、オーストラリア戦略政策研究所の中国軍事専門家マルコム・デービスは、香港の英字紙サウスチャイナ・モーニングポストの取材に対して語った。同紙は、演習はアメリカに対するメッセージでもあると語ったシンガポールの南洋理工大学の海上安全保障専門家、コリン・コーの話も紹介した。
中国責任論に反発
演習の意義を示すため、中国軍トップの重要人物が2日間の演習を視察したと、中国共産党機関紙の人民日報系英字紙グローバル・タイムズが報じた。当日は中国海軍司令官の沈金竜中将も参加したもようだ。演習場所は朝鮮半島の東側の海域で、1950年朝鮮戦争が始まって以来、核武装する北朝鮮と、アメリカとアメリカの支援を受けた韓国との間の戦争がまだ終わっていない地域だ。歴史的に中国は国境を接する北朝鮮を支持したが、一方で核とミサイル技術の性急な開発を止めるよう繰り返し求めてきた。
今年初め、北朝鮮の核ミサイル開発を食い止めたいアメリカのドナルド・トランプ米大統領は中国の習近平国家主席に接近したが、中国政府は北朝鮮問題の解決を中国に頼る「中国責任論」に反論し、アメリカと北朝鮮の双方が譲歩するよう求めた。そして、すでに数万人規模の米軍が駐留するアジア太平洋地域で軍事プレゼンスをさらに増強しようとするアメリカの戦略も強く批判してきた。中国はロシアとともに、米軍による韓国での最新鋭迎撃ミサイル「THAAD(終末高高度防衛ミサイル)」配備は自国の国家安全保障を脅かすと言って非難した。
北朝鮮が核弾頭を搭載できるICBMの発射実験を2度にわたって実施し、アメリカ本土の都市も大きな被害を受ける可能性が高まったのを受けて、トランプ政権は北朝鮮の金正恩党委員長に対する軍事的選択肢もあることを示唆した。こうした態度にはアメリカ国内でも批判がある。北朝鮮分析サイト「38ノース」の共同創設者ジョエル・ウィットは、「アメリカは自力でやるべき仕事を中国にさせようとして絶えず圧力をかけている」と批判、そのせいで8月は、東アジア地域で軍事衝突がの危険が高まると言う。
「すでに不穏な情勢が、8月になるとさらに悪化するだろう。なぜなら8月は軍事演習の季節であり、大規模な米韓軍事演習が実施されるからだ。これで緊張に拍車がかかる恐れがあり、かなりの注意が必要だ」
アメリカもICBM発射実験
アメリカが通常韓国や日本とともにアジア太平洋地域で行う軍事演習は、北朝鮮を刺激する主な原因だ。金政権は敵の侵略を防ぐために核兵器の保有が必要だと主張し、核放棄を拒否してきた。北朝鮮の朝鮮中央通信は8月7日に政府声明を放送し、アメリカが8月2日にICBMの発射訓練を実施したことは、世界を「核戦争の瀬戸際」に追い込んでいると批判した。北朝鮮の他の国営メディアは、米議会で成立した北朝鮮に対する制裁強化法に対抗し、アメリカに「重大な教訓」を与えると誓った。
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 人民解放軍の動きと連動して、ロシアの動きも活発化している。現在、北朝鮮のミサイル攻撃能力と核兵器の実用化段階が、すでに実戦レベルに達しているが、この1年ぐらいで急速にレベルがあがったのは、明らかに海外からの技術コピーあるいは兵器支援が行なわれたと見たほうがよい。北朝鮮のミサイルが、ウクライナなどロシア経由だったことから見れば、ミサイル技術と核兵器技術を供与しているのは、ロシア関係の謀略機関だろう。

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ロシア軍が北朝鮮に向け装備移動か 大統領府はコメント拒否
ロシアのペスコフ大統領報道官は21日、同国軍が北朝鮮との国境に向けて装備や部隊を移動させているとの一部報道について、コメントを拒否した。
ロシア通信(RIA)伝えた。ロシア国内の部隊の配備については、情報を公開しないとしている。
これに先立ち、ロシア極東の一部のメディアは、軍の装備が北朝鮮との国境に向けて移送されているとの地元住民の話を伝えていた。
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ロシア軍が北朝鮮入りか…米中韓戦争なら三沢基地に核ミサイル飛来や北朝鮮の分割統治も
5月29日付記事『ロシア、北朝鮮を実質的支配でミサイル発射を主導か…中国とロシアに紛争の兆候も』では、北朝鮮をめぐる問題について、ロシア情勢に詳しい政治学者で筑波大学教授の中村逸郎氏の話をお伝えした。
 中村氏によると、北朝鮮のミサイル発射はロシア主導で行われたものであり、金正恩(キム・ジョンウン)体制はウラジーミル・プーチン大統領の傀儡政権といっても過言ではないという。
 北朝鮮情勢をめぐっては、アメリカのドナルド・トランプ大統領の動きも見逃せない。現在、トランプ大統領はいわゆる「ロシアゲート事件」に揺れているが、中村氏は「そもそも、トランプ政権を誕生させたのはロシアですよ」と語る。
「モスクワのクレムリン(旧ロシア帝国の宮殿)近くにリッツカールトンという超高級ホテルがあります。そこに2013年11月、トランプ、のちに選対本部長となるポール・マナフォート、外交政策アドバイザーとなるカーター・ペイジの3人が訪れます。プーチンが招いたのです。ロシア側から誰が出席したのかはわからないのですが、この3人とロシアの中枢が会っています。
 そこで、プーチンは『トランプ、お前は大統領をやれ』と言った。ロシア側は『ヒラリー・クリントンおよび民主党に関する情報はすべて渡す』と約束し、トランプは多額の選挙資金ももらっています。14年のクリミア併合の前ですが、ロシアは人権問題で経済制裁を受けていました。プーチンとしては、トランプに大統領になってもらい、それを解除してほしいというのが狙いだったのでしょう」(中村氏)
 16年のアメリカ大統領選挙では、ロシアによるサイバー攻撃が取り沙汰されているが、これは事実なのだろうか。
「当然、やっていますよ。イギリスの新聞『ガーディアン』などが報じていますし、アメリカでは周知の事実です。トランプ政権の中枢は、ほとんどがロシアとのパイプを持っています。国務長官のレックス・ティラーソンは、エクソンモービル会長のときにロシアの国営石油企業・ロスネフチと組んで北極海とサハリン北部の共同開発を行っています。彼は、ロシアへの経済制裁に反対しています」(同)
 ロシアの思惑通りにトランプ政権が発足した後、世界の勢力図はどう変わったのか。
「中国とロシアの蜜月が崩されかけています。14年3月にロシアがクリミア半島を併合したこと対して、翌年のG7(先進7カ国)サミットで経済制裁が決定しました。その後、東方外交にシフトしたロシアは中国との関係を強化します。
 しかし、大統領になったトランプが世界を見わたしたとき、『中国とロシアの仲がいいという状況は嫌だな』と考えた。もともと、トランプは為替操作などの問題もあり、中国が大嫌いです。ただ、彼が頭がいいのは、嫌いな奴を排除するのではなくて取り込むこと。それが4月の米中首脳会談につながるわけですが、その最中にアメリカはシリアにトマホークを撃ち込みました。
 夕食を終えて、デザートのチョコレートケーキを食べているときに、トランプはその事実を習近平国家主席に伝えたのです。それを聞いた習は、首を縦に振ってうなずくことしかできなかった。それにブチ切れたプーチンは、ロシアのテレビで習やその関係者に対して『マヌケ者!』と罵っています。トランプは、シリア空爆によってロシアと中国の間に楔を打ち込んだのです」(同)
ニュースサイトで読む: http://biz-journal.jp/2017/05/post_19256.html
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 こうした消息からすれば、ロシア軍は北朝鮮にすでに公然とミサイルおよび核兵器を供与したと見てもおかしくはない。今年、北朝鮮が非常に強気で連続的軍事行動を続けていることも、後ろ楯があることから来ていると見れば、納得しやすい。
 前回、お知らせした人民解放軍の台湾への軍事的威嚇も持続してエスカレートしている。

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台湾周辺に頻繁にやって来る中国の戦闘機や軍艦、台湾当局「日本と協力して対応すべき」
Record china配信日時:2017年8月19日(土) 21時30分

台湾周辺に中国の戦闘機や軍艦、台湾当局「日本と協力して対応を」
19日、中国メディアの海外網が、台湾周辺の空海域に中国の戦闘機や軍艦が出現する頻度がこれまでにないほど高くなっており、他国と協力してこの挑戦に対応すべきだと台湾当局が見解を示したと伝えた。写真は台湾。
2017年8月19日、中国メディアの海外網が、台湾周辺の空海域に中国の戦闘機や軍艦が出現する頻度がこれまでにないほど高くなっており、他国と協力してこの挑戦に対応すべきだと台湾当局が見解を示したと伝えた。
台湾当局によると、中国の戦闘機や軍艦が東シナ海で頻繁に出現しており、その海域や防空識別圏に侵入しているため、日本はほぼ毎日のように対応を迫られているが、台湾の状況も同様だという。中国の戦闘機や軍艦が台湾周辺に出現する頻度はこれまでにないほど高くなっており、台湾当局は「協力して事に当たるべきだ」との考えを示した。これは日本との協力を示唆しているようだ。
報道によれば、これより前に人民解放軍は台湾を1周する訓練を何度も行っているが、台湾防務部門はその都度、「人民解放軍の動向は全て把握している」として、中国の爆撃機の写真を公開するなどしている。
こうした動きについて台湾メディアは、解放軍の戦闘機が台湾を1周する回数も頻度もこれまでになく増えており、飛行ルートもさらに南寄りになっていて台湾のいわゆる防空識別圏に侵入するようになっていると指摘。これは台湾の防空に対して大きな圧力となっていると分析している。
これに対し、中国の国務院台湾事務弁公室は、中国と台湾は兄弟関係にあり、台湾同胞も同じ文化、習慣を持つ中華民族だと主張。1つの中国の原則を堅持し台湾独立には断固反対し、独立反対においてわれわれの意志は固く、その自信も能力もあると述べている。
また、中国軍側も、国際社会に対して中国軍による遠洋訓練の目的について何度も説明しており、このような遠洋訓練は国際法に完全に合致していると主張。「どんな邪魔が入ろうとも、だれがついて来ようとも、継続して飛び続ける」としており、中国軍は今後も状況に応じて遠洋訓練を行うため、関係する方面はそれに慣れる必要があると述べている。(翻訳・編集/山中)
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 人民解放軍は日本への攻撃を意図した空軍運用もすでに始めている。

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中国が"東京爆撃"の飛行訓練を進める思惑
危機は「北朝鮮」だけではない
政治・社会 2017.9.8
宮田 敦司
元航空自衛官、ジャーナリスト 宮田 敦司
PRESIDENT Online
中国空軍は今年8月、6機の爆撃機を東シナ海から東京に向けて北上させ、紀伊半島沖で引き返すという訓練を行った。領空侵犯はなかったが、そこで想定されるシナリオは「東京の爆撃」だ。「北朝鮮危機」のウラで、中国はなにを狙っているのか――。
中国最大の爆撃機6機が東京方面に進行
8月24日午前、中国空軍のH-6 爆撃機6機が東シナ海から沖縄本島・宮古島間の公海上を通過して日本列島に沿う形で紀伊半島沖まで飛行した後、反転して同じ経路で東シナ海へ戻った。
このルートを中国軍機が飛行したのは今回が初めてだが、問題は6機もの爆撃機の飛行目的だ。中国軍が保有する最大の爆撃機であるH-6爆撃機によるあまりにも露骨な飛行は、日中関係の真の姿を如実に物語っている。
中国のH-6爆撃機。防衛省統合幕僚監部の発表資料より。航空自衛隊撮影。
しかも、申進科・中国空軍報道官が同日(8月24日)、「これからも頻繁に飛行訓練を行う」と発言していることから、自国の安全保障戦略を推し進めるためには、日中関係の悪化も辞さないという中国の姿勢が見て取れる。
北朝鮮東北部には「埠頭」を確保
中国軍機は太平洋だけでなく日本海上空にも飛来している。中国軍機が対馬海峡を通過して日本海へ入ったのは2016年1月31日が初めてで、H-6爆撃機が確認されたのは2016年8月からである。
今年(2017年)1月9日には、H-6爆撃機6機、Y-8早期警戒機1機、Y-9情報収集機1機など計8機が、対馬海峡上空を午前から午後にかけて通過し、東シナ海と日本海を往復している。この時は、翌日に中国海軍のフリゲート艦2隻と補給艦1隻が、対馬海峡を通過して日本海から東シナ海へ向かっているため、H-6爆撃機の飛行目的は空対艦ミサイルによる対艦攻撃など、海軍艦艇との共同訓練だったと思われる。
昨年8月には日本海でミサイル駆逐艦などが演習を行っているが、今月(9月)中旬から下旬には、日本海とオホーツク海でそれぞれ中露海軍が合同軍事演習を実施する予定になっている。
また中国は、北朝鮮東北部にある羅津港の埠頭について、50年間の租借権を取得している。羅津港は日本海沿岸に位置しており、ここを海軍の拠点とすれば、乗組員の休養や補給のために頻繁に対馬海峡を往復しなくても、長期にわたり日本海で行動できるようになる。
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 イギリスはすでに2016年、EU離脱を宣言して、独自の安全保障路線に舵を切り、ドイツも独立性の強い統合軍事力の形成を目指し始めている。

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ドイツが独自の「EU軍」を作り始めた チェコやルーマニアなどの小国と
Germany Is Quietly Building a European Army Under Its Command
2017年5月25日(木)20時30分
エリザベス・ブラウ
他国との部隊統合にはドイツの軍備不足を補う目的もある Ints Kalnins-REUTERS
<過去の戦争の反省か軍備増強はタブーだったはずのドイツが、ルーマニアやチェコやオランダなどドイツの「傘」が要る国と部隊統合をし始めた。目標はヨーロッパ統合軍だ>
「EU軍」の構想は、数年ごとに浮上しては論争を巻き起こす。それは夢の計画であると同時に厄介な難題でもある。ブリュッセルを中心としたEU(欧州連合)内の欧州統合推進派は、ヨーロッパの世界的地位を向上させるためには統合された防衛力が必要だと考えている。一方、ロンドンなど他の地域には、EU軍がいずれNATO(北大西洋条約機構)の対抗勢力になるのを警戒する声もある。
だが2017年に入り、ドイツとチェコ、ルーマニアが、実質的な「EU軍」の設立に向けた大きな動きを進めている。メディアは大きく取り上げなかったが、3カ国共同で兵力統合を発表する記者会見も行っている。この方法なら、EU軍創設について回る果てしない論争や官僚主義を回避できる。
【参考記事】英「ロシアに核の先制使用も辞さず」── 欧州にもくすぶる核攻撃の火種
と言っても、ルーマニア軍が完全にドイツ連邦軍に統合されるわけではなく、チェコ軍がドイツ軍の一部隊に格下げになるわけでもない。今後数カ月のうちに両国は、それぞれ1個旅団分の兵力をドイツ軍に統合させる。ルーマニアの第81機械化旅団がドイツ連邦軍の即応師団に加わり、チェコの第4緊急展開旅団がドイツ軍の第10機甲師団の一部となる。第4緊急展開旅団はアフガニスタンやコソボへの派遣経験があり、チェコ軍の中でも先鋒を務める精鋭として知られている。
軍事力統合へ大きな一歩
オランダ軍は、すでに1個旅団がドイツ連邦軍の即応師団に、もう1個旅団が第1機甲師団に統合されている。ミュンヘン連邦軍大学教授で国際政治学が専門のカルロ・マサラは、たとえヨーロッパの他の国々が時期尚早と考えているとしても、「ドイツ政府はヨーロッパの軍事力統合に向けて進もうとしている」と言う。
【参考記事】トランプごときの指示は受けない──EU首脳が誇り高く反論
欧州委員会委員長のジャン=クロード・ユンケルは、EU軍構想を繰り返し提言しているが、これに対する反応は常に、冷笑か気まずい沈黙かのどちらかだった。EU軍に断固として反対のイギリスがEU離脱を決めた後も、その雰囲気は変わっていない。
EU軍がどのような形態を取るのか、統合の結果として各国軍がどのような能力を放棄することになるのかについては、EUに残る加盟国の間でも、ほとんど議論が行われていない。統合軍に向けた動きは当然、鈍い。
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 すでにアメリカとの軍事的協働が不可能になった場合を見越して、独自の軍事的安全保障政策に舵を切り始めたと思われる。

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NATO
ロシア軍事演習を警戒 兵士10万人超参加か
毎日新聞2017年9月9日 10時30分(最終更新 9月9日 10時30分)
 【ブリュッセル八田浩輔、モスクワ杉尾直哉】ロシアが14日からベラルーシと始める大規模軍事演習を前に北大西洋条約機構(NATO)が警戒感を強めている。加盟国ドイツのフォンデアライエン国防相は7日の欧州連合(EU)国防相会議で、演習にはロシア政府の公式発表の7倍以上となる10万人以上の兵士が参加するとの見方を示し、ロシア側への不信感をあらわにした。
 軍事演習は14~20日にポーランドとリトアニアの間にあるロシアの飛び地カリーニングラード州やベラルーシ西部などで予定されている。演習地域をつなぐリトアニア・ポーランド間の国境線は、制圧されるとバルト3国の孤立を招くNATO東縁の「弱点」だ。エストニアのラタス首相は6日、演習を巡るロシア側の姿勢は「透明性を欠く」と批判し、「あらゆる状況に備える」と懸念を示した。
 ロシア政府は、演習にはベラルーシ軍と合わせて1万2700人の兵士が参加すると公表。しかしNATO側は「過去のロシアの演習では公式発表以上の兵士が参加していた」(ストルテンベルグ事務総長)と指摘し、ロシア側に一定規模以上の軍事演習の査察や事前報告を定めた「ウィーン文書」の順守を求めている。ロシア側はNATOの監視者を演習に招いて透明性の確保を強調するが、NATOは不十分だと反発している。
 NATOの最高軍事機関、軍事委員会のパベル議長(チェコ軍前参謀総長)とロシア軍制服組トップのゲラシモフ参謀総長は7日にアゼルバイジャンで会談。インタファクス通信によると、ゲラシモフ氏は演習の詳細を説明し、「第三国に向けた演習ではない」と伝えた。
 ロシアが同国西部を中心に大規模な演習を実施するのは2013年以来だ。その翌年にロシアがウクライナ南部クリミア半島を一方的に編入した経緯から、NATO加盟国内には今回の演習はベラルーシにロシア軍を常駐させる布石ではないかとの見方もある。一方、NATOもウクライナ危機を受けて東欧での軍備を増強してロシアへのけん制を続ける。昨年7月の首脳会議で対露抑止力の一環としてバルト3国とポーランドに4000人の多国籍部隊の配備を決め、この夏から全面的な展開を開始するなど緊張緩和の兆候はみえない。
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 EU軍は明らかにロシア軍との地上戦の発生を想定した対応をすでに始めている。

2.多極化する戦線の中で
 以上、書いてみたが、仮想第三次世界大戦は単純に中国=ロシア軍事同盟対EU軍、アメリカ軍、太平洋諸国、インドのような二極図式にはならないかもしれない。トランプ政権はロシアとの間で何かの密約を持っている可能性があり、それがドイツ等の離反を招いていると思われる。ロシアは中国に協力すると見せかけて、別な戦略的意図で動いている可能性が高い。中国もロシアの動きを見ながら、アメリカへの対抗策を立てていると言える。
 北朝鮮に対しても、中国とロシアはおそらくまったく違った意図を内部に持っている。

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8月15日の日米電話会談 政府関係者が語った内容とは「まるで逆」

2017年9月3日 18時0分
8月15日、安倍首相はトランプ米大統領との9回目の電話会談に臨んだ
安倍氏は「今は北朝鮮に圧力をかけるとき」だと話したと政府関係者は語った
しかし実際は、米国が北朝鮮空爆を思いとどまったことを評価していたそう
「クリスマスまでに…」トランプが安倍首相に告げた北朝鮮危機限界点 【特別レポート】電話会談で話された事
ついに北朝鮮が核実験に踏み切った。さらに緊張感が高まる半島情勢。米朝開戦はあるのか、ないのか?両国の危険で気まぐれな似た者同士のリーダーに世界が翻弄されている。アジアが漂流し、日本が漂流しているいま、本当は何が起こっているのか。
これまで何度も北朝鮮のスクープ情報を報じてきた近藤大介記者の特別レポート(「週刊現代」2017年9月9日号より)。
「もう我慢はしない」
「北朝鮮と戦争するのは、絶対に止めていただきたい!有事になれば、日本に甚大な被害が及ぶことになる」
奇しくも終戦記念日の8月15日、首相官邸に、官邸の主である安倍晋三首相の「戦争」という言葉が響き渡った。
この日、昼に日本武道館で執り行われる全国戦没者追悼式を控えた安倍首相は、午前10時27分から55分まで、トランプ米大統領との9回目の電話会談に臨んだ。
議題はもちろん、差し迫った北朝鮮問題だった。トランプ大統領と金正恩政権は、互いに相手を挑発する発言をエスカレートさせていて、このまま行けば、秋にも米朝開戦となりかねない状況だったのだ。
ところが、30分に満たない電話会談でトランプ大統領が安倍首相に告げたのは、早期の北朝鮮攻撃計画ではなかった。次のようなまったく別の方針だったのだ。
「私は、金正恩と話し合うことにした。マティス(国防長官)がいろいろ理由をつけて、『いまは戦争準備が整っていません』と言うから、そのアドバイスに従うことにしたのだ。
金正恩は、『ICBM(大陸間弾道ミサイル)を撃ってアメリカのクリスマスを台無しにする』と宣言し、実際、今年のクリスマスに向けて核弾頭を搭載したICBMを配備しようとしている。だからそうなる時までを交渉期限にして、それまでは金正恩と話し合う。
北朝鮮との交渉では、核兵器かICBMか、少なくともどちらか一方を放棄してもらう。それが嫌だと言うなら、もう我慢はしない。迷わず北朝鮮を叩く。その頃には、わが軍も北朝鮮攻撃の準備が整っているだろう。
もし金正恩が、核かミサイルのどちらか一方でも放棄する決断をしたなら、北朝鮮と平和協定を結ぶ。そうなった時には、同盟国である日本にも、全面的に協力してほしい」
中国軍が南下するリスク
以上が、トランプ大統領が安倍首相に述べた発言の核心部分である。
これに対して、安倍首相が答えて言った。
「アメリカが早期の北朝鮮空爆を思いとどまったことは評価したい。日本としても、様々なチャンネルを通じて、引き続き北朝鮮に対して、核とミサイルの放棄を促していく」
この電話会談後、政府関係者は記者団に、「(安倍)総理からトランプ大統領に、『対話のための対話は意味がなく、今は北朝鮮に圧力をかける時だ』と述べ、大統領の同意を得た」とブリーフィングした。だが事実は、まるで逆だったのである。
実際、安倍首相のもとには、米朝有事の際に日本が被ることが予測されるリスクが報告されていた。
◯日本国内でのテロ
東京を始めとする大都市の繁華街やイベント会場、新幹線の車内などで、北朝鮮の命を受けたテロリストが爆破テロを起こす。このところヨーロッパで頻発しているケースだ。
◯在日米軍への攻撃
アメリカは、日本政府の意向を考慮することなく在日米軍を参戦させることが予想される。そのため、北朝鮮攻撃の前線基地となる三沢基地、嘉手納基地、岩国基地とその周辺に、北朝鮮のミサイルが飛来する。
◯在韓邦人の被害
北朝鮮軍の韓国に向けた砲弾や侵攻によって、約3万8000人の在韓邦人が危険にさらされる。ところが、文在寅政権は自衛隊の韓国領内進入を「断固拒否」しており、在韓米軍も自国民以外の救出には消極的だ。
◯中国軍の南下
米朝開戦になれば、中国人民解放軍が中朝国境の鴨緑江を突破して南下してくるのは必至。そうなると尖閣諸島は無論、九州北部の手厚い防衛が必要になる。
安倍首相に近い人物が解説する。
「元来、北朝鮮リスクのことを、官邸内では『北風』という隠語で呼び、必ずしも悪いものとは捉えていなかった。例えば7月28日に稲田朋美防衛相を辞任させた時、安倍内閣は4年半余りで最大のピンチを迎えた。
だが、その日の深夜に北朝鮮が2回目のICBMを発射したことで、南スーダンの『日報』を巡る防衛省スキャンダルは雲散霧消してしまった。
それでも安倍首相は、北朝鮮の脅威に対して、アメリカが本気で戦争を仕掛けようとするとは想定していなかったのだ。日本は東アジアで唯一、戦後72年間にわたって平和を維持してきた国なので、地震や津波といった自然災害以外の有事に対しては、極めて弱い。
米朝開戦によるリスクの中でも、安倍首相が特に眉をひそめたのが、『中国軍の南下』だった。首相は『習近平なら、混乱に乗じて日本侵攻もやりかねない』と、警戒感を強めていた」
トランプが電撃訪朝
実際、アメリカと北朝鮮は、水面下で両国のチキンレースをクールダウンさせる糸口を探ってきた。
アメリカの外交関係者が明かす。
「このところの米朝交渉は、北朝鮮の国連代表部を通した、いわゆる『NYチャンネル』で行っている。このチャンネルはしばらく途絶えていたが、オットー・ワームビア氏(6月19日死去)の救出を契機に復活した。
アメリカ側はジョセフ・ユン国務省北朝鮮政策担当特別代表が、北朝鮮側は朴ソンイル国連代表部米国担当大使が責任者だ。交渉の詳細は明かせないが、双方が『行動対行動』を原則にしている。
アメリカはユン代表から直接、国務長官室に報告が上げられ、長官室から指示を仰いでいる。そのため、オバマ政権の時に較べて断然決定が早い」
たしかに、この「NYチャンネル」が効力を発揮していることは、8月に入って見てとれる。
まず、トランプ政権の中で最もハト派と言われるティラーソン国務長官が、1日の会見で、「北朝鮮はわれわれの敵でも脅威でもない」と宣言。7日にはARF(ASEAN地域フォーラム)出席のため訪れたマニラで、「北朝鮮はミサイル発射を止めることで、対話のテーブルに着く意思を示せる」と促した。
すると北朝鮮も15日、朝鮮労働党機関紙『労働新聞』が、「愚かで未練がましいアメリカの奴らの動態を、もう少し見守る」という金正恩委員長のコメントを紹介。あれだけ振り回していた拳を、一転して下げた。
さらにこのメッセージに応じるように、16日にはトランプ大統領も、「金正恩は非常に賢く合理的な決定をした」とツイートした。
22日にはティラーソン国務長官が、「北朝鮮がある程度、自制していることに満足している」と発言。トランプ大統領も同日、アリゾナ州でのスピーチで、「金正恩はわれわれに敬意を払い始めた。(米朝間で)何かよいことが起こるかもしれない」と語った。
アメリカ政府関係者が続ける。
「このまま『NYチャンネル』を通じて米朝対話が順調に進んでいけば、9月に入ってユン代表が訪朝する。次に同月の国連総会の期間中に、北朝鮮のリ・スヨン外交委員長がNY入りし、ティラーソン国務長官と、米朝外交トップ会談を行うだろう。
そこで米朝が大枠合意に至ったなら、早ければ11月にもトランプ大統領の電撃訪朝が実現するかもしれない。もともと11月10日、11日のベトナムAPEC(アジア太平洋経済協力会議)に合わせて東アジア歴訪を予定しているので、その足で平壌にも立ち寄るということだ」
トランプ大統領が電撃訪朝――もし実現すれば、東アジア情勢が劇的に変化するのは確実だ。そもそもトランプ大統領は、選挙期間中の昨夏、「金正恩とハンバーガーを食べながら会談する」と豪語していたくらいだ。対北朝鮮外交を前進させれば、内政が八方塞がりの中、起死回生の一手となるに違いない。
もし金正恩が断れば……
8月23日、米朝開戦の際に最前線の指揮官となるアーコイン米海軍第7艦隊司令官の解任というビッグニュースが、アジアを駆け巡った。
トランプ政権になってから、イージス艦による事故が4件も起こっていて、8月21日にも、マラッカ海峡でタンカーと衝突して10人が行方不明となっている。たしかにこのような状態では、とても北朝鮮と一戦交えることなど、おぼつかないだろう。
一方の北朝鮮も8月5日、国連安保理に、これまでで最も厳しい対北朝鮮制裁を科された。北朝鮮の「3大輸出品」と言われる石炭、鉄、それに労働力に禁輸措置がかかったのだ。
ただでさえ、旱魃と洪水で、秋の収穫は昨年よりもかなり不作になると予想されている。そんな中、北朝鮮としては何としてもアメリカとの交渉を前進させたいはずだ。
だが、安倍政権としては、米朝開戦も困るが、あまりに急激な米朝接近も警戒している。前出の安倍首相に近い人物が、首相の心境を代弁する。
「北朝鮮がアメリカに対して、『ICBMは放棄するが核兵器は放棄しない』と主張したらどうなるか。
トランプ政権は、『アメリカへの直接の脅威が消えた』と満足するかもしれないが、日本への脅威はまったく減らない。それどころか、北朝鮮を核保有国として認めないといけなくなる。
同時に、日本が最優先課題にしている拉致問題は無視され、ますます解決が遠のくことになる。それでも日本はアメリカから背中を押されて、日朝関係を改善せざるを得ないだろう」
それでは、米朝関係は今後、順調に改善していくのだろうか。北朝鮮問題に精通し、首相にも報告を上げている防衛関係者は、「あくまでも個人的見解」と断った上で、次のように述べた。
「金正恩が核かミサイルを放棄することは、残念ながら考えにくい。そのため米朝交渉は早晩、行き詰まるだろう。
ただそれだけでは、アメリカ国民を巻き込んでの開戦ムードにはならないから、トランプ政権は北朝鮮が真珠湾攻撃のような〝暴発〟を起こすように追い込んでいくに違いない。
その際、日本政府が注視しているのは、第一に在韓アメリカ人の出国待避状況。第二に米海軍の病院船の出動状況だ。この二つが緊急態勢に入った時が、本物の危機だ」
8月17日にワシントンで開かれた「2+2」(日米安全保障協議委員会)では、河野太郎外相と小野寺五典防衛相がアメリカに対して、有事の際に米軍に在韓邦人の救助(NEO)を要請したが、米側ははっきりYESとは言わなかった。
北朝鮮有事は日本有事でもある。そして有事の行方は、トランプと金正恩という似た者同士の危険なリーダーの手に握られている。
近藤大介(こんどう・だいすけ)
アジア取材をライフワークとする。新著『大国の暴走』(渡部恒雄氏、小泉悠氏との共著)他、24冊の著書がある
「週刊現代」2017年9月9日号より
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 日本の新聞やテレビニュースが流している北朝鮮情勢と関連の動きは、ぜんぶ「見せかけ」と見たほうがよい。別の動きがすでに始まっている。

3.日本の進む道
 アメリカの日本への態度は今後の対ロシア、対中国との関係の中で変化する可能性がある。日本は、少なくともロシアとの関係は裏と表を使い分けたほうが安全だろう。

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「反ロシア色」強める中国はどこへ向かうの
下手すれば米中ロの三つどもえの争いも
Reuters 2016年04月26日
中央アジアとの連携を強める中国の習近平国家主席 (写真 : ロイター/Kevin Lamarque)
西側のメディアや政治機関は中国やロシアを、西側と対立する陣営のようにとらえがちだ。政府は西側よりも独裁的で、開かれた機関や報道の自由に対して懐疑的であり、国際的な論争においてはしばしば、欧米の利害に対抗して手を組む存在だというわけだ。
こうした特徴づけは完全な間違いではないが、この両国が互いに争い疑念を抱いている点を見逃している。中ロの敵対関係は今日、再び脚光を浴びている。中央アジアで中国がロシア抜きの反テロ連合を提案したことで、両国関係が今後数十年間にわたって緊張する可能性が増しているからだ。
中央アジアは両国にとって、何世紀にもわたって戦略的な不安定の根源であり続けてきた。特に中国にとってはそうだった。中央アジアの各民族が定期的に反乱を起こしたからだ。
ロシアと中国は18世紀半ばまでに、安全保障の目的で中央アジアへの支配強化を図った。この努力は、ロシアがシベリアを統治下に置き、清朝が「新疆省」(現在の新疆ウイグル自治区)を設置したことで実を結んだ。
ただ、それ以降の大半の時期において、ロシアの影響力は中国をしのぎ続け、旧ソ連時代にはついに中央アジアの各共和国だけでなく、モンゴルをも影響下に置いた。
盛り返して来た中国
しかし、今日になって、勢力を盛り返した中国が大々的に中央アジアへ影響力を及ぼしてきたことは、ロシアを憂慮させている。中国が提案した反テロ連合は「大国の外交関係」の最新形態だ。もしも構築に至った場合、中国と中央アジア各国は、諜報や監視、軍事の面で協力することになる。
すでにパキスタンやアフガニスタン、タジキスタンがこの構想に関心を示し、他の各共和国にも交渉が打診されている。現時点で詳細があまり明らかになっていないのは、多くの点で行き詰まり、提案が白紙に戻ってしまう可能性があることを示唆している。これは主に、格下と見られる国々を相手にする場合、中国の外交は不器用かつ自信過剰になりがちだからだ。
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 ロシアと中国との関係は、敵でも有り協力者でもある微妙な関係で、中央アジアの支配権をめぐって潜在的には非常に大きな対立要因がある。ロシアとアメリカとの関係も、トランプの当選を支えた共和党へのロシア関係勢力の浸透が入り込んでいる状態では、以前のような日米同盟はありえない。

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日本と中国の対立はトランプ政権の最も望むシナリオ―米華字メディア
Record china配信日時:2016年12月29日(木) 13時50分
日本と中国の対立はトランプ政権の最も望むシナリオ―米華字メディア画像ID 539242
27日、トランプ政権の誕生は米国の外交政策に不確定要素をもたらすことが予想されるが、日中関係について言えば、両国の対立こそトランプ政権の望むところだという。
2016年12月27日、米華字メディア・多維新聞によると、トランプ政権の誕生は米国の外交政策に不確定要素をもたらすことが予想されるが、日中関係について言えば、両国の対立こそトランプ政権の望むところだという。
トランプ次期大統領はこれまでの慣習に反し、「一つの中国」やイスラエル問題で独自の政策見解を発し、議論の火種を次々に生み出している。トランプ氏が選挙に勝利したことをきっかけに、政治的不確定要素や不安、懸念が各国に広がっている。
今後の米中関係には二つのシナリオが予想されている。米中の取引が成立し、関係が深まり、ロシアも加わって米中ロの協調体制が構築され、日本だけが孤立するシナリオと、日中の対立が深まり、日米同盟が維持されるシナリオだという。
日中の対立が深まれば、米国から兵器輸入を継続しなければならず、日本は防衛費やその関連予算を増やすこととなる。トランプ政権率いる米国は日中の対立から漁夫の利が得られることが期待でき、日本と中国の軍備競争はトランプ政権が最も望むシナリオとなる。
日本は米中の接近を何としても阻止したいところだが、いずれにしても2017年は日本にとって厳しい1年になることが予想される。(翻訳・編集/岡田)
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 トランプは裏で何をしているかまったく分からない。従って、日本の方向性としては、
(1)対アメリカ(オーストラリア、ニュージーランド):米軍等との実質的協力の推進/民間交流・経済関係・ハイテク関係交流推進/アメリカ政府に対しては面從腹背
(2)対ロシア(北朝鮮):水面下での軍事協力の模索(ミサイル、陸軍用火器、戦闘車両等の日本への輸入、核兵器の供与を求める方向に)/表面は北方領土や漁業資源等で対立、緊張を演出
(3)対中国(韓国):民間交流・文化関係・経済関係の交流拡大/政府間関係は「昼行燈」、安全保障に関しては執拗に対抗、日本国内での中国・韓国系武装民兵組織の徹底摘発(内政問題なので徹底的に、反乱罪等の対武装民兵対処法整備、日本国内の日本人協力者や組織への適用規定整備)
(4)インド・東南アジア:実質的軍事協力の推進/民間交流・文化交流・経済関係推進/各国の対中国関係で態度を変更
 2017年以降はもう冷戦時代のような単純な勢力分布の概念を捨てることが大切だろう。みな濃さの違う灰色の関係なのである。AでもありBでもありえる。

 基本的には独立維持のために抑止力として弾道ミサイルと核兵器の保持明確化とロシア・中国・韓国の武装民兵による日本列島での民族浄化戦に備えた民間防衛体制の整備が早晩必要になるだろう。


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