昨年の台湾映画の大ヒット『海角七号』は台湾の民主化の偉大な金字塔と言えるだろう。19世紀は民族主義、20世紀はイデオロギーの表現が人類を血塗れの悲惨においやったが、21世紀の文化は、こうした形象に結実することで、きっと未来を開拓できるに違いない。(写真は、台湾のファンのネットにあふれる『海角七号』のDVDジャケットの写真<http://peichipaper.blogspot.com/2008/08/cape-no7.html>ファンの感想には映画によって喚起された「在地化」という概念があふれている)
春節の台湾ケーブルTVの映画でも地域色を活かした日本映画(『フラガール』『マリと小犬の物語』など)が目立った。こうした庶民の映画はナチス中国の野望を越えて人類が21世紀を活きる知恵を教えてくれる。 . . . 本文を読む
馬英九総統の外遊に合わせて陳水扁前総統の資金疑惑が浮上した。これが偶然の暗合ということはない。====陳水扁氏らを海外渡航禁止に 資金洗浄疑惑で本格捜査2008年8月18日(月)21:41* 共同通信http://news.goo.ne.jp/article/kyodo/world/CO2008081801000892.html
【台北18日共同】台湾の最高検察当局は18日、陳水扁前総統の家族によるマネーロンダリング(資金洗浄)疑惑で、前総統と呉淑珍夫人ら5人を本格的に捜査すると発表、前総統らの海外渡航を禁止した。当局は送金先のスイスに捜査員を派遣した。報道などによると、当局は政治献金法や公務員の財産申請法違反などの容疑でも捜査。今回の疑惑は、民主進歩党にとって大きな打撃となりそうだ。====中国新華社と繋がりの深い共同通信にその目的「民主進歩党にとって大きな打撃」がはっきり示されている。台湾の民主主義の正念場は今からだ。 . . . 本文を読む
総統・馬英九が進める中国大陸との協商路線だが、その動きが具体化した。アメリカはじめ欧米各国も好意的に受け止めている。
その一方で、台湾の外省人支配層あるいは本省人・富裕層は中国との統一によって既得権益を守り大陸支配の下でも特権階級として君臨する選択に傾きつつあり、馬英九に「反日」宣言をさせ、大陸との統一に向けたプロパガンダ戦を行っているように見える。6月10日に起きた尖閣諸島での台湾漁船領海侵犯事件は、台湾で政治的利用が進んでいる。もとをたどれば、そのために中国国粋主義者が巡らした陰謀の一端とも考えられる。
もし馬の下で台湾が事実上中国に併合されたとすれば、これはナチスドイツによるオーストリアやチェコ併合に相当する事態で、次に来るのは対露同盟(オバマ政権下での太平洋分割統治条約)とポーランド侵攻(北からロシア軍が北海道・東北を占領、中央から韓国・北鮮軍が本州、四国を占領、南から中国軍が沖縄・九州を占領)である。
対策は?最悪の環境負荷であり21世紀軍国主義の権化である中国製品を私達の生活から徹底的に排除する、私達が平和を守る道は実は簡単なことである。 . . . 本文を読む
9日の台北と高雄の市長選挙は、台北で国民党が、高雄で民進党が勝った。事前の予想通りといえばそのとおりなのだが、従来の二項対立(国民党=外省人・中国派対民進党=本土派)的選挙から言えば、国民のバランス感覚という点で、昨年末の地方選挙と並び、こうした図式が崩れ始めている点で、こうした対立を利用して勢力を伸ばしてきた民主化第2世代が守旧化し始めていると言え、一段と評価できる選挙ではなかったかと思われる。 . . . 本文を読む
台湾の知性を代表する李遠哲氏が今の政治状況に態度を明らかに示したことは、今後の政局の流れを決めるものになるかもしれない。心からその決断に敬意を表したい。氏の公開書簡の内容は台湾民主化の記念碑の一つとなるに違いない。 . . . 本文を読む
中信金グループトップの告発、今回の呉淑珍総統夫人起訴など、10月末から始まった台湾の検察当局による汚職摘発の影響をどう評価するか?台湾の民主化が本格的な第三期にはいるかどうか、注目される。
その中で、11月9日に、陳水扁政権誕生に大きな役割を果たした李遠哲前中央科学研究院院長が総統宛の公開書簡を公表した。 . . . 本文を読む
1.台湾の政権交代可能性の現状:台湾の後継路線は誕生が難航している。
台湾の反腐敗(あるいは反総統)派と擁護派の集会の様子は、ほぼ擁護派を擁護する立場で、
「座り込み運動」の実態は、国民党反動派の集会
ファッショ的な「陳水扁打倒」運動 緑陣営も低次元な対抗戦術はやめませう
台湾メディアの一方的な報道こそが緑陣営の暴発を招いた
施明徳の「倒扁」運動の結果は、意外なことに馬英九の後退をもた . . . 本文を読む
1.政界再編に向かうのか?:6月27日に陳総統に対する罷免決議が投票されたが、罷免案は成立しなかった。日本の新聞でも取り上げられている。(全文引用に問題があればお知らせください)
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陳総統、重い宿題 罷免案否決も後ろ盾から批判票
【台北=長谷川周人】台湾の立法院(国会)は27日、野党提出の総統罷免案を表決したが、賛成票は可決に必要な立法委員(国会議員)総数221人の3分の2に届かず、罷 . . . 本文を読む
1.搖れ続ける政局:台湾の民主化・本土化の行く方は、私の滞在時期でわけると李総統時代の第一期、陳総統第一回目の第二期、そして昨年末の地方選挙以来、第三段階に入ったように見える。昨年末の記事は以下。
台湾統一地方選挙の分析─Taiwan News財經˙文化周刊から─
今年の春の様子は以下で紹介した。
二人の指導者のアメリカ行き─始まった2008年総統選挙─
台湾万歳!(1)─説的對(よくぞ言 . . . 本文を読む
1.台湾の帰趨:前回、「二人の指導者のアメリカ行き」で、馬市長のアメリカ訪問をお伝えした。続報として、注目される最近の台湾関係論評やニュースから三本を要約してお届けしたい。まず、馬市長の訪米と陳総統との会見で、馬市長の訪米について、日本の論評で見つけたのは以下。台湾的生活新聞「馬英九の訪米」:動きと意義についてよくまとまっていると思う。
また、4月3日、馬市長と陳総統が2時間あまり会談し、陳総統 . . . 本文を読む
1.非中心文化圈の情報発信の大切さ:今、台湾の次期指導者候補二人がアメリカに行っている。このニュースをテレビで見て、いくつか注目される台湾関係ニュースに絡めて、日本の問題を考えてみたい。
今日、インターネットでの科学情報公開のニュースが出ていた(全文引用に問題があればお知らせください)。
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<科学技術振興機構>ネットで日本発の論文閲覧可能に
科学技術振興機構(JST、沖村憲樹理事長) . . . 本文を読む
台湾で12月3日に行なわれた統一地方選挙の結果について、新聞各紙が出した論説あるいは解説記事をご紹介したい。最初は、最も保守的あるいは国民党よりと言われる「聯合報」の記事である。解説的社説が見当たらなかったので、記者の分析記事を紹介する。
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選挙結果は陳総統に対する不信任投票 聯合新聞網 聯合報記者黄雅詩
http://tw.news.y . . . 本文を読む
12月3日の台湾統一地方選挙での民進党の敗北について、インターネット上でもさまざまな意見がかわされている。
いくつか目に付いた記事を紹介する。
「私の「認識台湾」」さん
http://blog.goo.ne.jp/tsubamerailstar/e/5725ff2cf215fb8b96b20da662cea593
紹介のニュース記事はもちろん、コメントに書き込まれた意見も参考になる。
「むじ . . . 本文を読む
台湾での台風後の災害については、前回述べたが、「日々是チナオチ」さんが、すでに、取り上げているように、先週7月下旬から台湾のメディアは、大陸での新型伝染病の話題を取り上げるようになっている。詳細は、「日々是チナオチ」さんの記事でみていただくといいが、台湾でのニュース記事を以下に紹介する。
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1豬鏈球菌病延燒WHO緊盯
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7月17日から18日にかけて、台風「海棠」が来た。全台湾に「不上班不上課(休業と休校)」が宣言されて、全土で厳戒体制がとられた。今年は春からの長雨で、中南部を中心に水害が相次ぎ、一週間近く水か退かなかった地方もあった。また、921地震のあと、地盤の崩壊のためか、山岳地帯の村々では、今までになく土石流の被害が拡大しており、昨年も多くの死者を出している。今回はその教訓から、早めの避難が行なわれた。
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