Tiangangの毎日

浦和から国分寺に引っ越したフットボール好き。レッズの試合や食べたもの、旅行、読んだ本などをのんびり書いてます。

「反日デモと歴史問題」

2005-04-12 06:40:59 | Weblog
4/12
・この週末は北京や広州等で反日デモが繰り広げられた。幸い瀋陽ではそれほど大きな動きはなかったようだ。デモ自体は合法的な意思表示手段で構わないとしても、日本料理店や日本スーパー、大使館への投石等の暴力行為を中国側の公安系統が黙認して放置している事実は看過できない。
・今回の一連のデモの原因は、日本の常任安保理加盟反対や新しい歴史教科書問題だが、結局は日中歴史問題に行き着く。日中の歴史認識については、中国側が各層で自由に議論できる素地がないのが残念だ。日本では少なくとも個々人が自由に意見を表明できるが、中国では国家・共産党の見解から外れた意見を公の場で表明することは難しい。新しい歴史教科書問題にしても、日本では個人や団体が様々な見解を表明しているのに対して、中国ではそれが許されず「日本の右翼分子による歴史歪曲」という断定的かつ偏った報道のみで、一般の市民に与えられている情報は極めて限定的なものである。個人的にはこれほど強く批判しているのであれば同書の中国語訳でもつくった上で中国側の市民間でも自由に議論してもらえば良いと思っている。
・残念なことに「つくる会」が表明した基本的な歴史観である「歴史を単純な善悪2元論で見ることに疑問」といったところまで掘り下げて議論している中国の報道記事は目にしない。「つくる会」の視点は私なりに理解するところは、日本や世界の歴史は多くの戦争の繰り返しだったわけだが、それぞれの戦争をとりまく時代背景には様々で複雑な要因と異なる正義観が並存していたことから、現在の私達が歴史を語る上でどちらが善者でどちらが悪者であるかを容易に判断することは難しいし、判断するべきではないということだと思われる。ローマ帝国を築いたローマと滅ぼされた多くの周辺都市国家の民、北方民族の女真族(金)やモンゴル族(元)と支配下に下った漢族、オスマン帝国と支配下におかれたシリア、イラク等の周辺地域の民、アメリカやアフリカ等に入植していったヨーロッパ人と支配された原住民、歴史を語る上でこれらの当事者のどちらが善で悪か、どちらの行為が「あやまち(過ち)」だったのかを語ることは難しいしそうするべきではないということなのだろう。その意味で新しい歴史教科書の議論で中国側が「第二次世界大戦についての記述で日本が悪者であるように記述しないのは歴史改悪であり、日本が過ちを犯したことを反省していない。」と主張しているのは「歴史を善悪の2元論で語る」という視点を前提としてなされているように見える。
・中国側には「つくる会」の基本的立場である「歴史を善悪の単純な2元論で観ることに疑問」といった立場まで掘り下げて是非中国国内で議論してもらいたいと思うが、「侵略されたアジアの人々を傷つける」という感情論の前では冷静な議論は出来ないのであろうか。

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2 コメント

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大丈夫ですか? (Metty)
2005-04-13 17:46:39
こんにちは!お元気ですか?最近中国国内の反日デモは盛り上がってるのね。瀋陽は大丈夫ですか?東北地方ですから、きっと南方よりひどいでしょうと思うから、本当に心配!瀋陽の皆さんは大丈夫ですか?アモイは不買、不売運動もないし、もちろんデモなんかもないよ!平和のアモイにいて、本当に最高だなぁ~と思うよ。瀋陽チームの皆さんは人身安全に気をつけてね。
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>>Mettyさん (tiangang)
2005-04-14 18:05:00
Mettyさん、お久しぶりです。アモイから帰って来て既に3週間が経とうとしています。お心遣い謝謝です。瀋陽は今のところは平穏な方ですね。またMettyさんも十分気をつけてくださいね。
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