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ITニュースの解説や感想。その他、気になる話題にもガンガン突っ込む。映画の感想はネタばれあり。

アメリカ大統領の「当選確実」と「不誠実な選挙人」と「副大統領候補」

2020-11-08 23:24:17 | 政治経済
アメリカ大統領選挙は、大方の見方通りジョー・バイデンの勝利で終わりそうだ。

大統領選挙は、一般の有権者が州毎に大統領に投票する選挙人を選び、その選挙人が大統領を選出する。
ほとんどの州は、その週の一般有権者の投票で選ばれた大統領候補に投票する選挙人を総取りする。
全米で538人の選挙人が選出されるので過半数の270人の選挙人を獲得すれば勝てる。

今回の選挙では郵便投票が多く開票作業に時間がかかっている。
郵便投票はただ単に封を切って取り出し数えればいいだけでなく、投票者が本当に本人かどうか、
郵便と投票所での投票で二重投票していないか、など確認する必要があり時間がかかる。

なお、日本とは違い投票用紙に候補者名を書くのではなく、候補者が書かれたシートにマークを付ける方式なので、
字が汚くて読めないとか、姓名の一部が間違っている。姓名の一部しか書いてない、などのトラブルはないが、
マークがはっきりしないとか、複数か所にマークしているとか、逆に全く書いてないとかはあり得るだろう。

いずれにしても、例えばカリフォルニア州でバイデンが勝利し55人獲得、テキサスではトランプが38人など
獲得した選挙人の数を足していって270に達すれば勝ち、すなわち「当選」だと思っていた。

しかし、メディアでは「当選」と書いているところもあるが、たいていは「当選確実」としている。
ずっと不思議だった。
当選者が勝利宣言し、落選者が敗者宣言(今回はしてないけど)するのに。

その理由は、本当の大統領選挙は12/14に行われる選挙人自身による投票だから。
既に一般投票で選ばれているとはいえ、物理的には投票していない。
未来の事象なので「確実」としか言えない。
うん、建前上はそうなんだろうな、と思った。

しかし、ここへきて「不誠実な選挙人」がいると知った。
つまり、一般投票で選ばれた大統領候補に投票しない選挙人がいるとのこと。
前回2016年は、トランプに投票しなかった人が2人、ヒラリー・クリントンに投票しなかった人は5人いたらしい。

米国憲法修正12条によって選挙人の投票の自由が保障されているともいう。
しかし、
今年の7月に連邦最高裁が「州の一般投票で勝利した候補者に投票することを選挙人に義務付ける権限を州に認めた」そうだ。
ある判事は憲法修正第12条は「選挙人に対する幅広い権限を州に与えているが、選挙人自身には何も権利を与えていない」
とも言っているらしい。

それでもメディアが「不誠実な選挙人」の存在がどうのこうのいっているところを見ると、義務付ける権限はあっても
実際に義務付けていない州があるようだ。

これが、300:258などの大差であれば、10人程度の「不誠実な選挙人」がいたところで全く影響はない。
しかし、270:268などの僅差であれば、「不誠実な選挙人」が大統領選挙に大影響を与える可能性がある。
民主党の選挙人に選ばれながら、トランプに投票すれば逆転だってあり得るし、バイデンでもトランプでもない第三者、
例えばクリントンとか、オバマとか、マケインとかに投票すれば、両候補とも過半数の270に達しない可能性だってある。

また、トランプ側の訴訟連発で各州の選挙結果が期限までに確定させられず、選挙人が投票できない可能性もあるらしい。
そうなればまた別の決着の仕方があるらしいが、ともかくいろんな可能性があるようだ。
ま、そんなことはあり得ないとは思うが、可能性のある「お話」としては興味深い。
これらはすべて架空の話ではなく、ルールとして定められている。

アメリカは意外と細かいところまでルールを決めており、例えば大統領が執務不能になった場合は副大統領が大統領になる。
副大統領が執務不能になった場合は下院議長が大統領権限を持つ「大統領代行」になる。
(あくまで「大統領代行」で大統領ではない)
下院議長もダメな場合は上院仮議長が大統領代行になる。
なお、上院議長は副大統領が兼務することになっており、副大統領不在に備えて、仮議長が決まっている。
さらにそれがダメな場合は国務長官が・・・などなど権限継承順位第18位までが決められている。

大統領が死亡または辞任したことによって大統領になった副大統領は過去9人おり、有名どころでは
ルーズベルトの死亡により大統領になったトルーマン。
原爆の開発計画(マンハッタン計画)を承認したのはルーズベルトだが、実際に原爆投下の命令を出したのはトルーマン。
ジョン・F・ケネディの暗殺によって大統領になったジョンソン。
ベトナム戦争のきっかけを作ったのはケネディだが、「トンキン湾事件」後の泥沼を作ったのはジョンソン。
ウォーターゲート事件で辞職したニクソンの後を継いだのはフォード。
オイルショックによる経済不況とニクソン前大統領への恩赦が不評で次の大統領選挙では落選している。
アメリカ史上唯一の大統領選挙で選ばれなかった大統領でもある。
いずれもあまりいい印象はない。

バイデンが大統領になることは世界政治にとって良いことだと思うが、気になるのは副大統領。
選挙では大統領が選ばれた後に副大統領を指名するのではなく、大統領と副大統領のペア、セットで選挙される。

バイデン氏がご高齢(78歳)であることもあり、ハリス氏が大統領に昇格する可能性がある。
バイデン氏に万が一のことがあった時の次の大統領はハリス氏と決まっている。

オバマと争ったマケイン候補が落選したのは、多分に副大統領候補だったサラ・ペイリンの影響もあったと思うが、
あそこまではっきりしていれば好き嫌いがはっきりさせられる。

しかし、ハリス氏はよくわからないと言うかよく知らない。
いつもニコニコしている印象で、なんとなく不可思議な感じがする。
もしハリス氏が大統領になったら、どういう政治をするのだろうと気になるのは私だけだろうか。

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