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RMT:Real Money Trading

2004-10-14 09:46:51 | IT
RMT:Real Money Trading
いよいよ、RMTが普通の新聞でも取り上げられ始めた。
日本語では、実貨幣取引とでも言おうか。
すると、反対語は仮想貨幣取引となるのだろうか。
実際、オンラインゲームのサイトでは、仮想貨幣(ゲームの中だけで通用する貨幣)という言葉もあるようだ。

さて、RPG(ロール・プレイング・ゲーム)をやったことがある人ならお分かりだろうが、RPGでは、さまざまな敵と戦いこれを倒すことにより(技などの)経験や、武器や道具、それに仮想貨幣を手に入れる。
この仮想貨幣は、ゲームの中でさらに強力な武器、道具、薬など(アイテム)と交換する(買う)ことができる。
また、ゲームを進め秘密の場所から特別なアイテムを手に入れることもできる。
しかし、この特別な、あるいは強力なアイテムを手に入れるためには、訓練や謎解きが必要で時間が掛かる。
時間がない場合や面倒な場合、手っ取り早い方法は人から手に入れることだ。

とはいっても、そこは仮想社会、ひとつのゲームの中でプレーしている限り結局一人芝居、だった。
「だった」というのは、オンライン・ゲームがその壁を取り除いたからだ。
オンライン・ゲームでは、(論理的に)ひとつのゲーム・サーバの中で複数の人間がゲームを行う。
物理的な他人からものをもらうことができる。

そこでゲームの中でせっせと金だけ稼いで、特別なアイテムを持ってるやつから買えばいい。
実際にゲームの中で「市」が開かれることもある。
また、売り手は「金」目当てにせっせと特別なアイテム探しに精を出す。
ある種の市場経済がゲームの中で成立した。

とまあ、ここまではゲームの中で自然成立的に経済原理が成り立って行く。
学問的にも面白い現象だな、ですんでいた。

しかし、ゲームの中でしか通用しない仮想貨幣をいくら稼いでも結局は仮想社会の中での出来事に過ぎない。
そこで、現実社会とリンクさせる人たちが現れた。
実貨幣と、仮想貨幣、アイテムを交換するのだ。
なかなか手に入らないアイテムや、大金の仮想貨幣を実貨幣で売買するのだ。
これをRMTと呼ぶ。

RM(実貨幣)の魅力は大きいと見え、そのためにゲームをする人々が登場する。
そのゲームである程度の経験や技を身につけた「達人」がその技術を使って、実貨幣との売買目的でアイテムや仮想貨幣を集めに掛かるのだ。
一種のバーチャルとリアルの融合といえるだろう。

これをあまり好ましくないと考える人も多いらしく、多くのオンライン・ゲームサイトでRMTは禁止されているようだが、RMTを行うサイトも数多く存在する。
その結果、インチキや詐欺まがいの行為を働く者まで現れているらしい。

ある特定の用途として考えられたものがまったく想定していない方向へ発展する。
単なるマニアの暴走ではない。
社会現象としても、経済現象としても非常に興味深い。



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