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5年間取り消しはミスリード

2021-11-12 21:11:49 | 政治経済
「無免許で事故起こした木下都議の運転免許、5年間取り消し決定」
免許取り消しについては各社とも取り上げているが「5年間」と具体的に書いているのは、
ざっと見たところ読売新聞だけ。

ただし、このタイトルは多分に読者をミスリードする表現となっている。

世の中、免許取得者はそれほど山のように(8千万人以上)いるわけだが、免許取り消し処分を食らった人は
免許取得者のうち、0.05%ぐらいだ。(毎年全国で4万人以上)
現実には免許停止処分(いわゆる免停、年間20万件以上、0.25%、複数回の人がいる可能性あり)
を受けたこともない優良ドライバーが殆どだろう。

免停の20万件のうち6割は一番期間の短い30日の免停で1日講習と実技を受けると29日間期間が短縮される。
つまり、講習、実技のある日だけは車の運転ができないが、翌日からはまた運転ができる。
ちなみに一発免停の違反で検挙されたり、累積点数が免停基準に到達しても、すぐには執行されない。
何日か後にいついつから免停で講習はどこどこでこうこうなどの通知が来て、初めて処分の執行となる。

講習なんて受けたくない(費用も高い)と思うなら、期間中耐え忍べばいい。
そのほかに手続きがあるのかどうか知らないけど、処分が明けたら免許は復活する。

都議の事故で免停でも無免許扱いになるんだ、と驚かれた方もいるかもしれない。
停止期間を過ぎれば復活するから免許自体は有効で、私も免許条件違反とか、処分違反になるのかと思っていた。

さて、冒頭の記事のタイトルを見返してほしい。

運転免許、5年間取り消し決定

とある。
これじゃ知らない人が読んだら、5年経てば免許が戻るんだ、と思うかもしれない。
取り消し期間が5年て短くない? と思うかもしれない。

実際には取り消しは文字通り取り消し。免許を取っていないことになる。
5年は取り消し期間ではなく、欠格期間。
その間、免許取得ができない。
免許再取得には欠格む期間が終わってから、いわゆる一発受験で試験場で受験するか、自動車学校からやり直すか。
免許取り消し者特別講習があるそうなので、それは必ず受ける必要がある。

運転によほど自信があれば、試験所での一発受験でも構わないが、試験所の試験官もこいつ5年欠格だな、と思うと
いくら公平にと思っても多少は見る目が違うだろうし、欠格期間の間どこで運転してたんだと思われるかもしれない。
車庫入れ、クランク、坂道発進などは楽々こなせても、長年の癖でつい疎かになりがちな基本動作がきちんとできるか、
免許取り消者と新規取得者の自動車学校での扱いが違うのかなど。細かいことは知らない。
5年も運転していなければ、運転技術も相当落ちていると思われる。
それこそ、自前の練習場でも持っていてそこで練習できれば別だが。


そもそもこの事件を聞いてまず思ったのは、免停が180日もあったということ。
1回の免停でそんなには食らわないから、免停を食らいながら、また免停相当の違反を起こし、長めの免停となる。
そして免停が明けてもまた同じような違反でさらに免停を受ける、こうして免停を何度も受けてついに180日の処分。

違反点数と免停および免停期間の関係は、免停回数が多いほど少ない違反点数で長い免停期間となる。
一般ドライバーには想像がつかないくらい何度も免停を食らっていることがうかがい知れる。

記事を書いた記者が免停や免許取り消しとは全く無縁で、仕組みを知らなければ、どこが違うの? って感じだろうが
大いに読者をミスリードする表現になってしまった。

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