企業責任、嘘つくのが一番いかん

「偽装指示、皆知っていた」　船場吉兆パート女性が会見(朝日新聞) - goo ニュース

「１カ月くらい延ばせ」 取締役が偽装販売指示(共同通信) - goo ニュース

いかに船場吉兆といえども、大看板に胡坐をかいて、
現場任せでガバナビリティが欠如したのか、と思っていた。

カバナビリティ、コーポレート・ガバナンス。
日本語では、企業統治と訳される。
「現場がやったことで私たちは知りませんでした」という言い訳を許さない、
ガバナンスとはそういうことである。

今回の船場吉兆の最初の会見を聞いていると、
まさに現場が勝手にやりました、気がつかなくてすみませんでした、
という風に聞こえたからだ。
もちろん、上記のように知らなかったでは済まない、
それがガバナンス、経営責任というものである。

しかし、そもそもがコンプライアンスの欠如であった。

コンプライアンス、法令遵守と訳されるが、
一般に法律だけではなく、社会的規範、企業倫理を守ることも含む。

現場の不正を知っていたどころか、指示していたというから、
ミートホープと大差ない。

誤解を恐れずに書けば、日本全体が食の安全に異常なまでに敏感になっている。
何十年か前ならそんなもんだと思っていたようなことも今は許されない。
雪印乳業の事件は他山の石とはならず、対岸の火事にすぎなかったのでしょうか。

いずれにしても、船場吉兆はもうダメでしょう。
誰かが腹痛を起こしたとか起こさなかったとかの問題ではありません。
消費者を欺き、嘘がばれた後もごまかし、人のせいにして、
責任回避しようとしたとしか思えません。

味や客のもてなしがいかに良くても、
お客様を端から裏切っているような企業は信用失墜を免れないし、
そういう企業が再び信用を得ることはたやすいことではありません。

このあおりを食らって吉兆にも大きな痛手でしょう。

雪印の時だって、雪印乳業の不祥事が
雪印グループ全体の存続を揺るがしましたから、
その二の舞も十分考えられます。