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著作権騒動

2017-01-24 00:15:58 | 趣味
著作権関連の騒動が起こると本題と関係なくいつも思うのが、
パロディと改変、それに盗用。

著作権は譲渡できるものではあるが、著作者人格権は譲渡できない。
つまり、元々の著作者が有する権利であり(国によって少し違うが)
放棄も譲渡もできないし、相続もできない。

この点は特許と少し似ている。
特許権は譲渡もできるし放棄もできるが、発明者は変えられない。
つまり特許を売り渡したとしても「私が発明した」という事実は不変だから。

著作権者が許せば使用はできるが、改変や切除の許可は著作権者でなく著作者に委ねられる。
ついでに言うと「誰々が著作者です」と公表することも拒否できる。
とはいえ、(著作者:非公開)となっているものは見たことがない。
不詳とか、不明とかはあるけどね

今回問題になっている「訳詞」の場合は、著作者人格権は「訳詞」の部分のみに及ぶが、
「作詞」と違って「間に文言を挟む」ことが改変に当たるのかどうかは、
法曹関係者の間でも判断が分かれるようだ。

ただ、法律的にはともかく、個人的にはオリジナルを貶める目的でなければ、
ある程度のパロディは許されて良いと思っており、この点で日本は
総じてパロディに対してやや厳しすぎるのではないかと思う。

もちろん、個人的には許されると思っても著作者がどう思うか、あるいは
社会通念上許される範囲かどうかは別問題だけど。

盗用については「アイデア」がどの程度「著作」と言えるのかも気になる。

発明でいえば、こういうものがあれば良いな、程度のアイデアで、
どうやって実現するのか、具体的な方法論も、科学的/工業的な根拠もなく
「自分の発明」とすることは難しい。

それが許されるなら、「タイムマシン」も「どこでもドア」も「反重力装置」も
「波動砲」もとっくに特許が認められているはずだ。

同様に、企画会議でいろいろ意見を出し合っている段階で、こういう設定とか
こういうキャラとか、こういう台詞が面白い、などが発言者の著作になるのか。

もしそうだとして仮に発言者が企画から外れた場合、それらの設定やセリフは
発言者の許可なくしては一切使えなくなるのか、いや、なってもいいのか。
それでは言ったもん勝ちになってしまう気がしますが。

これも、思いつきなのか、温めていたアイデアなのかなどでも違うでしょうけど。

以前、ホームページ作成の引き合いがあり、ページ構成や内容の案を提示したが
結局受注に至らなかった案件があった。
暫くして同社のホームページが公開されたが、ページ構成はもちろん、タイトルの文言、
図や写真の配置など私の出した案と酷似していたのでびっくりしたことがあった。

作業を受注し、ホームページを作成した会社には何の非もなく、引き合いの有った社が
私の資料をそのまま製作会社に渡し、これに沿って作ってくれ、と頼んだのだろうか。

もちろん、偶然の一致の可能性もなくはないが、全体にわたって酷似しており、
特定のページとか、一部分がよく似ているというレベルではなかった。

これはアイデア盗用に当たるのか、当たらないのか。
当たるとすればそれは商道徳にもとるのか、一言断ればすむレベルなのか、
対価の発生するべきものなのか、いまだに疑問。

ハリウッド映画では脚本の書き直しは日常茶飯事で、脚本家の入れ替えも頻繁。
どういう契約になっているのかよくわからないが、脚本家が訴えたという話は聞かない。
(知らないだけかも)

メディアの報道も、誰々が誰々に対して文句言ってるとか怒っているとかの感情論先行。
論評も法的な話よりも大御所とか、ご意見番とか第三者に意見を聞いて、
ああ言ってるとかこう言ってるとか、そんなのどうでもいい。

多少関連事案に言及しているところもあったようだが、謝れば終いの話ではなく、
ビジネスの話なんだから、感情論と感情論として、法律的にはどうか、
商慣習的にはどうなのか、など突っ込んだ内容が聞きたい。

まあ、いろいろあるということです。

ついでに言っとくと、著作権は結構複雑な権利で、例えば盗作にも著作権は存在する。
盗作かどうかと、著作物かどうかは別、ということですね。
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