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3か月で死刑執行してしまえばいい、by大谷昭宏

2007-08-28 14:58:25 | Weblog
この方は、TVの生放送でも時々とんでもない発言をなさる。

見ているこちらとしては、ハラハラするしかないのだが、
意外と発言が問題になったり取りざたされることはない。

人物なんですかねぇ。

さて、きょう、私がちょっと問題では?と思った発言は、
例の、通りすがりのOLを車で拉致し、金を奪った挙句、
絞め殺して山中に埋めたという救いようのない事件に関して。

まずは、犯人一味がインターネットの犯罪サイト、
いわゆる闇サイトで出会ったことについて、
「こういうことがあるようでは何らかの規制が必要になってくる」と、
聞こえのいい発言をなさった。

これは、具体的な規制について全く言及していないので、
この発言自体が問題だとまでは言えない。

しかし、規制といえば、法や行政指導。
いずれにしても、「お上」のご威光にすがることにならないのか。

社会全体としてこのような犯罪を誘発するサイトを許さないために、
どうすればいいのか、は考えなくてはいけないが
悪いことをする奴がいるから「規制すればいい」は短絡にすぎる。

さて、規制の是非はともかく、
この事件はまさに通り魔的強盗殺人で、
報道などで聞く限り、犯人一味に対する怒りを禁じえない。

判決理由などで使われる常套文句でいえば、

たまたま通りかかった何の落ち度もない被害者を
金銭を強奪する目的で拉致したうえ、
顔を見られたという理由で、
命乞いをする被害者を撲殺するという
一片の人間性も感じられない極悪非道な犯行である。
犯人には、一切の情状酌量すべき事情もなく、
社会に与えた影響も大きい。

したがって極刑を含む厳罰に処するべきである。
それこそが社会正義だ!という意見には同調します。

しかし、
>犯人は3か月で死刑執行して、
>こういう悪いことをすれば自分も殺されるんだと思い知らせる、
>見せしめにしなくてはいけない。
というのはいかがなものでしょうか。

私は死刑廃止論者ではありませんが、
死刑執行が必ずしも凶悪犯罪の抑止につながっていないという説もあり、
死刑になると思った犯人が自暴自棄になることで被害が拡大する
という説もあります。

死刑は残虐刑なので廃止して
今の日本にはない本当の終身刑(死ぬまで監獄)や
超長期有期刑(仮出所があっても寿命より長い)にすれば実質おなじ、
という意見もありますが、
一生監獄に閉じ込めるほうが残虐だという意見もあります。

また、判決確定後、即刻死刑は残虐との意見もありますが、
いつ死刑が執行されるかの恐怖におびえながら待たせるほうが残虐、
との意見もあります。

このように現在のところ、死刑が容認されている日本においても、
死刑の是非については議論が多く、
死刑廃止論を唱える方は少なくありません。

また、死刑確定後も刑の執行まで相当の期間入獄しているのが現状ですし、
死刑執行にサインしない法務大臣までいます。
(大臣の職務放棄だという意見もある)

さらに、隣国では即刻死刑をする国もありますし、
公開処刑を行っているとの噂のある国もありますが、
私の知る限り、いずれも民主主義とはほど遠い国家で、
民主的な社会正義が実現されているとは到底思えません。

大谷さんともあろうお方がご存じないはずはありませんが、
それでもなお、
「3か月で死刑執行」が社会正義なのでしょうか。

確かに犯人一味は極悪非道だと思います。

しかし、まだ裁判も行われていない、
起訴もされていない段階で、
「3か月で死刑執行せよ」とは、
いったいどういう見識なんでしょう。
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