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泣く子も黙るアンコールワット



カンボジアが内戦を終えて旅行者を受け入れ始めたのが1990年代に入ってからであり、僕が初めて訪問したのが1996年でした。当時はまだ物好きレベルの旅行者しか来ておらず、首都プノンペンでは夜な夜な発砲音が聞こえたり、アンコール遺跡にはあちこちに「地雷!危険!」のロープが張られていたり、時には外国人バックパッカーがトンレサップ湖でポルポト派の残党に銃撃されたりと、内戦の爪あとが生々しく残る時代でした。

それから約20年の時が流れ、2014年には外国人旅行者数が年間450万人を突破したそうです。そのほぼ全員がこの遺跡を訪問するわけで、一日あたり1万人以上が殺到する計算になりますから武道館コンサート並みですよ。というわけでアンコールワットは御覧の通りの大混雑。ちなみに今は雨季なのでこう見えてもオフシーズンです。これがベストシーズンになったらいったいどうなるのか見当もつきません。



昔は遺跡のあっちこっちで遊んでいた地元の子供もほとんどおらず、今では完全に旅行者で埋まりました。ご来光も見に行きましたが、僕達が到着した頃にはすでに黒山の人だかりで写真を撮るどころの騒ぎではありません。富士山とかもそうですけど、「アンコールワット 朝日」と検索すればいくらでも綺麗な写真が出てくるわけで、少なくとも僕はまったく撮影に気合が入りませんでした。絵葉書写真撮ったってしゃーない。これは見て感じて楽しむものだと思います。



でも、どんなに人で溢れようともアンコール遺跡群が超一級の世界遺産であることに変わりはありません。このアンコールワットだけでなく、広大なエリアにこれでもかという数の遺跡群が圧倒的なスケールで展開します。ここを見てしまうと、少なくともアジアではどの遺跡を見ても物足りなく感じます。そういう意味では罪作りな遺跡だなぁと。

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