みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

櫛田の銀杏

2017年09月25日 | 俳句日記

博多の櫛田神社は、天平宝字元年(757年)
御託宣により鎮座ましました。
近畿以外の地方に於いては格式も高く、
古いと言えば古い方に属する。

天平宝字元年といえば、養老律令が実施
された年で、安史の乱で隋が亡び、唐の
威力は、半島にまで及びつつあった。
百年前には我が国は白村江で大敗した。

お櫛田神社が鎮座まします前の年には、
筑前の国に始めて怡土城が築かれる。
それに伴い東国からの防人を廃止して、
西国は西国の兵で守ることになった。

お櫛田様は、国防上の拠り所でもあった
のであろう。
ご鎮座からすぐ後に植えらたらしい樹齢
千年超のイチョウの木が入口にある。

福岡県の天然記念物に指定されている。
今年も境内の木々に銀杏が実っていた。

博多の祝い唄『祝いめでた』に歌い込ま
れているこれらの銀杏は、博多の命だ。
博多がこれからも、賑々しく=枝も栄ゆ
りや、葉も繁=って欲しいものである。

〈銀杏や 子々孫々の 命なり〉放浪子
季語・銀杏(秋)

9月25日〔月〕晴れ
過ごし易くなって来たので、法務局に
行った。
そろそろ準備に取り掛かろう。
お櫛田様へと脚を伸ばした。
ここは商売繁昌と不老長寿の神様だ。
先ずは、お参りせずばなるまい。
闘いはこれからだ。

南洲忌

2017年09月24日 | 俳句日記

明治10年の今日、偉人西郷隆盛が城山
で自刃した日である。
旧幕臣の不平を一身に引き受けた死だ。
のち、大南洲と諡される。

その大南洲遺訓に次の言葉がある。

「命もいらず、名もいらず、官位も金も
いらぬ人は、仕抹に困るものなり。此の
仕抹に困る者ならでは、艱難を共にして
国家の大業は成し得られぬ」

明治は、この言葉から始まったと言って
も過言ではない。
昭和60年代までは、この言葉がこの国に
生きていた。

と言うのも昭和天皇も御存命だし、大戦
の当事者であった国民が現役であったか
ら名と恥の武士道の精神が生きていた。
高度経済成長はその賜物である。

団塊の世代が社会の中枢を占めるように
なると、この精神がまず芸能界から、な
し崩し的に失われていく。
韓流もグローバリズムもそれなのだ。

マスコミと法曹界は、この流れを横目で
眺めながら、ゆっくりと確信的に反日細
肪を増殖させていった。
それが、ついに政界まで行き着いた。

結核菌は、光や熱や薬品が攻撃してくる
と、外郭を形成して身を守る。
この外郭の役割を果たす者が、南洲の言
う大事をなす人なのである。

守ろうとする対象が、国民の生命・財産
であることに異論はあるまい。
その先頭に立つのが政治家であり、公僕
である官僚なのである。

我々一般国民は、彼等に身を預けている
のだから、信頼しているのが当たり前な
のだが、今は何をか言わんやである。
信を問おうにも真実が見えない。

そんな御時世だからこそ、南洲翁の遺訓
が、人物評価の指針として精彩を放つ。
候補者は、まずこれを読んで立候補を決
意し、有権者はこれを読んで投票する。

さすれば国が安定し、外交も旨く行く。
我々庶民は、自分の意思で、ただひたす
ら生きて行く事を望んでいるだけだ。
ならば、自由に生きる為に読むことだ。

〈殊更に 思う事なし 南洲忌〉放浪子
季語・南洲忌(秋)

9月24日〔日〕曇りのち晴れ
遠い記憶が甦る。
もう半世紀前のことだ。
本はよく読んだ、南洲翁も読んだ。
だが、不変なものがあることに気付くの
は経験してきたからだ。
諸君、年寄りの言うことには、耳を傾け
た方がいいと思うよ。
ま、どうでもいい年寄りも多いけどね。
特に団塊にはね。

団地の柘榴(ざくろ)

2017年09月23日 | 俳句日記

古惚けた団地の片隅に、真紅の柘榴が艶
やかに実っていた。
柘榴は秋の季語である。
原産地はイラン高原だと聞いている。

古代エジプトでは、薬果として栽培され
ていたらしい。
のみならず、イラン、インドの医学書や
ヒポクラテスの医学大全にも登場する。

日本には、平安時代にもたらされた。
やはり、漢方と共に入って来たようだ。
薬効について調べてみたが、果物と言う
よりも、薬そのもののようである。

北宋の政治家で詩人の王安石に、柘榴を
詠った次の詩がある。

《 万緑叢中 紅一点 動人春色 不須多 》

「ばんりよく そうちゆう、こういってんどうじん しゆんしよく、すべからずおおかるべからず」と読む。

意味は、
「緑一色の叢の中に、一点の紅い花が咲
いているよ。人を感動させる好ましい色
合いは、そうそう多くはないよなぁ」
ぐらいのものだろう。

ここから転じて、男ばかりの中にひとり
の女性がいるのを「紅一点」と言うよう
になった。
夏場に咲くから、まさに紅一点である。


柘榴は果房の中に、沢山の実が抱かれて
いるから、子孫繁栄の象徴だ。
不妊治療に効くとも言われている。
女性ホルモンの分泌を促すという。

たが、役割を終えた団地には、子供の声
は聞かれない。

〈年老いた 団地の隅の 柘榴哉〉放浪子
季語・柘榴(秋)

9月23日〔土〕晴れ
彼岸の中日なので、母の処で御先祖様に
般若心経と光明真言を唱へ供養した。
なのに、バス停では15分、25分、35分
と三回も待たされた。
まだまだ修行が足らないらしい。
南無阿弥陀、南無阿弥陀。




究極の選択選挙

2017年09月22日 | 俳句日記

安倍首相が、遂にルビコン川を渡った。
ルビコンに例えると、シーザーを連想す
るので良くないが、もり・かけ蕎麦論の
次元が低次だと皆に分かって良かった。

動機が北鮮にあるのは理解される。
ならば、憲法9条だけではなく、緊急事
態法に想定されてない事態に即応する法
整備を急がなければならない。

新たな立法措置や法解釈を行う為には、
政権の安定が絶対要件だ。
でなければ官僚が右往左往するからだ。
じゃあ、今の議席数ではいけないのか?

実は、自民党の中にも獅子身中の虫が居
るのであって、これらを一掃する為の解
散でもあるのだ。
野党の中にも危機対応の専門家はいる。

彼等は、属する党内で苦慮している。
かわいそうなぐらいに悩んでいる。
事態は、そこまで切迫しているのだ。
もはや政党を選択する選挙ではない。

有事即応に適した代議士を選び、迅速な
法整備体制を構築して置く必要がある。
その事に、首相は気付いた。
国論の乱れは国防を阻害する。

それこそ、武装難民や侵入ゲリラなどの
テロ集団にとっては思う壺である。
その時の現場は、各地の自治体の中だ。
警察権を行使する首長の判断や如何⁈

私は、自治体の首長には非常事態に即応
出来る権限を、より付与すべきと思う。
東日本の災害現場を見て改めて思った。
しかも、今度は一過性では済まない。

自治体ごとに崩壊して行けば国が亡ぶ。
もはや、95%の国民が被災の経験さえ
無い時代を過ごして来た。
銃弾の下をくぐった人は皆無に近い。

そんな国に危険が迫っているのだ。
首相が有権者に、国民に正しく信を問い
たい気持ちが痛いほど分かる。
日本及び日本人の未来が今回決まる。

〈同胞と 乾坤一擲 今日の秋〉放浪子
季語・今日の秋(秋) 同胞(はらから)

9月22日〔金〕曇り
昨日は、普段使わない頭を使って、賢治
先生と格闘してほとほと疲れた。
今日は、外患を見渡して子や孫の未来を
憂い、鬱々と楽しまないでいる。
新聞を読み、ネットを泳ぎ、諸先生方の
諸説を聞いた。
最後に頼るのは、わが国民の良心と良識
でしかないと気付いた。
我々一般の国民に存在する力は、たった
一票しか無い票に託されている。
この国が未来永劫続きますように‼️
南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。








宮沢賢治とイーハトーブ

2017年09月21日 | 俳句日記

花巻駅に降り立った時には、何と寂しげ
な町なんだろうと思ったものだ。
「街」とはとても著せない町だつた。
ところが、この町は実に奥が深かった。

奥の深さは、町の至る所に在る宮沢賢治
の事績が、町の人々により静かに、慎ま
しやかに守られている事に依る。
写真は、新花巻駅近くの記念館である。

今日は、師の没後84年目の命日。
学生の頃、賢治の詩や小説はリズム感が
豊かだから、読むように言われた。
なるほど朗読にむいていると思った。

だが、ドイルやHG.ウェルズばかり読
んでいた血の気の多い私には、中味を味
あうすべが無かった。
まだ、外に刺激を求める少年だった。

長じて、仏教を知るようになってから、
ようやく、合点が行くようになったのだ
から恥ずかしい限りだ。
俳句を嚙りだしてから、より理解した。

彼は仏教徒であった。
法華経に帰依し、立正安国を実践して、
その境地を超えて、善財童子の如くに、
華厳の悟りを求め、かつ作品に著した。

彼の内なる世界観は「星の王子さま」の
原型のようで面白い。
双方とも、天地宇宙の正き波動に同調す
宇宙観を求めていたのでは無いか⁉︎

「銀河鉄道の夜」の、青白く光る銀河の
岸にさらさらさらと波をたてる銀色の空
のススキを、私は北上川の畔で見た。
彼の理想郷「イーハトーブ」にである。

彼が遺した「イーハトーブ」は、今でも
花巻にそのままにある。
心を研ぎ澄まして尋ねてみたら良い。
東北とは、そんな処である。

〈みちのくに 想いも新た 銀鉄忌〉放浪子
季語・銀鉄忌(秋)

9月21日〔木〕曇り
東北から持ち帰った資料をガサゴソと
搔きまわし、宮沢賢治先生と格闘する
一日だった。
この方については、書くことが山ほど
あるのだが、未だ整理がついて無い。
忘れてならないのは、田中智学という
彼の師の名前だ。
興味のある方は、お調べ下さい。
これからの日本及び日本人を、海外の
人がどう見直すかが分かる。