みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

望月と百合の花

2018年05月30日 | 俳句日記


昨晩は本稿を早めにアップしたので、夕
食のあと散策に出た。
梅雨入り後のこと、満月を拝む望みの持
ち合わせも無い処へお出ましなさった。

流れる雲の隙間から、思わせぶりに出た
り入ったり、まろいお姿を朧に見る間も
なくお隠れになる。
それも今日という日の「一期一会」。

この分なら、明日の朝は大濠公園に行け
るだろうと思いながら床に着いた。
起きてみれば無情にも、今に降るかと梅
雨の雲、なんとつれないお月様。

それでも昼から薄日が差して、傾き出し
た日差しの中に、見目麗しき百合の花。
こいつは違わず望月の、与えた賜わる縁
なれば、画像捉えて送ります。





百合は総じて夏の季語である。
秋咲きのものも有るが、数は少ない。
画像は、日本原種の鉄砲百合に他の品種
が加えられた園芸種であろう。

《百合の花 朝から暮るる 景色なり》一茶

う〜む!と唸る一句である。

日本原種の鉄砲百合は白色であった。
その大輪の真白の花の、上を向かずにや
や首を傾げた立ち姿は、どう見ても朝の
花とは言えない。

夕陽が似合うどころか、朝の景色を百合
が夕景に変えてしまう、と詠っている。
その強い主張を詠嘆の「哉」ではなく、
断定の「なり」で切って捨てる。

達人の感性に圧倒されながらも、凡夫は
良からぬことを考えていた。
百合の品種に「カサブランカ」と言うも
のがある。

映画カサブランカと言えば、そうイング
リット・バーグマン、お若い人は分から
ないでしょうが往年の大女優である。
戦後の映画界は女優の花盛りであった。

まだ子雀だった私は、母の影響を受けて
洋画に関心を持たされた。
その頃の記憶が蘇り、妄想が始まる。
題して「花と女優」(独断と偏見)。

洋花の代表は薔薇=ビビアン・リー
品格と言えばカトレア=グレース・ケリー
清楚な輝きシクラメン=ヘップバーン
日本の美、鉄砲百合=原節子

そして、百合の女王「カサブランカ」は
イングリット・バーグマンに行き着くの
である。
花の名と映画のどちらが先かは不明。

いずれにせよ、美しい花も、女性の美も
見ているだけで気持ちがいい。
傍に居ると煩わしいけれども。

〈百合の花 ひねもす想ふ 夕日哉〉放浪子
季語・百合の花(夏)

5月30日〔水〕曇り のち 晴れ
日が落ちると、雲が厚くなった。
明日も大濠公園は無理か⁈
是非とも、台湾への旅立ち前に、公園に
は行っておきたいのである。

百合を調べてみて分かった事がある。
日本の原種と琉球百合、台湾の高砂百合
は同族であった。

チベット、福建、台湾、琉球、日本への
種の流れは、今に生きている。
ますます台湾にシンパシーを感じる。

いま台湾が苦境にある。
お役に立てば良いのだが?












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