「平和と人権」 「八重山」 情報 PT.1 アーカイブ

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米軍再編と、自衛隊の配備強化が進む沖縄、オスプレイ配備を許すな。⑧

2013-01-29 19:35:26 | 平和

3月22日 琉球新報
社説:沖縄政策協議会 アメとムチは時代錯誤だ      
 
振興策と基地問題を絡める「アメとムチ」の愚策をなおも繰り返すつもりか。非民主的で人道に反する施策をごり押ししても根本的解決にならないことを、いいかげん悟ってもいいころだ。安倍政権では初の沖縄政策協議会が開かれた。安倍晋三首相と全閣僚、仲井真弘多知事が出席し首相からは沖縄の基地負担軽減と沖縄振興に努める意向が示された。
 
政府は沖縄側の強い反発にもかかわらず、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を進める方針を堅持しており、今月中にも辺野古沿岸部の埋め立て許可を知事に申請する見通しだ。安倍首相は丁寧な説明で沖縄の理解を得たいと繰り返すが、県内移設を拒絶する民意を一切顧みることなく、辺野古移設を強行したところで、沖縄の理解も納得も得られるはずがないことは自明だ。
 
安倍政権は、協議会の下部組織として、民主党政権時代に設置された「米軍基地負担軽減」「沖縄振興」の両部会を一本化し、小委員会を新設した。菅義偉官房長官は両部会について「振興と基地負担軽減は別だという建前論だったのではないか」とリンク論をあからさまにしたが、見識を疑う。
 
沖縄の主張は明快だ。県民世論に反して沖縄に過重な基地負担を強いることは「構造的差別」にほかならず、差別の解消なくして民主国家たり得ない-という点に尽きる。基地問題に振興策を絡めるのは、社会問題あるいは社会科の問題を数学の方程式で解くような甚だしいボタンの掛け違いだと言わねばならない。
 
安倍首相は協議会で「抑止力を維持しつつ負担軽減に全力で取り組む」とも述べた。地理的優位性や抑止力という言葉が、沖縄に基地を置き続けるための方便であることは、海兵隊がアジア・太平洋諸国を巡回訓練する運用の在り方一つとってみても明らかだ。米国の上院議員や安全保障の専門家の間にも沖縄の現状や辺野古移設計画に懐疑的な見方が出ている。賢明な首相や閣僚はとっくに気付いているはずだが、外務、防衛官僚の言い分をうのみにし、あえて見て見ぬふりを決め込んでいるとしか思えない。これでは全閣僚をそろえた協議会を開いても、ガス抜きにさえもならない。貴重な時間と労力を浪費する茶番は即刻終わらせ、普天間移設問題の抜本解決に向け、直ちに米国と再協議に入るべきだ。

3月22日 琉球新報
米軍ヘリ8機で飛行 普天間周辺

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住宅地上空を飛ぶ8機のCH46ヘリ=20日午後1時43分ごろ、北中城村安谷屋から

宜野湾市の米軍普天間飛行場周辺で20日、CH46輸送ヘリ8機が連なって飛行している様子が確認された。8機は北中城方面から宜野湾市内の住宅地上空を低空飛行しながら、同飛行場へ向かった。8機での飛行は珍しい。北中城村安谷屋で飛行の様子を見ていた宮城秋乃さん(34)=同村=は「低空飛行でしかも8機で怖かった。騒音もすごかった」と振り返った。この日はCH46やCH53が中城村や西原町の上空を低空飛行した。

3月22日 沖縄タイムス
オスプレイ、米海兵隊との認識に差

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報道陣に公開されたオスプレイ=20日正午ごろ、普天間飛行場

在沖米海兵隊は20日、報道機関を対象にオスプレイの試乗会を開いた。事前の説明会で、報道部長のデービット・グリーズマー中佐は、同機の運用ルールを定めた日米合同委員会の合意について、「普天間飛行場は人口密集地に囲まれており、海に出るためにはその上空を飛ばないというのは不可能」と説明した。

その上で、「(オスプレイは離陸後)できるだけ速く、高く飛び、人口密集地上空の飛行を最小限にしている」と述べ、合意に従っているとの立場を強調した。昨年10月1日~11月30日の県と市町村のオスプレイ飛行実態調査では、517件のうち318件(61・5%)を合意違反と指摘。そのうち「学校や病院を含む人口密集地上空での飛行」を315件としており、米海兵隊との認識の違いが浮き彫りになった。

運用ルールについて、操縦士の一人は「日米合意の内容は、全操縦士が目を通している」と語り、学校や病院の位置を地図上で確認し、上空の飛行を避けていると答えた。高校入試など地元から自粛の要望があった場合も操縦士に伝えられ、その時間、場所での飛行を避けているという。

日本の報道機関を対象とした試乗会は、オスプレイの米軍普天間飛行場配備後では初めてで、12社18人が搭乗。沖縄タイムスは「飛行場周辺や飛行地域の住民が不安を抱え、騒音や低周波音に悩まされている状況を考えると到底乗ることはできない」と判断し、説明会に出席したものの、記者の搭乗は拒否した。

3月21日 沖縄タイムス
尖閣有事を想定 日米が共同作戦計画
       
日米両政府が沖縄県・尖閣諸島をめぐる日本有事を念頭に共同作戦計画の策定に乗り出したことが、21日までに明らかになった。岩崎茂統合幕僚長とロックリア米太平洋軍司令官が同日から米ハワイで会談し、作業加速を申し合わせる見通しだ。

計画策定は、日本と中国の対立が偶発的な武力衝突に発展しかねないことを懸念した日本側が米国に打診。尖閣への中国軍上陸や衝突に至った場合、陸海空の自衛隊が合同で米軍と共同作戦に当たるなど複数の具体的なシナリオが検討されているもようだ。

尖閣をめぐっては、中国艦船が繰り返し日本の領海を侵犯。中国海軍の艦船が海自の護衛艦に射撃管制レーダーを照射するなど行動がエスカレートしている。尖閣は日本防衛義務を定めた日米安全保障条約の適用範囲と表明している米国も条約義務を履行する上で、日本との共同計画が必要と判断した。

3月20日 琉球新報
社説:イラク戦争10年政府は支持理由説明せよ      
 
イラク戦争の開戦から20日で10年を迎えた。大量破壊兵器の存在を理由に米英などによる武力行使で始まったこの戦争では、フセイン大統領という独裁を倒すことはできたが、開戦理由の大量破壊兵器は発見されなかった。宗派間対立を伴う内戦状態に陥り、10万人以上とされるイラク住民の命を奪った戦争は正当化などできない。開戦前、フランス、ドイツ、ロシア、中国などが攻撃に強硬に反対し、国連の査察団による査察継続を要求していた。日本も当初は無条件の査察受け入れを働き掛け、武力行使の前に外交的手段を尽くすべきとの立場を取っていた。
 
しかし米国が武力行使に踏み切る姿勢を示した途端、当時の小泉純一郎首相は一転して米国の方針を支持すると表明した。一体、日本がなぜ武力行使を容認する方向にかじを切ったのか。10年を迎えた今、政府は国民に十分な説明をするべきではないか。昨年12月、外務省は「対イラク武力行使に関する我が国の対応」と題する検証結果を公表した。2002年初めから03年3月の開戦までの期間についての外務省の対応について「概ね適切な対応がなされた」と結論付けている。「官邸をはじめ、政治サイドに情報を提供し、随時必要な指示を得、また政治的判断を仰いだこと」などを理由に挙げている。ただ検証結果では「日本政府が米英等の武力行使を支持したことの是非自体について検証の対象とするものではなく」と断っている。
 
あぜんとする検証と言わざるを得ない。日本が武力行使を支持した理由とその是非という国民が最も知るべき事柄を検証から外しているのだ。しかも公表されたのは要約の4ページだけで、全文は公表されていない。その理由を「各国との信頼関係を損なう恐れの高い情報等が含まれている」としているが、本当は外務省にとって都合の悪い記述があると疑いの目を向けざるを得ない。在沖海兵隊や嘉手納基地所属の戦闘機も参戦した。沖縄国際大学に墜落したCH53D型輸送ヘリもイラクに派遣予定だった。開戦の日、沖縄戦で家族10人を失った女性は「戦争に関係のない女や子ども、老人たちが犠牲になるのか。耐えられない」と話した。多くの住民の命を奪ったこの戦争を支持した日本政府は、その理由を国民に説明する必要がある。

佐喜真宜野湾市政の本性が垣間見える事例。

3月20日 沖縄タイムス
反基地リボン、条例に違反?
       
米軍普天間飛行場のゲート周辺のフェンスに、市民が結んでいる反基地を訴えるリボンやガムテープについて、宜野湾市は19日の市議会一般質問で「(市の)条例違反に該当する可能性もある」との見解を示した。呉屋等氏(絆クラブ)への答弁。専門家は提供施設への条例の適用を疑問視している。

「宜野湾市ポイ捨てのない快適なまちづくり条例」は、空き缶や吸い殻などのポイ捨て、落書きを禁止している。市民経済部は「条例そのものが、私有地を含めて適用する趣旨なので、基地も含まれる」との見解を示した。その上で「ただし、それがすぐに適用されるかは調査、研究が必要」として専門家と慎重に検討するとしている。条例に反した場合、命令や助言指導、最終的な手段として過料の罰則規定もある。基地問題に詳しい池宮城紀夫弁護士は「とんでもない話。フェンスは提供施設の一部で、日本の法律は適用されない。条例が適用されるとは、本末転倒だ」と話した。

3月19日 琉球新報
オスプレイ再び岩国へ      
 
防衛省は19日、米軍普天間飛行場に配備されている新型輸送機MV22オスプレイ4機が、同日午後、山口県の岩国基地に飛来すると米側から連絡があったと明らかにした。本土での低空飛行訓練の可能性があるが、米側からの連絡では、訓練内容は不明。4機は19日午後、岩国基地に到着した。防衛省によると、米側からの連絡は19日午前にあった。オスプレイをめぐっては、今月6~8日に岩国基地に3機が飛来し、初めて日本本土上空での訓練を行った。

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3月18日の琉球新報

3月17日 沖縄タイムス
オスプレイ:宜野座・城原区が撤去求め大会   

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オスプレイを撤去させ静かな日常生活を取り戻そうとガンバロー三唱する城原区民ら=17日午後、宜野座村の城原区公民館前広場

宜野座村城原区(大嶺自孝区長)は17日、同区公民館前広場でオスプレイの撤去を求める総決起大会を開いた。区民ら127人が集まり、オスプレイの城原区上空での訓練即時中止や離着陸に使うヘリパッドの即時撤去を求める大会決議を採択した。

大嶺区長は、オスプレイが区内を低空飛行し、民家に近いヘリパッドで離着陸訓練を繰り返す実態について「耐え難い苦痛を強いられている」と批判。騒音や墜落の不安など、住民の安心安全な生活が脅かされているとして「強い怒りを持って抗議する」と訴えた。同区はこれまでに3度、沖縄防衛局に訓練の即時中止と着陸帯の即時撤去を求める決議文を提出している。

3月17日 沖縄タイムス
普天間26年まで継続も グアム移転費削減で
       
在沖米海兵隊のグアム移転計画に大幅な遅れが生じているため、米軍普天間飛行場が2026年まで継続使用される可能性があることが分かった。国防費の強制削減の影響で、さらに長期化する可能性もあるという。複数の米政府筋が本紙に対して16日までに明らかにした。

国防総省高官は「グアムにおけるインフラ整備は移転計画の大前提。(ロックリア太平洋軍司令官が下院軍事委員会に提出した書面証言で示した)20年という移転完了時期に、遅れが生じる可能性も出てきた」と指摘。26年までに約2700人が移転を予定するハワイへの強制削減の影響の不透明さを挙げ「普天間を26年まで継続使用し、さらに長期化する可能性がある」との見解を示した。また、同移転計画に携わってきた米元高官は「普天間の危険性を除去するという本来の目的が置き去りにされている」と日米間における進展状況に深い懸念を示した。

一方、米上院は13会計年度(12年10月~13年9月)国防予算から、下水処理施設の整備費など、同移転計画の関連予算約1億2千万ドル(約115億円)をカットした法案を、13日に可決。削減を提言したマケイン上院議員は、本紙に対し「議会の要求にもかかわらず、コストの詳細が未だに提示されておらず、巨費を要する同計画の予算は承認できない」と述べ、名護市辺野古沖への代替施設建設を含む同移転計画への反対を継続していく方針を強調した。

3月15日 沖縄タイムス
米戦闘機、沖縄近海にクラスター弾投下か

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クラスター弾とみられる爆弾を6発積んで離陸するFA18ホーネット戦闘攻撃機=14日午後3時43分ごろ、米軍嘉手納基地

非人道的兵器とされるクラスター(集束)弾を装着したとみられるFA18ホーネット戦闘攻撃機2機(岩国基地所属)が14日、米軍嘉手納基地を離着陸した。2度にわたる飛行で計12発を沖縄近海で投下したとみられる。

午前11時9分ごろ、4発ずつ搭載したFA18機2機が離陸。午後0時31分ごろに着陸した際には、うち1機に2発しか残っていなかった。午後3時43分ごろにも2機は計10発を積んで飛び立った。午後4時55分ごろ、1機は6発全てない状態で帰還し、もう1機は搭載したまま戻った。同基地でのFA18のクラスター弾とみられる爆弾を搭載した訓練飛行は、2010年5月にも確認されている。

3月14日 琉球新報
電磁波「不安」7割 空自・与座岳新型レーダー   

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与座岳に設置されている新型レーダー「FPS―5」。国内に設置されているものでは住宅地から最も近い=2月21日、糸満市与座

糸満市与座の航空自衛隊与座岳分屯基地で、昨年夏ごろから運用されている新型レーダー「FPS―5」から発生する電磁波が健康を害する恐れがあるとして、同市の与座区民から不安視する声が上がっている。昨年12月、同区が18歳以上の区民501人を対象に実施したアンケートでは、電磁波について「不安である」「やや不安である」と回答した住民が約7割に上った。
 
航空自衛隊南西航空混成団は「電磁波の強度は、国の基準に適合した数値となっており、健康への影響はない」との認識を示した。アンケートは、生活の満足度などを調査する目的で実施。回収率は53・9%。電磁波に関する設問では、不安視する住民が69・2%に上り、「心配していない」と答えた人は22・6%だった。自由記述では「電磁波が強いので子や孫に生活させたくない」「長期的な疫学的調査が実施されていないので」などの声が寄せられた。
 
同レーダーや携帯電話基地局からは高周波電磁波が発生しており、海外の研究機関からは、高周波電磁波が人体へ悪影響を及ぼす恐れがあるとの研究報告が多数発表されている。同レーダーは、与座のほか国内3カ所に設置。他県では、住宅地との距離は1キロ以上離れているが、与座の場合は約580メートルと最も近い。アンケート結果を受け、同区自治会は2月13日に「レーダー問題対策委員会」を設置した。委員の1人で琉球大学の賀数清孝教授(量子力学)は「国は被害が出ないと動かない。今後、生活する若い人のためにも対策を講じたい」と話した。

<解説>海外で被害報告
糸満市与座の住民が、航空自衛隊与座岳分屯基地の新型レーダーから発生する高周波電磁波を不安視する背景には、低レベルの電磁波による健康被害が世界の研究機関で報告されていることがある。自衛隊は、レーダーから発生する高周波電磁波は、「電波法」や電波に関するガイドライン「電波防護指針」の規制値に適合しており「健康への影響はない」とする。
 
だが、賀数清孝琉球大教授は「近年、世界的に問題となっているのは、慢性的に低レベルの電磁波を浴び続けることで人体に影響を与える『非熱作用』だが、指針では全く考慮されていない」と指摘する。同指針は、高レベルの電磁波が体内の温度を上げる「熱作用」や「刺激作用」の健康被害を認めるが、非熱作用などその他の作用は科学的根拠がないとして考慮していない。
 
一方、世界保健機関の専門組織・国際がん研究機関は2011年6月、携帯電話から発生する高周波電磁波を「グループ2B(発がん性があるかもしれない)」に分類し、なるべく携帯電話に触れる時間を短くするよう提言した。国内では、携帯電話基地局から発生する高周波電磁波が健康被害を引き起こすとして、操業停止や建設中止を求める訴訟が相次いでいる。
 
新型レーダーと住宅地の距離は、最も遠い新潟県佐渡市で約5・2キロだが、与座は約580メートル。住民からは立地場所として「不適切」との声も上がる。電磁波をめぐる懸念が世界的に指摘される中、国や自衛隊は、よりきめ細かい説明と予防原則に立った対策が求められる。

<用語>FPS―5
糸満市与座の航空自衛隊与座岳分屯基地にこれまであった「FPS―2」を取り壊して設置された新型レーダー。航空機を対象とした航空警戒や日本に飛来する弾道ミサイルを探知・追尾する。糸満市与座のほか青森県、新潟県、鹿児島県の3カ所に設置されている。

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空自が出て行けば済むことではないか?

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3月14日 琉球新報
社説:那覇空港閉鎖 民間専用化と増設急げ      
 
自衛隊と民間機が共用する那覇空港に付きまとう欠陥があらためて鮮明になった。航空自衛隊那覇基地所属のF15戦闘機が着陸時にパンクし、滑走路が閉鎖された。空のダイヤは大幅に乱れ、少なくとも15便、約2200人の足に悪影響が出た。
 
安全で安定した運用を実現するには、早急に二つのことを成し遂げねばならない。民間専用化と第2滑走路の整備である。自衛隊は事故原因の調査を尽くし、二度とこうした事態を招いてはならない。突然、降り立つはずだった那覇空港に着陸できなくなり、3便が米軍の嘉手納基地に着陸した。3時間半も機内で過ごした乗客の疲労感は相当なものだろう。多くの観光客が利用する民間機が、米軍基地への着陸を強いられたり、遠く離れた別の空港に行き先を変更されたりする事態は異常だ。豊かな自然と文化を堪能するはずの観光気分に水を差し、沖縄のイメージを損ないかねない。
 
那覇空港を発着する民間航空機の年間乗客数は、2010年度で1422万人を超え、国内約90空港でトップ5に入る。羽田、成田、新千歳、福岡に次ぐ基幹空港になって久しい。格安航空会社(LCC)の沖縄路線参入でさらに過密状態となっており、富裕層を視野に入れ、アジアの観光地と競い合う形で国際便も増えている。那覇空港を使う自衛隊機をめぐっては1985年に着陸直後の全日空機に、離陸体勢に入った空自機が接触し、エンジン下部をもぎ取った。あわや人命に関わりかねない重大事故だった。その後もパンクなどによる滑走路閉鎖が後を絶たない。一方、領空侵犯などに対する空自機の緊急発進(スクランブル)で、長い時には20~30分近く待たされる事態も常態化している。乗客がいらだちを客室乗務員にぶつける光景も目にする。
 
空港施設自体が手狭になった上、国際貨物便も含めた就航便は伸びている。もはや、1本しかない滑走路を、軍民共用することは誰の目から見ても限界に達している。那覇空港の滑走路増設を求める声は沖縄の官民を挙げた運動になっている。政府は民間空港専用化に向けた踏み込んだ論議を尽くしつつ、空の玄関口の安全性と利便性を万全にするため、第2滑走路の早期着工に臨むべきだ。

3月13日 沖縄タイムス
国交相、米軍の飛行計画開示せず
       
太田昭宏国土交通相は12日の衆院予算委員会で、米軍がオスプレイなど米軍機の飛行の際に国交相に通報するとされる飛行ルートなどを含めたフライトプランの開示について「プラン開示で米側との信頼関係を損なう恐れもあることから、明らかにすることは差し控える」とし、管制業務のみに使用する考えを示した。塩川鉄也氏(共産)への答弁。

航空法97条は日本国内で航空機を飛行させる際には国交相に対し、機種や出発・到着時刻、目的地、速度、高度など、飛行計画の通報を義務付けている。米軍は基地間の移動の際には通報義務はないが、国交省はこれまで、航空法97条は「日米地位協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律施行令」による制限を受けず、民間空港を使用する場合は米軍機にも通報が求められると解釈してきた。太田氏も委員会で「米軍機においても飛行の通報が必要」との見解を示したものの、内容の開示はしない考えを示した。

3月12日 沖縄タイムス
在沖海兵隊 ハワイ知事が受け入れ計画
       
米国ハワイ州のアバクロンビー知事は10日(日本時間11日)、ホノルル市内の東西センターで開かれた沖縄基地問題フォーラムで、ハワイ州政府が在沖海兵隊の受け入れ計画を策定し、近く政府に提案することを明らかにした。州知事は「日米両政府が合意した海兵隊のグアム移転計画は事実上不可能だ」と指摘、ハワイ島内の州有地を活用し、在沖海兵隊のための住宅2500戸の建設計画を推進したいと表明した。州知事は11日にもワシントンを訪問し、ヘーゲル米国防長官に同計画を提示すると語った。

同会議はWUB(ワールドワイド・ウチナーンチュ・ビジネスネットワーク)と学生クラブAkisamiyo-!が意見交換を目的に主催し、今回で3回目。ウォレス・グレッグソン前国防次官補が基調講演し、ほか日米の専門家や識者、県の伊集直哉地域安全政策課長らがパネリストとして議論した。パネルディスカッションではグレッグソン氏は在沖基地問題について米軍側はいつでも話し合える態勢を整えているが、論題として日本側から机上に出ることがないと強調した。

在沖米軍基地問題についてアバクロンビー州知事は「沖縄の基地は政治的に持続可能ではない、そろそろ解決に向けて動くべきだ」と述べ、実現可能な解決策の必要性を強調した。また、州知事は沖縄基地問題が迷走する原因として、米連邦議会の沖縄基地問題に対する関心の低さ、知識の乏しさを指摘した。軍関係のインフラ整備と良好な関係を理由にハワイ州は最適な海兵隊の移転先として、ハワイ島のポハクロア訓練施設への海兵隊移転を提案している。

3月13日 沖縄タイムス
沖縄枯れ葉剤疑惑 米が全面否定
       
米国防総省は8日、「沖縄の枯れ葉剤疑惑に関する調査」と題する報告書を公表し、本紙が2011年9月6日に報じた1960年から62年に、北部訓練場で試験散布を実施したとの米高官の証言をはじめ、七つの項目にわたる疑惑を全面否定した。退役軍人らの搬入経路などに関する記憶や証言は正確とする一方で、実際に搬入されたものが枯れ葉剤と裏付ける記録は発見されなかったと結論づけている。

報告書は、「枯れ葉剤は65年3月までベトナムに搬入されていない」と強調した上で、61~62年に試験散布を実施したのは南ベトナムのみで、沖縄は含まれていないと否定した。72年にドラム缶2万5千個分の枯れ葉剤が県内に貯蔵されていたとの記述がある米陸軍化学物質庁(CMA)の2003年の報告書について、太平洋軍司令官が1971年11月27日に枯れ葉剤を沖縄に貯蔵せず最終処分場に直接、搬入するよう指示を出していた記述があると指摘。県内での貯蔵疑惑を否定した。

北谷や牧港補給地区、普天間飛行場などで枯れ葉剤を散布・貯蔵していたとする退役軍人らの一連の証言について、「そうした記録はなく、場所の特定も困難」と否定。牧港補給地区で有害物質が埋められたとの事実はないものの、45年から73年に大量の有害物質が保管されていたため、環境汚染が生じ、73年には日米合同で汚染除去が実施されたと指摘した。

一方で、米軍が枯れ葉剤散布に使用した軍用機の機体洗浄や腐食防止処置などを嘉手納基地で行っていたとの本紙の2011年11月6日の報道について、「(ベトナムで枯れ葉剤散布に使用されていた)C-123Kは、70年1月から7月まで嘉手納に駐機していた可能性は確かにある」と認めた上で、機体に枯れ葉剤が付着していたかどうかを示す記録はないと否定した。

北部訓練場での枯れ葉剤の試験散布を証言した元米高官の息子は9日、本紙に対し、「父は生前、枯れ葉剤の開発や使用計画に携わった関係者らは厳重な機密保持責任を課されていたた」と述べ、「事実の解明は不都合なのだろう」と話した。

3月10日 琉球新報
枯れ葉剤 徹底調査 程遠く 幕引き図る日米両政府

米国防総省が沖縄での枯れ葉剤使用や貯蔵をあらためて否定した。猛毒ダイオキシンを含み、深刻な健康被害を引き起こす枯れ葉剤の使用・貯蔵は沖縄にとって重大な問題だが、29ページの報告書は主に公文書や過去の記録を照会したのみ。枯れ葉剤を積んだ輸送船が沖縄に寄港しておらず、使用や貯蔵も記録が発見できなかったとする従来の国防総省の主張を補完するにとどまった。日本政府は既に米側から調査結果の報告を受けているが、見解を明らかにしていない。徹底した調査を要請してきた沖縄の意図に反し、問題の早期幕引きを図ろうとする日米両政府の思惑がにじむ。

沖縄での枯れ葉剤使用・貯蔵は以前から疑惑が持ち上がっていたが、2011年から英字新聞ジャパン・タイムズのジョン・ミッチェル氏が退役軍人の証言や貯蔵時の写真などを報道したことや、本紙の報道などで県内で懸念が広がった経緯がある。韓国でも11年5月に枯れ葉剤を埋めたとする元米兵の証言が報道されたが、韓国は約2週間後に米軍の合同調査団を発足させ、土壌調査などに着手。約4カ月後に「微量の枯れ葉剤を検出した」と発表した。
 
対照的に、日本政府は同年8月に問題が取り沙汰された後、米政府に合同調査を申し入れず「確認をしている」と国会などで回答。米側は日本政府の要請に応じ、9カ月後に今回の調査を始め、報道から約1年半後に「記録なし」とあらためて伝達した。土壌調査や証言者への聞き取りは実施されず、同じ同盟国に対する米側の二重基準と、日本政府の消極姿勢が浮き彫りになった。
 
国防総省は本紙の取材に対し「今後、仮に枯れ葉剤の沖縄での使用や貯蔵を示す証拠が見つかれば、必ず日本政府に知らせ、適切な対応を取る」と述べ、継続的に対応していく考えを示したが、「これまでの報道は正確ではない。9カ月間も調査したが、沖縄での枯れ葉剤の疑惑を裏付ける証拠や文書は発見できなかった」と強調するなど、“調査は尽くした”との姿勢だ。日本政府はこれまで米側に対し強い姿勢で土壌調査など徹底した調査を申し入れていないことから、今回の調査報告に対しても反論する可能性は低い。沖縄の枯れ葉剤の問題を追及してきた沖縄・生物多様性市民ネットワークの河村雅美さんは「報告書の公開予定などを外務省に問い合わせたが把握していないようだった。日米の信頼関係に疑問が生じている」と指摘した。

陸自幹部普天間発ハンセン着でオスプレイ搭乗

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3月9日 琉球新報
北谷、浦添で離着陸 オスプレイ、各基地周回 

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国道58号近くのキャンプ瑞慶覧に着陸するオスプレイ。北谷町内での着陸は初めてとみられる=8日午前8時50分ごろ

在沖米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが8日、朝の時間帯に北谷町内のキャンプ瑞慶覧やキャンプ・キンザー(浦添市)、キャンプ・コートニー(うるま市)に飛来したほか、北部のキャンプ・ハンセンやキャンプ・シュワブなどで訓練した。北谷町内やキャンプ・キンザー、キャンプ・コートニーにオスプレイが離着陸したのは初めてとみられる。
 

各自治体や目撃者によると、オスプレイは午前8時38分に普天間飛行場を離陸後、キャンプ・キンザーやキャンプ瑞慶覧で離着陸する様子などが確認された。午前9時すぎにはキャンプ・コートニーに飛来し、その後北部地域でも飛行。午前9時半ごろ普天間飛行場に戻った。各自治体には7日に米軍から沖縄防衛局を通じて、来賓輸送任務のために各米軍施設をオスプレイが周回するとの通告があっ