「平和と人権」 「八重山」 情報 PT.1 アーカイブ

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米軍再編と、自衛隊の配備強化が進む沖縄、オスプレイ配備を許すな。⑪

2013-08-05 23:11:35 | 平和

 

H25年度防衛白書

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オスプレイ関連、首都圏の記事は:

1月27日 NO OSPREY 東京集会・銀座パレードに4,000人、
28日は衆議院第2議員会館前で「総理直訴・要請行動」に連帯・激励。

http://toyata.blog.ocn.ne.jp/blog/2013/01/127no_osprey_40.html
オスプレイ配備阻止! 9月9日の沖縄県民大会に連帯した闘い「国会包囲行動」。
http://toyata.blog.ocn.ne.jp/blog/2012/08/99_3e58.html
沖縄へのオスプレイ配備を許すな!首都圏で緊急抗議行動
http://toyata.blog.ocn.ne.jp/blog/2012/09/post_3275.html

 

                                    

 

9月19日 沖縄タイムス
補正アセスきょう提出 那覇空港
      
那覇空港の第2滑走路増設に向けて、沖縄総合事務局と国土交通省大阪航空局は19日に補正を終えた環境影響評価(アセスメント)評価書を国交省航空局、県、那覇港管理組合(管理者・仲井真弘多知事)に提出する方針を固めた。20日にも評価書の公告・縦覧手続きに入るとともに、県、同組合に埋め立て申請を提出する。評価書の縦覧開始日に埋め立て申請を出すのは異例。工期5年10カ月の前提である2014年1月着工をにらみ、仲井真知事は3~4カ月で申請可否を判断するとみられる。総合事務局と大阪航空局が6月に出した評価書に対し、埋め立て分に関して県と同組合が13件、滑走路増設分に関して国交省が10件の意見を提出。これを受けて総合事務局と大阪航空局は評価書の補正作業を急いでいた。

普天間飛行場の辺野古移設に向けて沖縄防衛局が提出した埋め立て申請に関し、仲井真知事は年末から年明けにも結論を出す考えを示しており、可否判断の時期が重なる可能性もある。那覇空港の第2滑走路増設をめぐっては、県や経済団体の要望を受けて政府が当初7年だった工期を5年10カ月に短縮。事業費の増額で工期を1年短くし、着工を2カ月早めて14年1月とするとした。14年1月の着工を前提に、13年度予算では130億円を計上。14年度は300億円を概算要求している。

9月19日 琉球新報
京都がレーダー受け入れ正式表明 近畿初の米軍施設

京都府の山田啓二知事は19日の府議会で、同府京丹後市の航空自衛隊経ケ岬分屯基地に、弾道ミサイルを精微に追尾できる米軍「Xバンドレーダー」を配備する計画について「国に協力していきたい」と述べ、受け入れを正式に表明した。配備されれば近畿で初の在日米軍施設となる。山田知事は受け入れ決定の理由として、国が治安や電磁波、騒音などの対策に責任を持つと確約したことを挙げた。一方、国がこれらの条件を守らない場合には「協力撤回も辞さない構えだ」と厳しい姿勢を示した。配備計画をめぐってはことし2月、国が京都府に協力を要請していた。

9月19日 沖縄タイムス
米軍バス、蛇口壊す 嘉手納小に無断侵入

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米軍車両がぶつかり、折れた蛇口。管もつぶれていた=18日、嘉手納小学校

町立嘉手納小学校に14日、米軍車両の大型バスが無断侵入し、校内の備品を破損して立ち去っていたことが分かった。町教育委員会から連絡を受けた嘉手納署が、18日までに米軍車両と断定した。同教委は「一歩間違えれば事故につながり、遺憾」とし、米軍側へ抗議する考えだ。学校関係者の話によると14日午前10時半すぎ、白色の大型バスが同校正門横の車両出入り口から侵入。幅5メートルほどのスペースで切り返しを繰り返した後、隣接する遊具広場で方向転換して校外へ出たという。その際、バスがぶつかったことで散水用の蛇口が根元から折れ、30分間以上水が噴き上がった。花壇の木製の囲いにもバスの塗装とみられる白い傷が付いていた。

事故当日は校舎の工事車両の出入りのため、出入り口の門を開けた状態にしていた。金城勇一教頭は「休日といっても部活動をしている子どもたちもいて事故につながった可能性もある。器物を破損しても何もしない対応にも納得できない」と憤った。

9月19日 沖縄タイムス
通告なく着陸帯増設 オスプレイ

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伊江島補助飛行場内に6カ所建設中のオスプレイの離着陸帯。左奥はハリアーパッド=8月31日(本紙チャーターヘリから)

米軍伊江島補助飛行場内に米軍が垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの離着陸帯を6カ所増設することについて、伊江村の島袋秀幸村長は18日の村議会定例会で「米軍や沖縄防衛局から事前通告はなかった。地元への配慮に欠けており極めて遺憾」と述べた。米軍によると、離着陸帯の建設工事は7月に着工、今月下旬に完成する。増設される6カ所は、米軍がオスプレイの配備に伴い公表した環境レビューには記載されていない。名嘉實村議は、訓練の激化が予想できるのに、地元への事前通告がなかったことを問題視。「基地内なら何をやってもいいという植民地意識があるのでは」と指摘した。島袋村長は増設を知ったのは8月3日付本紙報道だったと説明。増設により同飛行場の運用がどう変わるのか、村は防衛局に回答を求めている。

9月19日 琉球新報
社説:尖閣派遣発言 誠実を欠く印象操作だ

その気もないのに、目先の利益のために印象操作の発言をする。まさに「巧言令色鮮(すく)なし仁」を地でいく発言だ。ジョン・ウィスラー在沖米四軍調整官が「(垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを)必要があれば日米同盟のために尖閣に派遣することも考えられる」と述べた。本気で行く気もないのに述べたのであれば無責任で、誠実を欠く。本気で行く気なら、米本国の方針を逸脱していよう。いずれにせよ、在沖米軍トップとしての資質を疑う。
 
最近、日米両政府はさもオスプレイが尖閣のために役立つかのような印象操作を繰り返している。今回の発言もまさにそうだ。尖閣をめぐって日中が戦闘に入った場合、さも在沖米軍がオスプレイを飛ばして戦うかのように装う。だがオスプレイは輸送機だ。戦闘できるはずがない。兵員を運ぶにも、尖閣に降ろす土地があるのか。しかも大型で狙われやすい機体が、丸腰で紛争地を飛べるのか。米国の軍事評論家カールトン・メイヤー氏も「たった24の輸送機で抑止力が向上するとの主張はばかげている」と述べた。それが軍事の常識だ。使うはずもないのに有用性を強調するのは不誠実だ。
 
海兵隊の駐留は、有事の際に中国や台湾にいる米国人を救出するためであり、沖縄や日本のためではない。沖縄にいる理由はないのだが、海兵隊は全世界で米本国に二つと沖縄に一つの3個師団しかなく、沖縄から撤退すれば今の規模を維持できる見込みが薄い。しかも今、強硬な予算削減要求にさらされている。組織存続がかかっているのでウィスラー氏も不用意な前のめり発言をしたのだろう。
 
在日米軍が尖閣で戦うというのも印象操作だ。米国の立場は「尖閣は日米安保条約5条(日本防衛義務)の対象だが、領有権問題では日中間で中立」というものだ。日米安保条約は「米国の憲法に従って行動する」と規定する。米国憲法は戦争宣言の権限が議会にあると定めている。だから5条適用とは、せいぜい「米国議会の承認を求めるよう努力する」程度でしかない。欧州に攻撃があれば自動的に米国も戦争に参入すると定める北大西洋条約とは対照的だ。米国内で、東シナ海の無人島のために米国の若者が血を流すべきだと考える人がどれだけいるか。発言はその意味でも非現実的だ。

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9月18日の琉球新報

9月18日 沖縄タイムス
四軍調整官「オスプレイ尖閣派遣可能」
      
在沖米軍トップのジョン・ウィスラー四軍調整官(沖縄地域調整官)は17日、着任あいさつで県庁に仲井真弘多知事を表敬訪問した。普天間飛行場に配備されたオスプレイに関し「CH46と比べて飛行範囲が広がり、県外での訓練に参加できる」と指摘。「尖閣諸島にも到達できる。必要があれば日米安保条約に基づき尖閣への派遣も可能だ」と伝えた。

知事が「オスプレイへの県民の不安は払拭(ふっしょく)しきれていない」と述べたことを受け、ウィスラー氏はオスプレイの航続距離の向上を説明するため、10月に本土で行う日米共同訓練への参加や尖閣も飛行範囲に含まれることを例に出した。CH46より速度が速いオスプレイは、より高い高度に早く到達でき、地域住民の騒音軽減につながると強調。「常に騒音を考えながら飛行ルートも調整している」と述べた。知事は「事件・事故を減らすことは県民との関係でも重要。規律保持に努めてほしい」と要望。ウィスラー氏は「全軍の司令官と先週協議し、現行のリバティー制度(勤務時間外行動指針)の継続を確認した」と説明した。

9月17日 琉球新報
オスプレイ、協定大幅越え 午後11時ごろまで飛行

米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイは16日、追加配備された2機が伊江島などで夜間の飛行訓練を実施した。騒音防止協定で飛行が制限される午後10時を大幅に超える同日午後10時59分ごろ、米軍普天間飛行場に戻った。昨年10月の配備以降、最も遅い時間帯の飛行とみられる。追加配備されたオスプレイによる午後10時以降の飛行が確認されたのは初めて。また普天間飛行場には16日午後4時57分ごろ、米空軍のC17グローブマスターも飛来した。17日午前9時現在も同飛行場に駐機している。

9月15日 東京新聞
社説:週のはじめに考える 自衛隊にオスプレイ不要

米国の垂直離着陸輸送機オスプレイを陸上自衛隊に導入する計画が進んでいます。安全性を強調するのが狙いとみられ、本末転倒というほかありません。オスプレイは沖縄県宜野湾市の米海兵隊普天間飛行場に二十三機が置かれました。沖縄がこぞって配備反対を表明しているだけでなく、訓練ルートを抱える本土からも反対の声が上がっています。本土初の訓練は三月、愛媛県で始まり、地元に日程やルートが伝えられましたが、二回目以降の説明はなし。来月には滋賀県と高知県で自衛隊との共同訓練が予定され、各地を飛び回るようになっています。

政治主導の導入計画
いずれも米海兵隊の機体ですが、防衛省は二〇一四年度予算の概算要求にオスプレイを陸上自衛隊に配備するための調査費一億円を計上し、導入目標を一五年度と公表しました。注目されるのは、自衛隊が求めたのではなく、政治が自衛隊に使うよう求めていることです。自衛隊の装備品は統合幕僚監部がつくる二十年先の安全保障環境を見通した「統合長期防衛戦略」をたたき台に、陸海空の各幕僚監部が武力攻撃事態を想定して導入を要求し、予算化されます。

オスプレイは一二年、米軍が沖縄に配備する際、当時の玄葉光一郎外相が「安全性を訴えるため自衛隊も保有すべきだ」と提案、当時の森本敏防衛相が同調して一三年度防衛費に調査費八百万円を計上したのがきっかけでした。安倍政権も引き継ぐとみられ、「政治主導による装備品導入」が実現する見通しです。自衛隊はなぜ導入を求めなかったのでしょうか。オスプレイは輸送機です。陸上自衛隊はオスプレイの二倍以上の人員や物資を空輸できるCH47大型ヘリコプターを五十五機も保有しています。

優先される米国の意向
何より、国民の反発を受けることを考えると必要不可欠とはならなかったのです。導入を決めた場合、どこに配備するのでしょうか。島しょ防衛を担う西方普通科連隊が長崎県佐世保市にあるので、九州が有力候補。佐世保に近い海上自衛隊大村基地に隣接する竹松駐屯地、熊本空港に併設された高遊原(たかゆうばる)分屯地などが検討対象となりそうです。

オスプレイが嫌われる理由は、はっきりしています。事故に巻き込まれる不安があるからです。開発段階で四機が墜落して三十人が死亡、〇五年の量産開始後もモロッコや米国で墜落しています。今年八月には米ネバダ州で着陸に失敗し、機体は大破しました。米海兵隊はオスプレイの事故率は他の機種より低いと説明し、日本の防衛省も追認しています。しかし、米海兵隊は〇九年、損害百万ドル(一億円)以上としていたAクラスの重大事故を二百万ドル(二億円)以上に引き上げました。これにより、事故率は下がりましたが、〇九年以降、損害百万ドル以上でAクラスに分類されなかった事故を含めて再計算すると、オスプレイの事故率は海兵隊平均を上回ります。これは偶然ではないようです。米国防総省でオスプレイの首席分析官だったレックス・リボロ氏は〇九年、米議会の公聴会で「通常のヘリコプターと比べ、制御不能に陥りやすい」と構造上の欠点を指摘しています。

小野寺五典防衛相は「離島の急患輸送や災害でも大変な役割を果たす」と太鼓判を押していますが、大丈夫でしょうか。海上自衛隊は一九九〇年代、海上救難機として導入を検討しましたが、下に吹きつける気流がすさまじく、救援を待つ人が窒息してしまうと分かり、早々に断念しました。ハワイでは下降気流が地面を削り、自然環境に影響があるとの理由から、また米ニューメキシコ州では住民が安全性に不安を示したことから訓練を中止しています。米国で留意されることがなぜ、日本では無視されるのか。日本政府は国民の安全より米国の意向を優先させていると考えるほかありません。

期待できない透明性
過去の不祥事から避けてはならない装備品導入の透明性、公平性は期待すべくもありません。垂直離着陸輸送機は、オスプレイしかないのです。競合機種がない以上、価格は米国の言いなりになりかねません。防衛族議員と後に汚職で有罪判決を受けることになる防衛官僚の二人三脚に導かれ、初期配備だけでも一兆円を米国や防衛産業に支払ったミサイル防衛システムを思い起こさせます。東日本大震災で国民からの信頼を高めた自衛隊を利用してオスプレイへの反発を弱める、そんな考えは明らかに筋違いです。

9月15日 沖縄タイムス
社説:[シリア化学兵器合意]外交解決のスタートに
      
シリア情勢が大きく動きだした。ケリー米国務長官とロシアのラブロフ外相はスイスのジュネーブで会談を続けていたが、シリアの化学兵器を来年半ばまでに完全廃棄することで合意した。さらにアサド政権に対し、1週間以内に化学兵器に関する情報を申告させ、ことし11月までに国際査察を受け入れるよう求める内容だ。

米ロ両国が軍事介入を回避し、外交による解決を目指した結果である。アサド大統領は米ロ合意を受け入れ、化学兵器廃棄に向けた一歩にしなければならない。ロシアが、シリアの化学兵器を国際管理下に置き、廃棄する提案を行ったことがきっかけとなった。アサド大統領が提案を受け入れた。シリア攻撃を進めるため、議会に武力行使容認の決議案採決を求めていたオバマ大統領も、国民向けの演説でロシアの提案を一定評価し、議会に採決の先送りを要請、軍事介入から外交を通じた解決を優先する方針に転換した。

アサド政権に変化の兆しがみられたのも事実である。アサド大統領はこれまで化学兵器の保有の確認さえ拒んできたが、今回初めて認めた。化学兵器禁止条約に加盟する意向を示し、国連に申請した。ただ、合意通りすんなりいくかは予断を許さない。アサド大統領は条約加盟1カ月後に化学兵器の情報開示を始める意向を示していたからだ。米国はシリアに対し懐疑的だ。オバマ大統領は演説で、アサド政権が約束を守るのかどうか判断するのは時期尚早で、検証しなければならない、とくぎを刺している。米国は軍事介入の選択肢を捨てておらず、楽観視は禁物だ。

ロシア紙によると、提案の手順は、シリアが化学兵器禁止条約に加盟し、化学兵器の製造・保管場所を公表、化学兵器禁止機関の査察を受け、無力化するという。廃棄までには長期間を要する作業となろう。しかも、シリアはいま内戦中である。検証、査察などは危険を伴うものにならざるを得ない。製造・保管場所がすべて公表されているかどうかも確認するのは困難だ。米紙は、アサド政権が米国の軍事介入に備え、1年前から化学兵器を移動させるなど分散していると報じている。廃棄に向けた最初の作業である貯蔵先の申告段階から疑念が出ているのである。アサド大統領は、国際社会に対する国際管理受け入れの約束を裏切ることなく、化学兵器の情報開示に誠実に向き合わなければならない。ロシアはシリアに働き掛ける重大な責任を負っている。

舞台は国連安保理に移る。国連安保理決議案について、米政府高官は武力行使容認への言及を求めない意向を示した、と米紙が報道している。拒否権を行使しないようロシアに米国が譲歩した形だ。ロシアの提案は、米国の軍事介入を回避するほぼ唯一の方法といってよく、その機会を逃してはならない。ロシアは国際社会から自らの姿勢が問われているのを忘れてはならない。米ロ合意を基本に両国が協力して外交的解決につなげてもらいたい。

9月14日 琉球新報
メディア時評・秘密保護法案 人権大幅制限の新法「必要ない」声を政府へ 

今月3日、政府から「特定秘密の保護に関する法律」(秘密保護法)案の概要が示され、一般向けのパブリックコメント(意見聴取)が開始された(17日まで、内閣官房ウェブサイト)。自民党内で検討チームが初会合を開いてからわずか1週間、政権与党の公明党にいたっては、事前に連絡さえなかったという。しかしその拙速ぶりよりも、これまでの検討手続きや法案内容にはさらに大きな問題がある。

秘密法策定は政府の強い願望で、1960年代に始まり、その後10年ごとに刑法改正や特別法の制定を目論(もくろ)んできた歴史がある。そして今回の法案に直接つながる動きは、まさに第1次安倍内閣の2006年に設置された情報機能強化検討会議で、さらに行政内部の組織として内閣官房、警察庁、公安調査庁、外務省、防衛省の役人だけで構成された「秘密保全法制の在り方に関する検討チーム」で基本方針が決まったとされる。今回の法案の中身は、その時の検討結果に基づいたものと推察される。
 
しかし、いかんせん会議の議事録はおろか、その検討結果の報告書まで政府は秘密にしており、一体どういう経緯でどのような法律を作ろうとしているのかが分からないまま、人権を大幅に制限する新しい法律ができようとしている。この法案の最大の特徴がここにある。09年には民主党に政権が移ったが、その間も途切れることなく法制定の検討は続き(詳しくは当欄11年9月参照)、13年の総選挙で復帰した自公政権は、10月召集予定の臨時国会での成立をめざすという。

情報公開の抜け道
秘密の対象となりうる情報は、(1)防衛(2)外交(3)外国の利益を図る目的の安全脅威活動(いわゆるスパイ活動)の防止(4)テロ活動の防止-の4分野だ。そして「公になっていない情報のうち、漏らすことで国家の安全保障に著しく支障を与えるおそれがある情報」を「特定秘密」に指定することになった。この指定には「特に秘匿することが必要であるもの」とされているが、「行政機関の長」が秘密指定できることになっている。07年の自衛隊法改正によって、防衛秘密の指定権者が首相から大臣に変更された後、格段と秘密の件数が増えたとされることを勘案すると、特定秘密が野放図に拡張されていく可能性を否定できない。しかも、これまでの防衛秘密の実態からすると、どのような手続きで秘密指定されるか、どのくらいの文書が指定を受け、解除されたのか、全ては秘密である。

その上、いったん特定秘密を受けた文書は、行政文書から除外され、勝手に廃棄することも自由となる。政府は都合の悪い情報を秘密指定しこっそり破棄することができるという、とんでもない仕組みが、防衛秘密の分野ですでに動いており、今回の法案は、この仕組みをそのまま法律で追認しようとするものだ。どの国でも秘密保護法がある、とよく言われる。しかしその前提は、きちんとした情報公開の仕組みがあることだ。日本は、この情報公開制度が他国より遅れており、法の施行も21世紀にはいってからだ。政府がこっそり文書を秘密指定し、それをこっそり廃棄できる国は民主主義国家ではない、というあまりにも「当たり前」の大原則がいまだに常識になっておらず、しかもようやくその抜け道を防ぐための公文書管理法を2011年に施行したばかりなのに、さっそく秘密保護法を作って、法律上、その抜け道を作ろうとしている。「普通の国」は政府機関の機密指定は、それが適切かどうかを監督する独立した行政機関が存在し、歴史的に重要な文書は長期的に保存することを求め、しかも指定とともに解除について必要かどうかを審査する仕組みが整備されている。危うい取材・報道の自由

もう一つのポイントは取材・報道の自由への影響だ。法案では、罪となる情報漏洩(ろうえい)や取得は、(1)故意・過失による漏洩(2)人を騙(だま)したり、暴行を加えたり、脅迫したり、窃盗、施設への侵入、不正アクセス行為などにより特定秘密を取得する行為(3)故意の漏洩、上記2の行為の未遂、共謀、教唆、扇動-と定めている。その上で、「本法の適用に当たっては、これを拡張して解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害することがあってはならない旨を定める」として、報道の自由を含む表現の自由への配慮を図っているとする。しかし、どんなにリップサービスをしたところで、取材者が(2)や(3)に該当する可能性があることはまったく除外されていない。
 
記者が公務員に接触し、公務員が職務上知りえた秘密を聞きだす行為は、まさに通常の「取材」そのものである。今までも、それが「正当な業務行為」としてなされていた場合、それは「違法性が阻却される」として、形式的には犯罪行為だが法律違反は問わない、ということが裁判上で認められ、これが知る権利に基づく取材・報道の自由の具現化であるとされてきた。ならば、秘密保護法ができようと同じであって、新たな問題が起きないというのが政府の考え方である。しかしここに落とし穴がある。「正当な業務行為」を決めるのは裁判所であって、しかもその判断基準は専ら検察(政府)に委ねられているという現実だ。政府が報道の自由が守られた実例として示す「外務省沖縄密約漏洩事件」で、最高裁は報道の自由を謳(うた)い、「正当な業務行為」である限り取材の自由が守られるとしたが、実際、記者は倫理違反を理由として有罪判決を受けている。すなわち、「正当」かどうかは、検察あるいは裁判官が考える報道倫理に該当するかどうかによって決まるとされている。

戦後法体系の大転換
これは、取材行為で政府にとって重要な秘密を漏らした場合、「教唆」犯として罰することを図らずも示している。しかも罰則を現在の倍以上に厳しいものにすることによって、心理的なプレッシャーを与え、記者に「伝えること」を妨げようとしている。こうした行為は職業記者だけではなく、市民運動でも適用されることになるだろう。さらにこれまでは「そそのかし」が罪であったのが、法案では「騙して取得」すること自体が罪となったことから、漏らした側が「騙されました」と証言することで、その取材方法が正当か否かによることなく自動的に罪となる可能性が生じる。これまた、格段に取材者に対して大きな障害となるだろう。こうした情報へのアクセスを直接罰する条項を入れることは、これまでの戦後の法体系では、戦前・戦中の苦い経験から「あえて」避けてきたことである。どうしても変えなければならない切迫した実例もないまま、それほどの大転換を実行することは看過できない。冒頭のパブコメを通じ、情報隠しのための秘密保護法は必要ないとの声を、政府に届けることが必要だ。

山田健太専修大学教授・言論法

9月14日 琉球新報
米海兵隊移転、有力候補地外す 史跡、自然で 

在沖米海兵隊のグアム移転事業に伴う実弾演習場の建設について、米軍は13日までに最有力候補地としていたグアム島北東部のパガット地区を候補から外す方針を明らかにした。先住民の史跡や自然遺産があることから地元の反対が根強い。米軍は2015年初めに最終決定する予定。グアム政府の発表によると、空軍アンダーセン基地内が新たな有力候補地となっている。グアムのカルボ知事はこの方針を歓迎し、移転事業の前進にもつながると述べており、グアム移転事業の進捗(しんちょく)に影響する可能性もある。
 
一方、米上院は移転事業について「費用積算がずさん」として、国防総省が基本計画を提出するまで関連予算を凍結すると表明しており、行方はなお不透明だ。カルボ知事は12日の声明で「パガットを候補地から外すことは、正しい方向への大きな一歩だ」と述べた。米軍はグアム政府に対し、海兵隊員の宿舎建設についても、既存の基地内を候補にしていると伝えた。

9月14日 沖縄タイムス
米国防総省、F35調達減らす方向
      
米国防総省が8月1日に米軍幹部らを対象に開いた2014会計年度(13年10月~14年9月)予算に関するブリーフィングで、自動強制削減が回避される見込みはほぼなく、米軍全体で演習規模の大幅縮小や最新兵器などの調達削減を実施するなどと説明していたことが分かった。

複数の同省高官は12日までに本紙の取材に対し「検討の段階でまだ正式決定ではない」と前置きした上で、海兵隊のステルス戦闘機F35の調達は「削減の方向で検討している」と明言。「MV22オスプレイも対象だが、既に配備済の普天間に影響はない。これから配備予定のハワイなどで調整の必要が生じるかもしれない」などと述べ、軍事産業全体に及ぼす影響も懸念した。一方で、空軍では「ミサイルやF15、F22などの演習費約3割が削減され、過半数の部隊で戦闘態勢の維持が困難になる可能性が高い」と指摘。嘉手納基地所属の部隊に影響する可能性も示唆した。

ブリーフィングで配布された内部資料では「二つの戦争で肥大化した組織の縮小は不可欠」と人員削減の必要性を強調。14年度内に、少なくとも6300人程度の文民職員を削減し、15年度からは早期退職制度を取り入れる対策なども視野に入れていると説明しているという。

「夜間、低空飛行はせず」本当かな? 沖縄では一切守られていない。

9月13日 沖縄タイムス
夜間、低空飛行はせず 滋賀でのオスプレイ訓練
      
米軍新型輸送機MV22オスプレイを使った日米共同訓練について、演習場のある滋賀県と同県高島市から訓練内容などの詳しい説明を求められていた防衛省の担当者は13日、県と市をそれぞれ訪れ、演習場周辺での低空飛行訓練や夜間飛行訓練を実施しないと伝えた。高島市には陸上自衛隊饗庭野あいばの演習場がある。訓練の詳細について担当者は「期日などの細部は決まっていない」とし、オスプレイ1~2機が参加し、1~2日間行われると明らかにした。その上で「安全性を最大限確保し、地元に与える影響を最小限にとどめたい」と述べた。

9月13日 沖縄タイムス
大学と周辺の米軍機飛行中止を 9大学長声明
      
県内9大学の学長が、大学と周辺での米軍機飛行中止を求める声明を12日、発表した。米海兵隊の新型輸送機MV22オスプレイの配備を受け、学長らが7月から複数回協議し、準備を進めていた。米軍基地問題に関して9大学長が連名で声明を出すのは、沖国大ヘリ墜落事故が起きた2004年以来、2度目。声明は、沖縄科学技術大学院大を除く、琉球大、名桜大、県立芸大、県立看護大、沖縄キリスト教学院大・短大、沖縄国際大、沖縄大、沖縄女子短大の県内9大学長の連名。

8月5日、キャンプ・ハンセンに米軍のHH60ヘリコプターが墜落した事故について「原因究明と安全対策の実施が米軍の裁量に委ねられている状況では、実効性は担保されない懸念がある」と指摘。オスプレイの配備について「(墜落事故の)危険性はより増大し、不安が募っている」と言及した。さらに米軍機の騒音を「授業、研究活動および学生生活等に支障を来す状況が生じていることは誠に遺憾の極み」と強調。安倍晋三首相やオバマ米大統領らに、大学敷地上空や隣接地域上空での米軍機飛行中止を求めている。会見した琉球大の大城肇学長は、「学生や教職員の生命を守るのが学長の使命。いろんな立場の違いはあったが、大局的な観点で議論し、まとめることができた」と話した。

9月13日 沖縄タイムス
「県内移設 日米に障害」米議会調査局が報告書
      
米議会調査局が11日までに、日米関係に関する報告書をまとめた。それによると、米議会が米軍普天間飛行場の県内移設の実現性を低いとみなして予算を凍結する一方で、返還の見通しも立たないまま、沖縄はオスプレイ配備などでより過重な負担を強いられるなど、移設問題が日米関係に大きな障害となっているなどと分析している。報告書は、議会調査局が上下両院議員の参考資料用に必要に応じてまとめているもの。8月2日付の報告書では、夏の参院選挙後の情勢や日本の外交政策と日米関係、軍事、外交、政治など、5章にわたり現状や問題点などを分析している。

軍事の章では、普天間移設問題に焦点を当て、嘉手納より南の施設・土地返還計画の実現性に懐疑的な見方を示した上で、上院軍事委員会が4月に発表した報告書で「普天間移設は依然として実現しそうもなく、費用や工程は国防総省の計画をはるかに上回るものになる」と厳しく批判した経緯を説明した。一方、沖縄では政治家らが県内移設反対で団結し、オスプレイ配備の強行で「県民の反対はより強固となった」と指摘。「(普天間移設問題をめぐる)現在の論争は、沖縄と中央政府の関係における根本的な緊張を反映し、国全体が米国の安全保障の利益を享受する一方で、沖縄に不釣り合いな負担を背負わせている」などと背景を説明した。米上下両院の主要委員会は、10月上旬から普天間移設問題に関する審議を本格化させる見通し。

9月13日 沖縄タイムス
防音対象「すべての園に」 認可外保育園要請
      
防衛省が2014年度概算要求で要求した認可外保育園の防音工事費への補助事業で、対象を厚生労働省の指導監督基準を満たす園に限定したことを受け、県認可外保育園連絡会(伊集唯行会長)の細原正文副会長ら認可外保育園の園長らは12日、沖縄防衛局などを訪れ、監督基準で対象を限定せずに、騒音被害を受けるすべての園を対象とするよう求めた。要請では、「監督基準未達成の園に通う子どもには何の落ち度もない」と指摘。公立・認可保育園、認可外保育園の区別なく、国が押しつけた騒音環境に置かれているとして、平等な対策を行うよう求めた。

対応した同局の田中利則企画部長は「一定、児童の安全基準を達成している施設を対象としている。皆さまの不満や納得できない気持ちも分かるが、一歩進めるために制度として対象を整備していかないといけない」と理解を求めた。出席した園