「平和と人権」 「八重山」 情報 PT.1 アーカイブ

旧ブログ人で掲載された記事のアーカイブです。

米軍再編と、自衛隊の配備強化が進む沖縄、オスプレイ配備を許すな。⑬

2014-03-10 15:43:30 | 平和

 

米軍普天間飛行場で

2014年5月21日 上空を飛ぶオスプレイ・普天間基地
http://youtu.be/T6byTqBW-_M

2012年11月19日 米軍普天間飛行場 飛び立つオスプレイなど
http://youtu.be/iT65Gyy0eiY

2013年12月17日閣議決定した「国家安全保障戦略」など。

国家安全保障戦略

「senryaku.pdf」をダウンロード

平成26年度以降に係る防衛計画の大綱

「boueitaikou.pdf」をダウンロード

中期防衛力整備計画(平成26年度~平成30年度)

「cyuukibou.pdf」をダウンロード

「H25年度防衛白書」

ダイジェスト版

http://teyata.blog.ocn.ne.jp/photos/h25bouei_digest/index.html

ダウンロードし、解凍してご覧下さい。

H25防衛白書.zip  51.06MB
http://firestorage.jp/download/27f0fe90744d467feb8b81584da441ef6abccedd

NEW 「安保法制基懇」(安倍首相の私的諮問機関)報告書

「report_anpohouseikon.doc」をダウンロード

「尖閣」戦争を準備する琉球弧への自衛隊侵出を阻止しよう !

井上澄夫  北限のジュゴンを見守る会

「内地・外地」という言葉はもうほとんど使われないが、私が子どもの頃、九州の田舎では親戚が集まるとよく聞いたものである。「シナ」や台湾などの「外地」から引き揚げた家族が多かったからである。旅行代理店に置いてあるチラシを眺めると、グアム・サイパンや香港のチラシに沖縄が混じっている。そこでいつも思うのは、「本土」の大多数の人びとにとって沖縄は〈海外〉なのではないかということだ。 

その〈海外〉認識には実は戦前の「内地・外地」という区分け意識が投影されていて、漠然とではあれ、沖縄は「外地」と感じられているのではあるまいか。戦前、沖縄は大日本帝国の版図に含まれていたものの、小学唱歌「蛍の光」の歌詞4番はこうだった。

〈千島のおくも、沖縄も、八洲(やしま)のうちの、守りなり。

至らんくにに、いさおしく。つとめよ わがせ、つつがなく。〉

つまり、沖縄は「内地」を守る防人(さきもり)役をつとめるべき国内植民地だったのだ。そして実際沖縄は、アジア・太平洋戦争の末期、「本土決戦」を準備する時間稼ぎのため、日米の凄絶な地上戦に巻き込まれた。沖縄を「海外」「外地」と感じるこの植民地本国人意識は戦後の始まりの時期に完全に拭い去られるべきだったが、今も地をはう霧のように漂い、安倍政権による構造的沖縄差別政策を支えている。

安倍首相は現在、「尖閣」有事(戦争)に備えるため、南西諸島の奄美大島・宮古島・石垣島・与那国島への派兵を急いでいる。与那国への陸自・沿岸監視部隊配備(固定式レーダー設置)はすでに駐屯地の建設に着手している。さらに最近、奄美大島に防衛副大臣がおもむき地元2自治体の長に陸自・警備部隊の常駐を打診した。6月11日には同副大臣が宮古島を訪問し、宮古島市長に同部隊配備の計画を説明する。そして同種の工作が石垣市長に対してもおこなわれることは確実である。

だが、沖縄の現状に関心をもつ人でも、その関心はどちらかといえば、辺野古新基地建設や東村高江区でのオスプレイ・パッド建設に向けられていて、目下強行されている琉球弧(奄美・沖縄)への自衛隊派兵に対する関心はまだ低い。それは在日米軍基地の74%(専用面積比)が集中する沖縄の〈米軍〉に関心が集まっているということだ。

日米両政府はオバマ政権のアジア重視リバランス(再均衡)戦略に沿って両軍の軍事一体化を急速に進めているが、「本土」の反戦運動では自衛隊の存在を根本から問わず、現に眼前で展開されている自衛隊の動きに目をそむける人が少なくない。それは「憲法9条を守れ」と主張しながら同条第2項に明記されている〈戦力不保持〉、すなわち〈非武装〉に触れない人が多いことと連動する事態であるにちがいない。

過日、「自衛隊に触れるならまず『自衛隊さん、ありがとう!』と言いましょう」という声がある反戦・反基地グループから上がったという話を聞いて一瞬耳を疑った。東日本大震災時の自衛隊の災害派遣を評価してのことらしいが、こういう親軍論調が反戦運動内から浮上することは戦後反戦運動の著しい後退を象徴していると私は思う。

しかし、反米軍には熱心でも自衛隊となると腰が引けるようでは、安倍政権・防衛省による〈琉球弧の要塞化〉を阻止し「尖閣」戦争を防止することはできない。5月15日、安倍〈好戦宰相〉が解釈改憲の強行を宣言したが、そのとき沖縄戦の体験者たちが「また捨て石か」とうめきつつ反応したことに「本土」の私たちはもっと敏感であるべきである。

                                    

6月20日 琉球新報
オスプレイから部品落下

米軍普天間飛行場に配備されている垂直離着陸機MV22オスプレイが、17日午後、長さおよそ15センチの棒状の部品を落下させた可能性があることが分かった。沖縄防衛局によると、落下した可能性があるのは機体後部の垂直安定板に取り付けられている「STATI CWICK」と呼ばれる部品。飛行中に落下したとみられるが、現段階で被害は確認されていない。

6月20日 沖縄タイムス
オスプレイから部品落下 場所など確認中

17日午後5時~11時にかけて、米軍普天間飛行場に配属されているMV22オスプレイの垂直安定板の右下にある長さ約15センチの部品「スタティックウィック」が落ちた。沖縄防衛局によると、落下場所や原因は米軍に確認中という。 現時点で被害は確認されていない。飛行ルートは非住宅地または海上だったという。

6月20日 琉球新報
集団的自衛権の慎重審議を 那覇市議会、賛成多数で意見書可決

那覇市議会は20日、6月定例会で、議員有志提出の解釈改憲による集団的自衛権行使容認への慎重審議を求める首相らあての意見書を賛成多数(賛成33、反対6)で可決した。
 
意見書は「国の安全保障政策の大転換に関わる重大な問題について国民的な議論もなされないままに、なし崩し的に閣議決定を急ぐ安倍内閣の姿勢はあまりにも拙速で、容認できるのものではない」と指摘している。自民党新風会と公明、民主、共産、社民、社大、「無所属の会」の会派長らが共同提出し、7会派の市議33人が賛成した。「自民・無所属・改革の会」3人と無所属議員3人の計6人が反対した。

6月20日 沖縄タイムス
自民「集団安保検討」を提起

自民党は20日の「安全保障法制整備に関する与党協議」で、国連が侵略国などへの制裁として対応する集団安全保障の武力行使に自衛隊が参加できるよう検討すべきだと提起した。シーレーン(海上交通路)での機雷掃海活動を念頭に置いたもので、公明党は反発した。自公両党は政府が提示した集団的自衛権行使を可能とする憲法解釈変更を含む閣議決定原案について修正協議を本格化させた。与党協議は大詰めの段階を迎えた。 自民党からの武力行使の範囲を広げる新たな提案に、公明党側は「今、重要なのは自衛権の措置だ」と、集団安全保障をテーマとすることに異論を唱えた。

6月20日 沖縄タイムス
機雷掃海へ参加検討 武力行使拡大も集団的自衛権

自民党は、集団的自衛権行使を可能にする閣議決定に関し、国連の集団安全保障に基づく機雷掃海活動にも自衛隊が参加可能となるよう修正する検討に入った。自民党幹部が19日、明らかにした。国際紛争停戦前の機雷掃海は国際法上、「武力行使」と認定されるため、集団的自衛権に基づく機雷掃海にとどまらず、国連決議を根拠にした海外での武力行使拡大につながる恐れがある。

閣議決定 会期内見送り
安倍晋三首相(自民党総裁)と公明党の山口那津男代表は官邸で会談し、与党協議を22日の国会閉会後も継続する方針を確認した。閣議決定は「自国の存立を全うするために必要な自衛の措置を憲法が許容している」などとする1972年の政府見解を基本とする方針。与党は20日の安全保障法制に関する協議から閣議決定原案の修正協議を本格化させる。

機雷掃海に関し、自民党幹部は19日、自衛隊がシーレーン(海上交通路)で集団的自衛権行使の一環として参加した際、国連決議で集団安全保障と位置付けられた途端に撤退する可能性があることへの懸念を示した。 首相は機雷掃海への参加に前向きだが、記者会見などで、国連の集団安全保障に基づく武力行使には参加しない意向を示しており、整合性が問われそうだ。公明党は機雷掃海への参加自体に反対している。

党首会談は首相が呼び掛け2人だけで約1時間行われた。首相は安全保障法制見直しに関し「閉会後も与党でしっかり議論していこう」と述べ、当初目指した会期内の閣議決定を断念する意向を伝えた。山口氏は同調した上で「公明党内でいろいろな意見が出ている」と、意見集約が容易でない事情に理解を求めた。 山口氏は会談後、72年見解について「政府の憲法解釈の一番のベースだから尊重しながら議論する」と記者団に強調した。公明党は19日の安全保障に関する合同会議で、集団的自衛権問題の議論を続行した。20、23両日も集中的に話し合う。

6月20日 沖縄タイムス
米兵検疫せず宮古島滞在 住民の感染確認されず

天候不良のため宮古空港に緊急着陸したHH60救難ヘリに搭乗していた米兵22人が5月18日、検疫を受けずに外出し、宮古島市内のホテルで1泊していたことが分かった。1996年の日米合意で定められた検疫所への通報義務を米軍が怠ったため、那覇検疫所が滞在を把握できなかった。

翌日の報道を通じて事態を把握した那覇検疫所は、米兵と接触したホテル従業員など29人を特定し、健康診断などの対応を取った。19日現在、感染症などの被害は確認されていない。 96年の日米合意は米軍関係者であっても、提供区域外(一般空港)から入国する場合、日本の検疫を受けるよう規定。さらにその場合は、米軍側が検疫に先立ち、所管の検疫所に通報するよう定めている。

ヘリはフィリピンから嘉手納基地へ向かう途中、天候不良で5月18日夕方に宮古空港へ緊急着陸。事前連絡を受けた空港管理者の県は、燃料補給が終わり次第、日帰りで離陸するよう調整しており、宿泊は「想定外だった」という。実際に離陸したのは同19日午前だった。 宮古空港は常設のCIQ施設(出入国審査関連施設)がなく、必要に応じて那覇検疫所の職員が出向き、口頭での感染確認など検疫業務を行う。那覇検疫所は「米軍側との連絡網はなく、動きがキャッチしづらい」と説明した。 県空港課も「非常にまれな事例。今後は米軍が通報義務を怠った場合を想定し、那覇検疫所と連絡体制を強化したい」と話した。

6月19日 琉球新報
22米兵、検疫せず滞在 接触者を健康調査

フィリピンから嘉手納基地に向かう途中の米軍ヘリ3機が5月18日、天候不良のため宮古空港に緊急着陸した際、米兵22人が検疫を行わないまま外出し、宮古島市内のホテルで1泊滞在していた事が分かった。空港での検疫は検疫法第5条で義務付けられており、米軍人の出入国などを定めた日米地位協定の9条では日本側が検疫すると定めている。
 
通常、検疫は飛行機の機長が搭乗者の体調を把握し、全員分の健康状態をまとめた「明告書」にサインをする。感染症の流行地域などから入国する際はサーモグラフィーでの体温確認なども実施する。今回、フィリピンでは感染症の流行は確認されていなかった。宮古空港には検疫の常設施設はなく、必要があれば那覇検疫所から検疫官が出張し検疫する事などで対応する。
 
宮古空港管理事務所によると、米兵は米軍機の着陸直後、滑走路に降り、一時、空港内に滞在。横田基地とやり取りし、空港内に宿泊施設がない事から市内のホテル2カ所への宿泊を決めたという。その際、県との調整などで混乱していたこともあり、同管理事務所の職員が検疫の実施の確認や空港から出ないよう求める事はなかった。那覇検疫所は翌日、米兵22人が検疫をせず市内に滞在した事実を把握。同所の職員が米兵が利用したホテルやタクシー会社を調査し、米兵と接触のあった29人を特定し健康調査をした。多くの感染病の潜伏期間とされる1週間を過ぎてからも健康不良を訴える報告はなかったという。
 
琉球新報の取材に対し、嘉手納基地は「今回の着陸は計画されたものではなかった。空港に検疫設備はなく、日本側が通常とる隔離などの手続きもなかった。兵士たちは嘉手納基地に戻り検疫を受けた」とした。宮古島市の長濱政治副市長は「このような事態は県内どこでもありうる。ルール作りを徹底してほしい」と求めた。県空港課は「緊急着陸というまれな出来事で、今回は連絡がうまくできなかった」と説明した。那覇検疫所は「検疫は絶対しなければならない。できる限りのフォローをした」とし今後、県との連携強化を確認した、と明らかにした。

6月19日 沖縄タイムス
自民、国連の機雷掃海参加検討 海外武力行使拡大の恐れ

自民党は、集団的自衛権行使を可能にする閣議決定に関し、国連の集団安全保障に基づく機雷掃海活動にも自衛隊が参加できるよう修正する検討に入った。党幹部が19日明らかにした。国際紛争の停戦前の機雷掃海は国際法上「武力行使」と認定されるため、集団的自衛権に基づく機雷掃海にとどまらず、国連決議を根拠にした海外での武力行使拡大につながる恐れがある。

安倍首相(自民党総裁)と公明党の山口代表は官邸で会談し、与党協議を22日の国会閉会後も継続する方針を確認。閣議決定は「自国の存立を全うするために必要な自衛の措置を憲法が許容している」とする72年政府見解を基本とする方針。(

6月19日 沖縄タイムス
北中城村議会、集団的自衛権「十分な議論ない」

北中城村議会(花崎為継議長)は19日の6月定例会最終本会議で、政府が閣議決定を目指す憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認について、慎重審議を求める意見書を全会一致で可決した。「県民に重大な影響を及ぼすにもかかわらず、十分な議論を経ず、性急な検討が進められている」と批判している。

6月19日 沖縄タイムス
那覇市議会、集団的自衛権意見書20日可決へ

那覇市議会(安慶田光男議長)の議会運営委員会が19日午前開かれ、安倍政権が閣議決定を目指す集団的自衛権の行使容認について「国民的議論もないままに、なし崩し的に閣議決定を急ぐ安倍内閣の姿勢はあまりにも拙速で容認できない」とする意見書案を審議し、20日の本会議に上程することを決めた。賛成多数で可決する見通し。

6月19日 沖縄タイムス
読谷村議会、解釈改憲反対で意見書 沖縄初

読谷村議会(新垣修幸議長)は18日の6月定例会最終本会議で、集団的自衛権の解釈改憲による行使に反対する意見書を全会一致で可決した。沖縄県内の市町村議会で集団的自衛権の行使に反対する意見書を可決したのは初めて。

意見書案は仲宗根盛良村議(無所属)が提案した。安倍政権を「時の一内閣の一存で解釈を変えることは断じて許されない」と批判。広く慎重な議論が必要だとし、「恒久平和と平和的生存権、戦争放棄の立場から同権を行使しないことを求める」とした。 審議中は4議員が退席。途中退席した長浜宗則議員は「国会でも議論中で、もっと議論を深めて判断するべきだ」と理由を話した。 北中城村議会(花崎為継議長)でも19日に意見書案を提案する見通し。

那覇市議会(安慶田光男議長)では議会運営委員会が「国民的議論もないままに、なし崩し的に閣議決定を急ぐのは容認できない」との意見書案を審議。自民党県連所属の「自由民主党新風会」が提案した。公明党はじめ共産、社民ら野党会派も賛同したが、同じ自民党県連所属の「自民・無所属・改革の会」は意見書案の文言について会派内で検討したいと賛否を保留。19日に再度、委員会を開いて同案の扱いを審議する。

一方、豊見城市議会(屋良国弘議長)では18日の6月定例会の最終本会議で、瀬長美佐雄市議(共産)が提案。与党市議から「市政とあまり関係のない国防に関することを論じるのはどうか」などの反対意見が出され、賛成少数(賛成9、反対13)で否決した。

6月19日 琉球新報
社説:自衛権閣議決定案 国民を脅かすのは誰か 

甚だしい偽装と牽強(けんきょう)付会の連続だ。このような転倒した理屈が通るのなら、日本が法治国家であるか否かが疑われる。政府は解釈改憲に向けた閣議決定の文案を提示した。自国でなく、他国に対する武力攻撃にも一定の条件で自衛権行使を認めるとし、「国際法上、集団的自衛権に当たる」と明記した。
 
要は外国に出掛けていって戦争をするというのだ。憲法は「国の交戦権は認めない」と明記する。その交戦権を認めるのだから憲法の破棄に等しい。一内閣の解釈で憲法を破棄するような閣議決定など断じて容認できない。改憲したいなら政府は堂々と国民に是非を問うべきだ。一定の条件とは、高村正彦自民党副総裁が示した新3要件だ。「国民の生命や幸福追求の権利が根底から覆される恐れがある場合」、集団的自衛権行使を認めるという。基になったのは1972年の政府見解だ。「幸福の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫、不正の事態」に自衛の措置が許されるとある。
 
そこから文章の一部を引用したから、今回の案も従来の政府見解と整合性があるかのように装うが、偽装も甚だしい。この政府見解の結論は「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」だ。同じ政府見解からなぜ正反対の結論を導けるのか。恐るべき没論理である。これまで政府は砂川事件最高裁判決が集団的自衛権行使を容認していると強弁してきたが、こじつけだと批判された。旗色が悪くなったので、急に72年の政府見解を持ち出してきたとしか思えない。
 
この政府見解も、個人で言えば正当防衛に当たる個別的自衛権行使を正当化したものだ。だから正当防衛のときに使う「急迫、不正」の表現があった。今回の高村案が「急迫、不正」を省いたのは、外国での武力行使に正当防衛を当てはめるのは無理があるからだろう。まさに政府見解のつまみ食いだ。ご都合主義もここに極まれりである。今回、自衛権行使に地理的制限は設けない。「地球の裏側」でも戦争するというわけだ。石油の輸入が難しい場合も「国民の生命、幸福追求の権利が根底から覆される」事態に含むという。経済的理由でも外国と戦争することになる。これで「限定容認」とは、偽装そのものだ。むしろ政府こそ「国民の生命を根底から」脅かしている。

6月19日 沖縄タイムス
集団的自衛権を憲法許容 閣議決定案の全容判明

政府が自民、公明両党幹部に提示した安全保障法制に関する閣議決定の原案全容が18日、判明した。従来の憲法解釈で禁じられてきた集団的自衛権の行使に関し、日本への攻撃がなくても他国に対する武力攻撃で「わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される恐れがある場合があり得る」と指摘。他に適当な手段がなく必要最小限度にとどまるなら武力行使が憲法で許容されるとした。政府は原案を基に7月初旬までの閣議決定を目指す。日本の安全保障政策の大転換となる。解釈変更に関し「国際情勢が根本的に変容し、どの国も一国のみで平和を守れない」と訴えた。

集団的自衛権、閣議決定原案の全文

はじめに

わが国は、戦後一貫して日本国憲法の下で平和国家として歩み、安定して豊かな国民生活を実現。このわが国の平和国家としての歩みをより確固たるものにする必要あり。一方、わが国を取り巻く国際情勢が根本的に変容し、変化し続けており、もはや、どの国も一国のみで平和を守ることはできず、国際社会もわが国がその国力にふさわしい形で一層積極的な役割を果たすことを期待。

政府の最も重要な責務は、わが国の平和と安全を維持し、その存立を全うすること。必要な抑止力の強化により、紛争を未然に回避し、わが国に脅威が及ぶことを防止することが必要不可欠。そのため、切れ目のない対応を可能とする国内法制整備が必要。

今般、与党協議の結果に基づき、政府として、以下の方向性に従って、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために必要な国内法制を速やかに整備。

1 武力攻撃に至らない侵害への対処

(1)近傍に警察力が存在しない場合や警察機関が直ちに対応できない場合の対応

武力攻撃に至らない侵害において、いかなる不法行為に対しても切れ目のない十分な対応を確保するための体制を整備することが一層重要な課題。

様々な不法行為に対処するため、警察・海上保安庁等の関係機関が、それぞれの任務と権限に応じて緊密に協力して対応するとの基本方針の下、各々の対応能力を向上させ、連携を強化するなど各般の分野における必要な取組を一層強化。

離島の周辺地域等において外部から武力攻撃に至らない侵害が発生し、近傍に警察力が存在しない場合や警察機関が直ちに対応できない場合に、手続きを経ている間に被害が拡大することがないよう、早期の下令や手続きの迅速化のための方策について具体的に検討。

(2)自衛隊と連携して行動する米軍部隊の武器等防護

自衛隊と米軍が連携して切れ目のない対応をできるよう、自衛隊法第95条による武器等防護のための「武器の使用」の考え方を参考にしつつ、自衛隊と連携してわが国の防衛に資する活動(共同訓練を含む。)に現に従事している米軍部隊の武器等であれば、米国の要請または同意があることを前提に、自衛隊法第95条によるものと同様の極めて受動的かつ限定的な必要最小限の「武器の使用」を行うことができるよう法整備。

2 国際社会の平和と安定への一層の貢献

(1)いわゆる後方支援と「武力の行使との一体化」

わが国による支援活動については、他国の「武力の行使と一体化」することにより、憲法の下で認められない「武力の行使」を行ったとの法的評価を受けることがないよう、活動の地域を「後方地域」や「非戦闘地域」に限定する等の法律上の枠組みを設定してきた。

「武力の行使との一体化」についての議論の積み重ねを踏まえつつ、こうした枠組みではなく、他国が「現に戦闘行為を行っている現場」ではない場所で実施する補給、輸送等のわが国の支援活動については、当該他国の「武力の行使と一体化」するものではないとの認識の下、以下の考え方に基づき、わが国の安全の確保や国際社会の平和と安定のために活動する他国軍隊に対して必要な支援活動を実施できるよう法整備を進める。

わが国の支援対象となる他国軍隊が「現に戦闘行為を行っている現場」では、支援活動は実施しない。

仮に、状況変化により支援活動を実施している場所が「現に戦闘行為を行っている現場」となる場合には、直ちにそこで実施している支援活動を休止・中断。ただし、人命救助を目的として人道的見地から実施する捜索救助活動は、戦闘行為を支援するものではなく、「現に戦闘行為を行っている現場」において実施しても「武力の行使と一体化」することはないと認められることから、このような活動は例外として実施できる。

(2)国際的な平和協力活動に伴う武器使用

「駆け付け警護」に伴う武器使用や「任務遂行のための武器使用」については、これを「国家または国家に準ずる組織」に対して行った場合には、憲法第9条が禁ずる「武力の行使」に該当するおそれがあることから、自衛官の武器使用権限はいわゆる自己保存型と武器等防護に限定してきた。

「国家または国家に準ずる組織」が敵対するものとして登場しないことを確保した上で、PKO等の「武力の行使」を伴わない国際的な平和協力活動における「駆け付け警護」に伴う武器使用および「任務遂行のための武器使用」のほか、領域国の同意に基づく邦人救出等の「武力の行使」を伴わない警察的な活動ができるよう、以下の考え方に基づいて、法整備を進める。

PKO等では、PKO参加5原則の枠組みの下で、「当該活動が行われる地域の属する国の同意」および「紛争当事者の当該活動が行われることについての同意」が必要とされており、受入れ同意をしている紛争当事者以外の「国家に準ずる組織」が敵対するものとして登場することは基本的にないと考えられる。住民保護等の治安の維持を任務とする場合には、特に、その任務の性格上、紛争当事者の受入れ同意が安定的に維持されていることが必要。

自衛隊の部隊が、領域国政府の同意に基づき、当該領域国における邦人救出等の「武力の行使」を伴わない警察的な活動を行う場合、領域国政府の同意が及ぶ範囲、すなわち、その領域において権力が維持されている範囲で活動することは、その範囲においては「国家に準ずる組織」は存在しないことを意味。

領域国政府の同意が及ぶ範囲や受入れ同意が安定的に維持されているか等については、国家安全保障会議での審議等を経て、政府全体として判断。

なお、これらの活動における武器使用については、警察比例の原則に類似した厳格な比例原則が働くという内在的制約あり。

3 憲法第9条の下で許容される自衛の措置(検討中)

憲法第9条はその文言からすると、国際関係における「武力の行使」を一切禁じているように見えるが、憲法前文や第13条の趣旨を踏まえて考えると、憲法第9条が、わが国が自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じているとは解されず、そのための必要最小限度の「武力の行使」は許容。これが、従来から政府が一貫して表明してきた見解の基本的な論理。

これまで政府は、自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置は、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置としてはじめて容認されるものであるとして、「武力の行使」が許容されるのは、わが国に対する武力攻撃が発生した場合に限られると考えてきた。しかし、わが国を取り巻く国際情勢を踏まえれば、今後他国に対して発生する武力攻撃であったとしても、その目的・規模・態様等によっては、わが国の存立を脅かすことも現実に起こり得る。

(以下は自民党の高村正彦副総裁の「たたき台」に基づく)

わが国に対する武力攻撃が発生していなくとも、他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される恐れがある場合があり得る。その場合に、これを排除し、国民の権利を守るために他に適当な手段がなく、わが国が「自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置」として武力を行使することは、従来の政府見解と同様に、自衛のための必要最小限度の範囲内の実力の行使として許容されると考えるべきであると判断するに至った。

国際法上の根拠と憲法解釈は区別して理解。上記の「武力の行使」は、国際法上は、集団的自衛権が根拠となる。

憲法上「武力の行使」が許容されるとしても、民主的統制の確保が求められる。上記の「武力の行使」のために自衛隊に出動を命ずるに際し、現行法令上の防衛出動に関する手続きと同様、原則として事前に国会の承認を求めることを法案に明記。

4 今後の国内法整備の進め方

これらの活動を自衛隊が実施するに当たっては、国家安全保障会議における閣僚レベルでの審議等を経て、内閣として決定。こうした手続きを含め、実際の自衛隊による活動の実施には根拠となる国内法が必要。

切れ目のない対応を可能とする法案の作成作業を開始することとし、十分な検討を行い、準備ができ次第、国会に提出し、御審議をいただく。

Sankei2014_0619

6月19日の産経

6月18日 八重山毎日
社説:「アリの一穴」で歯止めなく 集団的自衛権で真価問われる「平和の党」

限定的容認へ
何が何でもと国民の反対も無視してがむしゃらに「戦争する国」に暴走する安倍首相を止められないこの国は一体どうなっているのだろう。一強多弱で野党の力が消えうせ、自民党も「みんな首相のポチになっている」と古賀誠元幹事長に揶揄(やゆ)されるように党内の自浄力は弱まり、集団的自衛権行使容認の歯止めは、ある意味で平和の党の公明党頼みだった。

その公明党までも最近、限定的ながら行使を認める方向に向かっておかしくなっているのだから、この国は専守防衛の「戦争をしない国」からいよいよ人のけんかも買って出るような「戦争する国」になりそうな状況だ。かつて1990年8月にイラクがクウェートに侵攻した湾岸戦争の際、当時の海部俊樹首相は同盟国のブッシュ米大統領から自衛隊の多国籍軍参加を強く求められたが、憲法9条を理由に断ったという。それはひとたび自衛隊を海外派兵すると「アリの一穴」で歯止めがきかず、次々派兵することになるという後藤田正晴官房長官の言葉があったからだという。公明党も限定的とはいえ、一度行使を容認すれば、それが歯止めの効かない「アリの一穴」になることは明らかだし、限定的も認めるべきでない。

反対署名の受け取りも拒否
しかしなぜ安倍首相は自国を守る専守防衛だけでなく、あえて他国のために自衛隊をこうも急いで戦争させたがるのだろうか。戦地へゆくということはそれは決して戦争ごっこでなく、現実に自衛隊員らが命を失うだけでなく相手国の恨みを買い、日本が攻撃を受け、特に基地がある沖縄が真っ先に攻撃を受けかねないということだ。

首相らはよく中国や北朝鮮の脅威を強調するが、むしろわが国の脅威は中国などを挑発し、隣国と緊張関係をつくりだしている積極的戦争主義の好戦的な首相らにあるというべきだろう。
しかもやり方は国民の審判を仰ぐ憲法改正でなく、憲法に対するクーデターといわれるように、一内閣が憲法の解釈やこれまでの政府見解を次々都合のいいように変える強引なものだ。

こうした首相らの暴走に対し、作家の大江健三郎氏ら憲法学者や作家らで組織する戦争させない1000人委員会が12日、東京の日比谷公園で集団的自衛権行使容認に反対する3000人集会を開き、約175万人の署名を衆参両院に提出したが、首相側は受け取りを拒否したという。これではまるで独裁者というしかない。そういう強引な手法はいずれしっぺ返しがあるだろう。

平和主義を貫け
その首相に押し切られ、さらに党として連立離脱を避けるため、容認に反対だった公明党も与党協議で「限定的容認」にかじを切り出した。しかし党内は依然行使容認に慎重意見が根強いようだし、自民に屈するべきでない。自民党でも岐阜県連が首相らの強硬姿勢を懸念し、県内各市町村に慎重検討を求める意見書採択を要請したという。首相らの暴走にブレーキをかける動きをさらに広げるためにも、「平和の党」の公明党は平和主義を貫くべきだ。連立に踏みとどまるために党是に反する安易な妥協をするべきでない。

6月18日 沖縄タイムス
社説:[自衛権与党協議]禍根を残す危うい議論

集団的自衛権を使えるようにするための憲法解釈変更に向け、政府は17日、安全保障法制に関する与党協議会に閣議決定の文案概要を示した。 与党協議会はこれが7回目。集団的自衛権をどの範囲で認めるかという線引き論に終始し、重箱の隅をつつきあっているような印象をぬぐえない。 公明党の反応をうかがいながら、自衛権発動の要件を示したり、引っ込めたり、修正したり、バナナのたたき売りのようにも見える。

閣議決定の文案概要は、日本への攻撃がなくても、他国に対する武力攻撃が発生し、これによって「わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される恐れがある」ような場合には、集団的自衛権の行使が認められる、としている。 だが、このかぎかっこの要件は、田中角栄内閣が1972年に、個別的自衛権発動の要件として示したものだ。 「恐れ」というあいまいな表現を盛り込めば、対象が拡大し、歯止めを失う可能性が高い。 それよりも何よりも、与党協議会では、安全保障政策について本来、議論すべきことがほとんど議論されていない。それが心配だ。 安倍政権の安全保障政策は、歴代の自民党政権と比べても極めて特異である。「抑止と対話」の両面から安全保障政策を総合的に推し進めるのではなく、「抑止」という軍事面の能力向上だけを突出させ、「対話」による関係改善の努力が全く感じられない。

歴史問題をめぐる対立を和らげることは、安全保障政策に役立つ。政府同士の信頼を回復することが、結果として安全保障にもプラスに働く。 安倍政権は、そのような肝心な政策が手薄なのである。関係改善どころか、安倍晋三首相は靖国参拝で中国や韓国の反発を招き、そのほかの歴史問題でも対立を深めた。 集団的自衛権の行使を認める立場に立つ日米の専門家の中に、安倍政権の下での解釈改憲を懸念する声があるのはこうした背景があるからだ。

安倍首相は「血の同盟」に固執するが、不都合な現実には、あまり触れない。 安保条約6条によって米国は、日本防衛以外の目的のために国内の基地を使用する権利を認められ、地位協定によって基地の排他的な管理権と自由使用を認められ、思いやり予算によって厚遇され、航空法などの国内法の規制も受けない。

安保条約は確かに「非対称的」ではあるが、しかし、条約5条に基づいて米国だけが日本防衛の義務を負っているのではなく、6条に基づいて日本もまた義務や過大な制約を負っている。 その意味で安保条約は「非対称的な、双務性を備えた条約」だというべきだろう。6条に基づく重い負担のかなりの部分を背負っているのは沖縄である。地位協定の不平等性や重い負担を問わずに「血の同盟」の構築だけを主張するのは、あまりにも危険な発想だ。

6月18日 琉球新報
集団的自衛権「慎重審議を」 那覇市議会が意見書 

那覇市議会の最大会派、自民党新風会(11人、金城徹会長)は、開会中の6月定例会本会議に、安倍晋三首相が目指す集団的自衛権の行使容認について、首相らに慎重審議を求める意見書案を提出する方針を17日までに固めた。18日の議会運営委員会で本会議提案を諮る。同じ与党の公明会派ほか野党も趣旨に賛同しており、20日の本会議で賛成多数で可決される公算が大きい。
 
意見書案の原案では、沖縄戦で多くの犠牲者を出した歴史があり、在日米軍専用施設の74%が集中する沖縄は、集団的自衛権の行使で他国の戦争に巻き込まれる恐れがあると指摘している。新風会は、16日から意見書案の本会議提出に向けて他会派との調整に入り、同日中に与党の民主と、共産、社民、社大の野党会派、中立会派「無所属の会」が賛同。公明会派も17日に賛意を示したことから、議運に諮ることを決めた。
 
一方、自民・無所属・改革の会(3人、久高友弘会長)は「集団的自衛権について、確認すべき事項が多々ある中、意見書に賛同するわけにはいかない」と話している。同会派を含む複数市議が反対するとみられる。集団的自衛権の行使をめぐっては、翁長雄志市長が9日の市議会代表質問での答弁で「行使することは憲法上許されない」と述べ、現憲法下では容認されるべきではないとの見解を示していた。

6月17日 沖縄タイムス
文民統制へ国会承認明記 集団的自衛権

政府は17日、安全保障法制に関する与党協議会に、集団的自衛権行使を可能とする憲法解釈変更に向けた閣議決定の文案概要を正式提示した。自衛隊への文民統制徹底のため行使には国会承認が必要と明記した。公明党は行使範囲の厳格化を要求する方針。自民党は修正に柔軟に応じる考えだ。公明党は党内論議が進まず、文案の具体的議論に入らなかった。20日の次回協議での与党合意は困難で、政府は遅くとも7月初旬までの閣議決定を目指す。 与党協議は22日の国会会期末を見据え、閣議決定の文言調整が焦点となった。国会承認が自衛権発動の事前か事後か言及はなく、明確な歯止めとなるか不明だ。

6月16日 沖縄タイムス
社説:[改正国民投票法]沖縄の視座から議論を

憲法改正の手続きを定める改正国民投票法が13日、与野党8党の賛成多数により可決、成立した。今月中に公布、施行される見通しで、安倍晋三首相は2017年に初の国民投票を実施する日程を思い描いているという。 改正法は、国民投票のできる投票年齢を「20歳以上」とし、施行4年後に「18歳以上」へ引き下げることを明記した。  07年5月に成立し


最新の画像もっと見る

コメントを投稿