鉄道模型のある生活ブログ

鉄道模型にかぎらす、なんでも書いてしまいます。

持病  

2024年05月10日 | 雑談

いつも見ている、模型関係のブログの方が、病気で苦戦しておられる様ですが、歳をとると誰でも悪いところや持病があるものです。

私の持病は喉が悪いことで、声が出にくい。 一昨日に鼻が出すぎるので耳鼻科で診てもらったら蓄膿とのこと。 薬を飲んだら翌日から声が出にくくなった上に、昨日友人たちと食事会で出ない声を振り絞って喋りすぎたので、今日はほとんど声が出ない。

実は、20数年前に喉頭癌にかかり、その後遺症として声が悪くなって、何かがあると声が出ない。 運転会などで初めて会った人は声が悪いことに気がついておられると思います。

なぜ喉頭癌になったかというと、カラオケです。 仕事関係の関係の二次会のカラオケで、声もよく出たし歌がうまかった(?)ので部門代表的に歌い出したのですが、誰かがタンバリンを叩き出した。 大きな音で鳴るので、それに負けじと声を張り上げて何曲も歌った挙句、翌日には喉が痛くて、耳鼻科受診。  赤くなっているとのこと、その後、その赤みが取れずに、1年2年と経ち3年目から癌の検査の生検です。 口を開けて自分で舌ベラを引っ張って、医師が器具を使って喉の組織を引っ掻いて取る。 ほんのちょっと引っ掻だけですが、喉に棒を突っ込んでいるので涙は出そうになるし苦しい。 早く終わって欲しいので、一所懸命に舌をひっぱる。 医師も汗をかきながら頑張って検査してくれている。

年に2回ぐらいそういうことをしていて4年目ぐらいに、少し怪しい感じになってきた。 病院に勤めていたので、病理部の検査技師とも親しかったので、向こうも私の名前の検体が来たらそのつもりで結果を見ているだろう。 絶対に口では結果を言わないが、会った時の顔でなんとなくわかる。 5年経った時に、医師から「お気の毒ですが癌です」とはっきり言われた。 カラオケで痛めた喉が、グチュグチュしていてそれが癌化したのであろう。 タバコは若い時から吸わないので、カラオケが原因だろうが、風邪をひいた時に喉が痛くなるのはよくあったので、もともと弱かったのであろう。

次の診察日に医師から「何日に入院してもらいます。 レーザーで患部を焼いてその後放射線治療をします」 と入院日から治療計画まで説明された。 以前の診察日から後、医師は手術室の予約や、病室の予約、そして、放射線科医師と放射線治療のカンファレンスなどで治療計画を立ててくれていたのだ。

私にしたら、癌と知ってからは1日も早く治療をしないと、進むのではないかと心配だったが、何年もかかって癌が進んで来たのだから、そう早く進むものではないんだけれど。 

そして、放射線科の教授に病名を言うと、その先生は脳や頸部に詳しい先生だったのだけれど「喉頭癌は治る! 心配するな」とはっきり言われた。 (初期だったからで、進んでいれば声帯除去手術で完全に声を出せなくなる。 そう言う人を何人も知っている)

入院までの間に、写真の撮影に行った。 その時にはほとんど声が出なくて、むしろ病名がわかった上に教授からの言葉でホッとした気持ちもあったが、体はしんどくない。 車でゆけばしゃべる必要はほとんどない。

米原近くの醒井の宿です。  綺麗な水にしか生えない梅花藻のある川。

 

そして、柏原付近で、EF65の単機回送を写したりして。 この時昼食の食堂では注文はできたが、支払いに店員を呼ぶのに苦労した覚えがあります。 声が出ないと、いろいろ大変なのです。

さて、入院して、予定通りに手術。 全身麻酔ってすごいね。 手術台の上で麻酔科の医師と囁く様な小さな声で雑談していて、今から麻酔をかけます「いちにいさんで、意識がなくなります」 と言われて、本当にいちにいさんで、あとは何も覚えていない。 声帯をレーザーで焼かれたのだけれども気がついた時は、病室のベットの上。 特に喉が痛かった覚えもない。

ちなみに全身麻酔というのは死ぬ直前の状態を維持させるのであるから麻酔科の医師は非常に気を使いながら行う。 そして、すべての医師が一度経験する方が良いので、訓練を受けていると思います。

 

手術後 入院中。 全く声が出せないので、子供用のお絵描きの道具で文字で会話をしていた。

この後、放射線治療が始まる。 喉にリニアックでX線を照射。 撮影などのX線と違って物凄く高いエネルギーで、量も桁違いに多い。

 

私が治療してもらったリニアックです。 

一回、2Gyで30回(30日)、合計60Gyの量を喉に照射するために、頭を固定する道具で毎回同じ位置になる様にと動かないようにして行う。 同じ方向からだけだと、喉の表面が焼けてしまうので、医師が作った治療計画に沿って、照射野の大きさや、照射方向など、毎日変えて病変部に集中して照射するが、同然、方向は変えても皮膚も被曝する。

放射線が当たるとどうなると思いますか? 原発がどうのこうの言っておられる方もほとんど知らないんじゃないでしょうか?

ほぼ、火傷と同じことになります。 癌を焼き殺すという感じです。 癌細胞を殺すのですから、60Gyというすごい量のX線で癌を殺す。

当然、皮膚にも大量のX線が当たっているので、赤くなってきた後に水疱ができてきます。 そして、治療が終わった頃に、風呂で首をそおっと拭いたら首の皮膚がどろっと流れ落ちたのです。 聞くと怖いでしょうが、痛くはなかった。 実はその時には下に新しい皮膚ができていて、表面の皮膚が落ちても新しい皮膚が現れて、むしろ綺麗になったのです。 人間というか生物はすごいもので、まあ、放射線医師はこう言う事もわかっているから、放射線治療という方法が使えるのですが。

レーザー手術後、数週間で退院。 かろうじて声は出る様になっていた。 その後は毎日放射線を照射してもらいに通って30回で終了。 これで治療は終わりです。

がん細胞は死んでいるはずで、がんは治った。 しかし、すごい量の放射線を当てているので、声帯付近には火傷の後の様なケロイド状になっていて、声が出にくい。 でも、だんだんマシにはなってきたけれど、声帯を内視鏡で覗くと、今でも明らかに放射線治療の跡がわかる。 だから、昔の様な綺麗な声? には絶対に戻らない。 後遺症ではあるが仕方がないのだ。

一般に、癌治療の後、5年間は定期的に予後を見る、毎年CTやPETなんかの検査もして、再発していませんと言われてホッとするのだけれど、5年経過した時にはバンザイという感じだった。

もう治療後20年ほど経つので、検査には行っていないが、喉だけはたまに調子が悪くなるので、近所の耳鼻科で診てもらっているが、それも2年ぶりぐらいだ。

さて、X線とか放射線とか書きましたが、放射線にはX線やガンマ線や電子線など色々の種類があって、その中のX線ということです。

一回2Gyを30回の60Gyと書きましたが、喉に限定して照射しているので、体は耐えているのですが、もし全身に照射したら、2Gyだけでも内臓なども影響を受けて死に至る線量です。 火傷と同じで局部だけならそれだけなのですが全身火傷なら死に至るかもしれません。

ですから、放射線医師が照射部位をきっちり決めて放射線技師が、その通りに照射するのですが、人体なので、呼吸その他でもわずかなずれは生じてくる。 そして、大事なのは装置のメンテナンスで、きっちり正しいエネルギーで正しい線量が、照射野の形状や大きさで出ているかのチェックも行っていないと、治療効果は変わってくる。 だから見かけ以外の仕事もたくさんある。

こういう大線量では、火傷の様になるのですが、少ない線量では見かけ上何も起こりません。 火傷も同じで低い温度でちょっとだけなら何も起こりません。

しかし、低い線量でも場合によってはがんが発生するという事実があります。 しかしこれほど高い線量を照射してもそこから新たに癌が発生したことは聞いたことがないので(それであれば放射線治療は行えない)、低い線量で癌になる確率はものすごくものすごくものすごく低いのです。

三朝温泉などラジウム温泉では、ラドンからでる放射線で被曝します。 この辺りは地域全体の放射線量が多いのですが、この地域の人に癌が多いということはありません。 世界中でラジウム温泉は体の良いと、健康施設になっているところもあります。 これは低線量の放射線を浴びた方が細胞が活性化して、体に良いという経験からです。 世界中で放射線が多い場所では、長生きのところが多い。

これを言い出すとキリがないのでやめますが、福島を見ればわかるけれど、避難せずに原発内で作業している人ががんになったとは聞いていない。 ですから、一般の人には何も起こらないし起こっていない。 避難しなくてもなんともなかったはずの線量でしかなかった。  でもかなりの量の放射線を浴び続ければがんになります。 しかし、かなりの量を浴び続けられるような場所はありません。 まして火傷の様になる様な線量を浴びる場所も機会もありません。

一般の人が一番被曝するのはCT検査でしょう。 それで病気を見つけて治すことができますが、検査のX線でがんになったとは聞いたことがありません。

ということで、放射線治療はがんにとても良く効く治療法で、私が受けた頃よりもずっと進化しているので、放射線を被曝するから怖いと思わないでください。 でも、抗がん剤や他の治療法も進化しているので、がんになったら、医師の言うことを聞くのが無難です。

がんは二人に一人かかるのですから、珍しい病気ではないし、早期に見つければほとんど治ります。 早期に見つけるためにCTや放射線検査があります。 放射線で癌になると言う人もいますが、癌を見つけるのも放射線ですし治療をするのも放射線です。 面白いですね。

 

おまけ

初期のCT装置。 頭専用で水袋の様なところに頭を突っ込んで撮影。 1スライス撮影するのに数分かかり、頭全体では1時間ぐらいかかった、 そして画質も悪く、診断に役立つのだろうかと思ったが、あっという間に広まって改良がなされ、今ではなくてはならない装置になっている。

イギリスのEMI社製。 増幅にはオーディオ用のアンプが使われていた。

 

 


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