もう一度笑って

平成最後の秋に母が旅立ちました。
脳梗塞で倒れた夫をサポートする日々を記録する
のんびり主婦のブログ

再び時をかける母

2016-03-24 14:44:51 | 日々のこと
こんにちは ぽんたです。
関東地方にも、桜の開花宣言がチラホラ
でも今日は花冷えです。 寒いっ!

母の抜歯の日に合わせて、面会に行ってきました。

訪問治療は午前中だったため、間に合いませんでしたが
午後の早い時間に行ってきました。

抜歯は一本だけで、部分入れ歯に落ち着くみたいです。
血も止まり、腫れもなく
母本人は、治療そのものを忘れているようでした。

いつも以上に視線が合わず、
母はうつろに宙を見つめて、ぶつぶつと何かをつぶやいていました。

注意深く聞いてみると
母が子供のころに住んでいた
東京大空襲で焼けてしまった母の実家の住所を繰り返していました。

区名・町名までは正しく言えていました。

母は

「××丁目○○番地」までハッキリ言っていますが

それが、母の実家の正しい番地なのかはわかりません。

スタッフさんによると、最近はこの状態がよくあるそうです。
そして、自分の両親(祖父母)を探す素振りを見せるとも。

私がすぐ隣に座り、肩を抱き

「歯は痛くない? 大丈夫?」とか、母の名前を呼んでも

チラとも視線が合わず、宙を見たまま
ぶつぶつと、私が知らない住所をつぶやき続けていました。

母は、再び時をかけ
少女の姿で、亡くなった祖父母を探しているのだろうか。

心細いよね。
怖いよね。

悲しくて切なくて

なんとか母の力になりたくて
呼びかけても話しかけても
私の存在は認識されず、母はつぶやき続けていました。

施設内では我慢していましたが
帰宅途中で、泣いてしまいました。
花粉症なので、メガネとマスクでごまかせますが
涙が止まりませんでした。
コメント (4)
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母に入れ歯??

2016-03-15 17:09:50 | 日々のこと
こんにちはぽんたです。
関東地方は、やっとカラッと晴れたような気がします。

母が入所している施設から連絡がありました。

ぐらついている歯があるので、抜歯して入れ歯にしたい…って。

えっ? 抜歯? 入れ歯?

もう高齢なので、今さら感と
じっと動かないで治療なんてできるの?・・・と

頭の中を 『??』マークでいっぱいにして
とにかく施設へ急いで行ってきました。

施設長さんとスタッフリーダーさんからの説明は

訪問歯科医から

歯ぐきが老齢のため痩せて、歯がぐらぐらしている。
本人も気にして、歯を触って悪化させてしまう。
虫歯はないが、このままだと流動食生活になってしまう。
治療できるのは今のうちだと思う。

・・・と、報告があったらしいです。

施設側は、『流動食』 と 『治療なら今のうち』 に ピンときたらしいです。

とにかく元気でいられるのは、健全な食事だそうで
流動食になってしまうと
どうしても体力気力が衰えるらしいです。

もちろん

訪問歯科医が、保険適応内で施設内で治療し
入れ歯の洗浄・管理は施設スタッフさんがやる・・・と
私達家族は、ノータッチでやってくださるそうです。

当然、料金は加算され
おいくらくらい請求されるのかちょっと不安ですが
OKするしかありません。

スタッフリーダーさんによると
今のうちなら

「ちょっと動かないでいてね」って言えば、少し動かないでいてくれるようです。

もうちょっと認知症が進むと、無理だそうです。

そうですね。 そうだと思います。

まだ在宅のころ
かかりつけ医への通院が、日ごとに難しくなっていったのを思い出しました。

歯医者なんて、私でも嫌です!!
あの、キィィ~ンとかの音を想像するだけでへっぴり腰です。

施設で、穏やかな雰囲気の中で治療だそうですが
母がちゃんと治療を受けられるか心配です。

施設にお任せするしかないです。
今月の下旬から治療開始だそうです。
抜歯して型を取って終了?? くらいらしいです。

母に面会してきましたが、ヨダレがすごかったです。
このヨダレも、歯がグラグラしているのが原因らしいです。
指で触ったり、舌で触っていると、口が半開きになってヨダレが出やすくなるようです。

本人は、ヨダレより歯のほうが気になるみたいでした。

『今のうちに・・・』

なんだか考えてしまう言葉でした。
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認知症男性JR事故裁判に思うこと

2016-03-04 09:40:39 | 日々のこと
おはようございますぽんたです。
気象庁的にも 『春』 になったそうです。
早咲き桜も咲き始めて
なんだか嬉しいです。

おそらく、全国の介護者が見守ったであろう裁判の判決が出ましたね。

いろいろ考えさせていただいた裁判でした。

同居する高齢の、しかも要介護1の妻の責任。

離れて暮らす長男の責任。

被害者への責任。

『たら・れば』の話になってしまいますが

介護者が、私のようにまだ50歳代で、ピンシャン動けて

別居の家族も、車や電車で一時間以内に駆けつけることができて

被害者側が、賠償金がなかったら倒産するような零細企業だったら・・・とか・・・

基本的には、介護者が全責任を負いますよね。

JRや私鉄にしても
全部の駅にホームドアや、全部の線路に鉄柵を設置なんて無理な話だし
踏切がある以上、線路への侵入は完璧には防ぐことができないし

たとえ鉄柵があっても
認知症の方って、くぐったり乗り越えたり
「どうやって入ったの??」って場所にハマって動けなくなっていたり(母の場合)
思いもしない行動があったり…なのですよね。

国は在宅介護を奨励していくようですが

事故につながる徘徊を阻止するためには
閉じ込めたり拘束しなければなりません。

そうすると、虐待とみなされ、介護者は逮捕されます。

では、24時間ずっと見守るのでしょうか?
絶対に無理です。
介護者にも生活があり、第一、正気を保つのは困難です。

介護サービスをフルに使えばいい?

これがうまくいくとは限らないのです。

制限があったり
金銭的な問題があったり
相性があったり。

本当にいろいろ考えた判決でした。
絶対に他人事ではありません。
介護者にとっては、まさに明日は我が身・・・なのです!

最後に

亡くなられた男性のご冥福をお祈りするとともに
ご家族のご健康をお祈り申し上げます。
コメント (2)
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