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てっしーずのおでかけ日記

観たこと、聞いたこと、気づいたことを書くよ!

火と水 カブールの手品師

2010年11月22日 | 茶の間で鑑賞
火と水 カブールの手品師
http://films.nfb.ca/a-dream-for-kabul/

ヒストリーチャンネルの911特集で放送した映画です。
カナダで製作された映画で日本では劇場公開していないようです。
息子を911テロで失った白鳥晴弘氏が平和活動に目覚めて、自分の思いに向かって突き進む様子を追ったドキュメント。

この作品は911の検証をしたり、政治的正義を模索する普通のこういうドキュメント作品とはまったく異なっていて、白鳥晴弘の猪突猛進ぶりをありのままに描いています。
息子との関係は悪いし、奥さんにも迷惑をかなりかけていることもわかるし、情熱だけでひとりで突き進んでいるところも多く、いろんなことが途中で頓挫してしまう。
ある意味、ドンキホーテともいえるような活動振りはおかしくも悲しいけど、見ているうちに勇気付けられるようなところもありました。

白鳥晴弘は手品を覚えて、世界のいろんな場所で見せることで多くの人に楽しんでもらおうとするんですが、こんなところでやっても誰も見ていないだろうという場所でもまったく空気を読むことなく手品を遣り通してしまう場面が印象に残りました。
すごいおっさんだなあ、と思ったんですが、そんな人が追い込まれたときに叱り付けているのが黒川紀章。
なんなんでしょうね、この人たちのパワーは。(ひ)




サディスティック・ミカ・バンド

2010年02月20日 | 茶の間で鑑賞
Sadistic Mika Band - 塀までひとっとび

サディスティック・ミカ・バンド
2007年
キャスト(役名) - サディスティック・ミカ・バンド
加藤和彦
高橋幸宏
小原礼
高中正義
木村カエラ
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD41760/index.html

テレビでやっていたのでなんとなく見ました。
サディスティック・ミカ・バンドというと、音楽雑誌が隆盛を誇り、FM局がまだ少なかった時代に音楽を聴いていた私のような世代の人間には独特の存在感がありました。
ラジオでは「タイムマシンにお願い」くらいしかかからないのに、世界に通用する日本のロックバンドとして、日本のロック・ベストなんとか、というランキングでは必ず上位に入ってベタ褒めされる。
ジャックスや村八分やはっぴいえんどなんかと同列にある、自らがんばってレコードを探さない限り聞けない幻の音楽でもあったのです。
私は完全にジャックス派(P-model派でも古井戸派でもあったけど)だったので、サディスティック・ミカ・バンドはほとんど聞いていませんでした。
今回いろんな曲を聞いて、へえ、こんなだったんだと思ったくらいで。
でも、このライブはそんなお客が多かったんだろうなあ。
木村カエラとか奥田民生を目当てで見に行ったりした人も含めて。
まあ、いいんですけどね、もちろんそれでも。
ただ、早川義夫の復活ライブを見に行ったときも、ジャックスを現役で見ていなかったことが申し訳ない気がした者としては、なんだかなあ、と思わなくもない。
そんなことを考えているから、いろんなものに乗り遅れちゃうんですけどね。

見ていて一番気になったのは高中正義。
流行ったよなあ、高中正義。
私の世代だと、軽薄なギター好きが聞く音楽の代名詞(なんてこと言ったらファンに殺されるね)というイメージでした。
このメンバーの中では一番頑なに自分の音楽を貫き続けた人なんですね。
一生サイドギターは弾かないという話はいいですね、なんだか。(ひ)

舞妓 Haaaan!!!

2010年02月13日 | 茶の間で鑑賞
舞妓Haaaan!!! 予告編

舞妓 Haaaan!!!
監督 : 水田伸生
脚本 : 宮藤官九郎
出演 : 阿部サダヲ 、 堤真一 、 柴咲コウ 、 小出早織 、 伊東四朗

これは失敗作ですね、一言でいうと。
すごく面白い作品になる要素はそろっているのに、この体たらくはすごい。
クドカンとこの監督の組み合わせが無理。
どうやら、日本テレビで番組を作っていた方で、日本テレビ製作の映画を撮っていらっしゃるようで。
こんなことをしているから日本の映画は駄目なんだよなあ。
別にこの監督を全面的に否定するつもりはありません。
でも、この人は無難にテレビドラマ的に小さく話をまとめる才能に長けているとしか思えない。
でも、この話はすべての場面が「そんなはずねえだろ!! 」と突っ込みをいれられるようなテンションで作られているし、相当なドライブ感が出なきゃ何の意味もないものでしょう。
馬鹿が足りないです。
植木等が特別出演していたけど、平成の植木等映画になるべく作らなきゃいけなかったんですよ。
植木等の映画のオマージュと思わせておいて、途中で破壊するような映画を撮らなきゃ。
コメディのもつ過激さやシュールが全然感じられないさびしい映画です。
宮藤官九郎や阿部サダヲの好きな人はこんなもので満足しちゃいけないんじゃないだろうか。
それ自体が彼らに失礼だという気がする。(ひ)


小森生活向上クラブ

2010年02月10日 | 茶の間で鑑賞
「小森生活向上クラブ」予告編

小森生活向上クラブ(2008)
監督 片嶋一貴
原作 室積光
出演
古田新太
栗山千明
忍成修吾
有森也実
佐野史郎
豊原功輔
http://www.komoriclub.com/index.html

古田新太の主演映画ということで見てみました。
世の中に不満をもつ気の弱いオヤジがふとしたきっかけで過激な世直しを始めるというストーリー。
話のシンプルな展開やエロティックなシーンから、これはマンガが原作に違いないと思ったら違ってました。
でも、昔のヤングサンデーとかヤングジャンプに載っていそうなタイプの話ですねえ(今はマンガを全然読まなくなったから週刊誌事情がわかりませんが)。
変な力を与えられて、世の中に不幸を与える人間を駆除し始めた男が、なりたくもないカリスマになってしまい、周囲の人間に踊らされていく様なんていうのは、いかにもマンガにありそうなパターンだなあ。

ということで、この映画は完全に若い男性をターゲットにしているんでしょうが、それにしては全体的な作りがおとなしいというか、強い売りのない作品だなあという気がしなくもありません。
それと細部への拘りというのがないのが面白さを消している気がします。
タイトルの「小森生活向上クラブ」なんていうのは、もう少しひねってくれ、思うんですが、実は何かのパロディになっているのかな?
自分が若い頃、マンガを読んでいたのは長い通勤時間の暇つぶしだったなあ。
今でも印象に残っているのはさそうあきらや松永豊和のような傑出した何人かの漫画家の作品だけだし。

とはいえ、気分だけなら、こんな世直しというか、目障りな人間の駆除をしたい「正義」の人が増えてるんだろうなあ。
「正義」というのは宗教と同じくらいのカタルシスのあるものなんでしょうか。
そういう「正義」が最後にどう崩壊していくか、という部分も描いて欲しかったけど。
ラストはちょっと端折りすぎです。(ひ)



亀は意外と速く泳ぐ

2010年02月05日 | 茶の間で鑑賞
亀は意外と速く泳ぐ 短編1話 なぜO.N.アベックホームラン?

亀は意外と速く泳ぐ
監督 : 三木聡
出演 : 上野樹里 、 蒼井優 、 岩松了 、 ふせえり 、 松重豊 、 村松利史 、 緋田康人 、 要潤
http://www.wilco-jp.com/kamehaya/

「時効警察」を最近CSで見たものでその流れで見てみました。
テレビで実績がある人だから撮れた映画ですね。
話はほとんどあってないようなもの。
笑いとしても決して万人向きではなく、結構好き放題やっている。
主役の女性2人だけは今時の映画という感じだけど、他の役者は自分の使いたい人を思いきり使っているのがわかるし。

「脱力系」とか「ゆるい」という言葉が公式サイトや感想を見ると多そうですが、それよりは外し方のうまさが印象に残りました。
前振りのように出てきた話やアイテムをあえてその後登場させなかったりするところなんかも。
イカとかおいしいラーメンとか普通ならもう少し使いそうなものですが。

「普通」とか「平凡」なんてものは絵に描いたもちみたいなものとでもいえばいいんでしょうか、とにかく実態のないものなので、そのことについて真剣に考えれば考えるほどおかしい。
他の登場人物たちはよくわからないスパイ活動のために平凡を演じているのに、普通にしていれば平凡でいられる「才能」をもっている主人公だけは、平凡でいようと意識するとかえってうまくいかなかったりする。
最後にみんな不思議な穴? の中に入っていくのは「平凡」でいることに限界を感じたからで、唯一「平凡」でいられる才能を生まれつきもっていた主人公だけがそこに入る必要がなかったんじゃないか、なんていうどうでもいい感想が浮かびました。

ストーリーや人間関係みたいなものはほとんど描いていないんですが、ひとつひとつの場面の作り方は相当緻密なんだろうなあ、という気がします。
こんな作り方って、一度観客に「つまらない」と思われたら終わりなので本当に手が抜けない。
きちんと作られたコントをみているようで、全然脱力系なんかじゃないですね。
そこがいいです。(ひ)



ブタがいた教室

2010年02月01日 | 茶の間で鑑賞
ブタがいた教室

ブタがいた教室 2008年
監督 : 前田哲
脚本 : 小林弘利
原案 : 黒田恭史
出演 : 妻夫木聡 、 原田美枝子 、 大杉漣 、 田畑智子 、 池田成志 、 戸田菜穂
http://buta.channel.yahoo.co.jp/

最近フェイク・ドキュメンタリー映画を結構見ることが多くて、ちょっとうんざりしていると先日書きました。
これもある意味フェイク・ドキュメンタリー映画なんですが、すばらしかった。
製作者のブレのなさが見事としかいいようがありません。

話は小学校で豚を飼いそれを食べて、食べることとは何なのか考えさせようとした実話に基づいています。
子豚がだんだん大きくなっていく。
世話が大変だけど、かわいい。
そのかわいくなった豚を食べることはできるのか。
若い先生はできるだけ自分が結論を出さず、生徒に徹底的に話をさせて自主的に結論を導き出させていく。

これを普通の本を使ってドラマにしたら説教くさくなって見てられなかったでしょう。
子供たちが豚について話し合うところはセリフなし。
本当に議論をさせたそうです。
子供は映画の中の一場面という意識もありながら、豚について本気で考えざるをえなくなる。
豚に名前をつけたり、意見がきっちり半々に分かれたりするのには当然設定があるんでしょうけど。

人が「食べる」ということについて本気で考えること自体が大切なことでしょうが、世の中には「正義」や「悪」、「○」と「×」で分けられないことの方が圧倒的におおくて、そのことにどう折り合いをつけていくのが大事なんだというのを学んだのがすばらしいんじゃないでしょうか。

最後に豚が食肉センターに連れて行かれる場面は、連れて行かれる豚のことを思いつつも、これが映画の一場面だということを意識している子供たちのことを考えると、相当複雑でした。(ひ)




ジャージの二人

2010年01月17日 | 茶の間で鑑賞
ジャージの二人

監督・脚本 : 中村義洋
原作 : 長嶋有
出演 : 堺雅人 、 鮎川誠 、 水野美紀 、 大楠道代 、 田中あさみ、ダンカン

前評判からすると癒し系な感じの映画なのかなあ、と思っていたんですが、それだけには終わっていない面白い作品でした。
軽井沢に近い山荘で夏の間だけ一緒に過ごす親子の物語。
浮世離れした堺雅人と鮎川誠の不思議な親子や山荘の自然に囲まれた風景はいかにも最近の邦画にありがちな「優しい」映画なんですが、それぞれの人物はそれぞれに悩みを抱えていて、ほんの一時の日常からの開放を味わっている、いや、何とか味わおうともがいているだけだということが分かってきます。

携帯の通じないような田舎にきておきながら電波の届く場所を探してしまったり、自分と家族との距離の難しさに悩みつつ見せないようにしている登場人物の痛々しさも感じられたりするところがいい。
何よりも余計な説明がないところがよかったなあ。
堺雅人と奥さんの間の問題、鮎川誠と彼女(?)、鮎川誠と娘の関係などなど、いろんなことが説明されずに話は進んでいく。
でも、実際、世の中ってそんなものだし、そんな状態で人と付き合っていく。
分からないことの面白さというのが人生には多々あると思うんですね。
漠然とした不安を抱えることの面白さも。
人と居心地のいい関係を築いていくというのもある意味しんどいもので、そのしんどさも十分描かれている気がしました。

原作はまだ読んでいないんですが、「ジャージの三人」とか「ジャージの一人」という話も本当にあるんですね。
笑ってしまうシーンがいくつもあったんですが、どれもビジュアルなものだったので原作がどうなっているのか気になります。(ひ)






アイム・ノット・ゼア

2010年01月13日 | 茶の間で鑑賞
bob dylan - maggie's farm (1965 newport) 昔、新宿のビデオ屋で売っていたのはこの映像だったのかな。
アイム・ノット・ゼア
監督・原案・脚本
トッド・ヘインズ
出演
リチャード・ギア
クリスチャン・ベイル
ベン・ウィショー
マーカス・カール・フランクリン
ヒース・レジャー
ケイト・ブランシェット
http://www.imnotthere-movie.com/

久々に映画の感想です。
ボブ・ディランの伝記映画ということくらいしか予備知識がなかったので、意外な内容ではありました。
いわゆるフェイク・ドキュメンタリーという部分も含めて、ボブ・ディランの半生を描く、というより、ボブ・ディランの人生や楽曲からイメージするストーリーを組み合わせて一本の映画にしたという感じ。
まあそれが成功しているかというと疑問ですが。
ひとつひとつの話はそれなりに面白いけど、どの話も面白さがフラットというか、傑出しているものがない。
状況はそれぞれ違っているけど、みんな現実との折り合いをつけられずに不器用に生きざるをえない人物になっているのも、まとまりすぎじゃないかという気がするし。

ケイト・ブランシェットのボブ・ディランは中途半端に似せているという感じで、いかにも演技してます、という感じだった。
舞台だったら、あんな感じで女性がボブ・ディランを演じる面白さが出たと思うんですが、映画だと変に生々しくて女性らしさだけが際だってしまう。
この作品の中、どこにもボブ・ディランはいないし、ディランというのはそういうものだよ、と言いたかったのかもしれませんが。

もうひとつ不満を感じさせたのはフェイク・ドキュメンタリーっぽい作りの部分。
当時の世相を詳しく説明したり、インタビューをいれるというのは、パロディとしての完成度が相当高くないと面白くない。
ディランについて詳しいわけではないので、実際のところがよくわかりませんが、イーディーやウォーホル、ギンズバークと思しき人物の扱いも中途半端だった気がするし。
なんだか最近、このフェイク・ドキュメンタリーっぽい作品が多いことにうんざりしているというのもマイナス要因になっているのかもしれません。

ボブ・ディランは今年来日するんですよね。
料金の高さにひるんでしまいましたが、ベテラン大物の来日が多いなあ。(ひ)

ROY JONES JR V DANNY GREEN

2009年12月05日 | 茶の間で鑑賞
ROY JONES JR V DANNY GREEN FULL FIGHT!


いやあ、ビックリしました。
このカード自体しらなくてyou tubeで偶然見つけたんですが。
今年はリーグパスに入っていないのでエキサイトマッチまで見ることが出来ています。
パッキャオのすごさにひたすら驚き、来春に行われそうなメイウエザーとの頂上対決もすごく楽しみです。
ひたすら一番強い相手を求めて戦っていくすごさという意味ではパッキャオは史上ナンバーワンボクサーといってもいいかもしれません。
デラホーヤやタイソンの方が知名度は上ですが、常に最強の相手と戦っていたか、と言われると疑問。
パッキャオの場合、強さともろさの両面をもっているために、相手に避けられないのかもしれません。

と話が大分ずれましたが、ロイ・ジョーンズは悲惨なことになってました。
ダニー・グリーンは確かに強い相手ですけど、IBOのタイトルじゃあ日本での放送はないかも。
それにしても、無理に階級を上げるというのは考え物ですね。
デラホーヤもロイ・ジョーンズもそんなことしなければ、最強のボクサーというイメージがずっと残っただろうに。(ひ)


シッコ

2009年11月23日 | 茶の間で鑑賞
マイケル・ムーア最新作「シッコ」予告編(日本語)-SiCKO Trailer(JPN)


シッコ
2007年
監督・脚本・製作 : マイケル・ムーア

公開から結構な時間が経ってしまいましたが見てみました。
日本ではあんまり話題にならなかったし、それまでマイケル・ムーアを評価していた人も結構辛口な意見を言っていた記憶があります。
実際、見てみると米国の保険医療制度の実態を描くという部分にずいぶん時間を割いていて、本人の出る時間が非情に少ないのが意外でした。
単に米国の現状の酷さを紹介するだけでなく、他の国との比較を行い、なぜそこまで国民が損をする医療制度が存在しているのか、彼なりの根本的な理由を提示しています。
911のときとは違って、ブッシュさえいなくなればすべてはOKというのではなく、コミュニズムに対する嫌悪感と恐怖のなせる技だという解釈は興味深いものでした。

さて、それでは日本は、と考えてみたとき、米国よりはずっと恵まれているけど、紹介されている多くの国よりは住みにくい。
病院で治療してもらえず、そのまま死んでしまうなどということがそれほどの驚きではなくなっている。
この現状に結構なれてきているんじゃないかと思えることが怖い。
高校までの学費を無料にするより、いろんな意味で医療制度の充実をはかることの方が大切だと思うんですが。

映画の方に話を戻すと、恵まれた医療制度を求めてカナダにまで出掛ける人の話をもう少し膨らませて欲しかったなあ、という気がします。
そこまでする人がなぜカナダにずっと住もうとはしないのか。
仕事のため? 移住がむずかしいから? それとも他の理由?
同じようにカナダで治療を受けている人がどのくらいいるのか?
米国の問題点だけでなく、それでも米国に住み続ける人の心情というのが描けたんじゃないかと思うのです。

話は飛ぶんですが、マイケル・ムーアのドキュメントが非情に一方的な都合のいい情報しか入れていないと批判する人が多いようですが、その辺は本人も自覚している、というか、極端にいえば、こんなことになってしまうくらいさ、という一種のユーモアなんじゃないかという気がします。
医療制度や福祉がすぐれている国には別の問題があるに決まっている。
使えるお金なんか限られているんだから。

かなりとっちらかった感想になりましたが、いろいろ考えさせられる興味深い映画でした。
考えたのは米国について、というより日本についてですが。(ひ)