今、欧州では、O104(腸管出血性大腸菌)の話題で持ちきりになっています。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110607ddm003030099000c.html
http://mainichi.jp/select/world/news/20110608k0000e030017000c.html
ドイツのハンブルグから始まった感染は、そこを訪問した方々中心に広がっています。
現在、患者数は13ヶ国で2000人以上、死者の数も20人を超えました。
この騒ぎでは、当初、スペインが犯人扱いされてしまいました。
ハンブルク州政府が、感染源の疑いがある野菜として、スペイン産キュウリを名指ししたからです。
スペイン産キュウリは、誰も買わなくなり、ロシヤも輸入を停止しました。
その後の検査で、スペイン産キュウリは感染源でなかったことがわかりました。
今、スペイン政府はドイツに対して、賠償請求しています。
文字通りの“風評被害”だったと思います。
その後も問題は続きます。
被害が広がっていく中で、今になっても感染源が特定出来ないのです。
ニーダーザクセン州政府が、今月5日にもやしを感染源として挙げましたが、
やはりそうではなさそうだということになりました。
感染経路もそうですが、そもそも発生源自体が特定出来ていません。
O104は、これまで、動物の体内で見つかったことがないということなのです。
O104の不明な点は他にもあります。
溶血性尿毒症症候群(HUS)は、子供や高齢者が発症しやすいと言われているそうなのですが、今回大部分の感染者は18才以上です。
もともと、O104は、今までに集団感染を起こしたことがないようなのです。
このため、O104が強い毒性を持つように“変異した”可能性が言われています。
“世界保健機関(WHO)は今回の大腸菌を「極めて特異なタイプ」と発表。”
“多くの患者が入院する独ハンブルク・エッペンドルフ大病院は「前例のない遺伝子同士が結合したのではないか」と指摘した。
8割のO104と残りの2割の別型の菌が結合した可能性があり、抗生物質も効きにくいという。(毎日新聞)”
ドイツでは当初から発生場所を巡る報道が過熱しました。
約150万人が訪れた5月6~8日の「ハンブルク港祭り」から感染が広がったとする説も出ています。
上記の背景も踏まえて、これは人の集まる場所を選んだ「細菌テロ」だったのではないかとのうわさも出ています。
これが万一、脱原発を訴えたドイツに対するアクションだとしたら、許されないことです。
ロシアは、ついにEU産の生鮮野菜輸入の全面禁止に踏み切りました。
日本でもその対応が問題になって来ました。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00200979.html
政府はどうするのでしょうか。
このような事態になって初めて、放射線被害を恐れて日本産の農産物の輸入を控える海外の方々の立場がわかるのかも知れません。
カメラの前で、野菜を食べるパフォーマンスがいかにむなしいものか。
スペインでは、5月11日に、スペイン南西部で死傷者を出す地震がありました。
2回の地震の震源の深さは、なんと1キロと 0キロでした。
第一次大戦時に世界中で流行し、その死者の数は5000万人とも言われるスペインかぜ。
実際には、アメリカから大流行が始まったのに、なぜか“Spanish Flu(スペインかぜ)”と命名されてしまいました。
ちなみにこのウイルスの感染源も、いまだにわかっていません。
そして、今回の風評被害。
財政、経済問題で苦しむ欧州“西”のはじのスペイン、
同じく財政、経済問題で苦しむアジアの“東”のはじの日本。
何か共通するものを感じます。