"ちょっと外から見た日本"

今、スペインに住んでいます。
大好きな日本のこと、
外からの視点で触れて見たいと思います。

“O104と風評被害について”

2011-06-09 03:09:09 | 日記

今、欧州では、O104(腸管出血性大腸菌)の話題で持ちきりになっています。

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110607ddm003030099000c.html

http://mainichi.jp/select/world/news/20110608k0000e030017000c.html

ドイツのハンブルグから始まった感染は、そこを訪問した方々中心に広がっています。

現在、患者数は13ヶ国で2000人以上、死者の数も20人を超えました。

 

この騒ぎでは、当初、スペインが犯人扱いされてしまいました。

ハンブルク州政府が、感染源の疑いがある野菜として、スペイン産キュウリを名指ししたからです。

スペイン産キュウリは、誰も買わなくなり、ロシヤも輸入を停止しました。

 

その後の検査で、スペイン産キュウリは感染源でなかったことがわかりました。

今、スペイン政府はドイツに対して、賠償請求しています。

文字通りの“風評被害”だったと思います。

 

その後も問題は続きます。

被害が広がっていく中で、今になっても感染源が特定出来ないのです。

ニーダーザクセン州政府が、今月5日にもやしを感染源として挙げましたが、

やはりそうではなさそうだということになりました。

 

感染経路もそうですが、そもそも発生源自体が特定出来ていません。

O104は、これまで、動物の体内で見つかったことがないということなのです。

 

O104の不明な点は他にもあります。

溶血性尿毒症症候群(HUS)は、子供や高齢者が発症しやすいと言われているそうなのですが、今回大部分の感染者は18才以上です。

 

もともと、O104は、今までに集団感染を起こしたことがないようなのです。

このため、O104が強い毒性を持つように“変異した”可能性が言われています。

 

“世界保健機関(WHO)は今回の大腸菌を「極めて特異なタイプ」と発表。”

“多くの患者が入院する独ハンブルク・エッペンドルフ大病院は「前例のない遺伝子同士が結合したのではないか」と指摘した。

8割のO104と残りの2割の別型の菌が結合した可能性があり、抗生物質も効きにくいという。(毎日新聞)”

 

ドイツでは当初から発生場所を巡る報道が過熱しました。

約150万人が訪れた5月6~8日の「ハンブルク港祭り」から感染が広がったとする説も出ています。

 

上記の背景も踏まえて、これは人の集まる場所を選んだ「細菌テロ」だったのではないかとのうわさも出ています。

これが万一、脱原発を訴えたドイツに対するアクションだとしたら、許されないことです。

 

ロシアは、ついにEU産の生鮮野菜輸入の全面禁止に踏み切りました。

日本でもその対応が問題になって来ました。

http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00200979.html

政府はどうするのでしょうか。

このような事態になって初めて、放射線被害を恐れて日本産の農産物の輸入を控える海外の方々の立場がわかるのかも知れません。

カメラの前で、野菜を食べるパフォーマンスがいかにむなしいものか。

 

スペインでは、5月11日に、スペイン南西部で死傷者を出す地震がありました。

2回の地震の震源の深さは、なんと1キロと 0キロでした。

 

第一次大戦時に世界中で流行し、その死者の数は5000万人とも言われるスペインかぜ。

実際には、アメリカから大流行が始まったのに、なぜか“Spanish Flu(スペインかぜ)”と命名されてしまいました。

ちなみにこのウイルスの感染源も、いまだにわかっていません。

そして、今回の風評被害。

 

財政、経済問題で苦しむ欧州“西”のはじのスペイン、

同じく財政、経済問題で苦しむアジアの“東”のはじの日本。

 

何か共通するものを感じます。

 


4 コメント

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Unknown (あさ)
2011-06-09 12:25:26
最後の2行、東のはじ西のはじ・・なるほどと読みました。

ウイルスを怖れること・・量子力学的には分子間の結束力が落ちる。侵入しやすくなる。
「気づきをありがとう」というとクルクル~と気持ちい~スピンに変わり故郷へ帰っていく・・そんなイメージが私自身はストンときます。

「スペインかぜ」そうだったのですね。先ほどのニュースでスペインの工場で作られたチュッパチャップスに異物が混入されていて日本食べた方が違和感・・とありました。
風評被害・・私も岩手県盛岡というだけでいろいろね~岩手はとても広いし沿岸まで遠いですし、東京行くより時間かかるところも・・群馬から神奈川行くような(群馬、埼玉、東京、神奈川の面積足してもまだ岩手が大きい)
盛岡の街中「元気出そう岩手、がんばろう岩手」の張り紙とか、CMでも有名人が気の毒そうな顔して「力を合わせてがんばってください」とかしょちゅうでてきて、わたしはいやだわ。

あ、たくさん書いてしまいました!いろいろな思い吐き出そうっと!
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あささん (テラ)
2011-06-10 05:37:05
“分子間の結束力を高めるということ”、具体的なイメージでいいですね。
チュッパチャップスも話題になっているようですね。
スペイン、今までの何かを解消しているところなのでしょうか。

岩手は、群馬、埼玉、東京、神奈川の合計よりも広かったのですね。
まずは、現地の方々の思い。
日本は、東北から新しい時代が始まって行くのだと思います。


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Unknown (taka)
2011-06-14 09:59:17
はじめて投稿させていただきます。

東の日本、西のスペイン・・・
これは何かの啓示でしょうか・・・
なぜ11日にいろんな事が起こるのでしょうね?

ある人になんで11日なんでしょうね?って疑問をぶつけたら、あっさり
建国の日だから・・・と返されました。
建国???いままでの常識を捨て、変われというサインなのでしょうか・・・
薬が効かない疫病、自然災害、東は日本から、西はスペインから、目覚めて変わる気がします。
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takaさん (テラ)
2011-06-14 13:41:59
投稿頂きましてありがとうございます。

11日、建国の日ですか。
最近では、ソニーの情報流出の件で、スペインで容疑者が逮捕されたり、その報復?でスペイン警察のブログがダウンしたり、ということも起きています。
日本もスペインも、経済、金融面も益々厳しくなることを想定した方がいいように思います。
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