"ちょっと外から見た日本"

今、スペインに住んでいます。
大好きな日本のこと、
外からの視点で触れて見たいと思います。

“新しい時代への意思決定とは”

2011-06-08 02:48:05 | 日記

すでに何度か引用させて頂いている『到知』(http://www.chichi.co.jp/)の記事より抜粋させて頂きます。

 

 

対談の中での天外伺朗さんのコメントです。

 

天外さんは、SONYでCDや「AIBO」の開発に携わられる一方で、多数の著作を生み出して来られた方です。

 

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「GDP(国民総生産)からGNH(国民総幸福量)へ」       

       

          天外伺朗(ホロトロピック・ネットワーク主宰)

 

                 『致知』2011年7月号

            連載「生命のメッセージ」より

   http://www.chichi.co.jp/monthly/201107_pickup.html#pick6

 

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  僕は、今回の震災が百年後に振り返った時、

  あれをきっかけに日本は大きく変わったという

  ターニングポイントになると思っています。

 

  戦後六十六年、街中ギンギンぎらぎら無駄に明るくして

  一所懸命GDP(国内総生産)を上げてきたわけです。

 

  でもいまのように節電し、物を捨てず、

  無駄なことをしなければGDPは下がります。

 

  これから日本は好むと好まざるにかかわらず、

  そういう方向に向かうのではないかなと。

 

 

 いままで日本は国家の位置づけとして

 「GDP世界二位」と言い続けてきましたが、

 もうそういう時代は終わって、

 これはブータンの国王が言い始めたことですが、

 

 

 「GNH」、つまり

 「グロス・ナショナル・ハピネス(国民総幸福量)」

 

 

 日本人はもともといい社会を築いていたんですよ。

 問題は、おっしゃるとおり

 自分たちの国が素晴らしいことに気づいていないこと。

 

 だからこの前出した本に、

 各国でわざとお金が入った財布を落として、

 戻ってくる確率を測定してみたらいいんじゃないかと(笑)、

 「PAH(People's Average Honesty)」とでも名づけて、

 格付けしたらどうかと書きました。

 

 

 また、こういう災害があると

 バッとボランティアが駆けつけますしね。

 

 神戸の大震災の時は、まだやる気だけで

 何をやっていいか分からない傾向があったけど、

 今回は的確に行動する若者たちが多かったですね。

 

 交通も途絶え、宿泊所も食料もない時に、

 自分たちでテントと食料を持って、駆けつけてきたと。

 僕も何人か会いましたが、みんな爽やかなのね。

 

 僕らの年頃は、

 「俺はボランティアやっているんだ」という

 感じになるんだけれど(笑)、

 若い連中はものすごく爽やかにやっている。

 

 一部のおじさんおばさんたちから見ると、

 覇気がないとか草食系とか言われるけれども、

 彼らはすでにGDPからGNHに価値観をシフトさせている。

 

 我々の世代よりもむしろ、

 人間としての本質に目覚めていると感じます。

 だから、日本はこれからどんどん

 よくなっていくはずだと思っています。  

 

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日本の人口は、所謂団塊の世代が最も多く、年齢が下がるにつれて少なくなっています。

一方で、民主主義は多数決の世界です。

ですので、選挙の結果も、人数の多い世代の意向に、どうしても影響を受けやすくなるでしょう。

 

現在、年金を受け取っている方々は、支払って来た年金の額よりも、かなり大きな額の年金受給を受け取ります。

若い世代の方々は、受取額の方が、支払う額よりもかなり小さくなってしまうことになります。

年金の仕組みを変えなくてはならないことは明らかでしょう。

 

しかし、多数決の世界では、人数の多い意見が優先されます。

自分の年金受取額が減ることを、人数の多い世代の方々が受け入れることが出来るでしょうか。

 

“地域ごとの”「一票の格差」については、裁判でも取り上げられていますが、

本当は、“年代ごとの”「一票の格差」もあるわけです。

 

選挙に限らず、様々な分野における意思決定は、人数の多い意見を受け入れて成されて行くことが多くなっています。

 

天外さんのお話にもあるように、新しい世代は、ちゃんと育っています。

“我々の世代よりも、むしろ、人間としての本質に目覚めている”ということ、その通りだと思います。

 

 

なので、私も含めて、上の世代の人たちが常に意識していかなくてはならないのは、

 

新しい世代の人々にとって、即ちこれからの日本にとって、今、自分はどう判断すべきか、ということだと思います。

 

 

その為には、エゴを外して考えることが大切になりますね。

 

 

しかし、それだけでなく、過去に蓄積して来た自分の経験さえも、外して考えるケースも出てくるのだと思います。

 

 

なぜなら、これからは、自分の過去の経験則も通用しない時代に入っていくと思うからです。

 

 

「GNH」、グロス・ナショナル・ハピネス(国民総幸福量)もその一つですね。