岩切天平の甍

親愛なる友へ

それでも私は反対します

2003年03月20日 | Weblog

アメリカが攻撃を始め、反戦の雰囲気が急速に弱くなりつつあるのを感じています。始まってしまったのだから、もうやめることは出来ないだろうし、それならできるだけ早く終わって、犠牲者が少ないほうがいい。自国の兵士達が命を賭けて戦っているのに反対するのははばかれる。といったような理由から、反対する意義を失いつつあるようです。依然としていくつもの集会が予定されていますが、次第にその規模は小さくなり、一部の心無い支持派による嫌がらせも増えるかもしれない。

そんな事を考えながら、今日僕は同僚達と22日の土曜日に行われるデモに参加するための旗を作っていました。なぜ僕はデモに行くんだろう。

昨夜、攻撃が始まった直後、僕らはタイムズスクエアでスクリーンに映し出されたニュースを見ている人たちにインタビューするために出掛けました。
会社を出るとき、少し恐かった。開戦と同時に国内でもテロが起きるかもしれない、タイムズスクエアはいかにも狙われそうな場所に思えました。が、行ってみると、ブロードウェイショウを観たあとの観光客でにぎわって、誰もそんな心配などしていない様子でした。インタビューですが、この戦争を支持するという人が半数からそれ以上といった印象で、その理由としては米政府の主張そのままか、中には「ブッシュ氏を信じているから。」といったようなものもあり、こんなことを言うと、頭から彼等が間違っていると決めつけるようでどうかとも思いますが、考える習慣の欠如か力の不足、あるいは考える事自体の放棄が少なからぬ問題としてあるのではないかと思いました。

デモはそういった人たちに疑問を持ってもらう機会になるのではないか。
結論を共有することにならなくても、せめて「何故だろう?」と思ってもらえるんじゃないか。
それに少なくともこの明らかに間違った戦争が、力によってねじ伏せられ、いつのまにか正しかったんだということに摺り替えられてしまうことは許したくない。

ということで土曜日はまた出かけることにします。
臆病な僕は、行く途中なぐられたくないので、旗はしまっておいて、みんなが集まって来たら取り出す事にします。そしてまたコッソリと帰って来ましょう。