ゆにくろ。

@somalia_watcher ソマリア・ヲチャ 「発言者の特定とバックグラウンドの把握は大事ですね。中々ちゃんとできないんですが」（2011/11/18）

　キャー特定されるー（日記）
　さて。

朝日新聞　ユニクロ、新卒一括採用を見直しへ　大学１年で採用も　2011年11月19日8時15分
「具体的には、１年生の時点で採用を決め、在学中は店舗でアルバイトをしてもらい、卒業と同時に店長にするといったコースが想定されるという」

　大分twitter界隈が賑わっているようなのだが：

@twobooks にさつ 「ユニクロが大学１年生の時点で採用始めることを想定しているらしい http://bit.ly/tHAkxQ 企業視点から見れば体力あって人件費安いとか不都合な知識持ってないとかいいのだろうけど、国レベルで考えると大学生の学ぶ機会が更に減って革新と効率化のスピードが遅れそうな気もする」（2011/11/19）

　こう言う見解が，まずは典型的なものだろうか。
　在学中は店舗でアルバイト扱い―その拘束時間によるが，「大学生の学ぶ機会が更に減って」の懸念はある。だが現状からして，アルバイトでひーひーいってたりするわけで，やはり拘束時間の長さと時間帯の問題となろうか。

@twobooks にさつ 「資本家がより若い者を使おうとするのは自然な流れなんだなと再確認。そのうち児童労働を規制する国際条約を破棄するようなロビー活動を世界的にはじめかねないな。それは企業の経済合理性の観点からは完璧に正しいけど人類を幸せにはしないだろうな。」（2011/11/19）

　企業は若くて・能力があって・意欲的な人物を採用したいのであろう。
　この点，大学一年次から囲い込んでしまおうというアイディアは―将来自社で働こうという意思のある人物を早期に囲い込みむことでまず利点がある。”単なるバイト”とは違って，将来の幹部候補として，仕事により意欲的であろう（同じ値段なら，より意欲に満ちて仕事する人を採りたいだろう）。また，近い将来店長となる自分に相応しい教養・技能・知識…を手に入れんとして，大学での学びの傾向も影響を受けるだろう。卒業時には，店員としての経験を持ち，一定の教養を身につけた立派な幹部候補生となっているであろう―

　―というのが会社さん側の構想だろうか。あくまで大卒はしてもらわんといかん。なので―

@suhamma 「まあ、もう少しユニクロに好意的な事を言えば、新聞奨学生の亜種だと考えてみてはどうだろうか。」（2011/11/19）
@nirvanaheim nirva=laeva 「半ば防衛大化する外付けモジュール、くらいでしょうか。 ≫@suhamma: まあ、もう少しユニクロに好意的な事を言えば、新聞奨学生の亜種だと考えてみてはどうだろうか。」（2011/11/19）

　この二人の見解がより正解に近いのだろう。バイトして生活費・学費を稼ぐ必要があり，また将来の就職先を知った上で学業を組み立てていくという点で。
　バイト内容と将来の仕事が直結する点では新聞奨学生と事情が（基本的には）違い，また学ぶカリキュラムが制度として用意されているかどうか・それなりの自由裁量があり得る点で防衛大とは事情が異なるが，比喩として大変有用な指摘かと思う。

@nirvanaheim nirva=laeva 「特定の職業に必要な知識でなく、様々に特定の職業を持つべき自由民・市民たるに必要な知識を得させるのが学部教育ですので……」（2011/11/19）

　それにこう，『もう少し，うちの社員として必要な知識学習に努めてくれるかな☆　経営学とか商法とかマーケティングとか社会調査の方法論とか統計とか…』という要請が入ってくるではあろう，うん。そのあたりの一般教養教育を自社で（高卒水準の教養の社員に）するのは難なので，その辺は大学に振っておきたい，というわけなのだろう。

　―だから，『とにかく若い労働力が欲しいんだろう？』という考えは，邪推というべきだろう。やはり店長（候補）にはそれなりの質を要求しているものだろう。


　さてそう言う方向に振れそうな気配が見えないでもない昨今，教育機関側としてはどう対応すべきか―。単に（企業さんの）「役に立つ」講義をすればいいというわけではないだろう。基礎教養を教え込まないといけないのはその通りだが，その応用法までを視野にいれて授業を組むのか―しかし，どこまでか？

　…まあ要請が来てからでないと，ほんとに具体的なところまでは詰められないが，まあ普段から考えてはおくべきか（来年度の講義の用意をしつつ）。