アパッチ蹴球団-高校サッカー篇:project“N”- 

しばらく自分のサッカー観や指導を見つめなおしていきたいと思っています。

悔しさと成長と・・・

2007年11月06日 12時06分27秒 | 日々反省
11月4日、都立葛西工高グランドにて、
新人戦の3回戦を戦った。



相手チームは、かえつ有明高という
新鋭の強豪チーム。
元Jリーガーの方が監督をされていて、
普段から厳しく鍛え上げられている。



2回戦、かえつ有明高対都立城東高の対戦を見たが、
きちんとつなぐ意識も持ちつつ、
激しさや高さもあるという印象のチームだった。
正直、強い、という感じだった。



そのかえつ有明高とどう戦うか?
2回戦が終わった夜、
ゲームプランや試合への入り方、
自分自身の気構など、いろいろと考えていたら、
朝になっていたが、
不思議と眠くはなかった。



ゲームプランはざっと以下のような流れで考えた。

「とにかく、前半は4-5-1でリトリートした守備で無失点」
「後半のチャンスに確実に決めて勝ちきる」



具体的には
前半・後半をさらに2つ分け、
アメフトのように、4つのクォーターで分けて考える。



第1クォーターは、リトリートした守備を前提に、
とにかく相手のサッカーを壊す。

かえつ有明高の基本的な攻撃は
サイドから早く攻める、サイドをえぐっていく、
というイメージはもっていたので、
絶対に、サイドをえぐらせない。

サイドでいわゆるチャレンジ&カバーを徹底する。
サイドハーフとサイドバックのコンビで
チャレンジ&カバーを徹底し、
ボランチが中をしっかり閉める。



第2クォーターは、怖がらずにつなぎ、
 グランド全体を意識した【エイト】を意識する。
  ※【エイト】=サイド攻撃をイメージしながら、
   グランド全体を意識して、
   〝8の字〟のようにボールを動かしていく。
   ポイントは、FWにあてて、サイドチェンジをすること。



第3クォーターは、前からプレスをかけて、点を取りにいく。
第4クォーターは、しっかり守って、そのまま逃げ切る。



ゲームプランと同時に、
この試合の持つ意味を選手達に話した。



高2のほとんどの選手にとって、
最後の高体連の大会になるので絶対に勝とう、
というのはもちろんだが、
同時に、自分達がどれ位成長したかどうかが
試される試合になる、という話をした。



去年の新人戦で敗退後、
今のチームになってまもなく、
かえつ有明高と練習試合をした。



いわゆるA戦(1軍戦)の結果は
1対7。
完敗。大敗。
前半は1対1だったが、
後半に徹底的にやられた。



高2にとって、最後の新人戦で
かえつ有明高と対戦するのも何か不思議な気がしていた。



サッカーの神様が自分達の成長を改めて確かめる機会を
与えてくれたのだろうか。



自分達がどれ位成長したかどうかが試される、
絶好の機会だと個人的には捉えていた。



右肩上がりで順調に成長してきたとは言えなかったかもしれないが、
紆余曲折を重ねながらも
選手達も頑張ってきた。



どういうやり方がいいのか?
どういうサッカーがいいのか?
勝つために何をすべきなのか?
個人的にも、試行錯誤を重ねてきたが、
自分自身のコーチングが間違っていなかったかどうか、
そのことも試される試合になると考えていた。



選手達には、
「この試合でこそ、やってきたことをしっかりやろう」
「ボールをつなぐ練習をしてきたなら、しっかりつなぐ」
「しっかりボールを競る」
「スピードアップすべき場面ではしっかり急ぐ」
やってきたことをしっかりとやりきることを
改めて強調した。



試合前のミーティングで、最後に
「試合中、絶対に声を切らさないようにしよう」
ということを選手達には話をした。



10月1日の緊急ミーティングで、
いろいろなテーマを選手達と話をしたが、
その時、話し合うこと、コミュニケーションの大切さを
改めて選手達から学ばせてもらった。
「この大切な試合でこそ、コミュニケーションを取らなければ、
 10月1日の話し合いが嘘になってしまう・・・」
「最後まで、声を切らさずに戦おう!」
「絶対に、勝とう!」
という言葉を掛けて、
試合前のミーティングは終了した。



実際に、試合が始まると、
かえつ有明高はフィジカルの強さと正確な長短のキックを武器に
サイドをどんどんえぐろうとする。
こちらも、リトリートしてスペースを消し、
球際をしっかり競ることで相手に決定的なチャンスを与えなかった。



反対に、セットプレーやミドルシュートで
チャンスを作っていった。
前半はシュート数10(枠内シュート4)。
※ちなみに、かえつ有明高のスタッツは
 前半シュート数2(枠内は0)



ハーフタイムに、
「強いチームは後半にやり方を変えてくる」
「強いチームは、後半に点を取る」
「後半の立ち上がりに集中しよう」というアドバイスをして、
選手達を送り出した。



しかし、後半立ち上がり1分でミドルシュートから失点。
先制点をきっかけにして、
かえつ有明高は攻勢を強めていく。



でも、なんとかギリギリのところで集中を切らさなかった。
なかなかシュートまではいけなかったが、
何とかFWにボールを入れていた。
つなごうという意識を見えた。



プレスにはなかなか行けなかったが、
気持ちは切れていなかった。



そんな中、
中盤で悪い取られ方をして、
相手に追加点を奪われてしまう。



ただ
選手達のプレーを見ていて、
この失点で『もう攻めるしかない』
というある意味、吹っ切れたような印象も感じた。
個人的にも、「絶対にこのままじゃ終わらない」という気持ちだった。



選手達もプレスに近いような形で怖がらずに
前からプレッシャーを掛けられるようになりはじめていった。
実際、CKやFKも後半だけで9本得られた。



なかなか点を奪えなかったが
確実に相手ゴールに迫っていった。



そんな吹っ切った流れの中、
土壇場の終了5分前にセットプレーから1点を奪い返した。



その後も、最後の最後まで攻め続け、
惜しいチャンスもあったが、
1対2のまま、試合終了。


結局、後半のシュートに関するスタッツは
こちらがシュート5本(枠内シュート3本)、
かえつ有明高は、シュート7本(枠内シュートは3本)だった。



負けたことは悔しいし、
その責任も感じている。



ただ、選手は成長したと思う。
1年前の惨敗は遥か遠くの出来事に思えた。
選手達が日々の練習を通じて成長し、
試合に出れない選手達も必死で応援していた。



終了5分前のゴールは
試合に出ていない選手達の気持ちが
ボールに乗っていたからこそ、
入ったようにも感じた。
選手権の地区予選よりも、
確実にチームとして一体感を持って戦えた。



でも、だからこそ、
自分の責任の重さも感じている。



個人的には反省することの多い試合だったが、
後期のリーグ戦もまだ残っているので、
これからも、毎回の練習で選手達が少しでも成長できるように
チームとして強くなれるように、
これからも頑張りたいと思う。



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