アパッチ蹴球団-高校サッカー篇:project“N”- 

しばらく自分のサッカー観や指導を見つめなおしていきたいと思っています。

サッカーにおける状況判断とは?

2006年09月10日 21時28分13秒 | 判断の謎
9月8日、新チームでのコーチとしての活動が始まった。



顧問の先生の計らいで、
初日は挨拶と見学だけになった。



2時半過ぎに学校入りして3時から練習開始。
3時に全員集合してから、
全員の前で挨拶した。



第一印象はとても大切だが、
このチームのことは練習試合を通じて、
また、夏休みに行われた地区予選の様子を見ていて、
とても気になっていたことがあった。



まず、コミュニケーションがとても少ないということ。
正直、チームとしてのまとまりが欠けているように思えた。



ただ、この点については前にいたチームとは人数が異なり、
今のチームには80人近い人数がいるので
単純には比較できないし、
いろいろなチーム事情があるのかもしれない、と
外から見ていた時は漠然と考えていたが・・・。



でも、初日、チームの様子を見ていた時、
はっきりと気づいたことがあった。



挨拶代わりにキャプテンに聞いた。

「このチームの目標は?」

『都大会出場です』

「なるほど。」
「じゃあ、地区予選を勝ち抜く為のこのチームの武器は?」
「何で勝負する。何で勝ち抜くつもり?」

『チームの武器は【集中力】と【状況判断】です』

「【集中力】と【状況判断】・・・、」
「じゃ、聞くぞ。【状況判断】とは何だ?」
「簡単に説明してくれ。できれば一言で説明してくれ。」



キャプテンは挨拶をただ聞くつもりだけだったのか、
【状況判断】という言葉を端的に説明することができなかった。



もちろん人によって【状況判断】という言葉については
いろいろな解釈はなりたちうる、のかもしれない。



でも、15年高校生や中学生を指導してきて、
自分なりに【状況判断】という言葉・概念においては
自分なりに出来上がった解釈がある。



あくまでも、サッカーでの【状況判断】ということではあるし、
自分の解釈ではあるが、
【サッカーにおける状況判断】の本質とは、
【気づくこと】と【反応すること】、
この2つだと思う。



“試合中に起こりうるさまざまな状況”に
【気づけるか】?



そして、気づくだけでなく、
いかに【反応】できるか?
ということが大切だと思う。



【反応】というと違和感がある方もいるかもしれないが、
サッカーにおいては
≪じっくり熟考して、結論を出す≫
という思考過程ではない。



時間もスペースもない状況においては、
まず、【反応】する。



もし、【反応】や判断、選択肢が間違っていたとしても、
その“間違い”に【気づき】、
また修正した【反応】をする。



その繰り返し、だと思う。



挨拶代わりに
こういう話をしたら、
選手によってはいまいち理解できない、
という顔をしていた。



でも、自分が信じるものについては
選手に繰り返し何度でも伝えたい。



すぐには【気づけ】ないかもしれない。
すぐには【反応】できないかもしれない。



でも、【気づくこと】【反応すること】が
選手の成長につながると信じて。



そして、チームにおいては
まず、[挨拶]を通じて、
【気づくこと】【反応すること】の大切さを伝えていきたい。



顔を上げて、仲間に【気づく】、先生に【気づく】、
相手のチームの指導者に【気づく】、父兄に【気づく】・・・。



【気づいた】ら、相手よりも早く【反応する】=挨拶する。
さらに、そのことにより、
チーム内のコミュニケーションがもっともっと増えて、
毎日少しづつでも、いいチームになれるように。