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「夢幻の双刃」購入しました

2009年02月20日 01時03分40秒 | ゲームブック(創土社)
 創土社から刊行されたゲームブック、「夢幻の双刃」(松友健・著)を購入しました。とりあえず1回プレイしてみましたが、「魔人竜生誕」に続く第2作目ということで、雰囲気はかなり似ていますが、前作よりはだいぶまとまった作りになっていると感じました。



 物語の舞台は、日本のとある地方都市。主人公の安納耕治は、両親の不和により4歳上の姉(表紙でさかさまになっている人です)と2人暮しをしています。もう1人の主人公である秋月徹也は、耕治の従兄弟であり幼馴染であり同級生で、両親がないため、これまた祖父との2人暮しです。
 2人の最大の懸案事項は卒業後の職探し。つましいながらも、姉や祖父と平穏に過ごしてきた2人でしたが、安納家の家宝である不思議な力を持った刀の柄と鍔を手にすることで、異形の怪物たちとの戦いに巻き込まれていくのでありました。

 ページ数は、本編の最後までで381ページ、あとがき含めて383ページ。「諸王の冠」以上、「魔人竜生誕」未満で、かなりのボリュームがあるのですが、総パラグラフ数は435と、それほどでもありません。これは、1パラグラフあたりの文章量が多いからですね。

 ゲームは耕治と徹也を交互に操作して進めていくことになります。
 キャラクターのパラメータとしては、生命力、生神力、命中値、敏捷度、攻撃力といった項目が並んでいます。これらを耕治と徹也の2人分管理しなくてはなりません(記録用紙のレイアウトはイマイチですね。どうせ使わないからいいけど)。生神力は、「魔人竜生誕」では経験値みたいなパラメータでしたが、「夢幻の双刃」では超能力を使用するためのポイントになっています。敏捷度は身をかわしたりするときに使います。
 戦闘ではサイコロ2個で命中値以下が出れば命中し、相手に攻撃力分のダメージが与えられます。戦闘ルールはかなりシンプルになっていますね。

 「魔人竜生誕」で最も特徴的だったのが行動の結果を管理するフラグマトリクスだったわけですが、「夢幻の双刃」では状況記録値というAからXまでの24個のパラメータをもちいます。これらがゲーム展開によって、増減するわけです。
 フラグマトリクスは、上手いこと作ったなぁと感心させられたのですが、とにかくミスを誘発することが多かったのです。対する状況記録値は、パラメータの数では「魔人竜生誕」の16個からかなり増えているのですが、各記号がどんな意味を持っているのかが想像しやすいので、案外間違えにくくなっているのではないかと思います。その分、無駄にパラメータ数が多いという印象も受けるのですが(実際、記録用紙を眺めると、まるで双葉文庫のゲームブックみたいです)、結果的にプレイアビリティの向上に繋がっているのではないでしょうか。



 本当は「Armageddon's Blade」のキャンペーンを一通り終わらせるまで放置しようかと思っていたのですが、勢いのあるうちにプレイしちゃうことにしました。
 で、戦闘時にサイコロの目を少しごまかしたりしながら進めていったものの、ちょっとやそっとのサイコロのごまかしでは勝てないような相手にブチ当ってしまったため、初プレイは途中で投了することにしました。

 ストーリー面は、まだ序盤だからということもあるかもしれませんが、それほどそそられるものはありませんでした。「魔人竜生誕」と比較してちょっとアクが少なくなったかなという気もします。まあこれは人それぞれ、好みによるでしょうが、私はアクが少ない分、「夢幻の双刃」の方がとっつきやすかったです。
 話の流れの構造は「魔人竜生誕」とよく似ていますね。すなわち、事件が起こり、いろいろあって一段落して、数日後にまた事件発生といった感じです。イベントごとに一旦収束させないと、状況記録値による多様な展開を制御するのが大変なんでしょうかね。状況記録値のテンポラリなパラメータを初期化する必要もありますしね。

 ゲーム的な面では、戦闘のバランスがかなりキツかったですね。あとがきにも書いてありますが、耕治の能力値はそれほど高くないので、雑魚相手ならまあ勝てますけど、強敵相手には普通に戦っていては勝つことができません。戦闘ルール自体はシンプルなのですが、敵の命中値を下げたり、受けるダメージを下げたりするなど、生神力をどう使うかがポイントになり、それなりに戦略性を求められます。
 生神力は敵を倒したときに得られるのですが、ある程度以上の強さを持った敵を倒すのには、こちらもある程度の生神力を消費する必要があります。ですので、生神力を無駄に消費すると、後でにっちもさっちもいかなくなってしまいます。結構サイコロ運に左右されるケースも多かったのですが(攻撃力が高い相手だと、攻撃が1発命中するかどうかで大違いなのです)、最適戦略をとればもっと楽に進められるんでしょうかね。日数が経過したときの生命力の回復量が少ないので、せめてそのときに最大まで回復してくれれば助かるんですけどね。

 バグっぽいところもありました。例えばパラグラフ62にM=40で訪れた場合にはパラグラフ434に飛ぶわけですが、そこでPに+10してパラグラフ62に戻されます。そのときMに変化がないので、またすぐにパラグラフ62へと飛ばされ、62と434の間を永遠にループすることになります。まあこれは、パラグラフ62でM=40ならという条件を無視すればいいと思うのですが、他のシーンでも同じ性質のバグがあったので、ちょっと気になりました。



 ともあれ、冒頭にも書きましたけど、「魔人竜生誕」と比較して、システム面ではかなり遊びやすくなっています。内容の評価はまだこれからですが、確実に進化していると言ってよいのではないかと思います。
 戦闘はキツいですけど、とりあえずは姉を攻略する方向で頑張ってみることにします(あ、姉以外にもヒロインは何人かいますよ。ペット系キャラも)。



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