雪やコンコン
霰(あられ)やコンコン
降っては降っては
ずんずん積もる
犬は喜び
庭駆け回り
ネコはこたつに
丸くなる。
一昨日今年初めての雪が降った。僕は子供の頃から雪が降るのを見ていることが好きだった。
「雪は3,000m上からのラブレター」と云った人がいたが確かにそんな気もする。ラブレターと云う言葉に含まれる暖かさが、雪にもあるように思われる。
僕が子どもの頃覚えた歌にはそれなりの、子供らしい情緒があったが、今の子供たちの歌は、アニメか漫画か知らないが、ケンカモノや戦争ものばかりで、全く美しい情緒がない。
大宅荘一氏だったか、民放が始まったときだったかに、一億総白雉化が進むと云っていたが、まさに、その通りになった。日本には、
奈良時代、平安時代に育まれた日本的情緒があったが第二次世界大戦に敗れてからあっという間に、
下品なアメリカ文化に汚染され、何かと云うとすぐに若い女性が短いスカートの下からパンティーストキングの
太い足を出して踊るステージ映像ばかりになった。
戦争に負けるということはこういうことかと惜しまれるが、思えば同じ敗戦国でもドイツは二度の敗戦によっても独自文化を 見失っていないように思われる。
平安の時代に開花した、もののあわれに通ずる日本文化、ソシテ室町時代の茶の湯文化こそを大切にし、世界に誇れる日本文化を育み我々が育てた平成文化を次の世代に受け渡し軽薄なアメリカ文化を駆逐し心静かに人生を見つめる日本文化を育てそうした落ち着きと深みのある文化を次の世代に渡したいものである。
此処でのNHKの役割は重いと思われる。蛇足ながら、ここで
始めてアメリカに勝つことになると思う。(T)
小諸なる古城のほとり」 -落梅集より-
島崎藤村
小諸なる古城のほとり 雲白く遊子(ゆうし)悲しむ
緑なすはこべは萌えず 若草も藉(し)くによしなし
しろがねの衾(ふすま)の岡辺(おかべ) 日に溶けて淡雪流る
あたゝかき光はあれど 野に満つる香(かをり)も知らず
浅くのみ春は霞みて 麦の色わづかに青し
旅人の群はいくつか 畠中の道を急ぎぬ
暮行けば浅間も見えず 歌哀し佐久の草笛(歌哀し)
千曲川いざよふ波の 岸近き宿にのぼりつ
濁(にご)り酒濁れる飲みて 草枕しばし慰む
「千曲川旅情の歌」 -落梅集より-
島崎藤村
昨日またかくてありけり 今日もまたかくてありなむ
この命なにを齷齪(あくせく) 明日をのみ思ひわづらふ
いくたびか栄枯の夢の 消え残る谷に下りて
河波のいざよふ見れば 砂まじり水巻き帰る
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