前庭のアメリカ紫陽花の花が咲いた。いや、7月に咲き始めて今も咲いている。これを見てある出来事を思い出した。
15年も前のことである。その頃我が家はよくホームステイを引き受けていた。そして、サンフランシスコからシャイな男子高校生がやってきた。どこか日本的なところへ連れて行こうとプランを練り白川郷へと決めた。
自動車の座席が空いているので隣の町内に住む田舎を好きそうなアメリカ人を誘った。彼とどうして知り合ったのか今では忘れてしまったが、きっとどこかのパーテイで出会い家が近いということで知り合ったと思う。それに、息子の出身校の高校に勤めていた。彼はアメリカの有名大学で日本学部を卒業しており、俳句を読んだり日本文学や漢字をかなり知っていた。
私が予想していたとおり、白川郷につくと「こういう田舎に住んでみたい」と云って来たことを喜んでいた。6月下旬ごろのことで、茅葺屋根の家の周りには沢山の紫陽花が所狭しと咲いていた、ところが、彼は紫陽花を知らないという。どうしてこんなありふれた花を知らないのか不思議だった。が、若い男性はそんなものかと思っていた。ところが、今になって分かった。アメリカの紫陽花と日本の紫陽花では、花の色も葉の形もすっかりことなっているということが。
異文化交流では沢山のミスをして、恥ずかしい思いをしたことが、一杯ある。(E)
まえにわにて アメリカ紫陽花。