切実な話。それを披露すると、こういうことなんだ。
会社近くの駐車場料金、一時間1200円、900円、600円の三種類。
流石に1200円は高いなあと思う。だから今回もメトロポリタンの駐車場まで入れに行った。会社まで歩くと15分かかるが背に腹は代えられぬ。ここは24時間1500円。切実な会社ともなると、とことん経費を切り詰めなくてはならない。こんなところまで気を遣う。
昔、景気の良かった頃は会社のすぐそばに駐車場を借りていた。賃貸料は月間60,000円だった。当時は別段こんなものかと思っていたが、振り返ってみると60000円も払ってたんだ、となる。
元々世知辛い男だったが、やっと今の世知辛い世の中に、フイットするようになった。
今は会社には、たまにしか車では行かない。電車通勤主流になってかれこれ十数年経つ。
今日、駅に行くと人身事故で電車が全線ストップしていた。約30分程で動き始めた。だが、超超超満員。挑戦をしたが鋼鉄のような背中に跳ね返され、結局三つ目に乗った。
するとすぐ近くで、おばさんが猛烈な咳をしはじめた。やばいと思った。その後一瞬静寂が訪れた。しかし、すぐにその静寂を破ったものがあった。それは僕のすぐ前のオヤジから発されたプチっという音。
嫌な予感がした。
……。……。
その予感が当たったとき、額から汗が出た。
しかし、どうしようもない。心は悶えるが身動きが取れない。
……。……。ダメだ。そして……、諦める。
……。……。
会社に着くと、「あの~、今日は心なしか鼻が曲がってるように…………?」
「やっぱし?」