朝、週末にやるテニス倶楽部に行く。
レッスン組のところを見やると、校長と生徒の二人しかいない。それも、超初心者の女の子。どうしようか、一緒にやろうか、クラブハウスのところで、うろうろする。
「なぜ?」という声がどこかから聞こえてきそうだ。
「いやね、実は、若い超初心者もいいんだけど、やはり一時間半は長い。どうしても練習は大したものでなくなる。だから、レッスンを受けないで、クラブハウスにたむろする上級者連中と乱打をやったほうがいいのでは?」と迷ったのだ。でも一応レッスンに出る。
そしたら、校長曰く。
「さとじい、校長と初心者しかいないから、やだなーと思ってたでしょう?」
「えっ……? いや、ぜんぜん、そんなことあるわけないでしょう、校長。なななに、血迷ってるんですか。年取るとこうやって疑い深くなるから、やだなー」――お~~~、コワ、コワ!!!!
携帯を開けた。
ん? 「オーディション、今回はNGでした」とメールが入っている。――遅いよ。昨日が本番のやつだよ。でも、どっちみちダメだと思ってたから。ショックはな~んもなし。
これから、池袋に出てキックだ。5月の初めに行ったきり。なんと約二ヶ月ぶり。
毎度お馴染みの連中にメールを書く。
「黄味たち、玉にはキックに着なさい。朴は京逝くよ」と送る。
すると、返信あり。
「毎週行ってますよ。さとうさんが来ないから、みんな大騒ぎですよ。どうしたんだろ?って。ひょっとして、逝ってしまったんじゃないだろうか?って」
「ひっ!!! 生きてるわ~~~い」