新宿に勤務する長男と十八時に駅で待ち合わせた。渡すものを渡すと「どうだ、仕事は?」「うん、まぁまぁ」「じゃ、また。配偶者によろしく言っといて」「あー」と言って別れた。……正味二分。
駅東南口を出てGAPを左に折れ東口方面に向かった。このルートを歩くのは久しぶりだ。
紀伊国屋書店に行く。以前から頼まれていた本を予約し、昔ながらの地下レストラン街に行った。少し小腹を膨らませるべく適当な店を探した。カレーのいい匂いがしてくる。この匂いは昔からあった。そしてそれは昔を思い出させた。……何十年前だ? 僕のまさに青春時代。大学に通いながら「のっぽ」でアルバイトしてる頃。いや、その頃の方がもっと焦げた匂いがしたな。カレー粉を焦がした匂いが。
急に腹が僕を呼んだ。…………goo。。。
だがここは我慢し、焼きそばの店が近くにあったので、そこにした。
紀伊国屋の裏口からでた。眼前に後楽園アドホックが現れる。そばにある懐かしいコーヒー店「NEW TOPS」に入りウインナーコーヒーを注文。店内は静かなトランペットが聴こえ……ているかと思えば突然音がうねる。ジャズサウンドは心地よく心を癒してくれる。
ジャズって面白い。ペットがメロディーラインをきざんでいるのに、ドラムやベースは全く違うリズムで違う旋律を奏でていたりする。全くバラバラ、、、、に思えるが、実はまとまっている。不思議だ。
そういえば十代後半、紀伊国屋書店の路地裏にジャズを聴かせるライブハウス「ピットイン」があった。その頃一人でよく聴きに行った。実はジャズがよく解らなかったが自分の中ではカッコいいという思いがあってよく行った。すると、そこに座っているだけで、静かにバーボンを傾けているだけで落ち着いていった。
理解できない人もいるだろうが解る人にはわかる。