数日前。
会社から電車に乗り自宅のある駅を降りてロータリーをバス停に向かっていた時のことだ。
バス発車したばっかりだったので、ゆっくりと歩いた。2メートルくらい先を、僕と同じくらいの歩調で歩く男の人が一人。
左に交番、次に公衆便所、次に電話ボックスと続いて並んでいる。
公衆便所を過ぎたあたりだ。女性の話し声が電話ボックスの中から聞こえてきた。
言葉の端々は、尋常でない興奮した話し振りで泣き声も混じっている。
「……ちゃんが、……駅で、……飛び込んで、……死んじゃ……、……、……」
えっ!! と、歩調を緩め聞き耳を立てた。前にいた男も同じ行動をした。
でもそれは一瞬のことで、すぐにそこを通り過ぎたい気持ちになり歩調を速める。
女性の話の主はもちろん知らない人なのだろうが、それを聞いてしまった僕はなんとなく落ち込んだ。
ちょっと、今日は悲しい日記になってしまった。
さて、これからテニスだ、と勢い込んだが、窓から見える隣の屋根は雨に濡れている。
どうする? 寒いし、うっ、でも、行くか? うっ!!!