小学館文庫
ご自身で書かれたわけではなく、聞き書きを、中島茂信氏
という人がしている。
鎌倉アカデミイという学校で山口瞳氏と知り合って付き合
いだすことが描かれる。大抵、のろけ話であり、ほぼ、のろけ
話だ。ごちそうさまです、と言わねばなるまい。
正介くんを出産し、第二子をおろしたことが描かれる。そこら
辺が痛かった。それが原因でパニック障害が起こってしまった
らしく、電車にも乗れなかったという。
水害で、新築した家が水没してしまったらしい。半地下にして
いたので、全部やられたという。その当時としては、相当モダン
なコンクリ打ちっぱなしのような家に住んでおられたらしい。
ぼくは瞳氏の作品は、「酔いどれ紀行」しか読んでいないと
思うのだが、デッサンも精緻で、うまい絵を描かれるな、という
印象だ。小説は読んだことはない。
「あとがき」をライターの中島氏が書いておられるが、「閉経後
もしていた」なんて「露悪趣味」もいいところで下世話すぎる。
書かない方が良かった、行きすぎもダメだ。……合掌。
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