映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

クイーン ボヘミアンラプソディー

2018-11-28 19:51:52 | 新作映画
今夜は久し振りにオペラ座の夜を聴こう


中学生になって日本のフォークソングから外国人が歌う洋楽へと興味は移ったけど、最早ビートルズは解散してしまい何を道標にすればいいのか分からなかった。
女の子はみんなタータンチェック柄の下敷きに、ベイシティローラーズのお気に入りメンバーをしのばせていた。そんな頃、男の子は同じイギリス人バンドでも正反対な暗さを醸し出すクイーンを応援した。本当は「キラークイーン」や「ボヘミアンラプソディ」の重さより「サタデーナイト」の軽やかさが好きだったのかもしれない。

わたくしも二歩も三歩も先に大人になってゆく女子に対する屈折した思いを抱えながら「オペラ座の夜」を何度も聴きかえした。翌'76年にはイーグルス「ホテルカリフォルニア」に衝撃を受け'77年フリートウッドマック「噂」でアメリカウエストコーストに嵌り込む。だから日本語で歌うクイーンを三流バンドと貶すようになっていた。「世界に捧ぐ」までは聴いていたが、その後の楽曲はピンポイントでしか知らない。クイーンに対する認識はその程度だから、フレディの自伝的な映画が公開されると知っても観るつもりは無かった。奥様が観に行くとのたまうまでは。

コンパクトにフレディの短い生涯が描かれていて、クイーンの美しいハーモニーが無かったとしても楽しめる映画だ。ボヘミアンラプソディに至るまではワクワクする出来事ばかりだけど、ちょっぴり不満なのはすんなりビッグバンドにのしあがったみたいなっているところだ。本国イギリスより極東にある異文化の国で熱烈に歓迎されたことや、決して順風に売れ続けたわけじゃないことも描いて欲しかった。襦袢を寝巻きにし、お札を壁に貼っているのが何故なのか、日本人でもクイーンを知らなければその理由は分からなかったのではないだろうか。あんなにとんとん拍子で出世していったい何が不満なのかと思ってしまうのは、お金も才能も無い人間の僻みか。反面、理解するのは難しいけど、美しい恋人がいながら同性愛へ動かされた心の葛藤や苦しみが正面から描かれていたことは評価したい。最後まで元恋人だった女性とは人間として繋がっていたのだと思えるような作劇も、同性愛をあまり前面に出されるより受け入れやすい。偏見とかではなく心情とはそういうものだと思う。

誰もが褒めるように、ラストのライブエイドのステージは圧巻だった。ユーチューブで本物を観直したけど、細かいところまで本当によく再現されていた。
IMAXでの観賞を薦める方がいたので、音響も考慮してそうしたが正解だった。
ピアノを弾くフレディと「伝説のチャンピオン」は一緒に口ずさまずにはいられない。

天国のフレディもきっと満足していることだろう。







ラーメンの誘惑

2018-11-25 15:19:06 | お料理


寒くなると温かい汁物が恋しくなる。
お袋直伝のけんちん汁は十八番料理だけど、田舎から送られてくる里芋や椎茸、手作りの蒟蒻等が途絶えたらどうなってしまうのだろう。いつまでも両親には元気で畑づくりをして欲しいとは望むけど、いづれ来る時は来る。まだ元気で自家製農作物を届けてきてくれるうちにおいしく調理して頂こう。

さて、近所にある美味しいラーメン屋を食べ歩いたので紹介しよう。



最近も紹介した横浜家系ラーメンの有名店「寿々喜家」




駅から結構歩くし、以前は駐車場も無かったから目の前の国道に路上駐車して並んだものだ。
昼食前後は行列になるから、3時過ぎあたりがゆったり食べられる頃かな。常にごっつい店員が5人くらいいて活気あるお店だ。随分前に初めて行った時にびっくりしたのは、事前に注文を聞く人がメモも取らず、硬めだ油多めだ味薄めにしてくれだのを暗記して厨房に伝えていたこと。比べて食べるわけじゃないから、本当に硬いのか濃いのかは分からないけど、あれは一種の芸だなと感心したものだ。
家系元祖といわれる昔磯子にあった吉村屋は、店主が横柄で店員も萎縮した嫌な雰囲気の店だったから、同じ様な味ならお店の感じが良い方にいくわな。今は年に一度しか行かないけれど、なんだか叉焼が貧弱になった気はする。気のせいかもしれないけど。店員も有名店ならではの客あしらいを身につけていて、不快ではないけど以前のような暖か味が薄れたようにも感じる。
それでも味は、満点三ツ星。



家系と同じこってり豚骨のお店「せんだい」





ここも駅からかなり遠い。尚且つ交通量も少ない郊外にあるから、目指していかなければたどり着くことは無いようなお店だ。カウンターのみ10席くらいの狭さだが、きれいに清掃されていて衛生管理は行き届いている。三人の店員がこれまた狭い厨房で声掛け合いながら調理している。塩・醤油・味噌のバリエーションと共に、麺の硬さや油の量を券売機で選べるから口頭では面倒で言い辛い好みも選択しやすい。
前述した「寿々喜家」と基本的なトッピングは一緒かな。叉焼が硬いのは多分肉の部位によるものだろう。麺も家系と同じにしか思えないほど良く似ている。濃い口の豚骨スープには太麺が相性が良いということなんだと思う。自分でラーメン作る時も大勝軒風つけ麺を必ず選ぶほど、家の家族も太麺が好きだから嬉しい。
スープはかなり濃い。どんぶりの底まで飲み干すと、最後はドロリとした食感になる。好きな人にはこれが癖になる味わいなのだろうけど、わたくしにはちょっぴりキツイ。
充分美味しいので文句は無いが、叉焼の硬さとスープの濃さを減点して星二つ。




最後に紹介するお店は戸塚に本店がある分店「支那そばや」






本店には行ったことないが、あの故佐野実氏が創出した美しいラーメンを食べることができるお店。
これまた駅から歩くとなると一苦労。我が家からは近いので、食べたくなると気軽に出かけられるけど、やっぱりいつ行っても行列に並ばなきゃならない。三時には閉店してしまうし、スープが無くなればそこで終わりだから、並ぶのが嫌なら開店直前若しくは賭けになるけど二時半頃に行くしかない。調理は二人のおじさんが担当し、おばさん二人が接客する。白衣のスタイルはかえって目新しいかもしれない。採光も良く店内は清潔感がある。
上記二店とは違い、鶏がらベースなので上湯スープのまろやかで品の良い旨さが特徴。麺も細麺ながら腰があり、終盤になってものびた食感にはならない。叉焼は大振でありながら、ほろりと崩れる寸前のやわらかさで煮込まれている。メンマも焦がしネギも手抜きがなく完璧な仕事がされている。
塩と醤油を選べるが、迷わず塩を選ぶべきだ。素材の良さとスープの滋味を味わいたいならば必須。決して安くは無いけど、量は満足以上のものがある。大盛りを頼んでいつも苦しい思いをするが、油で味を誤魔化さない丁寧なつくりだから翌日でも食べたくなるのも素晴らしい。麺を大盛りにしないなら、ワンタンを乗せてみるのもお勧めだ。ボリュームも味も裏切らない。
たっくんは苦手にしているけど、わたくし的評価の最上位。もちろん満点☆☆☆。


横浜三渓園

2018-11-24 18:09:00 | お遊び

横浜に住んでもう30年以上過ぎたけど、灯台下暗しで行ってない名所に足を運んだ。
横浜三渓園、中区南部と磯子に隣接する異空間。
かつて日本にもこんな時空間を持った世界があったのか。
羨ましい。






三畳の間に無限の空間が広がる。
こんな離れが点在する中に、日本人の美への感性は計り知れない。
この歳になって、ようやく分かる事もある。





北鎌倉お寺巡りひとり旅

2018-11-17 05:15:54 | お遊び
小春日和の金曜日、有給休暇を利用して北鎌倉のお寺巡りをしてみた。
平日なのに修学旅行の生徒や着物を美しく纏った奥様方で北鎌倉の小さな駅は人集りがしている。

先ずは一番駅に近い円覚寺から
禅寺のようで、境内はキリッとした雰囲気。
広い敷地をゆったりと散策できる。一度くらい体験で禅を組むのもいいかもしれない。

線路を挟んで東慶寺
かつては駆け込み寺だったそうで、所謂縁切り寺だ。
こじんまりした佇まいは女性を匿う避難所として適しているようだ。

しばらく南に下ると浄智寺
こちらも規模はこじんまりしている。
奥まで続く道を辿ると、檀家の苔むした古い墓が点在する。静かだ。

線路を渡り、小川沿いに歩くと明月院
紫陽花寺として有名なので期待したが、奥行きもなく妙に観光地化されている。
500円にはそぐわないと若干失望した。

最後は建長寺の雄大な建物や仏様を堪能
大きな山門をくぐり境内に入ると、奈良や京都にあるような開放感ある広いお寺だ。
奥も深く山頂まで続く階段をひたすら登った。殆ど山登り。

鎌倉駅まで途中八幡宮にも立ち寄り、定番の鳩サブレーをお土産に買う。

仏様に見下ろされる



丸い枠の外は異世界の様



竹林には静寂がただよう



なかなか思いの如くはいかない





喫茶店の入り口 鐘を鳴らして来意を告げる。 渋い。