新年おめでとうございます
2022年は怪我も病気もせず元気なまま年を越せました
春から週休3日になったこともあり、お金はありませんが時間は十分余ってます
お陰で当面の目標であった年間30本の映画鑑賞ができました
選び抜いて映画館に通った割には残念な思いもしましたけど、それ以上に幸せな出会いの方が多かった一年でもありました
素晴らしい感動を与えてくれた作品に敬意を込めて、2022年のベスト10を紹介しましょう
❶窓辺にて
★★★★★温度の低い作品ですが、今の自分にピッタリはまる感覚でした
年を経るに従い激情的な心の揺れは少なくなりますが、そんな心の中を俯瞰して見られる別次元の自分がいることに気付きます。この作品は連れ添った妻の浮気を知っても、動じることのない感情に戸惑う中年男の日常を描いていて、なんだか心落ち着く気持ちになってしまいました
➋愛なのに★★★★★
ずっと憧れていた女性と身体は結ばれるのに心は届かない中年男
そんな中年男に正面からアタックしてくる女子高校生
人を好きになるのって考えてみれば不思議な出来事ばかりです。今泉監督が脚本を書いて、城定監督が映像に仕上げた一種のファンタジーなのかも知れません。女子高校生役の河合優実が輝いていました
❸ある男★★★★★
原作の面白さを視覚的に映画化できたお手本なのだと思います
上手く物語を整理し、それぞれの人物像を際立たせることができたのは、脚本家向井康介の優れた脚色の力量です。安藤さくらと窪田正孝の夫婦にはもっと長い間幸せな家庭を続けて欲しいと思わせてくれます。主題の自分では無い誰かを演じることは楽しいこともあるだろうけど、死んだ後も近しい人たちを惑わせ苦しめるかもしれないのですね
❹ハケンアニメ★★★★★
原作はそれほど面白いとは思わなかったのですが、映画化された物は制作過程のアニメそのものまで観ることができ、これこそ映像の勝利だと思いました。肝心のドラマも業界人だけじゃなく、物作りに携わる全ての人に通ずる熱い想いが伝わってきて壮観でした
吉岡里帆の代表作がやっと生まれたなと思わせるほどの熱演でした
❺コーダ あいのうた★★★★★
フランス映画のリメイクだと聞いていたのであんまり期待してませんでしたが、予想を大きく裏切りとても良くできた家族愛の物語でした。地味な女の子が歌う事で自分を開放してゆく姿も感動的で、アメリカにも引っ込み思案な人はいるんだなと変なとこで感心しちゃいました。日本で作ると、どうしてもろう者=障害者としての目線しかありませんけど、この映画で描かれてるようにハンディキャップではあっても個性のひとつであることを学ぶのです
❻そばかす★★★★★
こちらも人間の個性について掘り下げた映画です
多様性という概念がこの数年のうちに広く認知されるようになりましたが、実際には本当に理解されているのでしょうか?少なくともわたくしは大手を振って大丈夫とは言えないのです。偏見とかの前に性的マイノリティーの知り合いもいないし、ましてやこの映画の主人公のような心を持った人も知りません。映画はその入門編でもあるのです
❼PLAN75★★★★★
わたくしにとって、もうそんなに遠い未来ではありません。75歳になったら一時金をもらって人生に終止符を打つのか、老体を酷使しながらも希望のない明日を生きてゆくのか・・・
作品としてはまだまだ稚拙な部分があり、手直しできれば凄い作品になっただろうと思いますけど、この題材を取り上げて映画化したのが若い女性監督だと聞いて勇気をもらいました。倍賞千恵子の代表作がまた増えました
❽すずめの戸締まり★★★★★
自然が起こす厄災について、前二作の集大成と言うべき完成度で魅せてくれました
映像の美しさ、愛する心が愛する人を救うという哲学、自然の脅威には抗えないけどただ受け入れるだけではなく行動する事で未来は変わるかもしれない事。そんないくつかのことを正面から描いているから、こんな還暦過ぎのジジイから小さな子供達にまで伝わるんですね。新海作品が今年も観られたことに感謝です
❾アバター:ウェイ・オブ・ウォーター★★★★★
10年以上のインターバルを経て作られた超大作映画。映像技術は今できる最高の見世物でしょう
ハッキリ言って復習していかないと人物関係とかで戸惑うこともありますが、そこはハリウッド映画なので悩む必要はありませんでした。大画面から溢れ出すように繰り出される美しい絵を堪能しているうちに192分は過ぎてしまいました。今後三作の続編が用意されるとのことなので、元気に映画館通いができるよう健康に生きていきましょう
❿ベイビー・ブローカー★★★★★
韓国で作らなきゃならない理由がはっきりとはしませんが、ソン・ガンホを使って映画を撮りたかったのかなとは思いました。その期待通りの演技で応えるのは流石だなと思います。それでも、舞台が日本だったら湿度の違った面白い映画になったんじゃないかと今も思っています
2023年は久し振りに是枝作品が母国で制作され公開となるようです。楽しみですね
さて、時点というには多すぎますが、観て良かったと思えた作品名を書き記しましょう
マイ・ブロークン・マリコ 永野芽郁ちゃん頑張った
線は、僕を描く 原作では表現できない映像の迫力
メタモルフォーゼの縁側 ヲタク魂は年齢の壁を越える
ウエストサイドストーリー アメリカの伝統芸能
余命10年 小松菜奈ちゃん綺麗
ベルファスト イギリスのアマルコルド
流浪の月 生きることの難しさ
ケイコ 目を澄ませて ボクシング映画にハズレ無し
トップガン マーヴェリック 今も現役トップガン
さがす 探し物が見つからない中年男
個人賞の発表です
助演男優 ハケンアニメの柄本佑かとも思いましが、娘に対する愛情表現で「コーダあいのうた」トロイ・コッツァー
助演女優 マイ・ブロークン・マリコの奈緒でもいいかな。でも将来性も加味して「愛なのに」河合優実
主演男優 ソン・ガンホは別枠として、肉体改造が凄かった「流浪の月」松坂桃李
主演女優 菜奈ちゃんも芽郁ちゃんも里帆ちゃんも頑張ったけど、今年は「PLAN75」倍賞千恵子
脚本 「ある男」向井康介 原作の面白さを生かし、映画的な感動を与えてくれました
監督 「窓辺にて」今泉力哉 脚本も演出も今の自分にハマりました
そして恒例の奥様ベストテンです
2022年も微妙にわたくしのベストテンから外しての選出です
前からあの手のインド映画大好きなので、ブレない一等賞ですね
わたくしは選外にしましたが、三作品が入選してます
2023年も夫婦揃って好きな映画を好きなだけ観ることのできる家庭であり、世の中であることを祈ります
皆さまにも良い年となりますように