映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

青い空 移ろう季節の中で

2020-04-25 07:28:00 | 歳時記雑感


梅が香り  桜が舞う  艶やかな藤  

紫陽花が色づくまでの その季節が 好きなのに




あの震災後 閉塞感の中で生活していたけど 
あの時は ドン底から這い上がろうとする 道筋があった



今あるのは 此の先 どこまで続くのか分からない 不安と諦め
昨日も 朝7時から夜の7時過ぎまで働いたが 投げやりな疲労感だけ残る



朝顔が咲き 向日葵が咲く季節には 笑顔で語りあえますように
わたくしのちっぽけな お願いだ

スタート出来ない春ドラマ2020

2020-04-23 06:07:00 | 旧作映画、TVドラマ
コロナ騒動はテレビドラマにも影を落としている、楽しみにしていたいくつかの春ドラマがスタート出来ないままだ。
大本命の野木亜紀子オリジナル脚本「MIU404」、石原さとみ久しぶりの快作となるか「アンサングシンデレラ」、多部未華子が魅力的に描けるか「私の家政夫ナギサさん」。観ようと思っていた三本は延期となった。
悪い事ばかりでもなく、穴を埋めるように企画された過去の名作が再放送されたのはいい事だ。特に懐かしかったのは「野ブタ。をプロデュース」。もう観ることの出来そうもない堀北真希や女子高生の戸田恵梨香に会える。

そんな中でスタート切れた小品三作を観てみた。

「いいね 光源氏くん」
NHK夜ドラだから最近の流れで、結構ファンタスティックな絵空事を軽いタッチにして楽しませてくれる。あの光源氏が1000年の時を超えて現代にタイムスリップし、平凡なOLと同居するといった荒唐無稽な物語だけど、光くんを演じる千葉雄大なら時間を飛び越えてもアリな感じがする。ヒロインは同居するOL役の伊藤沙莉。今まで主要な脇で存在感を示していたけど、メインヒロインでもうまさは変わらない。頭中将も登場するらしいのでますます楽しみ。源氏好きのわたくしには有難い作品だ。

「行列の女神」
まるで観る気なかったけど、ドラマウォッチャーの評判良いし好調のテレ東深夜ドラマなので、配信で遡ってみた。便利な時代だ。鈴木京香のカリスマフードコーディネーター物語なら脱落するところだったけど、半年前にラーメンに目覚めた新入社員黒島結菜との掛け合いがとても良く出来ていて、見逃せない一推しになりそうな気配がする。
第一話の落とし所も、天性の感を持つ新入社員の美味いラーメンに落ち着かず、多角的なコーディネートで繁盛店にした社長鈴木京香に軍配をあげる所など、いちいち凝った仕掛けにあふれている。これからも美味いだけのラーメンを見せるのでは無く、お店とそこで働く店主たちも含めた裾野の広いドラマになることを願う。

「エール」
久しぶりに男性主人公の話だ。オーソドックスに少年時代から青年期へ繋がれた。少々異色なのはヒロインの話も頻繁に語られるところかな。面白味は断然奔放なヒロインの挿話なのも良いのか悪いのか。暫く様子見ってとこ。

浦安鉄筋家族は一話で脱落。ダメじゃないけど悪ふざけがあまり心地よく感じられなかった。

一刻館に訪れたしあわせな結末

2020-04-22 06:56:00 | お遊び
図書館閉鎖が長引いて活字に飢えているけれど、あまり堅苦しい本を読む気にはなれず、本棚の奥から引っ張り出したのは学生の頃夢中になっていた漫画「めぞん一刻」の単行本全15巻。
娘も長男も一時期繰り返し読んでいたから至るところボロボロで、ページが抜け落ちそうになっている。今度修復してみようかな。

昨日帰りの東海道線で、最終巻を読みながら余りの幸福感に感涙してしまい、頬はビガビガだ。

主人公、五代くんとわたくしは奇しくも同い年。五代くんは一浪しているから、学生生活も社会人としてのスタートも一年ずれているけど、同じ時代を同じ感性で生きてきた。住んでいたボロアパートの一刻館の描写もわたくしたち世代には日常で馴染みやすい。わたくしも18で田舎から上京(神奈川県ですが)して住んだ賄い付きのアパートは、共同便所風呂無しの四畳半。管理人さんはヒロイン響子さんみたいな若く美しい未亡人ではなく、口煩いおばあちゃんだった。

傑作漫画なのでお読みになった方も多いと思うけど、バブル直前の昭和末期が大変上手く描かれている。
「うる星やつら」の作者、高橋留美子作品だから登場人物はデフォルメされた癖の強い面々が揃っているが、市井の市民生活が根底なので嘘臭さは感じない。
ヒロイン響子さんの造形も優れている。高校生の時に好きになった地学の臨時教員惣一郎さんと結婚するも、半年で死に別れ義父の経営するアパートの管理人となり、五代くん始め一ノ瀬のおばさん四谷さん六本木朱美さん二階堂くんらの住人と馴染んでいくうちに惣一郎さんを少しづつ想い出にしていく。テニススクールのコーチ三鷹さんのちにコーチと結婚することになった九条明日菜さん、五代くんのガールフレンド七尾こずえちゃんや教え子八神いぶき等との交流もヒロインのキャラクターを深掘りさせ、只のお姫様ヒロインで終わらないところが凄い。

主人公とヒロインの恋の行方を辿りながら二人の10年に渡る成長物語でもある。
何度も繰り返される紆余曲折の末結ばれた二人に、温かな涙を流してしまうことを覚悟して読んでほしい。