映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

ミックス。 たっくんと

2017-10-21 20:06:34 | 新作映画
この秋一番のお楽しみ。

ガッキー主演の新作映画を観てきた。




逃げ恥の雰囲気(髪型とか喋り方とか)を引き攣ったままの撮影だったからか、何となく逃げ恥のみくりさんが卓球している様な錯覚も起こしてしまう。
脚本は信頼している古沢良太。監督は知らない人だけど、設計図さえしっかりしていればそこそこ楽しめるだろうと思っていたが、本当にその通りの映画だった。そんなにベタ甘なロマンスじゃなく、どちらかと言えばスポ根のテイストが優っている。出演者が見た感じスポーツ派とは思えないのも、狙ったのか外しているのかよく分からないけれど個人的にはアリだと思う。如何にもの人が汗水流しても当たり前過ぎちゃうから、運動オンチっぽい田中美佐子がラケットを振り回す方が映画的だとも思う。

名脚本家だけに人のアイコン化は上手い。
新垣結衣と瑛太の主役二人はもとより、前述の田中美佐子と遠藤憲一夫婦がプチトマト農家で、卓球選手だった息子を亡くしているが故の卓球愛っていうのは分かりやすくほのぼのしちゃう。広末涼子はこのところ肝心な脇役をやっているけど、この映画でも新垣結衣の一番の理解者でありフラワー卓球クラブの中枢部をしっかり演じている。たこ焼きパーティーには笑わせてもらった(観ないと分からないよね)。手放しで笑ったのは蒼井優演じるガサツな中華料理屋の夫婦が、中国チームの元卓球エリートの落ちこぼれで、、、という設定。蒼井優のステレオタイプなシャベリと辛い麻婆豆腐皿を投げるように置く乱暴さが、ギリギリ外れていないだけに爆笑モノだ。相変わらず上手いと感心。敵役のパートナーを演じた永野芽郁は期待以上。線の細い美貌はそもそも好きなタイプだけど、派手に繕うと意地悪そうな下品さが垣間見えるのも将来楽しみな感じがする。NHKの朝ドラで優等生女優にされちゃわなければ良いのだけれど。
唯一、学校に行かない高校生が何でそんなに卓球にこだわるのかが説明出来ていなかった。映画だからワンカットで観せる事できただろうに。

事前の解説で聞いていた、「猟奇的な彼女」や「シコふんじゃった。」のパロもガッキー七変化もクドすぎずいいバランスだったと思うけど、映画そのものがちょっと長過ぎた。20分は削れると思う。瑛太の工事現場のシーンはあんなにいらないし、ガッキー元彼とのヨリ戻しのエピソードもつまらない割に長い。

ガッキーのコメディエンヌ振りを十分堪能できたかと言えば不満は残るけど、無責任に笑って楽しめるコメディとしては合格点をあげられるかな。
ガッキー好きのたっくんも楽しんだみたいだし、よかったよかった。




アメリカとNASAと黒人女性達のドリームと

2017-10-14 20:41:06 | 新作映画

たまにアメリカ人が偉いなぁ思う映画を観る。
何割かはいけ好かない偽善を感じるけど、恥部を晒す勇気と正義感は日本人のわたくし達に持ち得ない美徳だ。金曜日のレイトショウで奥様と観たこの作品もそんなひとつだ。
「ライトスタッフ」が描いていたアメリカの宇宙開発の歴史を見せてくれながら、一番の見せ場はあの当時マイノリティーの頂点だっただろう黒人女性の活躍に焦点をあてたことが新鮮だった。

1961年。わたくしの生まれた年に、あのアメリカでもこれほどまでに人種差別があったんだ。それが素直な衝撃だった。当然、彼の地で白人と黒人の間に我々が理解し得ない溝が今も存在することは知っている。でもトイレまで別々に使用しなければならなった事や、仕事場まで分けられていた事が自分の生まれた頃のアメリカで、それも科学の最先端が集約されていただろうNASAでも日常的だったことは知らなかった。
あんなに息苦しい時代がすぐそこにあった事を忘れてはいけないんだろう。日本に住んでいるとそんなことも知らないでいるし、感じることも少ない。

エピソードとして感心したのは、計算係として沢山雇われていた彼女達の仕事を奪うIBMのコンピュータが導入される時、ただ指くわえて怯むのではなくそのコンピュータを操る人になろうとして努力する機転と強さだった。これもアメリカ人のフロンティア精神を垣間見せてくれる興味深い挿話だ。









秋の空に坂口良子を想う

2017-10-09 15:28:53 | 歳時記雑感


辻を曲がる時、金木犀の秋が香る

ススキが風に揺れる向こうには秋の空

CSで前略おふくろ様を観た

それでなのか、坂口良子を懐かしく思い出す

子供の頃から好きだったけど、今も好きだ

シビアな役やデキル女は似合わないけど

ちょっとヌケていてトボけた役は可愛らしかった

前略おふくろ様のかすみちゃんもそうだけど

市川崑の横溝シリーズでやってた女中役もそう

舌足らずな幼い声も忘れ難い味だった

決して名女優ではなかったけれど

わたくしにとって掛け替え無い女優だった





横浜JAZZ日和2017

2017-10-08 15:19:50 | お遊び


今年も横浜の街角でJAZZの音色が響く



名古屋へ行くまでは毎年楽しみにしていたお祭り
今年は久し振りに出かけてみた
小学生から年季の入ったベテランまで多彩だ



これまでは雨降りの寒い日が多かったけど
今年の2日目は美しい秋の日になった 汗ばむ陽気
野外ステージの音も天空に抜けて気持ち良さそうだ



音は海を渡り その先へ










韓流ゾンビ 新感染

2017-10-01 04:26:10 | 新作映画
またゾンビか。
最近のパニックホラーはゾンビばっかり。
韓国映画もゾンビだ。

Jホラーと言われ、いっ時ブームになった心理的な恐怖は伝統的な古来の怪談噺に由来するのだろうけど、今はじっくり恐怖を味わうゆとりも感性もないのか、めっきり影を潜めてしまった様だ。
人が一番怖いのは人でした。
その通りだけど、ゾンビはなぁ~。

牡丹灯籠の哀しい怖さを今こそ映像化できないもんかね?

さて、韓国製ゾンビホラー。
大変楽しめた。それが実感。
同じ東洋の血が流れるからなのか、欧米とゾンビ自体は変わりなくも逃げ惑う人々の描き方や結末にはすんなり納得。ラストを語るわけにはいかない?否、自分のための備忘録だから書いておこう。もしお読みになっていて、これから観ようと考えているならそこの貴方、飛ばしてお読みいただきたい。

ハリウッドがリメイクするらしい。
アメリカ人だから、「父と娘は苦難を乗り越えて二人とも生き延びました。別居中の奥さんとも合流できて固く抱きしめ合い家族の大切さに涙するのです」ってなラストに変えられそうだ。お父さんが死んだ方が面白いとか言っているわけじゃない。娘を守るためにゾンビに噛まれたお父さんは、結局、大切な娘を守るためには自ら汽車から飛び降りなければならなかった。お父さんの苦しみもわかるし、残された娘の哀しみが涙腺崩壊させる。トンネルの向こうに本当の安全地帯があるのか分からないけど、生き延びることはアメリカ人が考えるほど短絡的なハッピーなんかじゃない。名前も知らない誰かや、掛け替えのない大切な人を亡くすことの上に成り立っている。「色々あって沢山犠牲になったけど、家族は皆んな無事でした。良かった良かった」ハリウッド大作はそんな風にいつも終わってる。

作劇としてちょっと残念だったのは、生き延びた身重の奥さんの旦那さんを、もう少し長く生かせて上手く活かせればと思った。主人公のお父さんの対になり存在感バツグンだったので、もっと気の利いた最期を用意して欲しかったし、ゾンビになってからも絡んで欲しかった。悪者役の重役おじさんに比重を置くより余程面白くなっただろうに。

つい最近CSでアイアムアヒーローを再見したばかりなので、ゾンビにはちょっと食傷気味。