権威ある賞なんて書くとなんだか野暮ったいけど、権威ってそれなりの歴史と積み重ねるための説得力があって与えられるものだと思う。その権威も失墜して30年以上経つけど、黎明時期を脱し説得力を増した頃のレコード大賞は凄かった
1970年代前半はビートルズが解散して次の音楽の指針が示されない時代で、日本の音楽業界もプロ(職業音楽家)とアマ(所謂シンガーソングライター)の融合が始まりつつあった頃でもある
71年 また逢う日までが大賞、ノミネート曲は よこはまたそがれ 知床旅情 おふくろさん 傷だらけの人生 さらば恋人 新人賞 私の城下町 17才 雨の御堂筋 作曲賞 真夏の出来事 作詞賞 戦争を知らない子供たち
72年 喝采と大賞を争った曲は、あの鐘を鳴らすのはあなた 瀬戸の花嫁 子連れ狼 ひとりじゃないの 新人賞 芽ばえ 太陽がくれた季節 男の子女の子 雨 せんせい 作曲賞 どうにもとまらない 作詞賞 終着駅 ピンポンパン体操の歌
73年 大賞は夜空、ノミネート 恋文 なみだ恋 白いギター わたしの彼は左きき 危険なふたり 新人賞 わたしの青い鳥 赤い風船 コーヒーショップで 草原の輝き 作曲賞 街の灯り 作詞賞 ジョニーへの伝言
日本歌謡史(J-POP)に刻まれ、当時を生きていた人には記憶にも残る名曲傑作ばかりだ
故に権威ある賞として認知されて、その他数ある音楽賞とは一線を画す事となった。現在の不明瞭なノミネーションと比べるべくもなく、その説得力は説明の必要はなかろう
是非、音楽を愛する若いリスナーたちは上記の歌曲を聞いてみていただきたい。昨今、世界中で評価されている90年代に発表されたシティポップを作っていた人たちは、ビートルズとこの時代のJ-POPを肥やしにして名曲を作りだしたのだから
ついついノスタルジーに溺れ前置きが長くなりました
権威ある賞のことを書こうとしたら思わぬ方向へペンが走ってしまいました(ペンで文章書かなくなって久しいですね。これまたノスタルジーでしょうか)
もうね、本当にいい加減やめなさいよって言われそうですが、日本アカデミー賞ですよ
今回で46回目だそうです。全く権威もへったくれもありません。半世紀近く続いたら普通備わるものなんですがねぇ〜
「ある男」「ハケンアニメ」「流浪の月」は観ましたし、選ばれても良いだけの説得力あります。文句はありません。観てないのであまり貶せませんが「月の満ち欠け」は批評家からも目の肥えた映画通の方の評価も芳しくなく、挙句ネットレビューに書き込まれている素人評も悪いようです。別にヒットしたわけでもありませんしね?どうしたらこの選択になるのでしょう?この作品を選出した方がいたらその理由を伺いたいです。本気で知りたいです
嗚呼それなのに、もっととんでもないノミネートがあったのでした
「シン・ウルトラマン」去年選りすぐって映画館に通った30本のうち最も後悔した作品です。庵野秀明好きですよ。エヴァー以前も以降もほとんど観てますけど、屈指の駄作でしたよね。許せないくらいの失敗作でしたよね。まあそれは良いんです。ダメな事もありますから・・・要は、そんな作品を何で選ぶのかという憤りなんです。他の真っ当な作品に失礼じゃないですか
毒吐いて、少しスッキリしました
1982年第5回のノミネートは下記の5本でした
降旗作品「駅 STATION」
今村作品「ええじゃないか」
熊井作品「日本の熱い日々 謀殺・下山事件」
小栗作品「泥の河」
根岸作品「遠雷」
テレビの企画で集められた大学の映画クラブ所属の学生が討論して、何が賞をとるかを占ったあの頃
こんなにも重量級の作品が揃っていたんですね。感無量です
テレビに映りたくて誰も推さなかった「ええじゃないか」について発言したら、思惑通りアップで放送していただいたのが忘れられない思い出です
そんな邪なわたくしを画面に切り取ってくれた当時のテレビディレクターの方は、今でもお元気でしょうか?