映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

晩秋の三作品

2012-11-26 11:29:36 | 新作映画
 秋がないまま、いっきに冬のような季節になりました。
散歩をしていると枯葉がカサカサ舞い落ちてきますので情緒ある季節でもあります。

 さて、そんな秋の終わりに観た映画、三作品を簡単に書き記しておきます。

「のぼうの城」
期待したほどではなく、ちょっぴりがっかりしました。
原作も面白い題材(史実らしいですが)と興味深いキャラクターを有している割に今ひとつ興奮しきれなかったのですが、映画も同様興奮できませんでした。
水攻めのスペクタクルはそれなりに映像として魅せられたのですが、堤を破る作為的な見せ場がなく物語の楽しさが欠けておりました。
姫とのロマンスももっと飛躍してくれないと、ただの歴史絵巻の紙芝居で終ってしまい詰まりません。
史実であると、とかく歴史好きな薀蓄たれからグダグダ言われてしまうのはわかりますが、映画(フィクション)ですからそこのところは軽く吹き飛ばしてしまいたいものです。

「ふがいない僕は空を見た」
前作が面白かった女流監督作品です。
女の性とか母性とかを深くえぐれたかと言えば、そんなに強烈ではありませんでしたが、田畑智子の白い裸体の驚き位のインパクトは有りました。主人公の友達の話が上手く描かれていたのもポイント高いところです。
原作が大変良く出来ておりましたので、その世界観を壊さなかったことだけでも秀作と認めても宜しいのではないでしょうか。

「北のカナリアたち」
これまた湊かなえの原作が面白かったので、脚本さえ間違わなければそこそこどうにかなると思っておりました。
何といっても役者が贅沢です。
小百合さんは怖いです。もうそろそろ70歳になろうとしているのに、40歳と60歳を演じています。そして何より、40歳の方がリアルに見えてしまうことなんです。女優としては優れた資質なのでしょうけれど、この作品にとってはマイナスでした。現在と過去の描写が紛らわしく、今どっち?と気にしながら観なくてはなりません。
若手の6人は皆芸達者な人達ばかりで安心して楽しむことができました。特に森山未来はこのところ本当にいい仕事してます。
わたくしもあそこまで僻地ではないけれど、同じような環境で育ちましたので幼馴染への思いはひとしおです。