秋が深まると温かい食べ物が恋しくなる。
食材の熟れどきなんだろうけど、作る人の想いが一層伝わる気がする。
食欲の秋 この季節に紹介する映画、「バベットの晩餐会」は美味しい温かみが伝わる佳品。
老姉妹は寒村で亡き父(牧師)が残した教会をひっそり守りながら生きている。父の法要の為、村人を招き晩餐会を計画している折、家政婦のバベットに宝くじが当たる。バベットは姉妹に晩餐会の料理をさせてくれと申し出る。当日、見た事もない食材で誂えた料理は、いがみ合っていた村人の心を和ませ、一時の幸せをもたらす。バベットはパリの有名なシェフだった事が明かされる。雇い主の姉妹は宝くじが当たり働く必要無くなった彼女との別れを覚悟するのだが、なんとバベットが言うには、食材費で宝くじのお金は使い切ったので今まで通りここに置いて欲しい...と。
至福のあと味を堪能。
わたくしも料理を供するのが大好きなので、作る人頂く人の呼吸を敏感に感じてしまう。
食材の長所を活かそうと包丁を入れ、人を想って火加減に気を配る。その先にある笑顔を夢想しながら塩を振り、頬張る口元が幸せでありますようにと盛り付けに工夫する。
「美味しい」のひと言が聴けたなら、心が繋がった瞬間。