映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

今週も桂川で

2008-07-20 17:52:09 | 釣り
 いよいよ梅雨もあけ本格的な夏が始まりました。小学生たちは待ち望んだ夏休みですね。わたくしは寒冷地で生まれ育ちましたから、都会の子のように夏休みがフルにはありませんでした。八月のお盆が明けると二学期が始まったのです。実際、昔は今ほど夏が気狂いじみて暑くありませんでしたし、冷涼な土地では盆が終わると夏の纏わり付く様な暑気も終息するものでした。観光地でもありましたから、盆の里帰りと観光客で溢れた山間の賑やかさは一転して寂しい宴の後のようで、子供心にもセンチメンタルな寂寥感を感じるひと時でありました。夏休みで思い出すのはあの寂しい気持ちと、毎朝通った黄銅鉱が散らばる材木集積場で行われたラジオ体操です。

 今週はテント泊のため、気持ち良い朝を迎えることが出来ました。タオルケット一枚では心もとない涼しさの中、夜明け前の蜩の合唱に続き明るくなるにつれ小鳥たちの軽やかなさえずりをBGMに目覚める幸せ。お魚釣りよりこの幸せがあるからこそ渓流での遊びは楽しいのです。
 
 桂川は今週、釣り人のラッシュでした。入渓ポイントには何処も4~5台の車があり、いろいろな地方ナンバーで彩られておりました。中でも川茂堰堤の駐車場は春以来の満員御礼状態で、その車の多さに辟易しながらUターンする車もありました。
 釣果はそれなりに。数は先週ほどではありませんが、川茂では珍しい大山女魚に出会えました。体高のある立派なサイズでした。40cmはありませんでしたが、今年初めての尺物でした。虹鱒は50cm近いものまで、尺上5~6本掛かりましたので竿はかなり草臥れたことでしょう。今期もあと2ヶ月です。桂川に来れるのも数日でしょうか?

 日焼けした腕が赤く痛みます。それでは、いずれまた...。


久し振りにお魚釣り

2008-07-16 07:53:52 | 釣り
 すっかり夏本番の暑さです。今年の梅雨は雨が多く肌寒い日が多かったおかげで、夏嫌いのわたくしにとっては過ごし易かったのですがとうとう来てしまいました。高地の冷涼な夏を少年時代に満喫していたわたくしは、都会の重たい空気の中では息をするだけで精一杯です。

 実に一月振りのお魚釣りです。
6月は渓流釣りにとってシーズンの中でも一番の好コンディションであるのに竿を出せなかったのは、ひとえにお仕事の関係であります。気力も体力も昔のようにお魚釣りを欲しませんので、お休みの日は昼まで寝て夜映画に行くといった週末でした。さすがに、お魚釣り隊長はお許しくださいませんので、先日の土曜日曜は桂川に参戦となったのです。
 戦果は上々。数も50尾位は釣れたでしょうし、40オーバーの虹鱒も2本尺1本山女魚は八寸止まりでしたが何本か。城南橋上流は去年秋の出水で渓相がかなり変わっておりますが、それなりに面白そうな瀬になっていますのでこれからが楽しみであります。
 今回つくづく感じたのは、昨年終盤から痛感していた体力の衰えです。今までなら多少きつい瀬渡りでも自分からルートを開拓して隊長を導いていたものですが、流れの中に立つと怖さが先に立ってしまい隊長の開いたルートを恐々追いかけるような有様です。来年はもうこの瀬を越えられないかも知れないなと思いながら、年々老いを重ねていくことの寂しさを実感する次第です。

 今週末も行きますよ。
 桂川でお逢いいたしましょう。


歩いても 歩いても のこと。

2008-07-06 16:28:35 | 新作映画
 是枝監督の作品は『誰も知らない』と『花よりもなほ』の二作品しか知りません。とても対照的で、どちらが本物なのか良く分からない人だと思ってました。この作品を見てようやく監督の得意とするところが分かったような気がします。映画的に作りこんではダメな人ですね。三谷監督とは正反対です。
 この作品は『誰も知らない』程の衝撃はありませんでしたが、田舎に年老いた二親を持つ私としては心痛いホームドラマでした。四十歳を過ぎ、人の親となった人にしか分からないかもしれないけれど、肌理の細やかな、日本人として正視しなければならない大人の傑作でした。