健さんの映画を久し振りに観ました。
降旗監督とのコンビですからそうはずれは無いのですが、2時間でまとめるには少々粗が見え隠れしてしまいます。最後までわたくしが納得できなかったのは、奥さんの残された手紙の意味でした。なんで故郷の海を健さんに見せたかったのかな?自分の唄う少女時代の写真を見せたかったわけではないよね。古い知り合いや友人を訪ねる訳でもないから、旅先で受け取った「さようなら」だけの葉書ではどうしたもんでしょう。わたくしなら困っちゃう。
なんで海で遭難したという設定の男が、余貴美子の夫(綾瀬はるかの父)だと健さんは分かったんだろう。筆跡で余貴美子奥さんにはピンときたのは分かるけど、そのことを健さんに説明していませんから、海に流して娘の結婚を伝えて欲しいというあのシーンで以心伝心できるとは思えないし、ご都合過ぎます。大滝秀治が急に船出すのもその辺に理由があったのかもしれませんが、繊細さの欠ける描写でした。
たけしの使い方も、勿体無いからフルに使おうとして何度も登場させますが、最後の挿話は蛇足以外の何ものでもありませんでした。かえって印象が薄くなってしまいました。
そんな「あなたへ」を観た後に、CSで「駅 STATION」の放送がありましたので懐かしさ満杯で鑑賞したのですが、同じ高倉=降旗コンビとは思えないほどの緻密で繊細な作品なものですから、30年前の当時より余程感激いたしました。一番の原因は倉本御大の脚本の力ですね。本当に良く出来てました。学生時代のわたくしにはここまでの人の哀しみが理解できていませんでした。比べても仕方ありませんが、良いものは色あせないどころかこうして30年後に一層輝くのですね。
降旗監督とのコンビですからそうはずれは無いのですが、2時間でまとめるには少々粗が見え隠れしてしまいます。最後までわたくしが納得できなかったのは、奥さんの残された手紙の意味でした。なんで故郷の海を健さんに見せたかったのかな?自分の唄う少女時代の写真を見せたかったわけではないよね。古い知り合いや友人を訪ねる訳でもないから、旅先で受け取った「さようなら」だけの葉書ではどうしたもんでしょう。わたくしなら困っちゃう。
なんで海で遭難したという設定の男が、余貴美子の夫(綾瀬はるかの父)だと健さんは分かったんだろう。筆跡で余貴美子奥さんにはピンときたのは分かるけど、そのことを健さんに説明していませんから、海に流して娘の結婚を伝えて欲しいというあのシーンで以心伝心できるとは思えないし、ご都合過ぎます。大滝秀治が急に船出すのもその辺に理由があったのかもしれませんが、繊細さの欠ける描写でした。
たけしの使い方も、勿体無いからフルに使おうとして何度も登場させますが、最後の挿話は蛇足以外の何ものでもありませんでした。かえって印象が薄くなってしまいました。
そんな「あなたへ」を観た後に、CSで「駅 STATION」の放送がありましたので懐かしさ満杯で鑑賞したのですが、同じ高倉=降旗コンビとは思えないほどの緻密で繊細な作品なものですから、30年前の当時より余程感激いたしました。一番の原因は倉本御大の脚本の力ですね。本当に良く出来てました。学生時代のわたくしにはここまでの人の哀しみが理解できていませんでした。比べても仕方ありませんが、良いものは色あせないどころかこうして30年後に一層輝くのですね。
お盆に家族で映画に行こうということになり、たっくんはお母さんとソレ系の映画に行ってしまいましたので、お父さんはひとり「桐島、部活やめるんだってよ」です。少し前に腑抜けどもを観て、面白いセンスの監督だと思ってました。
原作がどの様に作られているのか不明ですが、映画の構成はとても興味深いもので、個人的には大好きなパターンです。桐島っていう人気ある男の子が、バレー部をやめるというそれだけの事実を幾つもの角度から焦点を絞ってゆくことで、高校生達の学校生活が薄ら寒く見えてくるよう演出されてます。
映画的興奮を呼び起こす作品ではありますが、TVドラマに毒されてしまった人達が喜んでくれるとは思えません。
こんなに可愛い女の子とカッコいい男の子ばかりの学校なら、居心地悪いだろうなとも思ました。わたくしも子供の頃映画研究会に属してまして、血みどろ映画を撮ってみたいと脚本を書き後輩に監督させた覚えがありますので、何となく親近感がわきました。
あまり期待していませんでしたが、儲けものの作品でした。
原作がどの様に作られているのか不明ですが、映画の構成はとても興味深いもので、個人的には大好きなパターンです。桐島っていう人気ある男の子が、バレー部をやめるというそれだけの事実を幾つもの角度から焦点を絞ってゆくことで、高校生達の学校生活が薄ら寒く見えてくるよう演出されてます。
映画的興奮を呼び起こす作品ではありますが、TVドラマに毒されてしまった人達が喜んでくれるとは思えません。
こんなに可愛い女の子とカッコいい男の子ばかりの学校なら、居心地悪いだろうなとも思ました。わたくしも子供の頃映画研究会に属してまして、血みどろ映画を撮ってみたいと脚本を書き後輩に監督させた覚えがありますので、何となく親近感がわきました。
あまり期待していませんでしたが、儲けものの作品でした。
細田監督と脚本の奥寺さんの醸し出す素敵な世界に、2時間号泣しながら楽しみました。
前2作も感心の出来ではありましたが、特に「サマーウォーズ」のバーチャル世界の偏りに不満が残り手放しで推薦できませんでした。
今回の作品は、ファンタジーと現実とがとても上手く絡み合っていて、素直に感動的です。
物語の骨格は監督の創造物でありますが、子育ての細かなディティールは奥寺さんの実体験からくるリアリティーなのでしょう。わたくしも3人の子供を見守った父親として、母親の子育てにかけるパワーは充分感じておりますから、子供が巣立っていくその瞬間は神々しさと寂寥感で感無量でした。
幼児期の雨と雪が成長するにしたがってその性格を変えてゆく様も、実際自分の子供で体験してみたわたくしには納得いく現実味ある設定でありました。
本ブログをご覧頂いている子育て真っ最中のお母様方に、今年一本だけ観るとするなら、今日ご紹介した雨と雪の成長を見守った母親、花の物語をお薦めいたします。
前2作も感心の出来ではありましたが、特に「サマーウォーズ」のバーチャル世界の偏りに不満が残り手放しで推薦できませんでした。
今回の作品は、ファンタジーと現実とがとても上手く絡み合っていて、素直に感動的です。
物語の骨格は監督の創造物でありますが、子育ての細かなディティールは奥寺さんの実体験からくるリアリティーなのでしょう。わたくしも3人の子供を見守った父親として、母親の子育てにかけるパワーは充分感じておりますから、子供が巣立っていくその瞬間は神々しさと寂寥感で感無量でした。
幼児期の雨と雪が成長するにしたがってその性格を変えてゆく様も、実際自分の子供で体験してみたわたくしには納得いく現実味ある設定でありました。
本ブログをご覧頂いている子育て真っ最中のお母様方に、今年一本だけ観るとするなら、今日ご紹介した雨と雪の成長を見守った母親、花の物語をお薦めいたします。
微妙な時代の重複があり、感情移入の濃さも微妙です。
劇中、主人公達は昭和42年頃の生まれで現在19歳という事なので、時代は正しく昭和末期。わたくしは社会人3年~4年あたりをウロウロしていた頃です。世の中はバブル景気にまっしぐらであり、暗く閉ざされた時代背景ではありません。主人公は全共闘時代を彷彿させる貧乏で無軌道な生き方をしてますが、唯一の友人はマスコミを目指すあの時代に多くいたススンダ彼女がいる優しい男の子でした。そんな海水と真水が交わるような空間も時間もあったのがあの頃なんだなぁと関心いたした次第です。
そんな時代のそんな若者をさりげなく切り取って魅せることが出来るのは、さすが山下監督ですね。
原作は未読であるため、あまり穿ったことは言えませんが、作者ご本人に限りなく近いのだろうと思われます。何のこと無い毎日の、だらしない男の子を描いて、心の底に寂寥感を感じさせることの出来る感性は矢張りただものではありません。
専門家の評論にも書かれてますが、前田敦子はあの当時の女の子そのものでした。
劇中、主人公達は昭和42年頃の生まれで現在19歳という事なので、時代は正しく昭和末期。わたくしは社会人3年~4年あたりをウロウロしていた頃です。世の中はバブル景気にまっしぐらであり、暗く閉ざされた時代背景ではありません。主人公は全共闘時代を彷彿させる貧乏で無軌道な生き方をしてますが、唯一の友人はマスコミを目指すあの時代に多くいたススンダ彼女がいる優しい男の子でした。そんな海水と真水が交わるような空間も時間もあったのがあの頃なんだなぁと関心いたした次第です。
そんな時代のそんな若者をさりげなく切り取って魅せることが出来るのは、さすが山下監督ですね。
原作は未読であるため、あまり穿ったことは言えませんが、作者ご本人に限りなく近いのだろうと思われます。何のこと無い毎日の、だらしない男の子を描いて、心の底に寂寥感を感じさせることの出来る感性は矢張りただものではありません。
専門家の評論にも書かれてますが、前田敦子はあの当時の女の子そのものでした。