映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

二人のクリエイター二人のパフォーマー

2018-01-27 21:19:04 | お遊び
Misslim時のないホテル愛していると云ってくれ臨月

わたくし世代にとって、掛け替えのない歌姫であり創作者の作品四つ。

misslim
特に前半に名曲が集中している。
誰もが知っている「やさしさに包まれたなら」「海を見ていた午後」「12月の雨」
「瞳を閉じて」をもらった学校の生徒になりたかった。
天才は最初から天才なんだと気付かせてくれる名盤。

時のないホテル
コンセプトがはっきりしていて、重量感ある名盤。
イーグルスのホテルカリフォルニアにも似た匂いを感じる。
「セシルの週末」「よそ行き顔で」「5cmの向こう側」
明るく軽いオシャレなイメージとは真逆な作風が多い。
タイトル曲「時のないホテル」は斬新な傑作。

愛していると云ってくれ
暗い。そうだけれど。ここまでくればそんな事どうでも良い。
フォークからエレクトリックになって変わったボブ・ディランみたい。
「元気ですか」と電話をかけました。そう、切り出されて目を瞑る。
「化粧」なんてどうでもいいと思ってきたけれど、今夜だけでも綺麗になりたい。
そんな女心。男は知らなくていい。でも、涙無くては、酒が無くては聴けない。
「わかれうた」「世情」初期の有名な曲も彩られている。

臨月
彼女から産み落とされた最高傑作。
メジャー曲は「ひとり上手」くらいしかないから、地味なアルバムだ。
後半が特に聞き応えがあり、メッセージ色の強い芯のある作品となった。
「雪」「バス通り」「友情」「成人世代」「夜曲」
ラストナンバーには宵闇に優しく包まれている既視感を覚える。
聴き終えると、いつも泣いている。






地味~な、キネ旬ベストテン

2018-01-27 04:10:18 | 映画ベストテン
去年のベストテン発表されて暫く経ちました。
なんだかなぁ、です。最近毎年そんなこと言ってます。
それにしても、輪をかけて地味な作品ばかりでした。
邦画は10本中4本、洋画は3本観てますが、ほとんど一般の人知らない作品ばかりじゃないですか。毎年毎年思うのですが、ベストテン選者は映画評論家や所謂文化人って奴等(その言い方が既に喧嘩腰?)なんでしょ?それならもっと良いものを声高に宣伝して欲しいですね。そのための存在なんですよね、そうですよね。終わってから、「えっ観てないの、ダメだなぁ~。アンアテナ低いんじゃないの」的にベストテン出されてもな。
一等賞の作品は多分面白いだろうと思います。観てません。いつか機会さえあれば必ず観ます。石井監督だし。主役の池松が嫌いなので避けてました。
2番はあまり期待してません。観てません。前々作の長岡花火は良かったけど、前作の野のなななのかは詰まらなかったからですが、多分に選者は大林の遺作だと思って票を入れてるでしょう。新藤監督の時のそうでしたが、偉大な監督に対して失礼ですよね。転校生や時をかける少女の瑞々しさにそっぽ向いたくせに。3と4は観ました。わたくしの感覚としても異存はありませんが、地味っす。「おじさん、映画観るの好きなんだぁ!何おススメェ?」と聞かれたとしましょう、女子大生とかにさ、妄想だけどさ。答えられません。あゝ荒野?幼な子われらに生まれ?そんな映画いつやってたのよと聞いてもくれないぞきっと。菅田将暉は女の子皆んな知っているのにね。映画は誰も知らない。テレビドラマは観るのに映画は観ない。観ないんじゃなくて知らないんだと思うんです。もっと良識のある(そうなんだろ)映画評論家とか文化人とかが(もう良いですか、しつこいですか)・・・
5と10は観ようと思いましたが、黒沢清のクリーピーがダメだったのでめげました。心が女であれば女だとわたくしは思いますが、ゴツイ手で編み物されるのはちょっと感情移入出来そうもないとめげました。機会があれば観ようと思います。6、7観てません。すみません、キネ旬星取表で見たくらいの記憶しかありません。殆どの日本人は知らないと思います。
8と9は観ました。このベストテンで一番認知度が高い可能性がある作品が三度目の殺人でしょうか。クラクラしちゃいます。現実です。2016年が豊作で、内容も興行的にも成功した年のベストテンが理想ですけど、今回の結果が邦画のみならず映画全般における現実なんでしょう。洋画だって、地味ですよ。一般的に知らない作品ばかりですもん。(大して観てないお前が悪いと言われると反論はしますけど、説得力がありませんよね。わたくしが悪いんです)
うちの奥様なんか、よっぽど偉いです。年間50本以上観てます。アニメ特撮アメコミに比重は偏ってますが、観ることが一番の力であり説得力です。


全然関係ありませんが、新垣結衣、ミックスでブルーリボン主演女優受賞だそうです。このノリが必要なことってありますよね。なんでも玄人受けするケレン味ばかりじゃ息苦しいったらありゃしません。






横浜 雪景色

2018-01-22 16:28:26 | 歳時記雑感

昼前から降り続く雪が横浜の街を覆い隠す。
四年ぶりに関東の冬を過ごしている感覚。
名古屋はここより寒かったけれど、こんなに積もることはなかった。






夜になっても雪は降り続く。
雪灯りでぼんやりと街は美しい。
思い出すのは大学入試のため夜遅くまで参考書を開いていた頃。
わたくしの古里は豪雪地域ではないけれど、20cm位の雪はよく降った。
夜半に雲が切れ大きな月が顔を出すと、畑も道も杉林も蒼白く輝いた。
雪に音は吸い取られ、音の無い音が世界を覆った。
チェーンを巻いた車輪が遠くに聞こえ、一層静寂を際立たせた。

40年も経ったけど、あの美しい世界は今でも見ることができるのだろうか。





彼女がその名を知らない鳥たち

2018-01-14 20:57:19 | 新作映画
蒼井優がすごいと聞いていたので観てみた。
そんなにすごいかな?
今までの彼女の力量なら、驚くほどじゃないと思うけど。

この映画も小さな世界だ。
邦画らしいと言えばそうだけど、もっと普遍的な熱が欲しい。

なんで、阿部サダヲはあの選択をしたんだろう。
分からなかった。

横浜黄金町のジャック&ベティから夜11時過ぎに帰途につくと、
街は不気味なほど暗く静まっていた。
この手の映画にはしっくりくるかも。






2018冬ドラマ

2018-01-13 03:14:17 | 旧作映画、TVドラマ
この冬観ようと決めたのは三本。

先ずは、坂元裕二脚本で「MOTHER」のスタッフが集う「anone」。
広瀬すずがテレビドラマでどう変わって行くかも観たいと思う。
第一回の放送を観た限りでは、去年の冬ドラマだった「カルテット」に似たリズムを感じる。お話の内容は幼児期の孤独や虐待がベースだったり、ネットカフェに棲みつく少女たちの暗闇の現状であったりと、安穏としたドラマじゃない。偽札造りも施設で過ごした幼馴染の病状も、明るい展望は見出せない。
田中裕子がどんな重さで絡むのかが今ひとつ分かり辛いので、次回以降に期待しよう。

さて、二話目。何故か上手く録画できておらず、配信で後追いした(本当に取り返しのきく世の中になった)。坂元裕二らしい、含蓄のある台詞とスピード感が堪能できる。物語の転がり方といい断然面白くなってきた。視聴率は振るわないらしいが、昨今のナガラ視聴者にはこの手のドラマは無理だろう。変な見方されてネガティブで頓珍漢なSNSあげられるより、放って置かれた方が良いかもしれない。
面白くなった理由の一番は田中裕子の絡みが魅力的な事。MOTHERもそうだった。
来週以降も楽しみだ。

もう一つの期待作は、「逃げ恥」で大ブレークした野木亜紀子脚本の「アンナチュラル」。
「重版出来」共々漫画原作を上手にドラマ化する手腕は誰もが認めるところだけど、今回はオリジナルストーリーらしいので、その力量が図られる。法医学物ってもうかなり手垢が付いているから、新鮮さをいかにして持ち込めるかがポイントかもしれない。
石原さとみがメインなのも楽しみだ。
これも一回目の感想としては、安全飛行のために慎重な離陸を優先したよう感じた。変に事件化させて、刑事ドラマみたいにさせて欲しくはないけど、死因が毒物ではなくウイルスで、それも大学病院が院内感染させていたというオチはあまり面白くない。殆どの視聴者は謎が解明されてスッキリしたいのだろうけど、白でも黒でもない薄暗い闇の方が心に残ることもある。気持ち悪いだろうけど。でも、今のテレビドラマはそんな冒険をしてもいいんじゃないかな。むしろこんなに視聴率取れなくなっているんだから、スポンサーとか視聴者とかを気にしないで斬新な一歩を目指すべきだとも思う。難しいのは分かるけど。
石原さとみと市川実日子の相性はいいと思うので、これも次回に期待する事にしよう。

最後は昨年一番成長した吉岡里帆を見るために「きみが心に棲みついた」を観ようと思う。途中で放り出すかもしれないけど。