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映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

2009年の邦画10

2010-01-04 15:57:26 | 映画ベストテン
 みなさん。新年おめでとうございます。今年も沢山良い事がありますように。

2009年の邦画をベストテン形式で振り返ってみます。

1位 ディアドクター
ブッチギリの一等賞でした。西川美和の素晴らしさに惚れ惚れいたしました。前作があれだけ高評価だったのに、軽々とそれを越してしまうなんて何と言う恐ろしい監督なんでしょう。人の心をこれ程に深く描けるのは今の彼女以外いないと思います。早くも次回作が待たれる監督の一人です。
2位 空気人形
「歩いても歩いても」が秀作であったので、もしかすると外してしまうかなと思ったのですが、ペ・ドゥナを得ることで成功する事ができました。所々に物語の破綻がありますが、空気人形の切なさが胸に響く佳作になりました。暫く休養するとの事ですが、その方が一層素晴らしい作品を用意してくれると期待しております。
3位 ヴィヨンの妻
根岸監督作品の中でも好きな作品でした。松たか子の魅力的な女を堪能できました。太宰の原作というよりも脚本家と監督の創造物といった仕上りが並みの映画と違うところだと思いました。
4位 沈まぬ太陽
久し振りに骨太な日本映画を観た喜びがこの順位です。もっと良くなるためにあれこれ言いたい事はありますが、小言を申し上げる前に良くぞここまで頑張りましたと喝采を送りたい映画です。
5位 ゼロの焦点
とても上手に作られた映画でした。犬童監督は癖のなさが今ひとつ気に入らないところがあるのですが、この作品は変に捏ね繰りまわさず中谷&木村の女優芸をたっぷり味わせてくれたのが吉となりました。
6位 ジェネラル・ルージュの凱旋
「チーム・バチスタ・・・」のスタッフは映画の見せ所を良く分かっているようで、この作品において良質のエンターテイメントを提供してくれました。阿部寛の使い方が物足りませんでしたが、存分に楽しみました。
7位 エヴァンゲリオン:破
TVの亡霊からようやく開放されたかのように、奔放で独創的な作品であったように思います。人気アニメの陥ってしまうキャラクター依存が、ギリギリ許される範囲であった事に成功の要因を感じます。
8位 余命一ヶ月の花嫁
ボンクラな監督であれば単なるお涙頂戴物でしょうが、廣木監督は死にゆく花嫁の精一杯の生き方と彼女に取り残された父親と彼氏の空虚な間を見せてくれました。
9位 おっぱいバレー
題材の良さを生かしきれなかったのは残念ですが、綾瀬はるかの熱演に免じてランクインいたしました。
10位 感染列島
これまたせっかくの題材をと、悔やまれる一編です。インフルエンザ騒動の警鐘としてランクインです。


キネマ旬報が発表されましたなら、またお話しましょう。


今更ながら新年のお慶びを

2009-01-18 08:48:21 | 映画ベストテン
 新年おめでとうございます

キネ旬のベストテンが発表されましたので、2008年の映画鑑賞がわたくしにとって価値のあるものであったかどうかのバロメーターとして比べてみようかと思います。2007年は大嫌いな『それでも僕は・・・』一作品しかありませんでしたから自分の審美眼に自信をなくしましたので、今年こそはとかなり一生懸命に作品を研究し厳選したつもりです。

・『おくりびと』 1位は秋頃にはもう予想されていたことでした。わたくしとしてはそれ程のこととは思えませんので、疑問のあるところです。あまりにも物語が予定調和であり良い人ばかりのお話はTVを観ているような錯覚をも覚えました。とはいえ、良心的な素晴らしい作品であることに異議はありません。
・『歩いても歩いても』 わたくしの1位です。キネ旬は5位でした。毎年こんな映画が観たいものです。
・『闇の子供たち』 キネ旬6位。わたくしは、観て後悔したNO1にあげました。題材の遣り切れなさもありますが、映画そのもののリズム感が嫌いです。この監督作品は何本も観てますが、その殆どがダメなのでもともと合わないのでしょうね。それにしても訳の分からないラスト処理にまで作家の信念が何処にあるのかつかめない映画でした。
・『母べぇ』 キネ旬7位。わたくしもこの辺に納得します。
・『クライマーズハイ』 キネ旬8位。これまたこの辺で納得。
・『アフタースクール』 キネ旬10位です。わたくしとしてはもう少し上位で良いんじゃないかとも思いますが、地味な作品がきちんと評価されることは良いことですし、ここにこそキネ旬の存在価値があると思います。

以上6作品が重なりました。自分の審美眼にまた少し自信を取り戻せた年でありました。
ただ、観ようと思いながら観ることの出来なかった作品が2~4位にランクしてました。これはとても残念なことです。特に『ぐるりのこと。』は多分わたくしのストライクゾーンど真ん中な題材でしたから、後悔しまくりです。
反対に何故ベストテンに入らなかったのか不思議なのが、『パコと魔法の絵本』『きみの友だち』の二作品です。それまでの監督作品と比べればということで批評家が敬遠したのでしょうが、わたくしとしては上位にランクしただけにちょっぴり寂しい想いでした。

今年は『感染列島』で幕を開けました。思ったよりきちんと作られておりました。壇れいの女像が際立っていました。これからも楽しみな作品が沢山あります。面白い作品はもちろん、なるべくここで紹介できるようしますので、今年もよろしくお願いします。


映画この年

2008-12-30 15:55:49 | 映画ベストテン
 友に触発されて映画館に通ったこの年。キネマ旬報に投票した順位は以下の通りです。

邦画
1.歩いても歩いても
2.きみの友だち
3.パコと魔法の絵本
4.アフタースクール
5.ハッピーフライト
6.おくりびと
7.母べぇ
8.クライマーズハイ
9.三本木農業高校馬術部
10.崖の上のポニョ
次点 結婚しようよ

観て後悔したのは三つ
252生存者あり
闇の子供たち
人のセックスを笑うな

洋画は相変わらずつまらなそうなのと、勉強不足のため2作しか観てません。



それでは、映画の話など...

2008-01-26 16:24:34 | 映画ベストテン
 今年も既に睦月終わりに近づいて、うかうかしているとお魚釣りのシーズンが始まってしまいます。そうなればなったで、また忙しくなりますから、こんな日の昼下がり、昨年観た映画の話でもいたしましょう。
 ずいぶん待って、とても期待していた周防監督の『それでも僕はやってない』が、わたくしにとって鬼門でありました。まったく乗れませんでした。こんな筈ではなかったのです。前二作が傑作すぎたのでもありましょうが、あまりの落差に戸惑ってしまい、その後、観る映画、観る映画どれもが大外れの連続で、今年の日本映画は最早終わったかとも思ったものです。『パッチギ続編』は一作目よりも素直に感動できましたが、竹内結子の『サイドカーに犬』は観る前に終わってましたし、案の定、ハリウッド系は大味のごった煮ばかりでした。『クローズドノート』の結子とエリカは良かったけれど、『三丁目の続編』は今一歩でした。
 毎年十五本くらいしか観ないけれど、キネマ旬報ベストテンに選出される作品との重複はいつも多くて、そういう意味で言うならば、費用対効果は高かったのです。失敗しない映画選びをしていたということですから、自分の映画に対する価値観にもある程度自信を持ってました。ところが、2007年は重複作品はたったの一作。それも、全然楽しめなかった『それでも僕はやってない』。おまけにその作品がキネマ旬報のみならず数々の賞でも絶賛されてます。ど~いうこと?
 ちょっぴり自分の審美眼に、自信を失いかけてます。今年はどうなんでしょう?幸せな出会いはありますかしら。