一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

鬼ノ鼻山・聖岳・環境芸術の森 ……永遠の一瞬、そして一瞬のなかの永遠……

2013年11月13日 | 鬼ノ鼻山・聖岳
11月2日(土)に阿蘇・根子岳に行って以来、
ずっと仕事をしていた。
今日(11月13日)は、久しぶりの休み。
ヤスさんも休みが取れたとのことで、
一緒に山歩きをすることとなった。
ヤスさんとはこれまでは有名な山ばかりに登っていたので、
このあたりで、里山歩きをしてみたいと思った。
ヤスさんにも、低山歩きの楽しみを知ってもらいたいと思ったのだ。

選んだ山は、私の裏山でもある、鬼ノ鼻山と聖岳。
展望が良く、アップダウンも適度にあり、
低山の魅力にあふれた里山だ。
どちらの山も歩くのは初めてというヤスさんも、
きっと喜んでくれるに違いない。

里山の良さは、町に近いこと。
朝食は、美味しいパン屋さんで買ったパンを山頂で食べ、
昼食は、下山後に、町のとある店でランチすることにした。

午前8時、某所で待ち合わせをし、
まずはパン屋さんへ向かう。
途中で見えた天山が美しい。


私のオススメのパン屋さんとは、「手作りパン屋 アルパカ」(稲富ななこさん経営)。
佐賀県杵島郡江北町にある、今年(2013年)7月にできたばかりの店だ。
稲富さんは、専門学校卒業後、東京や神奈川のパン店で修業。
2年前に帰郷して、独立を目指してさらに研鑽し、
故郷・白石町のお隣、江北町での出店にこぎ着けたとのこと。


地元産品を中心に厳選した素材を使って、
生地から手作りで毎朝焼き上げているので、とにかく美味しい。
見た目の派手なパンはなく、どれもがシンプル。
でも、口に入れると、パンの生地がとても美味しく、
本来のパンの美味しさを味わえる。
近頃珍しい店だ。

「手作りパン屋 アルパカ」
佐賀県杵島郡江北町上小田1512-4(小田ショッピングセンター近く)
営業時間7時半~18時。
定休日 月、火曜。
電話 050-1550-5234


パンを買った後、鬼ノ鼻山登山口へ向かう。
そして登り始める。
美しい林を抜け、


直登ルートで登る。
ヤスさんは、咲いていたツワブキの花に大感激。


「ツワブキの花がこんなに美しいなんて知りませんでした」


アキノキリンソウもたくさん咲いている。


「おっ、センボンヤリだ」




鬼の展望台に到着。


今日は「一日中、曇り」の天気予報であったが、
けっこう良い天気。(この後、ますます良くなった)
展望もまずまずで、天山も美しく見える。


左に目を転ずると、作礼山。


さらに左に目を転ずると、八幡岳と船山(女山)。


さらに左に目を転ずると、遠くに黒髪山系の山々。
「今年の夏にあそこを縦走したんですね~」
と、ヤスさん感慨深そう。


さらに左に目を転ずると、虚空蔵山。


さらに左に目を転ずると、多良山系。


さらに左に目を転ずると、幽かに雲仙も見えた。


こんな展望を楽しみながら、さっそくここで朝食。
「手作りパン屋 アルパカ」で買ったパンを食べることにする。


開店直後で、調理パンがまだ出来ていなかったので、
アンパン、クリームパン、メロンパンなどを買ってきた。
どれもが、とっても美味しい。


珈琲も美味しい。
最高のブレックファーストであった。


縦走再開。


鬼ノ鼻山山頂に到着。
四等三角点がある。


鬼の石像のあるピークに到着。


このテラスでしばし休憩。


風景を楽しむ。


再び歩き始める。


サザンカの花が咲き始めていた。




ムベの実が落ちていた。


見上げると、そこにも……


所々に紅葉した木があった。


美しいクスノキの群生林。


ここには樹齢100年くらいのクスノキが、約800本ある。


「さが名木100選」にも選ばれている美林である。


峠道まで下りて、
聖岳へと登り返す。
右側は、クヌギの林。


聖岳山頂に到着。


こちらも素晴らしい眺め。
ヤスさん、大満足。
「有名な山にもぜんぜん負けてないですね」


来た道をゆっくり戻り、往復縦走を終えた。


車で麓へ下る途中、天ヶ瀬ダムへ立ち寄る。
ここから見る天山が美しいからだ。
「いいですね~」と、ヤスさん。


私がよく歩く長い階段を紹介。
「2~3回、往復してみませんか?」と私。
「いえ、今日はけっこうです」(笑)


「昼食は、素朴なお好み焼き屋さんと、おしゃれなカフェと、どちらがイイですか?」
と訊くと、ヤスさんは、
「お好み焼き屋さん」
と回答。
お好み焼き屋さんのある相知町へ向かう。
車中、「お好み焼きは、私がおごりますから」と言うと、
「いいんですか~、すみませんね~」と恐縮した様子のヤスさん。
「任して下さい。大盤振舞いしますから」と私。(爆)
で、山口お好み屋へ到着。


お好み焼きの「大」の玉子入りを二つ注文。
値段を見て、ヤスさん、驚愕の表情。(笑)
大玉220円、二人分で440円。
ワンコインでお釣りがくるのである。(爆)


今風の甘目のソースではなく、
昔風の辛目の懐かしいソース。
「いや~、美味しいですね~」とヤスさん。
「そやろ、そやろ」と私。


昼食後は、同じ相知町にある小松酒造へ向かう。


ここは、漫画『美味しんぼ』でも紹介されたことのある、知る人ぞ知る酒蔵。


「おおち」が有名だが、
これは以前ここで買って呑んだことがあるので、
今日は違う焼酎にする。


「永遠の一瞬」(とわのひととき)というネーミングが気に入り、これに決定。
5年古酒、アルコール40度。
焼酎好きのヤスさんも、同じものを購入。


小松酒造のある場所からは、作礼山が美しく見えた。


帰路、作礼山中腹にある「環境芸術の森」へ。


紅葉のピークには少し早かったが、
ヤスさんは今月はもう休みが取れないとのことなので、
森の中へ。


空が青空になり、紅葉が映える。


「こんなに美しいんだったら、京都なんか行かなくてもいいですね~」
とヤスさん。






彼方に見えるのは、作礼山。


一本の木で、緑の葉の枝と、紅葉した枝とがあった。


いいね~


目が痛いほどに色鮮やか。


この「環境芸術の森」は、毎年行く度に広くなっている。


「大満足です」とヤスさん。


ゆっくり、ゆっくり歩き、


紅葉を存分に楽しんで、森を後にした。


素晴らしい一日であった。


帰宅後、「永遠の一瞬」(とわのひととき)と対面。
写真、絵画、俳句、詩など、
芸術はすべからく
「永遠から一瞬をつかみとる」
作業ではないかと思っている。
そして、
「その一瞬に、永遠が内包されている」
とも思う。
じっくり味わいたいと思った。

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