地震と深海魚の関係については以前から様々な意見が有りますが、次のようなニュースが有りました。
引用開始(一部抜粋)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201707/CK2017071302000253.html
深海魚と地震…関係なかった 東海大など 過去20年検証
2017年7月13日 夕刊
(中略)
東海大の織原義明特任准教授(固体地球物理学)は「深海魚の目撃は、地震の前触れ情報として防災や減災に役立つ手段にはならない」と話している。
チームは地方新聞の記事や水族館の情報を基に、一九九二年一月一日から二〇一一年三月十一日にリュウグウノツカイやサケガシラなどの深海魚が目撃された百一件に注目。内陸の地震などを除き、この期間に起きた震源の深さが百キロより浅いマグニチュード(M)6以上の地震百六十一件と関連を検討した。
日本の沿岸と周辺海域を「日本海側全域」や「関東・東北地方の太平洋側」など五つの領域に区分。深海魚の目撃と、その後三十日以内に発生した地震の領域が重なっているか調べると、一致したのは8%だった。それぞれの領域はかなり広く、範囲をより絞ると一致する割合はさらに下がるため、目撃と地震の関連はないと判断した。
また深海魚の目撃数は日本海側が九割近くを占めたが、地震は東北地方の太平洋側や南西諸島で多く、関連は見いだせなかった。目撃は冬から春に多いが、地震の発生は季節に関係なかった。
引用終了
確率からして「防災や減災に役立つ手段にはならない」のは現状では無理もないのですが、見落としてはいけない部分がいくつか有り、まず「リュウグウノツカイやサケガシラなどの深海魚」と言う点、次に「M6以上の地震百六十一件と関連を検討した」と言う点、そして「深海魚の目撃数は日本海側が九割近くを占めたが、地震は東北地方の太平洋側や南西諸島で多く、関連は見いだせなかった。目撃は冬から春に多いが」と言う点です。
冬~春に日本海で目撃される件数が多いというのは、表層に浮いた死骸や弱った固体などが単に冬の季節風で陸側に吹き寄せられたからと言うのに過ぎないのではないでしょうか。
このような言わば傾向把握をする上で障害となるノイズは、一度に相当な数でも目撃されない限り除外した方が良いと筆者は見ています。
もう一つは「リュウグウノツカイやサケガシラなどで何を対象魚としているのか?」が開示されていないとニュースを読んでも果たして種類毎の数、そして種類が本当に網羅しているのかがわかりません。
以前にカズハゴンドウの集団座礁について記事にしまいしたが、イルカやクジラでも沿岸性のものと沖合い、遠洋性のものでは視力や耐温特性、方向探知能力など多くの点で違う為、地震と関連がやや見れれるものとそうでないものがあるようです。
なので深海魚と言ってもその種類によって地震との関連は異なる事が多いのではないでしょうか。
そしてM6以上との事ですが、M6以上程度ならかなりの件数になります。
M6.5以上、M7以上、M8など分けてデータを把握しないと、本当に関連性が無いのかどうかはわからないと思います。
そして「死骸なのか?生きた個体なのか?」の区分けがなされていないと言うのもやはり判断がつきません。
死骸ならば深層で死んだ個体が腐敗しガスが増えてただ浮いてきたと言うのに過ぎないケースも有るはずで、これではやはり判断がつきません。
以上の状況から「対象の種類が何か」、「死骸なのか?生きた個体なのか?」、「冬の季節風、或いはそれの限らず春一番や夏に多い風向、そしてできれば深海魚が確認された当時とその数日前からの風の状況はどうだったのか」、その他を明確化した上で整理しないといけないと考えれています。
ただ上記のように風で吹き寄せられた件数を除外したり、「対象の種類が何か」、「死骸なのか?生きた個体なのか?」など上記の分類にまでしてしまうと、各分類毎の件数が少なくなり、現状では傾向を分析するには無理が有ると考えています。
引用開始(一部抜粋)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201707/CK2017071302000253.html
深海魚と地震…関係なかった 東海大など 過去20年検証
2017年7月13日 夕刊
(中略)
東海大の織原義明特任准教授(固体地球物理学)は「深海魚の目撃は、地震の前触れ情報として防災や減災に役立つ手段にはならない」と話している。
チームは地方新聞の記事や水族館の情報を基に、一九九二年一月一日から二〇一一年三月十一日にリュウグウノツカイやサケガシラなどの深海魚が目撃された百一件に注目。内陸の地震などを除き、この期間に起きた震源の深さが百キロより浅いマグニチュード(M)6以上の地震百六十一件と関連を検討した。
日本の沿岸と周辺海域を「日本海側全域」や「関東・東北地方の太平洋側」など五つの領域に区分。深海魚の目撃と、その後三十日以内に発生した地震の領域が重なっているか調べると、一致したのは8%だった。それぞれの領域はかなり広く、範囲をより絞ると一致する割合はさらに下がるため、目撃と地震の関連はないと判断した。
また深海魚の目撃数は日本海側が九割近くを占めたが、地震は東北地方の太平洋側や南西諸島で多く、関連は見いだせなかった。目撃は冬から春に多いが、地震の発生は季節に関係なかった。
引用終了
確率からして「防災や減災に役立つ手段にはならない」のは現状では無理もないのですが、見落としてはいけない部分がいくつか有り、まず「リュウグウノツカイやサケガシラなどの深海魚」と言う点、次に「M6以上の地震百六十一件と関連を検討した」と言う点、そして「深海魚の目撃数は日本海側が九割近くを占めたが、地震は東北地方の太平洋側や南西諸島で多く、関連は見いだせなかった。目撃は冬から春に多いが」と言う点です。
冬~春に日本海で目撃される件数が多いというのは、表層に浮いた死骸や弱った固体などが単に冬の季節風で陸側に吹き寄せられたからと言うのに過ぎないのではないでしょうか。
このような言わば傾向把握をする上で障害となるノイズは、一度に相当な数でも目撃されない限り除外した方が良いと筆者は見ています。
もう一つは「リュウグウノツカイやサケガシラなどで何を対象魚としているのか?」が開示されていないとニュースを読んでも果たして種類毎の数、そして種類が本当に網羅しているのかがわかりません。
以前にカズハゴンドウの集団座礁について記事にしまいしたが、イルカやクジラでも沿岸性のものと沖合い、遠洋性のものでは視力や耐温特性、方向探知能力など多くの点で違う為、地震と関連がやや見れれるものとそうでないものがあるようです。
なので深海魚と言ってもその種類によって地震との関連は異なる事が多いのではないでしょうか。
そしてM6以上との事ですが、M6以上程度ならかなりの件数になります。
M6.5以上、M7以上、M8など分けてデータを把握しないと、本当に関連性が無いのかどうかはわからないと思います。
そして「死骸なのか?生きた個体なのか?」の区分けがなされていないと言うのもやはり判断がつきません。
死骸ならば深層で死んだ個体が腐敗しガスが増えてただ浮いてきたと言うのに過ぎないケースも有るはずで、これではやはり判断がつきません。
以上の状況から「対象の種類が何か」、「死骸なのか?生きた個体なのか?」、「冬の季節風、或いはそれの限らず春一番や夏に多い風向、そしてできれば深海魚が確認された当時とその数日前からの風の状況はどうだったのか」、その他を明確化した上で整理しないといけないと考えれています。
ただ上記のように風で吹き寄せられた件数を除外したり、「対象の種類が何か」、「死骸なのか?生きた個体なのか?」など上記の分類にまでしてしまうと、各分類毎の件数が少なくなり、現状では傾向を分析するには無理が有ると考えています。