船造り2その改造
最初に・セールのトリムについて。
ヨットのセールのトリムについてGPSのようなものか?とのコメントがありましたが、ずいぶん違いますので説明します。トリムというのは喩えば飛行機が離陸する時、主翼がへの字の形となり、この形が風を強く受けると上への揚力がかかり機体は空中に浮かびはじめます。
この、へ、の字の角度が程度の差はありますが、強いほど揚力は強くなります。
逆に主翼がフラットなーの形になると飛行機は自らの重みで下に下がります。飛行機が空中に一定の高さで飛ぶのは主翼と尾翼のへの字の角度の調整が必要です。
このへの字の調整をトリムといいます。
またF1のような車の後方についている羽根のようなウイングがありますが、これはスタビラザー、安定化する物、とも呼ばれいます。この羽根もやはり微かにへの字になっています。これは後方がわずかに上への揚力を生み出し、ダウンホースという前輪の接地力を生み出し、ハンドルさばきにはとても大事な調整、トリム、をしています。
また空を飛ぶ鳥の羽根も、断面図にすればへの字になりその揚力で空を飛びます。
ヨットのセールを真上からみると、やはりなだらかなへの字になっています。それで大体風に対して45度ぐらいに走れるようになっています。しかし、それでは横流れしながら走るのでセンターボードという板やキールで横流れを防止して風に対して45度ぐらいに走ります。
だから目的地が真っ正面、即ち風に対して0度なら、く、の字を描きながら走ります。この時、船は風の方に傾きながら走ります。この傾きをヒールといい、この走り方をタッキングと言います。タックとはズボンの裾を縫う形に似ている走り方です。
船造り2
その改造
テスト走行は順風で波も穏やか時でした。しかし、少し風が強くなってくると風上に走る時にヒールと言う船の傾きに片方の浮力が耐えられず、走りは速いけど風が突然強くなるブローが来たら片方の浮力体が前方から水中に沈み、放置していると船は水中に潜り、結果的には後ろ側が持ち上がりそのまま、さかとんぼのようにひっくり返ってしまいます、それをヨットが沈してしまうと言います、通称このようなひっくり返り方は、バウ沈といいます。船首から沈む形のひっくり返るからです。
私はずいぶん昔、ホビーキャットと言う双胴船の購入にあたり、試験的にどの程度が限界かが知りたくて限界近くまでセールをトリムして、半ば意識してバウ沈させました。
むろんマストは海中に逆さまになっており、3名で船を起こしましたが大変でした。ですからサイドフロートの浮力を大きくする必要がありました。
次にメインとなる真ん中のFRBの船体ですが、自動排水弁装置のようなものが普通の小さな船にでも着いていて、船内に溜まった水を海に流れる仕組みになっています。これがないので船の中に入った水をコップやヒシャクで汲み取り海に捨てなくてはなりません。
自動排水弁といっても大雑把な物で、最も確実なのは水密構造にして、発泡スチロールで埋めて木材で覆い込むのです。そうすると万一沈した場合でも全ての船体は浮かび、もとに戻しやすいのです。
色々な試行錯誤
当初、竹が曲がりやすかったのでサイドフロートを発泡スチロールを詰めて竹でカバーしました。
文字で書くと数行で済みますが、竹を細くして船形に沿って張って行くのはよほどの苦労でした。
そしてやっと出来てテスト走行をするとやたらに船が重く、船脚がドット下がりました。
船、とくにヨットは軽くて強いほど良く、最近のレーサーヨットはカーボンが素材にされているようですが、普通のヨットは素材がとても高くなるのでFRPで作ります。
竹のフロートとなる左右の船体は、取り外してすぐに竹の解体とゴミ処理をするように伝えて私が淡々と壊しかけますと、ヘルパー達はその竹をもったいないから貰うというので壊すのをやめました。私の癖で、いくら苦労して作った物でも、ダメな物はさっさと捨てるかしてしまうのです。そうする事によって次に新しい工夫がしやすくなる為でしょう。
私の研究でもそうでした。それなりの独自性はあったのですが、汎用性がないと考えると、それまでの研究は全ての捨ててしまい新しい方向に向かうのです。
だから、左右の船体は、また0からはじめて、発泡スチロールで形づくり、その枠を木材で囲う事が色々な点からベストと考えました。しかし、大きな問題は発泡スチロールを強いものにする為にエボキシで固めようとしても固まらないのです。
発泡スチロールはエボキシと馴染ます、接着面が溶けてしまうのです。だからスチロールの上からじかにエボキシで強化する事はできません。
色々考えました。一番先に浮かんだのは薄いベニヤでフロートを囲みその上からエボキシをコーティングする方法ですが、とても微妙なカーブをベニヤで囲む事などできず、仮にできてもまた重くなるでしょう。
私は色々な布や新聞紙など試しましたがスチロールと馴染まず接着はしません。
ところが、日本から割れ物を包んで来た和紙は蝋、ろう、が混ざって水分を弾くと考えてスチロールに和紙をエボキシで貼り付けると、なんと、見事に和紙と硬化しました。元来、企業秘密にするくらいの発見でした。それで木枠で固めた発泡スチロールをまずは和紙をノリで貼り付けその上からエボキシで固めるのです。
これで片方の船体は、約800キログラムの十二分の浮力を持つ計算です。
重さは約50キログラムと重いのですが、これは水上に浮かべると問題はないと考えました。同じような物をもうひとつ片方に作ります。作業は慣れてきましたが、使うエボキシの量は半端なく、暑さと両方で大変でした。
同じような要領でメインハルも水蜜にする為にスチロールを入れて軽い木材で覆い込みました。これで充分問題は除去されて後は舵の取り付けの工事が残しています。この舵は日本で取りつけ金具を持参して次回以降に完成予定です。
船の停駐について
一口で船を持つといえばなかなか体裁の良いように聞こえますが、自分自身で船の停伯の装置と準備をしようとすると少し大変です。皆はお金でそれを澄ませようとして業者に依頼する人も多くのですが、それではいつまでたっても業者任せとなり、苦労して覚えた知識や技術とは言えません。また、バリのはそのような業者などいません。アンカーや水に沈む木綿ロープや浮きブイなど日本から持ち込み、バリの方法でなく、岸辺から船を楽に寄せられる方法で停駐アンカーをうたねばなりません。
そのような係留方法にするために特有のアンカーロープの作り方があります。それをバックの効かないヨットでアンカーを打ち係船ロープを取り岸辺にベグなどを打ち込むのは、多分1日作業になるでしょう。これが嫌になるときヨットから手を引く頃になると思うのでです。
最初に・セールのトリムについて。
ヨットのセールのトリムについてGPSのようなものか?とのコメントがありましたが、ずいぶん違いますので説明します。トリムというのは喩えば飛行機が離陸する時、主翼がへの字の形となり、この形が風を強く受けると上への揚力がかかり機体は空中に浮かびはじめます。
この、へ、の字の角度が程度の差はありますが、強いほど揚力は強くなります。
逆に主翼がフラットなーの形になると飛行機は自らの重みで下に下がります。飛行機が空中に一定の高さで飛ぶのは主翼と尾翼のへの字の角度の調整が必要です。
このへの字の調整をトリムといいます。
またF1のような車の後方についている羽根のようなウイングがありますが、これはスタビラザー、安定化する物、とも呼ばれいます。この羽根もやはり微かにへの字になっています。これは後方がわずかに上への揚力を生み出し、ダウンホースという前輪の接地力を生み出し、ハンドルさばきにはとても大事な調整、トリム、をしています。
また空を飛ぶ鳥の羽根も、断面図にすればへの字になりその揚力で空を飛びます。
ヨットのセールを真上からみると、やはりなだらかなへの字になっています。それで大体風に対して45度ぐらいに走れるようになっています。しかし、それでは横流れしながら走るのでセンターボードという板やキールで横流れを防止して風に対して45度ぐらいに走ります。
だから目的地が真っ正面、即ち風に対して0度なら、く、の字を描きながら走ります。この時、船は風の方に傾きながら走ります。この傾きをヒールといい、この走り方をタッキングと言います。タックとはズボンの裾を縫う形に似ている走り方です。
船造り2
その改造
テスト走行は順風で波も穏やか時でした。しかし、少し風が強くなってくると風上に走る時にヒールと言う船の傾きに片方の浮力が耐えられず、走りは速いけど風が突然強くなるブローが来たら片方の浮力体が前方から水中に沈み、放置していると船は水中に潜り、結果的には後ろ側が持ち上がりそのまま、さかとんぼのようにひっくり返ってしまいます、それをヨットが沈してしまうと言います、通称このようなひっくり返り方は、バウ沈といいます。船首から沈む形のひっくり返るからです。
私はずいぶん昔、ホビーキャットと言う双胴船の購入にあたり、試験的にどの程度が限界かが知りたくて限界近くまでセールをトリムして、半ば意識してバウ沈させました。
むろんマストは海中に逆さまになっており、3名で船を起こしましたが大変でした。ですからサイドフロートの浮力を大きくする必要がありました。
次にメインとなる真ん中のFRBの船体ですが、自動排水弁装置のようなものが普通の小さな船にでも着いていて、船内に溜まった水を海に流れる仕組みになっています。これがないので船の中に入った水をコップやヒシャクで汲み取り海に捨てなくてはなりません。
自動排水弁といっても大雑把な物で、最も確実なのは水密構造にして、発泡スチロールで埋めて木材で覆い込むのです。そうすると万一沈した場合でも全ての船体は浮かび、もとに戻しやすいのです。
色々な試行錯誤
当初、竹が曲がりやすかったのでサイドフロートを発泡スチロールを詰めて竹でカバーしました。
文字で書くと数行で済みますが、竹を細くして船形に沿って張って行くのはよほどの苦労でした。
そしてやっと出来てテスト走行をするとやたらに船が重く、船脚がドット下がりました。
船、とくにヨットは軽くて強いほど良く、最近のレーサーヨットはカーボンが素材にされているようですが、普通のヨットは素材がとても高くなるのでFRPで作ります。
竹のフロートとなる左右の船体は、取り外してすぐに竹の解体とゴミ処理をするように伝えて私が淡々と壊しかけますと、ヘルパー達はその竹をもったいないから貰うというので壊すのをやめました。私の癖で、いくら苦労して作った物でも、ダメな物はさっさと捨てるかしてしまうのです。そうする事によって次に新しい工夫がしやすくなる為でしょう。
私の研究でもそうでした。それなりの独自性はあったのですが、汎用性がないと考えると、それまでの研究は全ての捨ててしまい新しい方向に向かうのです。
だから、左右の船体は、また0からはじめて、発泡スチロールで形づくり、その枠を木材で囲う事が色々な点からベストと考えました。しかし、大きな問題は発泡スチロールを強いものにする為にエボキシで固めようとしても固まらないのです。
発泡スチロールはエボキシと馴染ます、接着面が溶けてしまうのです。だからスチロールの上からじかにエボキシで強化する事はできません。
色々考えました。一番先に浮かんだのは薄いベニヤでフロートを囲みその上からエボキシをコーティングする方法ですが、とても微妙なカーブをベニヤで囲む事などできず、仮にできてもまた重くなるでしょう。
私は色々な布や新聞紙など試しましたがスチロールと馴染まず接着はしません。
ところが、日本から割れ物を包んで来た和紙は蝋、ろう、が混ざって水分を弾くと考えてスチロールに和紙をエボキシで貼り付けると、なんと、見事に和紙と硬化しました。元来、企業秘密にするくらいの発見でした。それで木枠で固めた発泡スチロールをまずは和紙をノリで貼り付けその上からエボキシで固めるのです。
これで片方の船体は、約800キログラムの十二分の浮力を持つ計算です。
重さは約50キログラムと重いのですが、これは水上に浮かべると問題はないと考えました。同じような物をもうひとつ片方に作ります。作業は慣れてきましたが、使うエボキシの量は半端なく、暑さと両方で大変でした。
同じような要領でメインハルも水蜜にする為にスチロールを入れて軽い木材で覆い込みました。これで充分問題は除去されて後は舵の取り付けの工事が残しています。この舵は日本で取りつけ金具を持参して次回以降に完成予定です。
船の停駐について
一口で船を持つといえばなかなか体裁の良いように聞こえますが、自分自身で船の停伯の装置と準備をしようとすると少し大変です。皆はお金でそれを澄ませようとして業者に依頼する人も多くのですが、それではいつまでたっても業者任せとなり、苦労して覚えた知識や技術とは言えません。また、バリのはそのような業者などいません。アンカーや水に沈む木綿ロープや浮きブイなど日本から持ち込み、バリの方法でなく、岸辺から船を楽に寄せられる方法で停駐アンカーをうたねばなりません。
そのような係留方法にするために特有のアンカーロープの作り方があります。それをバックの効かないヨットでアンカーを打ち係船ロープを取り岸辺にベグなどを打ち込むのは、多分1日作業になるでしょう。これが嫌になるときヨットから手を引く頃になると思うのでです。