戦場の報道者

邦人が異国で拘束されるというニュースを聞く度に思う。

「私は一生、日本から出ないぞ」と。

そりゃね。男なら広い世界を見ないといかんと思いますよ。そういうこと言う人の気持ちもわかる。人生は一度しかないからね。でもその一度しかない人生があっさりと無くなってしまう可能性だって大いにあるわけですよ。

報道の人は紛争地域に行ったとしても何もされないみたいな話を聞くけど、それって本当なのかしら。戦場に「中立」ってＯＫなの？　私がその紛争地域の兵士で、異国の報道カメラマンなんかが近づいてきたら、まず用心をしますけどね。構えているカメラのレンズの裏に、銃口が隠れていないという保証はないもん。

一瞬の油断が命取りになる状況で「中立だよー。敵じゃないよー」と近づいてくる知らないヤツを信用できるかって話ですよ。囮という危険性も。だから戦場を駆けずり回る報道者をすごいとは思うけど、あこがれなんかは絶対に出てこないんだよなあ。

住めば都と言うけれど、生まれも育ちも日本人の私に言わせれば、日本はいい国だよ。色々と問題は多いけど、よっぽどじゃないかぎり明日死ぬかもなんて危険性はないからね。まあ、ここ数年そういった「よっぽど」がチラチラと顔を覗かせているけどさ。

命あっての物種だよ、本当にさ。