私はこの映画をみるにあたって、山田洋次監督の作品なので、母親とその娘たちが織り成す親子の絆を描いた作品なのだろうと、勝手に判断していた。
観ていくにつれ、確かに、親子の絆を描いてはいるが、
この映画の本質は、吉永小百合演じる「母べえ」の人生をとおして我々に投げかけられる、強烈な反戦のメッセージなのであることに気付かされる。
戦闘シーンなど一切使っていない、ある親子の人生をとらえた、戦争とはいかに大切なものを失ってしまうのか・・・そしてそれは二度と帰ってはこないものなのだということを痛切に描き切っている。
昭和15年1月・・。
東京のとある街、野上家は、「父べえ」「母(かあ)べえ」「初べえ」「照べえ」
の四人家族。お互いの呼び名の下に「べえ」を付けて呼ぶようにしたのは、ユーモアの好きな父べえが考え出したこと・・・。
仲睦まじい家族であったが、昭和15年2月、父べえが治安維持法違反で検挙されてしまった!
いわゆる「思想犯」というやつである。当時日中戦争は「聖戦」と呼ばなくてはならず、「戦争」と書くだけで思想犯扱い、反対でもしようものなら、「国賊」「売国奴」と言われた時代であった。
なかなか面会の許可が下りずに、野上家には暗い日々が続いていたところ、
ある日、父べえの昔の教え子である山崎(浅野忠信)が訪ねて来た。
不器用だが実直な山崎は「山ちゃん」と呼ばれ、野上家にはなくてはならない人になってゆく・・。
東京で絵の勉強をしている、父べえの妹、久子(檀れい)おばちゃんも食事や雑事の手伝いをしに来てくれるようになり、野上家は父べえのいない穴を、なんとか見えないように暮らしていた・・・。
この映画は、最期まで観ていただけば解ると思うが、強烈な反戦メッセージを持っている。反戦映画と言っても過言ではないだろう。
山田洋次監督が、このように強烈な反戦の意をあらわした映画を、私は観たことがない。
ラストの「君はいつも5時半に起き・・・」涙を禁じ得ない・・。
私にとって、山田洋次監督の映画で、最も好きな作品になった!
山田監督、素晴らしい映画を、有難うございます。何度も、何度も、観たい映画です・・。
監督 山田洋次
出演 吉永小百合
浅野忠信
檀れい
志田未来
佐藤未来
坂東三津五郎
笑福亭鶴瓶
笹野高史
中村梅之助
大滝秀治 他
観ていくにつれ、確かに、親子の絆を描いてはいるが、
この映画の本質は、吉永小百合演じる「母べえ」の人生をとおして我々に投げかけられる、強烈な反戦のメッセージなのであることに気付かされる。
戦闘シーンなど一切使っていない、ある親子の人生をとらえた、戦争とはいかに大切なものを失ってしまうのか・・・そしてそれは二度と帰ってはこないものなのだということを痛切に描き切っている。
昭和15年1月・・。
東京のとある街、野上家は、「父べえ」「母(かあ)べえ」「初べえ」「照べえ」
の四人家族。お互いの呼び名の下に「べえ」を付けて呼ぶようにしたのは、ユーモアの好きな父べえが考え出したこと・・・。
仲睦まじい家族であったが、昭和15年2月、父べえが治安維持法違反で検挙されてしまった!
いわゆる「思想犯」というやつである。当時日中戦争は「聖戦」と呼ばなくてはならず、「戦争」と書くだけで思想犯扱い、反対でもしようものなら、「国賊」「売国奴」と言われた時代であった。
なかなか面会の許可が下りずに、野上家には暗い日々が続いていたところ、
ある日、父べえの昔の教え子である山崎(浅野忠信)が訪ねて来た。
不器用だが実直な山崎は「山ちゃん」と呼ばれ、野上家にはなくてはならない人になってゆく・・。
東京で絵の勉強をしている、父べえの妹、久子(檀れい)おばちゃんも食事や雑事の手伝いをしに来てくれるようになり、野上家は父べえのいない穴を、なんとか見えないように暮らしていた・・・。
この映画は、最期まで観ていただけば解ると思うが、強烈な反戦メッセージを持っている。反戦映画と言っても過言ではないだろう。
山田洋次監督が、このように強烈な反戦の意をあらわした映画を、私は観たことがない。
ラストの「君はいつも5時半に起き・・・」涙を禁じ得ない・・。
私にとって、山田洋次監督の映画で、最も好きな作品になった!
山田監督、素晴らしい映画を、有難うございます。何度も、何度も、観たい映画です・・。
監督 山田洋次
出演 吉永小百合
浅野忠信
檀れい
志田未来
佐藤未来
坂東三津五郎
笑福亭鶴瓶
笹野高史
中村梅之助
大滝秀治 他